com-postのクロスレビュー・アルバムを聴いてみた。
ウェブマガジン com-post のクロスレビューで今取り上げられているアルバムを聴いてみました。最初に後藤さんと林さんのレビューだけを読んで興味が湧き、Amazonで試聴して面白そうだったので”ポチッ”としました。その後他のレビューを読んでみると、「アレッ、微妙じゃん。」という思いがフツフツと(笑)。さて、結果や如何に?
ネナ・チェリー&ザ・シングの『ザ・チェリー・シング』(2012年、Smalltown Supersound)です。メンバーは、ネナ・チェリー(vo)、マッツ・グスタフソン(ts,bs,live electoronics,org)、インゲブリクト・ホーケル・フラーテン(ac-b,el-b,vib,electoronics)、ポール・ニルセン・ラヴ(ds,per)です。ネナ・チェリーはジャズ・トランペッターのドン・チェリーの義理の娘で、ザ・シングは北欧のフリー・ジャズ・グループです。
クロスレビューを読んじゃったんので先入観アリアリでの試聴です。最初に書いてしまいましょう。私は益子さんのレビューにほぼ同感です。まっ、退屈とまでは言いませんけど。
これです。⇒ 益子博之の見解
ジャズっぽいロックだと思います。ジャズというよりロックということですね。なかなかポップで聴きやすいです。バックがフリー・ジャズをやるからと言って怖がるような内容ではありません。アレンジがしっかりされているし、リズムも基本的には定型ですし、要は過激なギターがサックスに置き換わったとでも考えればいいのです。
これはロック・ファンが原曲を知った上で、フリー・ジャズを含めたアレンジの新鮮さを楽しむアルバムなのでしょう。ほぼ原曲も知らない私のようなジャズファンが、刺激や希求力を求めて聴いたとすると、その期待に十分応えるまでには達していないと思いました。このアルバムで初めて聴いたネナ・チェリーのボーカル、私にはいまひとつ魅力不足なのもマイナス要因です。
私が一番面白かったところは、《サドン・モーメント》と《ダート》で、ネナのボーカルそっちのけで暴れまくるザ・シングのフリー・ジャズの部分です(笑)。それから低音過多のモコモコ混濁した録音は私的にあまり気持ち良くないですね。
「こんなのもありますよ。」という事で、興味が湧いた方は聴いてみて下さい。
余談ですが、
私のような古いジャズファンが音楽にまず求めていると思われる”演奏のクオリティ”と、私のような古いジャズファン以外が音楽にまず求めていると思われる”サウンドの雰囲気”、com-postに新規参加された柳樂さんの存在によって、上記”演奏のクオリティ”優先姿勢と”サウンドの雰囲気”優先姿勢の乖離が、最近私は分かってきました。
アルバム名:『The Cherry Thing』
メンバー:
Neneh Cherry(vo)
Mats Gustafsson(ts, bs, live electoronics, org)
Ingebrigt Haker Flaten(ac-b, el-b, vib, electronics)
Paal Nilssen-love(ds, per)
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