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ヘンリー・スレッギルの独自な世界

先月ヴィジェイ・アイヤの新譜(と言っても出たのはだいぶ前)を紹介した時、その中にヘンリー・スレッギルの《リトル・ポケット・サイズ・デイモンス》があったことから、翌日にはヘンリー・スレッギルについて書きました。
ヘンリー・スレッギルのアルバムについて
この記事にYouTubeから動画を貼る時、スレッギルの新譜の動画を発見。そのアルバムが聴きたくなって早速Amazonに注文しました。そうしたら今度は com-post でクロスレビューをするっていうじゃありませんか。面白い展開です。

ではcom-postのクロスレビューが上がる前に私の意見を書いておきましょう。

P23 ヘンリー・スレッギル・ズォイドの『トゥモロウ・サニー/ザ・レヴェリー,Spp』(2011年rec. PI RECORDINGS)です。メンバーは、ヘンリー・スレッギル(fl,b-fl,as)、リバティ・エルマン(g)、ホセ・ダヴィラ(tb,tuba)、クリストファー・ホフマン(cello)、ツトム・タケイシ(bass guitar)、エリオット・フンベルト・カヴィー(ds)です。

3年前に出たアルバム『ディス・ブリングズ・アス・トゥVol.1』についてはブログにUPしています。
スレッギルのオーガニック・ミュージック!
翌年に続編Vol.2が出たのにそちらは買わずじまいでした。

今回は前アルバムのメンバーにチェロのクリストファー・ホフマンが加わった構成。やっていることは前作からあまり変わっていません。チェロが加わることでサウンドに多彩さが加味された程度です。

全曲スレッギルが作曲しています。演奏は2パターン。ファンク系のリズムを基調にしたフリー・ジャズ(めちゃくちゃはやってません)と、音の掛け合いを中心に置いた隙間多めの音響系フリー・ジャズ(めちゃくちゃはやってません)。

スレッギルはその場でアルトとフルートを適宜吹奏。何というか気ままにやりたいように演奏している感じです。力みがない独自の境地に達している演奏ですが、緩い演奏ではありません。緩くないからと言って聴く方に極度の緊張を強いるわけでもありません。メンバーはそんなスレッギルの意思を汲んで自由に音を絡ませ皆で綴っていきます。力強さはあります。

ベースは時にアコースティック・ベースであったり、時にはチューバであったり、チェロの低音が絡んだり、いつの間にか誰かが低音をリードする不思議な世界。ギターがよじれた音を紡いでいると、チェロが弓弾きで絡んだりピチカートで絡んだり、時々トロンボーンが低音を織り混ぜてきたり、あらゆる音が混然一体有機的に絡みます。そんな中ではエルマンのギターがやっぱりリードしている感じはします。

あまり作為的でなく自然発生的な音楽の生成を感じさせるサウンド。私はこれをオーガニック・ミュージックと呼びたい。その昔のべリー・べリー・サーカスにはポップな面があり、それが良さだったのですが、今はそういう余分な脚色がなくなってしまった感じがします。スレッギルの独自な世界がただそこにあるのみ。

アルバムの中で一番長い曲がこれ。ファンク系リズムのフリー・ジャズ。なかなかパワフルでカラフルですよね。

全44分15秒と短めの収録時間は適切。最後にアルバムについての女性ナレーションが入っているのが異色。

自然発生的で有機的な力強いジャズがここにあります。

com-post のクロスレビューを読んだら、元々はかなり作り込んだものとのこと。そういう風に聴き取れなかった私です。まだまだ修行が足らん、喝っ!(笑) ある種の現代ジャズの到達点というのは分かる気がします。

アルバム名:『TOMORROW SUNNY / THE REVELRY, Spp』
メンバー:
Henry Threadgill: flute, bass flute, alto saxophone
Liberty Ellman: guitar
Jose Davila: trombone, tuba
Christopher Hoffman: cello
Stomu Takeishi: bass guitar
Elliot Humberto Kavee: drums

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コメント

あなたの趣味は、好きです。しかし、
バイカーへのコメントは・・・・
皆さん考えています。
・・・スイマセン

投稿: バイカー | 2012年8月23日 (木) 20時38分

バイカーさん
こんばんは。
>あなたの趣味は、好きです。
ありがとうございます。
>しかし、~
おっしゃっている意味がよく分かりません。

投稿: いっき | 2012年8月23日 (木) 22時16分

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