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ヘッドホンで聴いて面白さが分かりました。

com-post のクロスレビューでこの人の新作が取り上げられていたので気になったのですが評判がいまいち。ではということで、やたら評判が良い前作を聴いてみました。それにしてもcom-postのクロスレビューにいちいち反応するジャズファンって私くらいでしょ(笑)。今回のアルバムを取り上げたことについては、ジャズサイドのおごりの姿勢が何となく透かして見えて私は少し不快でした。

P129フライング・ロータスCosmogramma(2010年、WARP RECORDS)です。スリーブの字が小さ過ぎる上に変な字体なので読めません。しかたなくAmazonの内容紹介を拝借。以下の青字部分。

フライング・ロータスの待望のオリジナル・アルバム『Cosmogramma』のリリースが遂に決定した! 本作には様々なアーティストが参加し、彼の注目の高さがうかがえる。中でも注目なのが必然的なコラボレーションだったと言っても過言ではないレディオヘッドのトム・ヨークだ。本作ではフライング・ロータスと共同で作曲を行い、トム自身が歌い上げた。かつてオウテカの『Confield』でそうであったように、この作品は今後のレディオヘッドのサウンドに影響を与えるのではないかと思われる程、両者の特性が惜しげもなく引き出されている!

参加ミュージシャン
トム・ヨーク(Vo:レディオヘッド)
サンダーキャット (Bass)
ローラ・ダーリントン(Vo:ロング・ロスト)
ドリアン・コンセプト (Beat Programming)
ラヴィ・コルトレーン(Sax:コルトレーンの次男)
レベッカ・ラフ(Harp:ビルド・アン・アーク等に参加)
ミゲル・アトウッド・ファーガソン (Strings:エリカ・バドゥやアウトキャスト等のアレンジ)

なるほど、全部がサンプリングや打ち込みではないようです。そうか、あのサックスがラヴィ・コルトレーンなのね。唯一ジャズを感じるサックスの曲があると思ったら、やっぱりジャズマンを使っていたという、インナー・ゾーン・オーケストラの時もそうでしたけれど、結局ジャズマンがジャズ・テイストを出しているということになるらしく、私のジャズ耳はそういう音にやたら反応してしまいます。

興味深いのは、スピーカーで普通の音量で聴いたらあんまり面白くなかったのに、ヘッドホンで聴いたら面白く聴けるということ。そういえばcom-postのクロスレビューで村井康司さんがそういうことを書かれていて、アルバムが違うとはいえ、この手の音楽の特徴なのだろうということを追体験しました。なるほどね~。脳内で音が鳴る感じが必要みたい。ヘッドホンでなければ、クラブで浴びるような音で聴いたら面白さが分かるのかもしれません。

いや~っ、オタッキーな音楽です(笑)。私にとってこれはテクノの範疇に聴こえます。コンピューター(ゲーム)ミュージックの延長という風にも聴こえます。サウンド的には色々な要素があると思いますが、音楽のコアはそういうものだろうと感じます。文化系オタク音楽。そういう意味では体育会系ヒップホップとも異質のもののように思います。よく作り込んでいるのは分かります。でもプレゼンテーションのやり方はオタク受け狙いですな。というかフライング・ロータスのオタク性がまんま音になっているのでしょう。

ではオタッキーな音楽とは何か?私には上手く説明できません。m(_ _)m 言えることといえば、これを熱く語ることは私にとってエヴァンゲリオン(アニメ)を熱く語るのと同質なもののように感じるということくらい。これも意味不明ですよね(笑)。このアルバムのAmazonカスタマーレビューを読むと、あなた方の世界観では確かにそうなんでしょうけれど、端から見るとどうも別世界。温度感に差が生じます。

こういう音楽が受けるということは、今やアメリカにもオタクがたくさんいるということなんでしょうね。日本には元々オタクがたくさんいるのでこれが受けることは十分理解できます。まっ、こんなこと言ってますが、私もエヴァンゲリオンが好きなオタクですから(笑)、これの面白さが分からないというわけではありません。だからと言って私はフライング・ロータスを賞賛して聴いていこうとも思いません。これ1枚聴けば十分かな。

そうそう、これが面白いと思ったあなた。あなたはかなりオタク気質ありですよ。com-postのフライング・ロータス新作のクロスレビューを読んで、レビューワーのオタク度を推定するのも一興(笑)。

この周辺の音楽や最近のフリージャズとオタクの濃密な関係を評論でもすれば、結構面白いんじゃないかと個人的に感じている今日この頃です。それからフリージャズはアングラ文化からオタク文化へと変わったような気がします。

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コメント

いっきさん、こんばんは。マジメに聴いていますね。

確かに奢り(おごり)も驕り(おごり)もありますね(笑)。
マジ・ジャズの人たちにはバラエティにしか見えないでしょう。
まぁ、この頃は過疎化しているので影響はないと思いますが、それ以前に、もっと今聴いておくべきアルバムがあると思うんですがね。

前より何がしたいのかが見えなくなっているなぁ〜。
最近はクラブ・ジャズの「com-post」って感じだと思います(笑)。

投稿: tommy | 2012年12月 6日 (木) 01時42分

tommyさん
こんばんは。

>マジメに聴いていますね。
それくらいしか取り柄がないものでして。

>確かに奢り(おごり)も驕り(おごり)もありますね(笑)。
そっか、字と意味が二つあるんでしたね。
ダブルミーニングでひらがな表記に修正しました。

>マジ・ジャズの人たちにはバラエティにしか見えないでしょう。
バラエティというかなんというか・・・。

>まぁ、この頃は過疎化しているので影響はないと思いますが、
やっぱり過疎化しているんでしょうかね。

>それ以前に、もっと今聴いておくべきアルバムがあると思うんですがね。
そう思います。話題作りがどれほど意味を持っているのか?

>前より何がしたいのかが見えなくなっているなぁ〜。
まあ、そうですよね。ブレてます(笑)。

>最近はクラブ・ジャズの「com-post」って感じだと思います(笑)。
クラブ・ミュージックのファンをジャズに勧誘したいのは分かりますが、どうなんでしょうね?

投稿: いっき | 2012年12月 6日 (木) 20時31分

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