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春の陽射しのようなジャズ

「KOFU JAZZ STREET」で観て気に入ったデュオのアルバムを紹介します。

P48西山瞳/安ヵ川大樹DUO『エル・カント・デルス・オセルス』(2011年rec. D-musica)です。メンバーは、西山瞳(p)、安ヵ川大樹(b)。穏やかで優しい春の陽射しのような演奏が素敵なデュオです。安ヵ川がデュオ・アルバムを出すのはこれが初めてなのだとか。

西山の曲が4曲、安ヵ川の曲が4曲、ルベーン・ゴンザレスの《Coma Siento Yo》、民謡《El Cant Dels Ocells》の全10曲が収録されています。西山の曲はそこはかとなく気品が漂う淡い美メロ曲で、安ヵ川の曲はもう少し感情に訴える美メロ曲です。

冒頭、西山作《ホワイト・クラウド・マウンテン・ミノウ》は、テーマ部にどことなく《アイ・ガット・リズム》に似たメロディーが出てきます。このメロディーの陽気な雰囲気を残しつつ、澄んだ空気感が辺りを包み、そよ風が頬をなでるような演奏がとても心地良いです。2人はそんな草原で語る恋人同志なのかも。

続く安ヵ川の《Kakeroma》はどこか懐かしさが漂う曲。弓弾きがそんな情感を盛り上げてくれます。甘さに溺れない西山のピアノは、子供の頃遊んでから家に帰った時に出迎えてくれる母の優しい笑顔なのかも。

西山のバラード《ウェイティング・フォー・ノー・ワン》はどこか寂しげな雰囲気が胸に染みます。ルベーンの《Coma Siento Yo》は情熱を秘めた演奏。弓弾きが切なさを掻き立てます。5曲目安ヵ川の《ドーン》は本アルバム唯一のアップテンポの4ビート曲。軽やかでジャジーな響きに心が弾みます。私としてはこの手の曲をせめてもう1曲やってほしかったです。

東日本大震災からの復興を祈る安ヵ川の《プレイ・フォー・ジャパン》は、被災地の人々に向けられた優しい目です。頑張っている人達を優しく見守る2人の思いやりの心が音になっているようです。続くラストのタイトル曲は深い悲しみを心に持ちつつも逞しく生きていくような、秘めた強い情感が音になっています。

録音が非常に良く、2人の間にある空気感まで伝わってくるようです。穏やかで優しいものの、濃密な2人の語らいが聴けるアルバム。素敵!

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