JA-S75のメンテナンス その2
ビクターのプリメインアンプJA-S75のメンテナンスを進めました。
まずは何かと問題が多い、出力オフセット電圧調整用とアイドリング電流調整用の半固定抵抗を交換しました。古くなって接触不良になる場合が多く、特にアイドリング電流調整用が接触不良を起こすと、パワートランジスタに大電流が流れてトランジスタが壊れたりします。半固定抵抗は2つ並んで実装されています。こんな具合なので劣化しているのは容易に分かります。
アイドリング電流調整用半固定抵抗を交換するにあたり、まずは半固定抵抗をどちらに回せば電流が増えるのかを確認しました。ここでやっぱり接触不良が起き、大きなアイドリング電流が流れてスピーカー保護リレーが切れました。慌てて電源オフして少し半固定抵抗を左右に回して接触不良をなくし、だいたい元の位置に合わせて再度電源オン。何とか事なきを得、回す方向は分かりました。取り敢えず再調整。アイドリング電流は20mA。
この状態でしばらく聴いていたのですが、今度は片チャンネルのヒートシンクが結構熱くなることが判明。アイドリング電流が増加していました。減らそうとして回したら、やっぱり接触不良が発生。今度はおたおたしていたら電源ヒューズが焼き切れました。アワワワッ! ヒューズを交換して恐る恐る電源オン。スピーカー保護りレーもつながりました。トランジスタは壊れていなかったようです。フ~ゥ。
こんな具合なので交換する必要があるのです。交換する半固定抵抗はしっかりしたものにします。基板に実装されていた470Ωと220Ωは現行品にはないようなので、入手が容易な500Ωと200Ωに変更します。500Ω(青色)はNECのネオポット、200Ω(黄色)はコパルのものです。違う品種になっているのは出来るだけ安いものを買おうとした結果です。
基板を取り外さなくても半固定抵抗は交換可能。片チャンネルずつ交換しました。両方同時にやると再調整時に両方見なければならず、焦って作業しなければならないからです。出力オフセット電圧調整用は元々付いていたものと同じくらいの角度に合わせ、アイドリング電流調整用は最低になる方に回しきってから電源オン。アイドリング電流調整用はあまりクリティカルではないので調整はやりやすかったです。出力オフセット電圧調整の方はクリティカルですがゆっくりやれば1mV以内に調整できます。
次に電源の大型電解コンデンサを交換。たまたま同じ定格のコンデンサ(前のFETアンプで使用)を持っていたのでこれを流用。このコンデンサは一度使っていますが、元々実装されているものよりはずっと新しいものです。同じ容量なのにサイズがかなり小さいのは、エッチングの技術が進み同じサイズでより表面積を広くできるようになったからです。世間ではエッチングが浅い大型コンデンサのほうが音が良いとか言われますが、まああまり気にせずやります。特にオーディオ用ではなく普通の電解コンデンサです。
実装するにあたり、片側のはめ込み式固定部をそのまま利用。新しいものはコンデンサバンドが薄いのでガムテープを巻いて緩まないようにしました。もう一方は穴を開けなおしてネジで固定。
パラってあったフィルムコンデンサも交換しました。元は3.3μFだったのですが、手持ちは1.5μFなのでそれを流用。値の違いはそれほど気にする必要はないでしょう。
少々ハムノイズが出ていたので、この電解コンデンサを交換すればハムノイズがなくなると思ったのですが、そうはいきませんでした。アンプ基板上の電解コンデンサを交換すればハムノイズは消えるのか?ちょっと他にも気になるところがあるので、ハムノイズの原因はまだよく分かりません。
ここでまた一段落、次はパワーアンプ基板を取り外して、電解コンデンサの交換と全半田のやりなおしをします。
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