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面白いことに気付きました。

先日貼ったプラスチックスのこの曲《デジタル・ウォッチ》(1980年)、
最初に演奏しているこの曲を聴いているうちにあることに気付きました。

このリズムにギターのカッティングに素っ頓狂な歌。
特にギターのカッティングとビート感に聴き覚えがあったのです。
しばし考えていると・・・、分かりましたよ!オーネット・コールマンです。
エ~ッ、という声が聞こえてきますが、これなんかどうでしょう。
アルバム『ヴァージン・ビューティ』(1988年)に入っている《Bourgeois Boogie》

それなりに似てますよね。
リズムとギターのカッティングと素っ頓狂なサックス(笑)。

プラスチックスとオーネットの関係性をどうこういうつもりはありません。
80年代の前期と後期ですが、時代の音なのだと思います。

私が言いたいことは次のことです。
こういうオーネットのサウンドを聴いた時、最初は違和感を感じていたものが次第に快感に変わっていったことを、感覚の変容体験として捉えていた私ですが、実は変容というより元々こういうもの(プラスチックスなど)に少なからず好感を抱いていて、単にそれがジャズにおいても適用されただけなんじゃないかと分かったことです。
皆さんにはつまらないことでしょうが、私には面白い事実なのです。

さて、オーネット・コールマンと言えば私にとってはこれです。
最初に聴いたオーネットのアルバムがこれだからです。
アルバム『オブ・ヒューマン・フィーリングス』(1982年)から《ジャンプ・ストリート》
録音自体は1979年です。

変だけれど気持ちいい。
この感覚に目覚めたのがこのサウンドです。
なんとファンキーで風通しが良いサウンドなのでしょう。
テーマを何度か繰り返した後、アルトのソロが始まったところに出てくる
日本の童謡的?ダサイメロディーが堪りません(笑)。
私はこの曲がかなり好きです。

ツイン・ドラムにツイン・ギター、ファンキー・ベースはジャマラディーン・タクマ。
プライム・タイム・バンドです。
オーネットは”ハーモロディック理論”なる正体不明の理論に基づいて
この演奏をしています。
これがハーモロディックならプラスチックスもハーモロディックです(笑)。
こういうことを深く考えてもしょうがないんです。
気持ち良ければ全て良し?

私にとってのオーネットは『ジャズ来たるべきもの』じゃないんですよね。
オーネットと言えばプライム・タイム・バンドなのです。
ジャズを聴き始めてすぐにこれをリアルタイムで聴いたことは、
私のジャズ観に大きな影響を及ぼしていることに間違いありません。

オーネットは『トーン・ダイヤリング』(1995年)でヒップホップもしてます。

ヒップホップをしようが、マイルスはマイルスだったように、
やっぱりオーネットはオーネットなのでした(笑)。
このアルバムは残念ながらリアルタイムで聴いていません。

そう言えば、これはcom-postの90年代の100枚に入りますよね。

音楽って面白い!

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コメント

いっきさん、おはようございます。


当時のプラスチックスにオーネットの影響があったかは分かりませんが、
立花ハジメさんがソロになって、サックスをメインで吹くようになってからは、
曲作りのデモテープを何曲か聴いた時に「オーネットだね」と言ったら、
「ジャズファンにはバレちゃうね」と笑っていたことがありました。
ハジメさんは、以前からオーネットはかなり聴いていたと思います。

投稿: tommy | 2012年8月18日 (土) 06時51分

この辺がそうだと思います。

Hajime Tachibana H 1982 Robins Eye View Of Conversation
http://www.youtube.com/watch?v=A16r62EJ4Z8&feature=related

立花ハジメ Tachibana Hajime - H (Theme From Club Foot)
http://www.youtube.com/watch?v=QIMSL3JkOes&feature=related

投稿: tommy | 2012年8月18日 (土) 07時04分

tommyさん
こんにちは。
立花さんがオーネットを聴いていたというのは面白いです。
立花さんの感性がオーネットに共感していたということなのでしょう。
そういう立花さんの感性(プラスチックス)に私も共感したんでしょうね。
さて、ご紹介の音源ですが、オーネットのサウンドに似た部分はあります。
でも、これって中央線沿線ジャズの匂いのほうが濃厚です。
やっぱりこういう音になっちゃうのかと。
そして、オーネットとの違いも露わになっているように思います。
音楽的な強度と自由度はオーネットとかなり差があるように感じます。
残念ながら私のジャズ耳には届かない音です。

投稿: いっき | 2012年8月18日 (土) 12時17分

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