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今日はお気に入りフュージョン

タイトルはフュージョンですが、私自信はこれはジャズだと思っています。

P99 ステップス・アヘッド『マグネティック』(1986年、ELEKTRA)です。メンバーは、マイク・マイニエリ(vib,keys,syn)、マイケル・ブレッカー(ts,Steiner EWI,oberheim xpander)、ウォーレン・バーンハート(p,syn)、ヴィクター・ベイリー(b)、ピーター・アースキン(ds,el-ds,per)、ロビー・キルゴア(synthesizer programming)、ケニー・カークランド(syn)、ハイラム・ブロック(g)、チャック・ローブ(g)、ポール・ジャクソン(g)、フィル・アシュレイ(synthesizer programming,synthesizer sequencing)、ダイアン・リーヴス(vo)他です。

これは私が初めて買ったステップス(・アヘッド)のレコードです。それまで興味はありつつも買いそびれていたステップス・アヘッドをとうとう買うことになった記念すべきアルバム。今にして思えばこれは大きな転機を迎えたアルバムでした。ちなみに今はここまでの6枚全てをレコードで所有しています。アルバム『N.Y.C.』からCDを買いましたがステップス・アヘッドはそれで最後。リアルタイムでは2枚しか買いませんでした。『パラドックス』は同じ頃CDを買ってその後レコードに買い換え。

さて、このアルバムがなぜ転機かというと、当初アコースティック・バンドとしてスタートしたステップスはグループ名をステップス・アヘッドと改名したあたりから、マイニエリがシンセを導入し、その使用を徐々に拡大してきて、前作ではいまいち未消化だったシンセ・プログラミングをここで大胆に使いエレクトリックなバンドとしてリニューアルしたからです。

この頃はチック・コリアのエレクトリック・バンドに象徴されるように、電子楽器インターフェース統一規格MIDIが実践投入され、生演奏にシンセ・プログラミングを同期する動きが高まった頃で、ステップス・アヘッドも当時の先端ジャズ・バンドとして当然それを導入してきたというわけです。多分エレクトリック嫌いなジャズ・ファンからはこの動きに少なからぬ反発はあったんでしょうけれど、私はこういうのは大歓迎でした。

そしてそして、何てったってマイケル・ブレッカーが今や昔懐かしきスタイナーEWI(electric wind instrument)を使った最初のアルバムがこれ。マイケルや伊藤たけしがこの楽器の開発に携わっていたんだそうで、当初手作りだったものをAKAI(日本の赤井電機)がライセンスを買って製品化したとか。当初EWIを聴いた私は面白いとは思いつつも何か違和感がありました。違和感がなくなったのはT-スクェアのアルバム『トゥルース』を聴いたあたりか、フジテレビF1中継のテーマ曲が入ったやつですね。

今このアルバムを聴くと、マイケルのEWIの使いこなしは相当なものです。とくにマイニエリとのデュオで演奏される《イン・ア・センチメンタル・ムード》は、スケールの大きい演奏になっていて、これはEWIでなければ表現できないものになっています。新しい楽器を使いこなすとはどういうことなのか?それを良く表すのがこの曲。これをライブでやった名演は『ライブ・イン・トーキョー1986』収録の同曲。こちらも必聴ですよ。

このアルバムはマイニエリ、マイケル、バーンハート、ベイリー、アースキンのコア・メンバーに多彩なゲストを迎えた豪華な作りです。ウェザー・リーポート新旧メンバーのベース&ドラムに注目。この2人もなかなか良いマッチングですね。

私は1曲目《トレインズ》の明るい推進感が好きです。正に列車(トレインズ)がグングン進んでいくようで気分がUPします。マイケルのテナー・ソロ最高!2曲目《ベイルート》のエスニックと近未来のグッド・マッチング。ヘヴィーなビートに乗って繰り広げられるソロがカッコいいです。3曲目《ケイジャン》はバンジョーが異色。シンセはザビヌルの節回しをかなり意識したもの。ウェザー・リポートが解散する頃なので意味深長。マイケルのソロはマイケル節炸裂! で、4曲目が前述の《イン・ア・センチメンタル・ムード》。これらA面4曲はかなり気に入ってます。

B面は《マグネティック・ラヴ》から。当時売出し中のダイアン・リーヴスがボーカルで参加。リズムの感じはヒップホップです。ボコーダーも入って懐かしムード。いち早くヒップホップのリズムを取り入れたあたりにステップス・アヘッドの先進性を感じます。この曲のサビのメロディーが特に好きです。2曲目の《SUMO》、オーディオ・アンプ・メーカーにも同名の会社があり、これは”スモ”ではなく、”スモー”=”相撲”とのことでした。この曲のタイトルが《相撲》なのかどうかは不明。打ち込み系リズムのエスニック曲。

3曲目《オール・ザ・ティー・イン・チャイナ》はメローなフュージョン調。チャーミングなメロディーが素敵です。やっぱり打ち込み系リズム。4曲目《サムシング・アイ・セッド》はフォーク/カントリー調バラード。こういう曲はマイケルのテナー・ソロが泣かせてくれますね。ラスト《リプライズ(マグネティック・ラヴ)》は、1曲目のサビの部分をインストゥルメンツで短くフェードアウト。

YouTubeにはこのアルバムの全曲がUPされています。
その中の2曲を貼ります。

あっさり書こうと思ったのについ力が入ってしまいました(笑)。
好きなアルバムです。
今は廃盤のようですね。

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