好感触現代バップ
これもやっておかないといけませんね。今日は新譜紹介です。今はちょっと狭間なのですが、これから聴きたい新譜がたくさん出るので楽しみです。
ジム・スナイデロの『ストリーム・オブ・コンシャスネス』(2012年rec. SAVANT)です。メンバーは、ジム・スナイデロ(as)、ポール・ボレーンバック(el-g,ac-g)、リンダ・オー(b)、ルディ・ロイストン(ds)です。これはデイヴ・ダグラスの新譜と同じリンダー・オー&ルディ・ロイストン・コンビ目当てで買いました。
私は今リンダー・オーびいきなので、この人が入っているとついつい買いたくなってしまいます。ジャケットは枯山水ですよね。昔修学旅行で行った龍安寺の枯山水を思い出してしまいました(笑)。タイトル「意識の流れ」にかけたものなのでしょう。
あまり期待せずに買ったのですがなかなか良いです。まずはこれまで全くフォローしてこなかったスナイデロのアルト・サックスの音色が素敵。非常に抜けが良くブライトな音色を聴いているだけで胸が”スカッ”とします。良い音色で淀みなくスラスラとフレーズを発するスナイデロは聴く価値あり。バラード調の演奏もとても落ち着いていて安心して演奏に浸れるのが◎。
全曲スナイデロのオリジナル曲、ギターとのカルテットなので、コンテンポラリーな曲調になっています。ともすると軽くなってしまいがちな編成において、オー&ロイストン・コンビの重量級リズムがそうなるのを抑えています。ガッチリ&ドッシリしたリズムはジャズの肝です。これがあるからジャズに留まるのであって、軽くなるとフュージョンになっちゃいます。
ギターのボレーンバックは特に特徴があるわけではありませんが、オーソドックスで落ち着いたギターを弾いています。エレクトリックもアコースティックも上手いです。スナイデロの明るい音色に良く寄り添って演奏に華を添えています。
スナイデロは3人の若いメンバーに刺激を受けてこのアルバムを吹き込んだようです。確かにスナイデロは溌剌としたプレーをしているように思います。曲はコンテンポラリーで中庸な雰囲気、変に難解でも変に俗っぽくもありません。私はこの風合いがとても気に入っています。安心して聴ける現代バップに仕上がっていると思います。
SAVANTレーベルってこういうアルバムを作らせると上手いですよね。決してキャッチーさはないですけれど、ある程度長くジャスを聴いている人には分かるクオリティをさり気なく聴かせる好アルバムが多いように思います。地味渋レーベル(笑)。
アルバム名:『STREAM OF CONSCIOUSNESS』
メンバー:
Jim Snidero(as)
Paul Bollenback(el-g,ac-g)
Linda Oh(b)
Rudy Royston(ds)
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