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たまにはオーソドックスな新譜も聴きたい。

今日も愚痴っちゃうわよ。覚悟しなさい。

あなたさ~、めんどくさいことを言うジャズオヤジが弊害ですって、失礼しちゃうわ。若者がジャズを聴く妨げになってるってことらしいんだけど、冗談じゃないわよ。そんなの責任転嫁もいいところよ。ジャズを聴くか聴かないかは、誰かがどうこう言うからじゃなくて、本人が聴きたいかどうかの問題でしょ。どうして他人のせいにしたがるのかしら。信じられないわ。

私なんかジャズリスナーからすれば白い目で見られるJ-POPを堂々と聴いてるんだから。J-POPにはJ-POPの良さがあるからよ。いくつか前の記事を読んでもらえば分かってもらえるわよね。人に甘えるのもいい加減にしなさい。

そしてさあ~、めんどくさいことを言ってるって意味では、ジャズに限らず評論家も同じだと思うの。どうせオヤジは汚くてダサイというイメージで毛嫌いしているだけなのよ。”先生”とか呼ばれる評論家をやたらありがたがるのは、肩書きに弱い人がやっていることだとも思うわ。もちろん尊敬すべき評論家はいるわよ。

めんどくさいことを言うのはジャンルを問わずマニアの性ってものよ。ジャスに限らずどこにでもいるのよ。”ジャズオヤジは弊害です”って認めちゃって、そういうことをやめようと思ってるオヤジもどうなのかしらね? 物分りが良いふりをしちゃって、若者ぶってるだけじゃない。あ~っ、嫌になっちゃうわ。

オジサンをバカにすんじゃないわよ!

tommyさんには私の乙女心が分かってもらえたみたい。嬉しいわ。
いっきさんにヒール役はムリだよ。キッパリ!



気を取り直して本題です。

時々オーソドックスなハードバップが聴きたくなります。ということでこんな新譜を買ってみました。

P84コンラッド・ハーウィグ『ア・ヴォイス・スルー・ザ・ドア』(2012年rec. Criss Cross)です。メンバーは、コンラッド・ハーウィグ(tb)、ラルフ・ボーエン(ts)、オリン・エバンス(p)、ケニー・デイヴィス(b)、ドナルド・エドワーズ(ds)です。オーソドックスなハードバップ・クインテット。

たまにはオーソドックスなもの、そしてたまにはトロンボーンのジャジーな熱気が聴きたくなることがあります。これはそんな気分のあなたにぴったり。難しい趣向はありません。皆でテーマを合奏してアドリブ・ソロを回していくだけ。後はジャジーな気分に浸れば良いのです。複雑変拍子とか浮遊感とか現代ニューヨークは出てきません。

今回はハーウィグのオリジナル7曲にスタンダード《オール・オア・ナッシング・アット・オール》1曲の全8曲が収録されています。ハーウィグの曲はバップ曲として佳い曲です。オリジナルだからと言って敬遠するような曲は1曲もありませんでした。

ハーウィグと言えば『ラテン・サイド・オブ・~』というアルバムを何枚か出しました。私は『ラテン・サイド・オブ・ウェイン・ショーター』を持っています。私が好きなショーターの曲をどのようにラテン化しているのか興味が湧いたからです。なかなか良いアルバムでした。ラテンとショーターのマッチングもなかなか良かったです。

ハーウィグのラテン趣味を反映した曲も数曲入っています。ラテンタッチの《トレースレス・ムーン》はどことなくショーターの曲の雰囲気が漂っていました。続く《ザ・サン・ウィズイン》はスピリチュアルなワルツでコルトレーン色濃厚。こうなるとこの手のお決まりで、ボウエンはコルトレーンと化しエバンスはマッコイ・タイナーと化しているのでした(笑)。ドラム・ソロが入っているのはやっぱりエルビンを意識してのことか?

《モーニング・シェイド》はタイトルの朝を思わせる爽やかで優しい空気感が心地良いです。スタンダードの《オール・オア・ナッシング・アット・オール》は快活に推進していく演奏が良く、聴いているとこちらも元気が湧いてきます。《サーン・ウィトニス》はアルバム中唯一のスローテンポ曲。ラテン風味で熱気をはらんだ演奏がじわじわ腹に響きます。

ハーウィグはまろやかかつ力強い音でトロンボーンをスラスラと吹くテクニシャン。ボウエンはコレルトレーン~マイケル・ブレッカー~という現代テナーの主流。結局私はこの手のテナーが好きなのでボウエンのプレーには満足です。エバンスはオーソドックスなバップ・ピアノ弾き。ジャジーでスインギーな腰のあるピアノを弾いてます。ベース、ドラムはハードバップをそつなくこなす正統派。極めてオーソドックスなジャズ・クインテットです。

難しいことを言う必要はありません。安心して聴いていられる質の高い演奏のハードバップ。これもジャズのひとつの楽しみであることに間違いありません。

アルバム名:『A VOICE THROUGH THE DOOR』
メンバー:
Conrad Herwig(tb)
Ralph Bowen(ts)
Orrin Evans(p)
Kenny Davis(b)
Donald Edwards(ds)

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コメント

はっははは。いっきさんこんばんは。


その、オカマ毒吐きキャラ設定はいいかも知れませんね!?
本気でありながらも、愛嬌があってシリアス過ぎずに!!
何言っても許される感じで!今後、爆弾級の実力を発揮しそう。


期待しています。きっと、伝えやすいでしょうね!!ナイス。

投稿: tommy | 2012年10月30日 (火) 23時45分

tommyさん
こんばんは。
そういう風に受け取っていただければ大成功です。
模範は美川憲一とかマツコデラックスです。
毒を吐きつつ憎まれないキャラ。

投稿: いっき | 2012年10月30日 (火) 23時55分

ちょっと引きました。(笑)
今度全文をこのキャラで書いて下さい(>_<)

投稿: じゃこのめ | 2012年10月31日 (水) 00時00分

じゃこのめさん
お久しぶりです。
引くくらいのインパクトがあれば大成功です。
時々こういうことをやって反応を見るのが楽しい(笑)。
多分このキャラはめったに登場しないと思います。
頻発すると効果が薄らぎますから。

投稿: いっき | 2012年10月31日 (水) 00時48分

こういう曲たち、割とオーソドックスなんだけど、それぞれのソロが、ノリのいい曲でも静かな曲でも盛り上がって熱くなるのって、胸キュンしちゃう! オヂサンにはこういうの、いいわよね! ジャズとボッサ(ラテン)が交互に来るのも、ジーンときちゃうわ!

なんて、つい調子にのってしまいました。すいません(爆)。トリッキーに変拍子とかでせまらなくても、けっこういいですよね。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2012年11月 2日 (金) 17時12分

910さん
こんばんは。

>つい調子にのってしまいました。すいません(爆)。
いやはや、910さんがまさかそのノリで来るとは思いませんでした(笑)。なので嬉しいです。オジサン・パワーで頑張っていきましょう!

ご指摘の良い点、正にそのとおりだと思います。

>トリッキーに変拍子とかでせまらなくても、けっこういいですよね。
たまにはこういうのを聴いて安心したくなります。
良いです。

トラバありがとうございました。

投稿: いっき | 2012年11月 2日 (金) 20時47分

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