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フレディ・ハバードの日本企画アルバム

たまにはこんなのも聴いてまったりします。

P144フレディ・ハバード『バラの刺青』(1983年rec. RVC/BAYSTATE)です。メンバーは、フレディ・ハバード(tp)、リッキー・フォード(ts)、ケニー・バロン(p)、セシル・マクビー(b)、ジョー・チェンバース(ds)です。当時盛んだった日本企画制作の1枚。ハバードが全編ミュートでバラードを演奏しています。いかにも日本らしい企画ではありませんか。プロデューサーはあの木全信さん(笑)! ジャケット写真はスイングジャーナル誌の表紙を飾ったハバード。

このアルバムは故油井正一さん著『ジャズ ベスト・レコード・コレクション』に記載されている1枚で、チェックしていつか買おうと思っていました。今回 「discland JARO」 の12月通販リストセールの対象品で¥500。ならばということで購入。

まずは油井さんの紹介文を以下に転載します。

一時期フュージョン作品を乱発したハバードが、久しぶりに本道に帰って作った本格作。全編スタンダード・ナンバーをミュートで演奏し、あらためて実力をファンに知らしめた。これも日本RVCの企画制作。陰影に富んだ表現は、さすがこの道一筋の年輪を感じさせる。

さすがはフュージョン嫌いの油井さん、”フュージョン作品を乱発”とバッサリ斬ってます(笑)。”本道に帰って”と書かれているとおり、当時は”メイン・ストリーム回帰”という文字がスイングジャーナル誌の紙面を賑わせていました。ジャズマンがフュージョンに見切りをつけた頃なのです。

かなり軟弱企画(笑)。タスキには”リラクシング・フレディ!”と書かれていて正にそういう内容です。これ、数年前の私ならディスクユニオンの買取り行きだったかも? その頃は現代先端ニューヨークとかやっきになっていましたからね。それがどうでしょう。今回聴いたらやけに心地良いではないですか。

新しいことをやったり、気合が入った演奏はもちろんいいのですが、自分のジャズを肩肘張らずに表現しているものにもまた良さがあるのです。最近そういう心境になった自分を大人だな~と悦に入ってます(笑)。油井さんが書いているとおりこの道一筋らしく、なかなか味がある表現をしていますよ。

《星に願いを》から始まるなんてベタにもほどがあります(笑)。むやみに主張しないケニー・バロンのピアノはそつなく心地よく。リッキー・フォード(曲によって抜ける)はスインギーかつジェントルにテナーを吹いてハバードに寄り添っています。腰の据わったマクビーのベースに程よく爆ぜるチェンバースのドラムがスインギー。

発見!《バラの刺青》のバロンのソロを聴いていて気付いたんですが、この曲はスティングの《フラジャイル》にニュアンスが似てますね。バロンのアルバム『ザ・モーメント』に入っている《フラジャイル》(寺島靖国さんのオーディオチェックに一時期よく使われた)と聴き比べてみて下さい。

録音はルディ・ヴァン・ゲルダー。当時日本制作盤を結構録音していました。当時のレコードをいくつか持っていますが、抜けが悪いこもった音になってしまいがちで、私はこの頃のヴァン・ゲルダー録音が嫌いです。このアルバムはそれほど気にならないレベル。

寒い日に部屋を暖かくして、ミルクティーでもすすりながら聴いたら最高のイラクゼーション効果。極楽極楽!

アルバム名:『The Rose TATTOO』
メンバー:
Freddie Hubbard(tp)
Ricky Ford(ts)
Kenny Barron(p)
Cecil McBee(b)
Joe Chambers(ds)

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