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ダニー・マッキャスリンの新譜

オーディオのリニューアルは一段落したので、そろそろ溜まっている新譜を紹介していかないといけませんね。新しいスピーカーQUAD12L2はやっと落ち着いて鳴るようになってきました。これなら安心して音楽が聴けます。

P73本日の新譜はダニー・マッキャスリン『キャスティング・フォー・グラヴィティ』(2012年rec. Greenleaf Music)です。メンバーは、ダニー・マッキャスリン(ts)、ジェイソン・リンドナー(el-p,p,syn)、ティム・レフィブレ(el-b)、マーク・ジュリアナ(ds)、デヴィッド・ビニー(vo,additional synthesizers)です。今回もプロデュースはデヴィッド・ビニーが担当。日本のマンガに影響されたとおぼしきイラストジャケットが意味不明です(笑)。

基本的に前作『パーペチュアル・モーション』の続編ですが、内容は微妙に変化しています。前作ではドラマーがサンチェスとジュリアナの2人だったのですが、今回はジュリアナのみになりました。キーボードは前作のアダム・ベンジャミンとユリ・ケインからリンドナー1人に変わりました。ベースは前作と同様レフィブレ。今回はメンバーが固定されてサウンドに統一感があります。ビニーがどこでシンセを追加しているのかは不明。冒頭の曲でコーラスしています。

何度も書いていますが、マッキャスリンのテナーはマイケル・ブレッカーからクリス・ポッターへとつながる現代サックスの系譜の間のクリポタ寄りに位置しているように思えます。面白いことに今回は、マイケル寄りの少し懐かし風味のフュージョン系ジャズ路線と、クリポタのアンダーグラウンド寄りの現代ニューヨーク・ジャズ路線の両方の曲があります。

そしてマイケル寄りかクリポタ寄りかの雰囲気を決めているのがリンドナーのキーボードで、マイケル寄りフュージョンではサウンド・エフェクト系のシンセを弾いていて、クリポター寄り現代ニューヨークでは尖がり系エレピを弾いています。その上手い対応ぶりに感心してしまいました。リンドナーのソロは3、4曲くらい、アドリブ・ソロよりはサウンド構築にて貢献しています。

テナーをエフェクト音のように響かせる曲もあり、全体としてはフュージョン色が強めに聴こえます。そういう意味では聴きやすい内容と言えます。とはいえ勢いのあるアドリブも聴かせてくれますので、決して軟弱というわけではありません。基本的にマッキャスリンのテナーを味わうアルバムです。今回はオルタナティブ・ロック系の曲もあったりして、マッキャスリンの音楽的立ち位置は間違いなく現代ニューヨークなのでした。

レフィブレのエレベはファンク系でジュリアナは最近のリズム感覚のドラミングです。ジュリアナのドラミングは、ドラムンベースを基にバスドラをリズムパターンに積極的に使っています。今回のリズムは8ビートと変拍子。当然変拍子も難なくこなし、演奏に躍動感をもたらすドラミングには好感を持ちました。

現代テナーの好アルバムだと思います。

アルバム名:『casting for gravity』
メンバー:
Donny McCaslin(ts)
Jason Lindner(el-p, p, syn)
Tim Lefebvre(el-b)
Mark Guiliana(ds)
David Binney(vo, additionai synthesizers)

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