ジャズ喫茶「いーぐる」の「2012年ベスト盤大会」へ行ってきました。
昨日は ジャズ喫茶「いーぐる」 の「2012年ベスト盤大会&大忘年会」へ行ってきました。今年は「いーぐる」の連続講演にあまり行けなかったのですがお誘いをいいただいたので喜んで参加させていただきました。
甲府を出発する時は天気予報に反してお日様が顔を覗かせていたのに、新宿に着くと結構雨が降っていて傘を買う羽目になってしまったのは誤算。電車が少々遅れていたりと出だしからちょっぴりつまづき加減。せっかく上京するのだからということでいらないレコード20枚とCD14枚をディスクユニオンの買取りに出しました。最近は買取り価格がかんばしくないので期待はしていなかったのに今回は納得の範囲。これは良い誤算。誤算もあれば良い誤算もあるのが人生。
買い取りの査定が済むまで中古CDとレコードをチェック。中古CDは全体的に値下がり傾向。ここでもデフレの影響が。ピアノ・トリオというだけで高値というのも収まり、今が適正価格だろうと思います。最近私は特に買いたくなるものがないんですよね(涙)。中古レコードは色んなセールの箱がいたる所に積みあがっている状態でした。「discland JARO」の通販で既に10枚買ってしまった私は適当に数棚/箱をチェックしたのみ。探しているものは見当たりませんでした。結局買ったのは、Amazonで売っていないヤコブ・ブロの新譜『BRO/KNAK』のみ。
さて今日のメインイベントということで「いーぐる」へ突入(笑)。連続講演の講演者、com-postメンバーの皆さんはほとんどお集まりでした。後藤さんと皆さんに軽く挨拶して着席。ホットな空気感が漂っていて良い感じです。ジャズ評論家の瀬川昌久先生もいらっしゃっていました。
いよいよ開始。例年だと後藤さんが最初にかけるのですが今年は違いました。後ほど回ってきたベスト盤を記入するリストにも後藤さんがかけるベスト盤が記入されておらず、参加者(私など)が被りを気にせずにかけられるようにご配慮いただいのだろうと思います(最初にかけなかったのは全然違う理由でした。私が深読みし過ぎ)。
他のメンバーはそれぞれ明確なテリトリーがありそれをわきまえての選曲なのでほぼ被りません。その被らなさが「ベスト盤大会」の面白いところで、”今年のジャズ・シーンが見えてくる”ということにつながります。
それではかかったものの中から気になったものや私のブログでUPしてあるものをいくつかピックアップします。今回全くメモをとっておらず、あくまで記憶によるのもなので誤解があるかもしれません。ご容赦願います。
最初はジャズ評論家の杉田さん、かけたのは狭間美帆の話題の新譜。やっぱりこれは買って聴いておくべきか。
次にかけた瀬川先生の《おとこっておとこって》(グループ名失念)は最高でした。軽妙なスイング感の女性コーラスで歌詞が秀逸。 「フランス語のメニューは読めても 私の心のオーダーは読めない」「素敵なキスのタイミング また見逃してる」 などの歌詞に妙に納得する私なのでした(笑)。
瀬川先生が寺島さんの「PCMジャズ喫茶」へゲスト出演した時のレポートを書いていますので、お読みいただければ幸いです。
瀬川昌久さんもお元気ですね~。(その1)
瀬川昌久さんもお元気ですね~。(その2)
以下順番はだいたいこんな感じ?
ラテンにお詳しい伊藤さんがかけたアヴィシャイ・コーエンの新譜は以下。
ストレート・アヘッドなトランペット・トリオ。
com-postメンバー須藤さんがかけたギレルモ・クラインの新譜は以下。
なかなか渋いです。
com-postメンバー原田さんがかけた激渋サックス奏者のサイドでギターを弾く若かりし頃のジェームス・ブラッド・ウルマーはやっぱりウルマーだった。
com-post編集長村井さんがかけた東京ザビヌルバッハの新譜は後日ブログで紹介文をアップする予定。
アップしました⇒東京ザビヌルバッハの新譜
com-postメンバー林さんがかけたのは今年もやっぱりローランド・カーク。この過剰さがジャズなのですよね。
com-post裏方メンバー田中さんがかけた先月来日したばかりのラリー・グラハムの新譜はファンキーノリノリ。
先日クリード・テイラーについて講演をされた山中さんがかけた今年CD化された『フランク・フルトのフィル・ウッズとヨーロピアン・リズム・マシーン』は、やっぱりジャズってスゲーってことで。1970年録音なんですよね。今はこれほどの演奏がどれだけあるのか(涙)。
com-postメンバー柳樂さんがかけたグレゴリー・ポーターは渋いボーカル。ショーターの《ブラック・ナイル》は好きな曲。内容については com-post の「新譜レビュー」を参照願います。
com-postメンバー八田さんがかけたJ.D.アレンは気合が入ったサックス・トリオ。新譜にあまり良いものがないというのが八田さんのお悩み。なのであまり新譜は買わないとか。
後藤さんがかけたキース・ジャレットの未発表ライブ『スリーパー』は以下。
キースの昔のライブ盤
オーラス登場のcom-postメンバー益子さんは「いーぐる」でしゃべるのがかなり久々とのこと。かけたのはコリン・ステットソンの編集なしのライブ独奏。複数サックス&足リズム?音響系というか何というか、いかにも益子さんらしい。
ここから漏れてしまった皆様、本当にごめんなさい。m(_ _)m
かかった曲のリストは、後日 ジャズ喫茶「いーぐる」 の 「blog」 にアップされるはずですので参照願います。
さて、私はというと。後藤さんからジャズ・ファン代表ということでご紹介いただき。代表なんて恐れ多いとは思いますが、平然とベスト盤をかけさせていただきました(笑)。
かけたのはヴィジェイ・アイヤの『アッチェレランド』から《ヒューマン・ネイチャー》。自宅のスピーカーを小型化したせいもあり、「いーぐる」のオーディオで大音量/多低音で聴く迫力に圧倒されてしまいました。
やっぱり今注目すべきはこの人
紹介だけしたのが大谷能生さんの『ジャズ・アブストラクションズ』。これは中山康樹さんが昨年講演した「ジャズ・ヒップホップ学習会」への、ジャズ側からの最良の回答のひとつだと思います。
これはジャズです。
まあこんな感じで多種多彩。かかった曲と皆さんの解説は、年末恒例「今年1年の出来事を振り返る」といった具合の内容になっているのでした。毎年行われているこの企画、非常に貴重なものだと思います。
その後は「大忘年会」へ。ビール缶やワイングラスを傾けお寿司と鍋などをつつきながら楽しい会話が弾みました。私はここで皆さんから色々な情報を教えていただく貴重な時間を得ました。毎年酔った勢いで暴言放言の類をしてしまうお調子者の私。何卒お許しを。
とても楽しいイベントをどうもありがとうございました。皆さんに感謝!
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コメント
今年もお世話になりました。
いっきさまのベスト1はVijay Iyer Trioなのですね。
今年はリンク先で好評だったので、嬉しい限りです。
わたしは、10位だったのですが、、沢山聴いた新譜の中で心に残るって、、素晴らしいアルバムなんだと思います。
と、こちらに、ベスト10をトラバさせてくださいね。
来年もよろしくお願いいたします。
投稿: Suzuck | 2012年12月29日 (土) 10時07分
Suzuckさま
こんにちは。
こちらこそお世話になりました。
>いっきさまのベスト1はVijay Iyer Trioなのですね。
「いーぐる」的な面での1位ではあります。
>今年はリンク先で好評だったので、嬉しい限りです。
私も好評なのは嬉しく思います。
>わたしは、10位だったのですが、、沢山聴いた新譜の中で心に残るって、、素晴らしいアルバムなんだと思います。
そうですね。良いアルバムだと思います。
>と、こちらに、ベスト10をトラバさせてくださいね。
はいっ、どうぞ。
トラバありがとうございました。
今年はジャズ批評誌から依頼が来ないので、私的ベスト5を年明けにでもブログに書こうかな~?
>来年もよろしくお願いいたします。
よろしくお願い致します。
後程Suzuckさまのところにおじゃまします。
投稿: いっき | 2012年12月29日 (土) 12時32分
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 履歴書の職歴 | 2013年1月 3日 (木) 12時33分
履歴書の職歴さん
気に入っていただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
投稿: いっき | 2013年1月 3日 (木) 17時14分