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「だいだらぼっち」のライブを観てきました。

一昨日は甲府「桜座」で「だいだらぼっち」のライブを観てきました。

P135だいだらぼっち」はボーカルの酒井俊さん、アルトサックスの林栄一さん、ピアノの田中信正さんの3人からなるユニットです。酒井さんのライブはこれまで2度観て気に入っていました。今回は私が好きなサックス奏者の林さんと一緒に来るということなので楽しみにしていました。田中さんは今回初めて聴きました。

この日は銀座通りが久しぶりに賑やかで、露店がたくさん出てあちこちから美味しい匂いが立ち昇っていました。ワイン祭りだとか。街が賑わっているのを見ると何だか嬉しくなりますよね。でもめちゃくちゃ寒かったのでお客さんの出足には影響したことでしょう。

酒井さんのライブを初めて観たのはピアノのスガダイローさんとのデュオでした。私はスガさん目当てだったのですが、酒井さんの何ともファンキーな立ち振る舞いが妙に印象に残って気に入ってしまったのです。2度目はギターの今堀恒雄さんとのデュオ。酒井さんは何も変わらないのですが、ギターとやるとピアノの時とはまた違った雰囲気が醸し出されていました。

そして今回が3回目。3回目にしてやっと酒井さんの音楽が把握できた感じです。一番の魅力はその人柄。飾らず自然体でちょっとお茶目で癒し効果があります。喋り方や仕草はとてもチャーミング。そんな人柄がまんま歌になっているのですから魅力的なのです。結構濃いめのテイストでメッセージ性の強い歌を歌ったりするにもかかわらず、これが何とも柔らかく優しくて、聴き終わった後は得も言われぬ温かさに包み込まれます。

ご自分の曲の他に林さんや田中さんの曲に歌詞をつけて歌います。この詩が日常をさりげなくユーモアを交えて描写していて、聴いていると自然と顔がほころんできてしまうようなもの。酒井さんの人柄そのままですよね。なんとも言えない素朴な味わいが心地良いです。

今回ミュージカルで歌われる歌を歌う前に、場面の説明などをしたのを聞いていて分かったことがあります。酒井さんの歌い方はこの歌だけではなく他の歌もミュージカルなのです。お客さんに語りかけ場面が見えてくるような雰囲気で歌いかけてくれます。だからいわゆるジャズ・ボーカルとは異なります。他の誰でも似ていない酒井俊ワールドです。

ジャズのスタンダードの他に、エルビスやボブ・ディランやエルトン・ジョンなどの曲も歌いますが、情感溢れる歌い方でやっぱりベースはミュージカルのように感じます。曲によって色々なシーンに出会えます。

今回初めて聴いた田中さんはこのユニットのベース(基盤)を作っていました。アドリブとかではなく酒井さんが自由に歌えるように曲を構築していきます。力強く骨太で頼もしいピアノを弾いていました。

林さんのアルトサックスはとにかく音が最高。ホッコリ温かく抜けが良い音。この音を聴いているだけで幸せな気分になります。そこに時々フリーにまで突入する熱さが加わって聴く人の心を揺さぶります。このユニットではちょっと控えめのサポートに徹し、やるときにはやるいい仕事っぷりでした。3人の連携はとても良かったです。

1stセット、冒頭《エドガーの日常》からもう上記の酒井俊ワールドに引き込まれてしまいました。エルトン・ジョンの《ソーリー・シームス・トゥ・ビー・ザ・ハーデスト・ワールド》も情感が溢れてました。そして1stラストが林さんの《ナーダム》。この曲が好きなんですよ、私。これに酒井さんが歌詞をつけ、歌詞のとおりお祭りムードがあって楽しくてしょうがありませんでした。この曲を聴いていると体からパワーが湧き上がってきますよね。その上林さんのアルトが歌い踊るわけですからこれはもう文句なく最高でしょ!ピアノとのデュオも1曲ありました。

2ndセット、林さんとのデュオでスタンダード・メドレーから。こういうジャズもいいんですよ。聴かせます。2曲目《寿限無》。ダイローさんのバージョンの間に”外郎売り”の口上が入ります。ここではフリージャズも交え、ダイローさんとのデュオではぎこちなかった部分が見られたのが熟成され完成の域になっていました。なるほど、こういう形で自分のものにしていくんですね~。酒井さんの《花身》はメッセージ性が強く、曲調から井上陽水の《あこがれ》を思い出してしまいました。林さんの曲に酒井さんが歌詞を付けた《回想》も素敵でした。

アンコール、「林さんがチンドン屋をやりたいからこれ。」と酒井さんが言ってから始まったのが《喜びも悲しみも幾歳月》(笑)。なるほど、林さんの演歌アルトがいいんですよ。酒井さんの歌も勇ましかったです。面白いMCの後にもう1曲。《真夜中のギター》で静かにエンディング。最後まで酒井俊ワールドでした。

とても寒い夜だったのですが、心が温まる雰囲気に包まれた楽しいライブでした。
林さんいじりと自虐ネタの酒井さんのMCも楽しかったです。

P136ライブがとても良かったので、「だいだらぼっち」のCD『螺旋階段な日常』を買いました。聴いてみたら、ライブでやった曲がほとんどでした。なるほど今回のライブはレコ発ライブでもあるのかと納得。ライブのような迫力はありませんがCDにはこのユニットの音楽がまんまパッキングされています。これでいつでも酒井俊ワールドが聴けるようになりました(笑)。

P137_2CDには3人のサインをしていただきました。ラッキー!

なかなかメジャーで話題にならないのですが、良い音楽というのは色んなところに存在しています。そういうものにできるだけ多く触れていけたら良いなあと思っています。そして拙いながらボチボチ紹介していければ良いなあと思っています。

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