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こんなところに《レッド・クレイ》が!

YouTubeを適当に見ていたらこんなものを発見。ヒップホップ・ファンにとっては周知の事なんでしょうけれど、ジャズ・ファンの私にとっては思わぬ発見でした。

ヒップホップのア・トライブ・コールド・クエストがフレディ・ハバードの《レッド・クレイ》をサンプリングしていたのです。

元ネタより若干テンポを上げています。この曲のテーマ部のエレクトリック・ベースが生み出すグルーヴ、気持ち良いんですよね。ジャズ的なフィーリングを自分達のグルーヴとして打ち出してそのサウンドを極めたというトライブらしい曲だと思います。彼らの3作目『ミッドナイト・マローダーズ』に入っています。

ということで元ネタはこちら。ジャズ・ファンでこの曲が好きな人、結構いると思います。私もそのうちの一人です。

メンバーは、フレディ・ハバード(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、レニー・ホワイト(ds)です。ベースを弾いているのがロン・カーターというのがミソで、トライブの2作目『ザ・ロウ・エンド・セオリー』ではロン・カーターをゲストに呼んだくらいですから、この曲をサンプリングするのは自然な流れと思います。

1970年に録音された当時のファンク/フュージョンにふさわしい曲ですよね。ハバードの勢いに溢れたソロ(《サニー》がほんのちょっぴり引用されてます)とハイ・ノートも良いのですが、ここはやっぱりヘンダーソンのトグロを巻く黒いテナーが最高。ロン・カーターの地味なベース・ソロもフィーチャされています。こういう黒いグルーヴは大好き。

実は私の《レッド・クレイ》初体験はこちらなのです。V.S.O.P.クインテットのアルバム『熱狂のコロシアム』(田園コロシアムでの野外ライブ)に入っているこれです。ジャズを聴き始めてしばらく経った頃にレコードを買いました。このアルバム、私のブログで3度目の登場です。

白熱のライブ演奏。2枚組レコードでは2枚目のB面(D面)、つまりアルバムの最後を飾るのがこの曲です。これは大好きでもう耳にタコができるくらい何度も聴いています。オーディオ的にはこの怒涛のバスドラをいかにパワフルに再生できるかがポイントでした。

P123メンバーは、フレディ・ハバード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)です。元ネタとはサックスとドラムが異なっています。その異なる2人、ショーターとトニーがファンクの枠を越えジャズ度を強めていると思うのです。

トニーの過激なドラミング、これぞジャズなのです。テンポを上げて演奏しているので緊張感が増していますよね。これを聴くと元曲は緩く聴こえます。そしてショーター、彼こそがジャズなのです。何なんでしょうね。この変なフレージングのソロは!?ソロがハバードからショーターに変わった瞬間、辺りの空気が一変するのが分かりますか? 不穏な空気が湧き上がってきます。この瞬間は何度聴いてもゾクゾクします。

そんな私ですがこのショーターを最初に聴いた時は単にへたくそなのかと思いました(笑)。私にとってのヘタウマ2台巨頭の1人がショーターです。もう1人は言わずとしれたオーネット・コールマン。ショーターのソロを聴いて下さい。盛り上がってくると身悶えしながら?音をひねくり出しています。いや~ゾクゾクしますね。渾身のブロー。その後に続くハービーは美しい。そして何と知的なことよ。ジャズの知性を象徴してますな。

黒いグルーヴはもちろん好きなのですが、やっぱり渾身のソロ(アドリブ)こそが私にとってジャズの最重要項目なのです。私はジャズを聴き始めてすぐにそういうジャズに惹かれ、そういう演奏に出会いたいから今もジャズを聴き続けているようなものです。

「ジャズはアドリブだ!」 うんっ?!このセリフと言えば、昔々、ジャズ喫茶「いーぐる」のマスター後藤雅洋さんとジャズ喫茶「メグ」のマスター寺島靖国さんが対決した時、後藤さんが主張していたことでした(笑)。最近のジャズを聴いているとアドリブよりサウンドなので、まあそのサウンドを聴くことも大事だと認めて聴いているわけですが、この辺でもう一度「ジャズはアドリブだ!」と言っておきたいと思います。

前にも貼ってますが、そんなアドリブと言えばやっぱりこのショーターですな。

YouTubeのコメントが面白い。

起承転結のないサックスソロだなー
いや、結だけはかっこよかった!
サックス以外は、神!!

って、”起承転結”? ショーターにそんなもの求めるのはお門違い(笑)。
ショーターこそが神!というか全員神なのです。
このライブは後ろの芝席からですけど、生を観ちゃったんですよね。
歓声の中には私の声も入ってます(笑)。

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