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2013年4月

たまには懐かしいフュージョン

どうもブログを積極的に書こうと思えない今日この頃。適当にネタを探して適当に書くとしましょう。お気に入りフュージョンアルバムの紹介です。

P75 ジョー・クール『パーティ・アニマルズ』(1983年rec. CANYON)です。メンバーは、ジェフ・ミロノフ(ac-g,el-g)、ウィル・リー(el-b,vo,per)、ロブ・マウンジー(fender rhodes,vo,per)、クリス・パーカー(ds,per)です。このレコードはリアルタイムで買ったのではなく、後で中古を買ったような気がします。どうも記憶が定かではありません。

時代が時代なので、ニューヨーク・スタジオ・ミュージシャンならではの、お洒落なフュージョンになっています。お洒落と言っても決して今で言うスムース・ジャズではありません。テクニックも演奏内容もきちんと聴かせるもので、B.G.M.にしてしまうにはもったいないような気がします。

テクニックを聴かせると言っても、それを強調するような野暮なことはやっていません。同時代の和フュージョン、例えばカシオペアがテクニック重視でスクエアーがポップス感重視で売っていたのとは路線が違います。パッと聴いただけでは分からないでしょうが、聴く人が聴けば納得の演奏。この辺り、私にとっては「ジャズの本場発のフュージョンはやっぱり違うよね。」ということになるのです。

ジョー・クールのデビュー・アルバムとのこと。メンバーの4人、80年代フュージョンを知る人にとっては凄いメンバーだと分かるでしょう。当時のファースト・コールです。このグループのセカンド・アルバムが出たかどうかは知りません。私が持っているのはもちろんレコードで、このアルバムがCD化されたかどうかも不明です。

なぜかB面1曲目がタイトル曲《パーティ・アニマルズ》になっていて、この演奏に限ってはカシオペアにかなり似た雰囲気を持っています。当時のあちらと日本の微妙なシンクロ具合というのが感じられます。でもあちらはやっぱり大人なんですよね。そして和フュージョンの芯が歌謡曲なのに対して、あちらのフュージョンの芯はR&B。

このアルバム、今買おうと思ってもみつからないでしょうね。

ビックラコイタッ!このグループのライブ演奏がYouTubeに、恐るべし!
カッコいい演奏ではありませんか。この曲はアルバムに入っています。

ナベサダと共演してるし、時代ですよね。

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AU-607のメンテナンス その2

メンテナンス後、動作確認中のショートによりパワートランジスタを壊してしまったAU-607、その後の展開です。

以前AU-D607をいたぶった時に現行のパワートランジスタを使い、AU-D607を解体した後、そのパワートランジスタを保管してあることを思い出しました。取り敢えずそのパワートランジスタを乗せて遊んでみようというわけ。これをやる前に、壊したパワートランジスタの前段のトランジスタが壊れていないことは確認してあります。

東芝2SA1943/2SC5200のコンプリメンタリペアです。元々乗っていたパワートランジスタを上回る規格なので余裕で使えるでしょう。メタルキャン型のパワートランジスタを取り付けるソケットは外しました。プラスチックモールド型なのでヒートシンクの適当な穴を使ってねじ止めしてみました。熱伝導シートを挟んで取り付けますのですぐに外せます。

P73_2
次の写真はパワーアンプユニットを取り付けて下から見たところです。配線ソケットには間違わないように番号をふってあります。

P74_2
まずはアイドリング電流と出力オフセット電圧を調整します。その後オーディオ計測器とオシロスコープを使て正弦波と矩形波を入れて出力波形に異常がないことを確認。100Hz、1KHz、10KHzの正弦波で、定格出力65W以上の70Wまでクリップしませんでした。矩形波は優秀で、波形にリンギングはなくなまりも少なく、さすがにメーカー製アンプならではの特性です。

現行のプレーナ型トランジスタだから音が悪いかと言えばそんなこともなく良い音で鳴っています。このアンプは噂さ通りで良く弾む低音がかなり出ます。そのせいでバランスからいうと高音が控えめに聴こえます。古いアンプだからと言ってバカにはできません。音に古さはないです。もうこの時代にはかなりのレベルのアンプが出来てしまっていたのでしょうね。その後の色々な技術革新や素子の性能向上が音に貢献していたとしても、それ程大きなものではないように感じます。

ついでにプリアンプと爆音ノイズを発生していたフォノイコライザーの音も確認します。このアンプはプリアンプによる音の変化がわずかで、ほとんどパワーアンプの音がするように聴こえます。トーンコントロールの効きも控えめ、トーンコントロールを使ったからと言って音が曇るような現象もほとんどありません。なかなか優秀だと思います。

フォノイコライザーは初段と周辺のトランジスタを交換したので、爆音ノイズはなくなって正常動作するようになりました。トランジスタは代替品になっていますが、特に動作がおかしくなるようなことはないようです。良い音との噂でしたが、確かに特に気になるようなところはなく、レコードの良さが素直に出ているように聴こえます。

こうやってメンテナンスして聴いてみるとAU-607はなかなか良いアンプだと思います。まあ、このまま使用する気はなくて、やっぱりパワートランジスタはメタルキャン型を乗せます。パワートランジスタを取るために古いジャンクアンプを落札する手もありますが、送料込だとそれなりの値段になってしまいますよね。ここは一ひねりして現行のメタルキャン型を乗せようと思っています。

若松通商の通販ページを見ていたら、オン・セミコンダクター(モトローラの半導体部門を引き継いでいる)のMJ15022/MJ15023のコンプリメンタリペアが入手可能だからです。今でもメタルキャン型のパワートランジスタを作っていたんですね。あちらのメーカーは日本のメーカーとは違いますね。良いものはきちんと継承して作っているんですから。さて音はどうなるのでしょう。楽しみです。

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なかなか強度がある音楽です。

フォローしているポルティコ・カルテットの新譜が出ると言うので、その前に持っていなかった2作目を聴いておこうと思って買いました。

P72ポルティコ・カルテット『イスラ』(2009年rec. REALWORLD)です。メンバーは、ジャック・ウィリー(sax,electronics)、ミロ・フィッツパトリック(b)、ダンカン・ベラーミ(ds,p)、ニック・マルビー(hang drums,per)です。1作目と同メンバー。3作目からはハング・ドラムの奏者が変わります。

1作目についてはこちらに書いています。
ジャズかどうかは分かりませんがこれもまた良し。

3作目についてはこちらに書いています。
ヴァージョン・アップされたポルティコ・カルテット

この2作目では少しエレクトロニクスを導入していますが3作目ほど使っていません。1作目と同様でオレゴン系の自然派音楽です。ただし何か強度が増しています。音を出す覚悟みたいなものが確固としているように聴こえるのです。アドリブも増えているような感じで、ジャズ度と言う意味では明らかにこの2作目が上回っています。

特にサックスのウィリーが気合入れてます。その精神がジャズなんですよ。ベースとドラムもそれにつられて腰が据わって聴こえます。こうなると若干存在が薄くなってしまうのが、ハング・ドラム。ハング・ドラムのエスニック感を売りにしていないようなところが感じとれます。この後ハング・ドラムの奏者が変わるのは何となく分かります。

次の3作目はエレクトロニクスの使用が増え、表面上は聴きやすくキャッチーな感じになります。多分ファンを増やすにはそれで正解だとは思います。しかしこの2作目でやっているしっかり地に足の着いた音楽の希求力は私にとってはより好ましく感じられるのです。ポルティコ・カルテットは侮れないグループだと思います。私としてはクラブジャズでも受けているとかの文脈で語ってほしくない音楽をやっていると感じます。

もう出ている新作を聴くのが楽しみです。ちょっと変わった趣向の2枚組で、1枚はライブでもう1枚はリミックス。私はこのリミックスなるのもに懐疑的なのですが、まあどんなものなのか聴いてみようとは思います。

リンク先は輸入盤ですが、日本盤も出ていますので、日本語ライナーノーツが読みたい方は日本盤をどうぞ。どうせクラブジャズ方面の人が書いていると思われるので、私は読む気がしません(笑)。

アルバム名:『ISRA』
メンバー:
Jack Wyllie(sax, electronics)
Milo Fitzpatrick(b)
Duncan Bellamy(ds, p)
Nick Mulvey(hang drums, per)

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ビル・エバンスの流れを汲む

新譜紹介です。ポール・モチアン買いです。

P71エンリコ・ピエラヌンツィ『ライブ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』(2010年rec. CAM JAZZ)です。メンバーは、エンリコ・ピエラヌンツィ(p)、マーク・ジョンソン(b)、ポール・モチアン(ds)です。オーソドックスなピアノ・トリオ演奏のライブ録音。

ビル・エバンスが確立したジャズ・ピアノ・トリオの一つの形ですね。ピエラヌンツィの脇を固めるのは、エバンス/ラファロ/モチアンのインタープレイ最強トリオを組んだモチアンであり、エバンス・トリオの最後のメンバーだったジョンソンですから、この手のトリオ演奏としては文句ないレベルにあることは保障されたようなもの。エバンスの『ワルツ・フォー・デビィ』から49年後、同地での演奏は如何に。

エバンス/ラファロ/モチアン、既に全員が亡くなってしまいました。でもその魂は今もジャズの中に脈々と流れていると思います。先人達が遺したものからまた新たなものが生まれてきてジャズが続いていくのだろうと思います。ピエラヌンツィも昨年は新メンバーのスコット・コリー/アントニオ・サンチェスのトリオでアルバムを出しています。その録音自体は2009年だったりしますが。

ここではセロニアス・モンクの《アイ・ミーン・ユー》で始まり、ピエラヌンツィのオリジナル曲4曲に交え、スタンダード《マイ・ファニー・バレンタイン》、リー・コニッツの《サブコンシャス・リー》があり、ラストはピエラヌンツィと同じイタリア出身の作曲家ニーノ・ロータの《ラ・ドルチェ・ヴィータ》で幕を閉じるという具合になっています。

ピエラヌンツィのオリジナルはどれも哀愁を帯びつつ品を備えた良い曲ばかり、フォーマットはビル・エバンスのものであっても、そこに薫るものはピエラヌンツィに他なりません。他人の曲であっても、ピエラヌンツィが奏でればそれはもうピエラヌンツィのサウンド。こういう個性を確立した人達がジャズを彩っていくのです。

ジョンソンはピエラヌンツィ・トリオのメンバーでしたから、安定したアーティスティックなベースを弾いています。モチアンはやっぱりモチアン。独特な間合いのグルーヴでドラムを叩いています。チンチン、カンカン、ドコドコと、この人にしか出せないんですよね。これが。聴けば誰が叩いているかすぐに分かります。

目新しさはないかもしれませんが、聴けば納得のピアノ・トリオ演奏。

アルバム名:『Live At The Village Vanguard』
メンバー:
Enrico Pieranunzi(p)
Marc Johnson(b)
Paul Motian(ds)

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AU-607のメンテナンス その1

ヤフオクで落札したジャンクのサンスイAU-607をメンテナンスしました。ビクターJA-S75、トリオKA-7300Dときて3台目です。動作確認したところダメだと思っていたプリアンプも動作していました。プリアンプとメインアンプの分離スイッチが接触不良だったのです。接触不良を解消すべく何度も動かしたら問題なくなりました。フォノイコライザーはやっぱりダメで爆音ノイズが発生。

こちらにAU-607開発話があります。面白い話で今アンプをみながらそういうことだったのかと頷いています。
http://www.ishinolab.com/modules/doc_serial/audio_history_japan/serial001_010.html

こいつはかなり手の込んだコンストラクションで、入出力部とフォノイコライザー部とプリアンプ部を鉄板でシールドしています。

P60
写真のとおり、この価格帯でここまでやるのはなかなかないです。最初にメンテナンスしたJA-S75が\79,800で、次のKA-7300Dが\78,000、これが\69,800なのですが、これが一番お金がかかるコンストラクションです。サンスイが起死回生を狙って、採算度外視でつけた値段だと思われます。シールドを外すとこんな感じになります。

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実は次のAU-D607は価格据え置きの\69,800ではあったものの、上記シールドは全てなくなり(入出力基板の裏のみをカバー)、上の写真と同じ状態になりました。更にフレームやヒートシンクの黒色塗装もやめたのでした。つまり、最初のAU-607がシェアを取るための戦略価格であったのは明白ということです。下から見るとフレーム構造なのが分かります。

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プリアンプ基板(写真下方)は基板を外さずこのまま半田付けできます。パワーアンプ部はヒートシンクと一体化されたブロックになっていて、コネクタを抜けば簡単に外せます。一方フォノイコライザー基板と電源/保護回路基板は外すのに手間がかかります。

パワーアンプブロックはこんな感じです。

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初段はSONYのデュアルFET2SK97が使われています。これは今買うとかなり高い石です。なかなか凝った回路のDCアンプになっています。パワートランジスタはサンケンの2SA745A/2SC1403Aが間違いなく付いていました。

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パワーアンプ部は電解コンデンサと出力オフセット電圧調整用とアイドリング電流調整用の半固定抵抗を交換します。以前いたぶったAU-D607を捨てる前に電解コンデンサを外して保管してありましたのでそれを流用しました。

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出力オフセット電圧調整用の半固定抵抗は大まかな調整用と細かな調整用の2個が付いているところが異色。アイドリング電流調整用の半固定抵抗はしっかりしたものを使いました。半田付けも全てやりなおしました。ステレオなのでもう1個あります。

電源/保護回路基板をメンテするのはやっかいです。まずリレーを外さないと基板が取り出せません。その後コネクタとかを外して、やっと途中まで引っ張り出せます。基板を完全に分離するにはは半田付けした線を外さなければならずめんどう。今回はそこまでしませんでした。

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基板外に追加してあった電解コンデンサは電源ON時にリレーが動くまでの時間を長くするための容量増加で、どうやら最初から付いていたようです。ここは電解コンデンサを全て交換し、パワーアンプ部の整流用ダイオードを超高速タイプにしました。

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1個だけは無極性だったのに誤って有極性を入手。なので交換せずにそのままです。リレーはソケットを使います。ただしソケットを使うと、写真上の大型電解コンデンサの固定ネジが当たってしまうので、ネジにスペーサーを入れ裏へ飛び出すのを少なくすることにしました。リレーは現行品の新品に交換。半田付けも全てやりなおしました。

今回はプリアンプとフォノイコライザーもメンテすることにしました。ネットを検索していたら、このフォノイコライザーは音が良いと書かれているのがいくつかあったからです。使われている電解コンデンサもそれほど多くないので手間はかかりません。

プリアンプ部はネットで入手した回路図を基に、信号と直列に入っているもののみニチコンMUSEを使用しました。2個直列の物は無極性の1個に置き換えています。半田付けも全てやりなおしました。

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フォノイコライザーは爆音ノイズが発生したので、初段の差動アンプと周辺の足が真っ黒だったトランジスタを交換しました。同じ型番のものは製造中止なので入手可能なものに変えています。差動アンプの2SA906は2SA872AEへ、周辺の2SA726、2SC1400はそれぞれ2SA872AE、2SC1775AEにしました。代替品は特性が全く同じではありませんが大丈夫でしょう。若松通商でペア品を購入。電解コンデンサはプリアンプ部と同様で、信号と直列に入っているものはMUSEにしました。半田付けも増幅部は全てやりなおしました。

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フロントパネルを外して切換スイッチの延長ジョイントを外さないとここまで分解できません。入出力コネクタとはフラットケーブルで接続されています。何度も動かすとフラットケーブルの基板挿入部が折れてしまうので要注意。

メイン/プリ分離入出力基板の電解コンデンサも交換しました。音声が通るのでMUSEの無極性を使用しました。

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さて、今回は色々なところに手をつけたので分解して一挙にやりました。基板は全て組み付けていよいよ電源ONです。最初にパワーアンプのアイドリング電流が異常に流れていないことを確認します。次に電源電圧のチェック。ここで大失敗をやらかしました!!

基板の裏側にテスター棒をあてていると突然”バジッ”と火花が・・・。マイナス電源端子の近くにあったパワートランジスタの出力部にショートさせてしまったのです。ヒューズが焼き切れました。単なるショートだろうと思い、ヒューズを交換して電源ON。すぐにヒューズが焼き切れました。

う~む、これはパワートランジスタが逝ってしまったに違いありません。パワートランジスタを外して、秋月電子で売っている半導体アナライザDCA55でチェック。案の定2SC1403Aがショートサーキット(短絡)でした(涙)。貴重なパワートランジスタを逝かせてしまったのです。う~ぅぅぅ・・・。ガッカリ。

困りました。もう一度AU-607のジャンクを落札してパワートランジスタを取るか?それとも別な音が良さそうなパワートランジスタが乗ったジャンクアンプを落札してパワートランジスタを乗せ替えるか?ヤフオクに都合良くほしいアンプが出るとは限らないわけで、どうしましょ。悩みどころです。ふぅ。

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カッコつけてるよね。類家さん!

「KOFU JAZZ STREET」で観て気に入ったので買いました。

P59類家心平4ピース・バンド『セクターb』(2011年rec. PROJECT LAMU Inc)です。メンバーは、類家心平(tp)、ハクエイ・キム(p)、鉄井孝司(b)、吉岡大輔(ds)です。「KOFU JAZZ STREET」で観たと時とはピアノが異なっています。キムは自分自身の活動が忙しいでしょうからメンバーから抜けたのかもしれません。

類家はジャケット写真のとおり今時の若者です。カッコつけてるよね(笑)。演奏もカッコつけてます。悪い意味ではありません。私はこの人にリー・モーガンにも似たやんちゃな匂いを感じ、そこが良いと思っています。表現に対しては真摯だと思いますが、排他的ではなくてエンターテインメント性を持っています。魅せることを忘れていないんです。

ライブではそれが良く分かるのですが、こういうスタジオ録音のアルバムではその全貌が捉えきれない部分があるように思います。とは言ってもアルバムには類家の魅力がたくさん詰まっています。尖がったオープン・トランペットの激しい吹奏からミュート・トランペットの哀愁まで、ダイナミックレンジも広いと思います。

4曲が類家の曲、1曲が菊地成孔の曲、1曲がレディー・ガガの曲、1曲が三輪裕也(私は未知)の曲で全7曲が収録されています。

冒頭《オブセッション》はドラムンベースのリズムに乗って鋭いトランペットから入ります。モーダルな曲はちょっとミステリアスで不穏なムード。クラブミュージックも意識下にあると思われる今時のカッコ良さですね。キムのピアノ・ソロも鋭さを維持。ライブで聴くともっと迫力があります。

続く《GL/JM》は4ビートで始まるモーダルな曲。60年代末のマイルスを意識しているように聴こえます。と思ったら菊地の曲だったんですよね。どうして菊地はこうもベタになっちゃうんでしょう。そこが取り柄だからしょうがないか(笑)。ちなみにこのアルバムのプロデューサーは菊地成孔です。

次の《カオティック・テリトリーIV》は、高速4ビートに乗ってひたすら疾走する類家がカッコいい。キムも負けじと尖がったピアノ・ソロをとります。これはストレートなバップ。力いっぱい吹き切る類家はライブで観るとその熱さがビシビシと伝わってきます。

4曲目《ポーカー・フェイス》はレディー・ガガの曲。前半はキムとのデュオです。類家のリリカルなミュートは儚げで寂しげで、胸にじんわりきます。キムのピアノも美しくやさしく響きます。ここまで3曲飛ばしてきたのでその熱を冷ます感じ。

5曲目《ATOM》は三輪裕也の曲。曲は《タイム・アフター・タイム》に似ています。マイルスがやった《タイム・アフター・タイム》がオーバーラップしてきます。これはプロデューサーの菊地がマイルスを意識して類家にやらせたのではないかと勘繰りますね(笑)。切ない良い曲で私はこの曲が好き。

6曲目《フロー》は、なんとなく「ミッション・イン・ポッシブル」のテーマを思い浮かべます。なかなかカッコいい曲ですよ。こういう曲をやるところに類家のエンターテインメント性が出ていると思います。勢いに乗った演奏がスリリング。

ラスト《Coerulea》はバラード。またまたミュートが切ないです。大部分がキムとのデュオ。単に甘いのではなくリリカルで落ち着いた演奏でしっとりと聴かせてエンディングへ。

このバンドはあくまで類家のバンドですね。ベースとドラムはサポートに徹しています。ピアノのキムは対等に近い関係だと思うのですが、アルバムを聴き終えるとやっぱり主役は類家であり、キムは類家を食ってしまうようなところはありません。

カッコいい類家のトランペットはいかが。

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コンセプチュアルなジャズなのですが

気になったので買ってみました。新譜紹介です。

P58ケンドリック・スコット・オラクル『コンヴィクション』(2011年rec. CONCORD JAZZ)です。メンバーは、ケンドリック・スコット(ds,vo,syn,arrannger)、ジョー・サンダース(b)、テイラー・アイグスティ(p,fender rhodes)、マイク・モレノ(g)、ジョン・エリス(ts,b-cl)、アラン・ハンプトン(leed vo,g)(2,9)です。このバンドは初めて聴きます。前に出たアルバムとはメンバーが入れ替わったりしているとか。

タイトルが”確信/信念”ということで、スコットの人生訓をテーマにしたコンセプチュアルなアルバム。冒頭の曲ではスコットが何やら詩の朗読をしていかにもという感じです。曲名にもサブタイトルがあり、均衡、愛、平和、平等・・・といった具合。バンド名の”O”がピース・マークに似ていたりもします。私は基本的にコンセプチュアルで頭でっかちになりがちなアルバムはあまり好きではありません。

最初にこんなことを書くと、このアルバムも何やら小難しいもののように感じさせてしまいますが、サウンドは意外と軽くて今時のコンテンポラリーな聴きやすいものです。ジョシュア・レッドマンの『ジェームズ・ファーム』あたりに曲想は近いです。サウンドの裏にある心情の重みみたいなものもだいたい同じくらいに聴こえます。だいたい同世代のサウンドなんでしょうね。そしてモレノのギターが目立つのでコンテンポラリーな感じになるのだろうと思います。

曲は、James Cargill/Patricia Keenan(私は未知)、スフィアン・スティーヴンス(私は未知だがソングライターらしい)、ハビー・ハンコック、デリック・ホッジ(このアルバムのプロデューサーで、ロバート・グラスパーのバンドのベーシスト)、ウォルター・スミスⅢ、Michael Bortslap(私は未知)の曲が各1曲ずつ、スコットの曲が3曲、スコットとサンダースの共作1曲、スコットとハンプトンの共作1曲の全11曲という構成。多分スコットにとって身近な人達の曲に自分の曲を加えたものと思います。曲間がなく続けて演奏する場合もあり、テーマとソロの融合具合とか、色々工夫されています。

先に書いたとおりで、モレノのギターがリードする爽やかで軽やかな雰囲気の楽曲が多いです。フォーキーなものもあります。コンセプトから言ったら、もっと尖がって熱く燃えるサウンドでも良い気がするのですが、このくらいの軽さになってしまうところが今時の人なのかもしれません。ラストはアイグスティのピアノ・ソロで優しく終了。この曲のサブタイトルは”パッション(情熱)”なんですよね。う~む、よく分からない。

アイグスティとエリスの2人、特にエリスは登場しない曲もあったりして、この2人の存在感がいまいち薄めです。個性が希薄で演奏が”サラッ”と流れて行ってしまうようなことろがあるんですよね。まあこんな具合でサウンド自体が軽いため、重みを持たせようということなのでしょうか?ベースとバスドラの低音部分をかなり強調してあります。これが私のようなオーディオ好きにとっては違和感あり。

色々書いていますが、私はこのコンテンポラリーなサウンドが結構好きです。良くも悪くも”しょう油系”なアルバム。

アルバム名:『CONVICTION』
メンバー:
Kendrick Scott (ds, vo, syn, arranger)
Joe Sanders(b)
Taylor Eigsti (p, fender rhodes)
Mike Moreno (g)
John Ellis (ts, b-cl)
Alan Hampton (leed vo, g) 2,9

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KA-7300Dのメンテナンンス

ヤフオクで落札したジャンクのトリオ(現ケンウッド)KA-7300Dをメンテナンスしました。ジャンクと言っても音は出ていましたからそれほど手間はかかっていません。

中身を見てみるとなかなか凝った構造です。

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パワーアンプ部と電源部はヒートシンクを有効活用し鉄板でつないでシールド。フォノイコライザーは写真右上の入力ジャック基板に実装されています。フォノの微弱信号は最短距離で等価増幅できるという仕掛けです。プリアンプ部は写真下の全面パネルの裏側基板に集約。無駄が少ない合理的な構造だと思います。

下から見ると、前にメンテしたビクターのJA-S75のようにシャーシに全て取り付けるのではなく、フレームに取り付けているのがよくわかります。

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コード類も整然と配線されています。パワーアンプ部と電源部は1枚の基板で、裏から簡単にアクセスできて、この部分はメンテナンス性が良いです。コンストラクションはビクターよりトリオのほうが優れているように思います。ただし製造するのには手間がかかるでしょう。

パワートランジスタはサンケンの2SA747/2SC1116が間違いなく入っていました。

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ドライブ段のトランジスタは結露で真っ黒。他のトランジスタもほとんどが結露で脚が真っ黒。これでも動作していますし、新品に交換するとなると同じものは製造中止品ばかりなので代替トランジスタにしなければならず、更に差動アンプ3段構成なので全てペア品を使わなければならず、面倒である上に特性の面で若干不安が残りますので当面このまま使用する予定。

(注)パワーアンプ部は前モデルKA-7300からはだいぶグレードアップしています。KA-7300が組立コストを抑えるためのパワーアンプモジュールでお茶を濁していたのとは大違い。ディスクリートで組んだ方が制限事項が少なく、細かく音を追い込めるのですから音が良いに決まっています。KA-7300DのDCアンプは非常に凝った回路設計です。

プリアンプ部とパワーアンプ部を分離して使用できるようになっています。昔はこの分離機能を持たせたものが結構ありました。これも使用目的はパワーアンプなので、パワーアンプ部の劣化しやすい部品のみ交換しました。

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アイドリング電流調整用の半固定抵抗が固定抵抗になっていたのでここは半固定抵抗に戻して調整できるようにしました。基板の穴と半固定抵抗の足が合うものは入手不可。なのでちょっと工夫して実装してあります。出力オフセット電圧調整用の半固定抵抗も新品に交換しました。

電解コンデンサはパワーアンプ回路にはたった4個(片チャンネル)しかありません。小型電解コンデンサはスピーカー保護リレーの駆動回路他を含めて全部で12個しかないという物足りなさでした(笑)。電解コンデンサは音響用ではなく汎用品に交換。特に劣化していたわけではありませんが、整流ダイオードも超高速タイプに交換。

スピーカー保護リレーは1度交換されているようでしたが、極小音量で音が出なくなるという典型的な接点劣化状態。リレーを分解して接点を掃除するのではなく新品(手持ちの基板実装タイプ)に交換。実装スペースには余裕があるので、基板実装リレーソケットとソケット実装用汎用パワーリレーの現行品も使えます。

スピーカー端子もバナナプラグが使えるものに交換しました。A系B系両方が一体化したものになっていたので全部交換。少しでも安い物にしたら灰色になってしまいました。オーディオ機器には不似合いな感じですが、これはこれで可愛くて良いと思います。入出力のRCAコネクタも磨きました。

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このアンプもゲインが高いのでパワーアンプ部の入力抵抗を大きくしてアッテネート。今回は入力フィルターを構成するコンデンサも小さくして、カットオフ周波数が低くならないように考慮しました。方形波を入力してオシロスコープで波形を確認しています。最初はコンデンサを外してしまったのですが、そうすると最大出力近辺で超高周波発信が見られ、やはりこういうところは省略してはいけないと実感。波形クリップ前最大出力は100Hz、1KHz、10KHzの正弦波でカタログ値75Wより大きい80Wが得られました。

パワーアンプとして使うのですが、いつかまたヤフオクに出品することになるかもしれないので、ひどいガリが発生していたボリュームをクリーニングすることにしました。この機種のボリュームは分解できます。

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ここまでばらさないとボリュームにアクセスできません。プリアンプ部分はメンテナンス性が良くありません。フロントのサブパネルには接点復活剤が残留していて、この手のメンテの弊害が分かります。トーンコントロール周りには多数の電解コンデンサがあります。これは音質のためには良くないでしょう。

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写真はボリュームを分解してクリーニングした後ですが、この抵抗面パターンが見えないほど真っ黒の接点復活剤か何かがこびり付いていました。私は無水アルコールでそれを除去。これでも極わずかなガリは残っています。

メンテを終えて改めて聴いてみました。この前メンテしたJA-S75のパワーアンプ部は、低音が豊かに出ていましたが反面高音はちょっと控えめで、深みがある音はどちらかと言えばクラシック向き。それに対してこのパワーアンプ部は、ダイナミック・ダンピングファクター理論の成果と言えるタイトな低音とメリハリがある中高音で、ジャズやロックを聴くにはこちらの方が良い感じです。クリアで明快な音質はなかなか良いです。

一方プリアンプを通して聴くと適度に緩くなります。パワーアンプ部のストレートな表現(私のプリアンプの音質とも言える)に対して、緊張感が明らかに落ちます。低音はより出るようになりますが高音が少々減ります。ただ明るい音なので楽しく聴けます。トーンコントロールをオンにするとさらに音がボケ、これはもう電解コンデンンサのせいでしょうね。電解コンデンサを新品に交換すれば音のボケは減るかも? まっ、プリアンプは使う予定がないのでそこまでしません。フォノイコライザーも低音が少々緩めでした。プリメインアンプとしての音は中級機なりだと思います。この辺りの価格帯はパワーアンプの方にお金や技術を投入しているものです。

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というわけで、こいつをシステムのパワーアンプに据え付けました。デザインは武骨で野暮ったいですね(笑)。狭い部屋で聴くにはこのくらいのパワーで十分過ぎます。パワーがあるトランジスタアンプは小型スピーカー12L2を闊達に鳴らしてくれるので気分が良いです。こういう音を聴くとオーディオって進歩しているのか疑問に思えてしまいます。

ちなみにメンテナンスしたからと言って格段に音が良くなるようなことはありません。ヤフオクの過大広告には気を付けましょう。そういう出品者は音の良し悪しなどよく分からないのです。単に高額で買ってほしいだけです。そしてその表現方法の幼稚さには笑ってしまうしかありません。まあ買った人は買った人で、高額を払った(メンテした)のだから良い音がするはずだと自分を思い込ませるから始末が悪い(笑)。

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アートなジャズ

新譜紹介です。メンバーが気になったので買いました。

P49トーマス・スタンコ・ニュー・ヨーク・カルテット『Wistawa』(2012年rec. ECM)です。メンバーは、トーマス・スタンコ(tp)、ダヴィ・ヴィレージェス(p)、トーマス・モーガン(b)、ジェラルド・クリーヴァー(ds)です。スタンコについては今更説明不要でしょう。ポーランド出身のジャズ・トランペッターでECMレーベルから何枚もアルバムを出しています。マルチン・ボシレフスキ・トリオがバックを固めた『サスペンディト・ナイト』は私のお気に入りです。

今回はそのメンツに注目しました。最近話題になっているキューバ人ピアニストのヴィレージェス、最早現代屈指のベーシストのモーガン、実力は折り紙つきのドラマーのクリーヴァー、3人ともECMの他人のアルバムで良い演奏を聴かせていました。この3人がスタンコのジャズをどのように表現してくれるのか?興味津々でした。結果から言ってしまうと、かなり良かったです。

全曲スタンコが作曲。クールで淡い色彩の曲が続きます。基本的には静謐ですが、曲や場面によっては盛り上がるところもあります。これはいつものスタンコ・サウンドであり独特な美学。この前紹介したチャールス・ロイドがそうであったように、スタンコも自分のサウンドを確立していて、それを飄々とやっている感じです。非常に繊細でアートなジャズです。緊張感はありますが、聴く方に極度な緊張を強いるものではありません。

これを聴いてますますモーガンが気に入ってしまいました。抜群の存在感と芸術性を聴かせています。深みがあり落ち着いたベースはここにある音楽全体を支えています。クリーヴァーは繊細なドラミング。必要にして十分な音を散りばめていきます。この人は4ビートが上手いですね。これを聴いて思ったのはジャック・ディジョネットの系譜だろうということ。意外と正統派なのです。

ヴィレージェスはあまり特徴がありません。そしてここでの演奏からはキューバ人というのは浮かびません。ヨーロッパ系のピアニストのように聴こえます。ガチガチに尖がるようなところはなく、しなやかに芸術的な音を綴っていく様はなかなかの説得力。こういう風に一見どうってことないようでいてしっかりしたピアノを弾くのって実力がないとできないんじゃないでしょうか?

スタンコが抜けてピアノ・トリオになる場面があるのですが、これが非常にしっかりしたアートなピアノ・トリオで、この3人でピアノ・トリオのアルバムを作ってもアイヒャーの基準を余裕でクリアできるのではないかと思います。かなりいいんですよ。これが。ヴィレージェス、モーガン、クリーヴァー、こういう人達の時代が来ているのでしょうね。

CD2枚はちょっと多いような気がしますが、4人の演奏はどの曲においてもだれることはないので、その日の気分で2枚のうち1枚を選んで聴けば良いのではないかと思います。ECMレーベルってジャズの芸術的な部分をしっかり記録するレーベルですよね。

アルバム名:『Wistawa』
メンバー:
Tomasz Stanko (tp)
David Virelles (p)
Thomas Morgan (b)
Gerald Cleaver (ds)

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春の陽射しのようなジャズ

「KOFU JAZZ STREET」で観て気に入ったデュオのアルバムを紹介します。

P48西山瞳/安ヵ川大樹DUO『エル・カント・デルス・オセルス』(2011年rec. D-musica)です。メンバーは、西山瞳(p)、安ヵ川大樹(b)。穏やかで優しい春の陽射しのような演奏が素敵なデュオです。安ヵ川がデュオ・アルバムを出すのはこれが初めてなのだとか。

西山の曲が4曲、安ヵ川の曲が4曲、ルベーン・ゴンザレスの《Coma Siento Yo》、民謡《El Cant Dels Ocells》の全10曲が収録されています。西山の曲はそこはかとなく気品が漂う淡い美メロ曲で、安ヵ川の曲はもう少し感情に訴える美メロ曲です。

冒頭、西山作《ホワイト・クラウド・マウンテン・ミノウ》は、テーマ部にどことなく《アイ・ガット・リズム》に似たメロディーが出てきます。このメロディーの陽気な雰囲気を残しつつ、澄んだ空気感が辺りを包み、そよ風が頬をなでるような演奏がとても心地良いです。2人はそんな草原で語る恋人同志なのかも。

続く安ヵ川の《Kakeroma》はどこか懐かしさが漂う曲。弓弾きがそんな情感を盛り上げてくれます。甘さに溺れない西山のピアノは、子供の頃遊んでから家に帰った時に出迎えてくれる母の優しい笑顔なのかも。

西山のバラード《ウェイティング・フォー・ノー・ワン》はどこか寂しげな雰囲気が胸に染みます。ルベーンの《Coma Siento Yo》は情熱を秘めた演奏。弓弾きが切なさを掻き立てます。5曲目安ヵ川の《ドーン》は本アルバム唯一のアップテンポの4ビート曲。軽やかでジャジーな響きに心が弾みます。私としてはこの手の曲をせめてもう1曲やってほしかったです。

東日本大震災からの復興を祈る安ヵ川の《プレイ・フォー・ジャパン》は、被災地の人々に向けられた優しい目です。頑張っている人達を優しく見守る2人の思いやりの心が音になっているようです。続くラストのタイトル曲は深い悲しみを心に持ちつつも逞しく生きていくような、秘めた強い情感が音になっています。

録音が非常に良く、2人の間にある空気感まで伝わってくるようです。穏やかで優しいものの、濃密な2人の語らいが聴けるアルバム。素敵!

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YouTubeにカッコいいジャズがあったぜぃ!

カッコいいジャズが聴けまっせ!

ムタン・リユニオン・カルテット。
2010年マルシアックでのライブです。

ムタン兄弟は双子です。ベースとドラム。
鍵盤はピエール・ド・ベスマン、テナーはリック・マーギッツア。
滴る汗が漢なジャズ!

このアルバムを出した年のライブです。
ジャズ・ブロガーの間で話題騒然?
やっている曲《モメンタム》はこのアルバムに入っています。

そういえばこれ以来アルバムを出していませんよね?
アルバムを出して下さいませ。

そしてこちらはジョン・ゾーン。
上と同じ年のマルシアックでのライブ。
こっれはマニアックですな~。

ジョン・ゾーンはほとんど指揮をしてますね。

ジョン・ゾーン:指揮、サックス
マーク・リボー:ギター
ジェイミー・サフト:ピアノ・オルガン
トレバー・ダン:ベース
ケニー・ウォルスン:ヴィブラホン
ジョーイ・バロン:ドラム
シロ・バプティスタ:パーカッション

このメンバーはかなりエレクトリック・マサダと被っています。
ジェイミー・サフトってZZトップみたい(笑)。

こういうジャズが観たいっす。
Tokyo Jazzではこういう人達は呼ばないでしょうね(涙)。

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ジャンクアンプを落札してしまった!

私の場合、嵌り出すと良くも悪くもとことんやってしまいます。今嵌っているのはアンプのメンテナンスですから、当然の成り行きと言いますか、お遊び道具をまたまた入手してしまいました。

P46
こんなものをオークションで落札しました。2台ともジャンクアンプとして出品されていました。説明文によれば致命的な問題はなさそうでしたし、もちろん安かったから落札しました。

まず写真下のアンプはサンスイのAU-607です。一時代を築くことになるAU07シリーズの栄えある第1号機です。このシリーズはその後型番に色んなアルファベットを追加して進化していくことになります。最後の頃には相当長い型番になっていました(笑)。今はサンスイというメーカ自体がありません。

DCアンプになった1号機でもあります。左右独立トランス/電源搭載。これまでメンテしていたJA-S75も左右独立トランス/電源だったように、私はこの方式が好きです。パワートランジスタはサンケンのメタルキャンの三重拡散メサ型で、2SA745A/2SC1043Aコンプリメンタリペア。それをシングルプッシュプルで使っています。

AU-607の次号機AU-D607は10年くらい前にオークションで落札してかなりいたぶりました。これはダイアモンド差動回路を搭載してかなり人気が出たアンプです。型番に加えられた”D”はダイアモンドの頭文字です。この回路の特徴は高スルーレート。ただしパワートランジスタがプラスチックモールドになってしまったのが残念でした。甲府に引っ越す直前にアンプをバラし、メインアンプの基板とか部品取りのために保管していたのですが、数年前に捨ててしまいました。

ジャンクということで、ライン入力からは音が出ていてフォノは雑音が大きいとのことでした。動作を確認したところ、ライン入力は左右のバランスがおかしいので、プリアンプのトランジスタ不良なのかスイッチの接触不良なのか、まあそんな感じです。フォノ入力はガサゴソいってますので、これはもうフォノイコライザーの初段あたりのトランジスタ不良でしょう。メインアンプは一応問題なく動作しているみたいです。ここがO.K.なら問題なし。中を見ると変なところに電解コンデンサが追加してありましたが、それは製造時の物だと分かりました。電源ON後スピーカー保護リレーが解除するまでの時間を延ばすための電解コンデンサです。

もう1台、写真上のアンプはトリオ(現ケンウッド)のKA-7300Dです。このアンプは人気があった左右独立トランス/電源搭載のKA-7300の後継機。DCアンプ化されています。型番末尾の”D”はDCアンプということです。このDCアンプ回路はダイナミックダンピングファクター理論を盛り込んで更に進歩しています。KA-7300はパワーアンプモジュールでしたがこちらはディスクリート構成。型番を継承していても中身は全くの別物に生まれ変わっています。

ちなみに私はパワーアンプモジュールが嫌いです。だって基本的に組み立てコストダウンのためのモジュール化なのですから。いくら音が良いと言われても信じられません。なのでKA-7300は基本的にパス(笑)。KA-7500もパワーアンプモジュールです。

こいつのパワートランジスタもサンケンのメタルキャンの三重拡散メサ型で、2SA747/2SC1116コンプリメンタリペア。このトランジスタは名石と言われているみたいで、当時の色々なアンプに使われています。シングルプッシュプルで使用。

これもジャンクということで、最初音が歪んでいたけれど、その後歪がなくなり5時間ほど問題なく音が出たというもの。動作を確認したところ、フォノもラインも問題なく音が出ていました。ボリュームにはかなりガリがありました。中を見るとアイドリング電流調整用の可変抵抗が固定抵抗になっていました。過去にメンテの手が入っているようです。それ以外はあまり手は加えてない感じ。で、驚きの事実が!

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パワートランジスタ1個の半田付けが劣化してベースが完全に浮いていたのです。これではプッシュプルの片方が動作しません。小さい音量ではありますが一応音がまともに鳴っていたようなのですが・・・。出品者の歪があったというのは多分これが原因でしょう。すぐに半田をやりなおして特に問題なく鳴っているので、この半田付け劣化によるパワートランジスタの破壊はなかったようです。ジャンクというのはこんなものです。

さて、どちらからメンテしましょうか?KA-7300Dからかな?

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じっくりデュオを聴かせてくれます。

最近の私は、ジャズ評論家が分かり切ったような語句を並べて囃し立てるアルバムより、こういうアルバムを聴いてジャズにじっくり浸るほうが心地良いです。新譜紹介。

P45チャールス・ロイド/ジェイソン・モラン『ハガーズ・ソング』(2012年rec. ECM)です。メンバーは、チャールス・ロイド(ts,as,b-fl,a-fl)、ジェイソン・モラン(p,tumbourine)です。今回はデュオ。

相方はロイド・カルテットの重要メンバーであるジェイソン・モラン。ウェイン・ショーター・カルテットではダニーロ・ペレスが重要な役割を担っているように、チャールス・ロイド・カルテットではモランが重要な役割を担っています。今年初めにはこのカルテットが来日しましたね。観たかったです。

ロイドは今75歳、この人も年老いてなお頑張っています。枯れたようなところはなく、飄々と自分のジャズをやっています。その音の佇まいはロイドとしか言いようがありません。やっぱり年を重ねたなりの深みを見せていて、スタンダードを気負うようなところもなく吹いていても、そこにはしっかりと説得力があります。

ジェイソン・モランは確かM-BASE系の人だと思いますが、ロイドとやる時はしっかりロイドの音楽性を汲み取り、変に自分のジャズを主張しないでどっしりと腰の据わったピアノを弾いています。テクニックに頼らず、音楽で堂々とロイドと対峙しているところが良いです。2人の間に繰り広げられる濃密な語らいには安心して浸れますよ。

スタンダードを主体に、真ん中辺りに即興性が高いフリーなロイド作の《ピクトグラム》と5曲からなる《ハガーズ組曲》を配した構成。《ハガーズ組曲》はフルートも演奏し、エスニックなムードが漂います。素朴な味わいは民話か何かを題材にしているのでしょうか?(祖母に捧げた曲だったようですね) 語られる物語に静かに耳を傾けてみましょう。モランはタンバリンでエスニックな雰囲気を演出。タンバリンだけでこういう演出ができるモランはなかなかのセンスの持ち主だと思います。ボブ・ディランの《アイ・シャル・ビー・リリースド》もやってますがサウンドはあくまでロイド。

ジャーナリズムが飛びつくようなトピックはないと思います。「でもいいんなだな。これが。」じっくり聴いてほしいアルバム。

アルバム名:『Hagar's Song』
メンバー:
Charles Lloyd(ts, as, b-fl, a-fl)
Jason Moran(p, tambourine)

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これには奇妙な中毒性を感じる。

新譜紹介です。ウェブマガジン「JAZZ TOKYO」の「FIVE by FIVE」の先月のレビューを読んで聴いてみたくなった1枚です。

P43菊地雅晃『オン・ファゴットゥン・ポテンシー』(2012年rec. CERBERA RECORDS)です。メンバーは、菊地雅晃(b,effects,dub mix)、松村拓海(fl,b-fl,effects)、坪口昌恭(analog syn,el-p,org,vocoder,effects)、藤井信雄(ds)です。帯には「現実からの軽やかな飛翔感。過去にも未来にも無い幻想のアーバンサイケ・ミュージック。これぞテン年台の世田谷アンダーグラウンド!」と書かれていて、正にそんな感じの音楽が鳴っています。菊地雅晃は菊地雅章の甥とのこと。私はこの人を初めて聴きました。全6曲中5曲を菊地が作曲。菊地はなかなかの曲者だと思いますよ。

1曲目《ポテンシー》は現代版《ススト》といった感じで、ちょっと変なリズムフィギュアは過去に辿ればマイルスの『オン・ザ・コーナー』に行きつきます。そんなリズムフィギュアのクールな繰り返しの上で、爽やかで浮遊感漂うフルートと坪口のハービー・ハンコック似なアナログシンセが浮遊。このサウンドには奇妙な中毒性がありますね。この曲に限らず、菊地が全編アコースティック・ベースを弾いているところは、クラブ・ミュージック的なものを感じます。

こういうフルート、私が思い出すのは80年代のヒューバート・ローズ。「オーレックス・ジャズ・フェスティバル81’」(懐かしい!)の「フュージョン・スーパー・ジャム」に出演した時のサウンド。TV-CMの曲は今でも耳に残っています。その時の模様はレコード化されていて、私は後に懐かしくなって中古レコードを買いました。もちろん二束三文で(笑)。

次の2曲目《アクアライン1987》。これが私にとってはやたら懐かしくて切なく響きます。タイトルどおりの80年代都会派フュージョン。このサウンドが何でそれほど切ないのか?思い出しました。私の中ではマーク・グレイの『ザ・サイレンサー』(下のジャケット)に繋がっているのです。

P44このアルバムには悲しい思い出があります。それは就職して3年目(1988年)、母が亡くなり就職先の茨城から甲府に帰ってくる時に、車の中で聴いていたアルバムがこれだったからです。これを聴くと涙が出てくるので、その後数年間はこのアルバムを聴くことができませんでした。このサウンドは悲しさやむなしさであり、切ない気持ちに直結しています。

アルバムの中の曲では、共通するサウンドの切なさでは《ハー・スイートネス》、フルート(デイヴ・バレンティン)が入っているということでは《タンジェリン・ローズ》に繋がります。ちなみに、『ザ・サイレンサー』にはマイケル/ランディ・ブレッカー、デヴィッド・サンボーン、マーカス・ミラー、スティーヴ・ガッドという錚々たるメンツが参加してます。

《ハー・スイートネス》 ねっ、切ないでしょ。サンボーンのアルト。

話を戻しまして、続く2曲《コンジェクチャー》と《フラクチュエーション》は4ビートのジャズ。松村のジェレミ・スタイグ風~デイヴ・バレンティン風フルートと坪口のアナログ・シンセやエレピがアドリブを展開。きちっとアドリブをしているのに耳触りが良いサウンドですね。懐かしくも現代性が入り混じる不思議な世界が繰り広げられています。ベース・ソロもあります。

ちょっと短めな懐かし風味の捻りが効いた4ビート曲《エストール》をはさんで、ラスト《チャンズ・ソング》のみはハービー・ハンコックの曲。ボコーダーの使用が懐かしさを演出。80年代アーバン・フュージョンですね。この曲も”せつね~”感じでいっぱい。

80年代に青春時代を過ごされたフュージョン好きは必聴!
奇妙な中毒性を帯びたサウンドにやられちゃって下さい(笑)。

アルバム名:『on forgotten potency』
メンバー:
菊地雅晃(b, effects, dub mix)
松田拓海(fl, b-fl, effects)
坪口昌恭(analog syn, el-p, org, vocoder, effects)
藤井信雄(ds)

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