« やっぱこの頃のステップス・アヘッドはカッコ良かった! | トップページ | JA-S75のメンテナンス その6 »

なかなかしっかりした作りになっています。

新譜紹介です。

P100 ギラッド・ヘクセルマン『ディス・ジャスト・イン』(2011,2年rec. JAZZ VILLAGE)です。メンバーは、ギラッド・ヘクセルマン(g,syn,glockenspiel)、ジョー・マーティン(b)、マーカス・ギルモア(ds)、マーク・ターナー(ts)3,9,13です。前作と同メンバー。前作がなかなか良かったのでこれも買ってみました。

前作についてはこちら ⇒ ギラッド・ヘクセルマンの堅実な1枚

全13曲ですが、内5曲は1分未満のイントロのような曲なので実質8曲、その中の3曲にマーク・ターナーが参加しています。前作では8曲中4曲にターナーが参加していたので、今回はターナーへの依存度が少し減った感じなのか? 11曲をヘクセルマンが作曲。残る2曲はドン・グロルニックとアラン・パーソンズ・プロジェクトの曲なのでかなりマニアック。

この人のギターは地味目で自己主張はそれほど強くないのですが、なかなか繊細で落ち着いた演奏を聴かせくれます。ちょっと神経質そうな部分が無きにしもあらずですけれど、それは今時のデリカシーか? 

1曲目のようにイスラエル出身ならではのエスニックなメロディーがあります。私は7曲目《マーチ・オブ・ザ・サッド・ワンズ》がお気に入り。この哀愁感は胸に染みますね。このあたりはユダヤと日本のマイナー・メロディーの共感ポイントなのかもしれないです。

《ニュースフラッシュ#1》~《ニュースフラッシュ#5》は前述のとおりの短い曲で、多重録音もさり気なく入れてちょっとしたアクセントになっています。他の曲でも曲によっては隠し味的に多重録音が入っていたりすることから、アレンジへの拘りも感じられます。

ギルモアのドラミングが良いです。繊細にフォローしつつ強靭にプッシュしてきます。今時の優秀ドラマーならではの技だと思います。マーティンはそこに付かず離れず、きっちり追随して支え、トリオとしてのまとまりはとても良いと思います。3人に加わってきちんと存在感を見せるターナー。相変わらず個性的で説得力のあるテナーを吹いていますね。

9曲目《ナッシング・パーソネル》、どこかで聴いたことのあるメロディーなんですけれど思い出せません。ということで、YouTubeに曲名を入れて検索。あらまっ、昨日の記事でもちょっぴり触れているマイケル・ブレッカーの初リーダー・アルバムが出てきました。そうか~、マイケル、メセニーでこの曲をやっていたんでしたね。久しぶりに聴きました。ドングロらしい曲はちょっと変わったメロディーで耳に残ります。

やっぱり雰囲気が全然違いますね。あちらは4ビート基調でディジョネットらしい切れ味鋭いビートを刻んでいるんですが、こちらはギルモアのもっとフレキシブルなリズム処理。このビート感の違いが現代性なのだろうと思います。あちらのモロにマイケル&メセニーはもちろん大好きなのですが、こちらのターナー&ヘクセルマンもなかなか良いです。2人の掛け合いで進むところには工夫も感じます。是非聴き比べていただきたい。

もう1つの他人の曲、アラン・パーソンズ・プロジェクトの《アイ・イン・ザ・スカイ》も哀愁感がある良い曲で、アルバムの中に上手く溶け込んでいます。上記の曲と合わせてこれらの曲を選ぶヘクセルマンのセンス、私は好きです。

ヘクセルマンのギターは前作より深みを増しているように感じました。話題性となると乏しいような気がしますが、じっくり味わえる内容と言って良いのではないでしょうか。

アルバム名:『THIS JUST IN』
メンバー:
Gilad Hekselman(g, syn, glockenspiel)
Joe Martin(b)
Marcus Gilmore(ds)
Mark Turner(ts)3,9,13

|

« やっぱこの頃のステップス・アヘッドはカッコ良かった! | トップページ | JA-S75のメンテナンス その6 »

ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

このアルバムも同じ編成で2枚目(だったかな)だと思いましたが、前作もマーク・ターナーが一部の曲に参加だったと思います。

繊細で少々地味なんだけど、ギタートリオでも全然オーケーの寂しくない十分なサウンドで、サックスも自然に参加しているようでもあり、スーっと心に入ってくる1枚ではありました。今後も楽しみです。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2013年7月 8日 (月) 08時23分

910さん

こんばんは。
はい、同じ編成の2作目ですね。
ギター・トリオでしっかり聴かせてくれていると思います。
そこに数曲でターナーが華を添えていて、出しゃばり過ぎないところが良い感じです。
トピックはないけれど、これも良いジャズだと思います。
確かに今後も楽しみですね。
TBありがとうございました。

投稿: いっき | 2013年7月 8日 (月) 20時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: なかなかしっかりした作りになっています。:

» This Just In/Gilad Hekselman [ジャズCDの個人ページBlog]
Gilad Hekselmanは、繊細な印象を受けるギタリストだけど、このアルバ [続きを読む]

受信: 2013年7月 8日 (月) 08時20分

« やっぱこの頃のステップス・アヘッドはカッコ良かった! | トップページ | JA-S75のメンテナンス その6 »