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またまたオーディオ・チェック盤

これも当時オーディオ・チェックに最適ということで色々なところで使われたオーディオ・チェック盤です。

P114 『オルフ カルミナ・ブラーナ』(1984年rec. ドイツ・グラモフォン/ポリドール)です。演奏は、ジェイムス・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団、ジューン・アンダーソン(ソプラノ)、フィリップ・クリーチ(テノール)、ベント・ヴァイクル(バリトン)、シカゴ交響合唱団、クレン・エリン児童合唱団です。私が持っているのは国内盤です。

これは大編成のオーケストラと大合唱団の全奏時の解像度/分解能を聴くアルバムです。解像度/分解能というのは、全部が一斉に鳴った時に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、金管群、木管群、打楽器、混成4部合唱の位置がきちんと分離して聴こえるかどうかということです。解像度が悪いとモヤモヤと全体的に鳴っているようにしか聴こえません。

最高の解像度ならば各楽器の人数や合唱団の各パートの人数が判別できます。ってのはちょっと大袈裟ですが、まあでも似たようなことをオーディオ評論家の皆さんはおっしゃいます。「このアンプはヴァイオリンの弦の一本一本が見えるようだ。」とか、「このCDプレーヤーは大音響の中で鳴るフルートの音がはっきり聴こえる。」とか(笑)。

ハイライトはやっぱり冒頭の大迫力全奏だと思います。実はこの部分、TVで効果音として時々使われるんですよ。ほとんどの人はこの曲が何か知らずに聴いているはずです。どういうシーンで使われるかというと、風雲急を告げるシーン、バックにこれが流れるといやが上にも切羽詰まった雰囲気が高まります。

これです。世界の小澤征爾の指揮でどうぞ。

ねっ、冒頭の部分だけは皆さん聴いたことがあるでしょ。これをオーディオで大音量で聴けば恐ろしく迫力があります。曲自体はなかなか面白いので飽きずに最後まで聴けてしまったりします。

このアルバムは当時のCDの優秀性を表す格好のものでした。レコードをカートリッジで再生するとオーケストラと大合唱団のフォルテシモを正確にトレースする事自体が難しくて、それではカートリッジのトレース能力チェックになってしまい、その後ろのオーディオ機器のチェックどころではなくなります。またレコード自体に収録できる音も、ダイナミックレンジの制限を受けているのは言うまでもありません。

CDでは一切その心配はなく、録音されている広いダイナミックレンジがそのまま出てくるので、後ろのオーディオ・チェックではそのダイナミックレンジをいかに殺さずに再現できるかチェックできるというわけです。デジタル録音がその広いダイナミックレンジに一役買っているというのもあります。

CD時代になってやっと、こういうクラシックに対応できるようになったというのが、当時のオーディオの売りで、オーディオ・メーカーは広いダイナミックレンジを競うようになります。しかしオーディオ業界のこういう思惑とは裏腹に、音質的なことはそっちのけで、その後CDは扱いやすさという点で普及してしまうことになります。それ以降は扱いやすさということのみが重要になり、音質そっちのけで進化した成れの果てが今のMP3プレーヤーというわけ。

TVで言えばアナログ放送とハイビジョン放送の違いということになります。映像のほうはやれ4KTVだとか言っているのに、どうも音声のほうはそういうことに拘わらない人が多いようです。SACDなんて一向に普及しませんからね。まあ私は4KTVにはかなり懐疑的です。

色々言ってますが、YouTubeを小型イヤホンで聴いても音楽はちゃんと楽しめますね。これで十分と言えば十分だったりして(笑)。まっ、オーディオなんてそんなものです。秋葉原の変遷を約30年間見てきた私ですが、オーディオ界の変遷を約40年間見てきた私からすれば、秋葉原の変遷なんてかわいいものですよ(笑)。

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