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ヴィンセント・ハーリングとエリック・アレキサンダーを観てきました。

昨日は甲府の「COTTONCLUB」でヴィンセント・ハーリングとエリック・アレキサンダーのライブを観てきました。

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表の看板には”世界最強のフロント2サックス”(笑)。最強だとは思いませんがかなり強力であることは確かです。

今回はドラマー小林陽一の”グッド・フェローズUSA&JAPAN”のアルバム『KIZUNA/絆』発売記念ツアーです。このアルバムのフロントを務めているのがハーリングとアレキサンダーなのです。ピアノは百々徹、ツアーのベースはアルバムメンバーとは違い金森もといが参加していました。昨年の東日本大震災を受けて、日米ジャズマンの絆によって録音されたアルバムです。内容の詳細はAmazonに飛んで見て下さい。

実は4月末「COTTONCLUB」にエリック・アレキサンダーが自己のカルテットを連れて来ていたのですが、うかり観損なってしまったので、今回こそは見逃すまいということで行ってきました。ここのライブはPAがないのでサックスの音がそのまま聴けます。それを是非体験したかったんです。

チケットはかなり高いんですが入りは80%くらい。こういうジャズのファンはそこそこいるということでしょう。まっ、関係者と思われる方も結構来ていたみたいです。

2部構成で各4曲づつ1時間程度のステージ。もちろんアンコールあり。

1部
1.《ネメシス》アルバム『絆』収録のアレキサンダーの曲
2.《シンク・オン・ミー》ジョージ・ケイブルスの《処女航海》に似た8ビートモード曲
3.《マイ・クリスマス・ルーム?》アレキサンダーのバラード曲
4.《絆》小林のアルバム・タイトル曲、テーマは複雑、アドリブはブルース?

2部
1.《ヒアズ・ザット・レイニー・デイ》スタンダードを8ビートアレンジで
2.《イレクション?》ハーリングのアップテンポのバップ曲
3.《ウィーバーズ・ドリーム?》ハーリングのバラード曲
4.《コバズ・デライト》アルバム『絆』収録のハーリングのノリノリな曲

バラード曲はそれぞれアレキサンダー、ハーリングのワン・ホーンで演奏。

*マイクアンプが不明瞭で曲名がよく聞き取れませんでした。

アンコール
《クール・ストラッティン》(だったはず)を速めのテンポで

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何の仕掛けもないバップ演奏です。テーマを演奏してアドリブ・ソロを回して、バース交換を入れたり、バラードでは無伴奏でサックスソロからスタートしてカデンツァがあったりという具合。これはこれでジャズの形です。私の目的は2人のサックスの生音を浴びることでしたから演奏形態について特にあれこれ言う気はありません。

まずハーリング、背も高いし太ってるし、大柄な体から想像できるとおり、アルト・サックスの鳴りっぷりは素晴らしいものがありました。多分今まで色々聴いた中で一番良い音で鳴っていました。ドラムの近くに座ったのですが、そんなの全然気にならないくらいです。フレージングはオーソドックスでスケールを主体としたブルージーなもの。魅力はそのドライブ感、乗らすにはいられないものがありました。見た目は人が良いオジサンで(笑)、ジョークを言ったりして終始上機嫌でした。

続いてアレキサンダー、背はかなりたかくスマートでがっちりした体格。ちょっとダークな音で低音から高音までテナー・サックスをしっかり鳴らしていました。鳴りはハーリングにも負けないくらいです。フレージングは独特のアレキサンダー節があります。ハラヒラとスケールを吹くのではなく、展開を考えながらフレーズを作っていき、盛り上がるとフリーキーに近い音もいといません。やっぱりカッコいいものがありますよ。見た目はその童顔もあり好青年。ソロを休んでいる間の行動を見ていたら、この人結構茶目っ気があります(笑)。2部のラストの曲では手拍子を促したり、ドラム・ソロとピアの・ソロでは囃したりと盛り上げに一役かっていました。

2人ともバラード演奏ではスイートな歌心をきちんと聴かせてくれたことは言うまでもありません。1部最初の曲ではハーリンがアドリブに《エアジン》のフレーズを入れ、2部最後の曲ではアレキサンダーがアドリブに《エアジン》のフレーズを入れていたのは故意なのかどうなのか?面白かったです。

百々のピアノはもっとクールなものかと勝手に思い込んでいたのですが、これが意外と熱かったです。ノリノリなバップ曲で2人のホーン奏者の勢いをそがないように盛り上げるソロを展開していました。勢いがありました。2部ラスト曲は途中にサンバビートがあって、そこでのラテンノリなんかはとても楽しませてくれましたよ。一方ケイブルスのモード曲ではリリカルな面もきちんと見せていました。

金森のベースはサポートに徹して演奏のボトムをしっかり支えていました。ベース・ソロは結構アーティスティックです。

最後にリーダー小林のドラミング、これはもう本当にオーソドックスなジャズ・ドラミング。最近聴いている現代ニューヨークの複雑なビートからすると隔世の感がありますが、今回のようなバップ演奏にはこういうドラミングが適しているでしょう。ドライブ感はありましたし、バラードでのブラシも心地よかったです。

小難しいこと抜きでバップを楽しみました。たまにはこういうオーソドックスなジャズを聴くのも良いでしょう。2部のラストでは手拍子も入り会場大盛り上がりでした。2人のサックスの生音を十分堪能できて満足です。やっぱりライブは楽しいですね。でも『KIZUNA/絆』は買いませんでした。ごめんなさい。

ライブの雰囲気を味わいたい方はこのアルバムがあります。

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