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なかなか強度がある音楽です。

フォローしているポルティコ・カルテットの新譜が出ると言うので、その前に持っていなかった2作目を聴いておこうと思って買いました。

P72ポルティコ・カルテット『イスラ』(2009年rec. REALWORLD)です。メンバーは、ジャック・ウィリー(sax,electronics)、ミロ・フィッツパトリック(b)、ダンカン・ベラーミ(ds,p)、ニック・マルビー(hang drums,per)です。1作目と同メンバー。3作目からはハング・ドラムの奏者が変わります。

1作目についてはこちらに書いています。
ジャズかどうかは分かりませんがこれもまた良し。

3作目についてはこちらに書いています。
ヴァージョン・アップされたポルティコ・カルテット

この2作目では少しエレクトロニクスを導入していますが3作目ほど使っていません。1作目と同様でオレゴン系の自然派音楽です。ただし何か強度が増しています。音を出す覚悟みたいなものが確固としているように聴こえるのです。アドリブも増えているような感じで、ジャズ度と言う意味では明らかにこの2作目が上回っています。

特にサックスのウィリーが気合入れてます。その精神がジャズなんですよ。ベースとドラムもそれにつられて腰が据わって聴こえます。こうなると若干存在が薄くなってしまうのが、ハング・ドラム。ハング・ドラムのエスニック感を売りにしていないようなところが感じとれます。この後ハング・ドラムの奏者が変わるのは何となく分かります。

次の3作目はエレクトロニクスの使用が増え、表面上は聴きやすくキャッチーな感じになります。多分ファンを増やすにはそれで正解だとは思います。しかしこの2作目でやっているしっかり地に足の着いた音楽の希求力は私にとってはより好ましく感じられるのです。ポルティコ・カルテットは侮れないグループだと思います。私としてはクラブジャズでも受けているとかの文脈で語ってほしくない音楽をやっていると感じます。

もう出ている新作を聴くのが楽しみです。ちょっと変わった趣向の2枚組で、1枚はライブでもう1枚はリミックス。私はこのリミックスなるのもに懐疑的なのですが、まあどんなものなのか聴いてみようとは思います。

リンク先は輸入盤ですが、日本盤も出ていますので、日本語ライナーノーツが読みたい方は日本盤をどうぞ。どうせクラブジャズ方面の人が書いていると思われるので、私は読む気がしません(笑)。

アルバム名:『ISRA』
メンバー:
Jack Wyllie(sax, electronics)
Milo Fitzpatrick(b)
Duncan Bellamy(ds, p)
Nick Mulvey(hang drums, per)

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