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ジャケットの赤色が素敵過ぎる。

今日はちょっと変わったアルバムの紹介です。まずはジャケット写真から。私はこの赤色というかワインレッドというか、深みのある赤色が凄く気に入っています。素敵な色ですよね。さすがはWINTER & WINTERレーベルです。こんな素敵なジャケットが作れるレーベルは他にないと思います。

P6

テオ・ブレックマン『ハロー・アース! ザ・ミュージック・オブ・ケイト・ブッシュ』(2011年rec. WINTER & WINTER)です。メンバーは、テオ・ブレックマン(vo,live electronic,voice processing,glockenspiel,toy piano,caxixix)、ヘンリー・ヘイ(p,prepared harpsichord,fender rhodes piano)、カリブ・バーハンス?(electric five string violin,el-g)、スクリ・スベリソン(el-b)、ジョン・ホレンベック(ds,per,crotales)です。

これを購入するきっかけは、com-post メンバー益子博之さんが開催しているNYダウンタウンを中心としたジャスの新譜を聴く会「益子博之=多田雅範 四谷音楽茶会」の選曲リストに掲載されていたからです。私は数年前の益子さんの特集でボイス・パフォーマーのブレックマンを知り、結構気に入っていました。

この人が入った面白いグループについてはかなり以前にUP: これってジャズ?

本アルバムのもう一つの興味はケイト・ブッシュの曲をやっているところです。ケイト・ブッシュと言えば、昨年末 ジャズ喫茶「いーぐる」 で行われた「年末ベスト盤大会」で、真保みゆきさんがケイト・ブッシュの『50 Words for Snow』をかけました。それから真保さんと言えば、例のミュージックマガジンの記事で菊地成孔さんが怒ったという(笑)。

私はケイト・ブッシュという名前はもちろん知っていますが、実は曲をあまり聴いたことがありませんでした。なので今回このアルバムをどれほど理解できているのかは微妙なところ。通して聴くと曲そのものに独特な匂いを感じたりはします。奥にある憂いのようなものはケイト・ブッシュらしいのかもしれませんし、湿度感高めなのはイギリスらしいのかもしれません?

このアルバムの主役はフワリと優しいブレックマンのボーカル。あまり癖はないのですが独特な風味は醸し出されています。メンバー各人が色々な楽器を使い分け、アレンジも凝っているので、5人でやっているとは思えない多彩なサウンドが展開しています。繊細なニュアンスを大事にしつつアクティブな感じも失わない深みのある音楽がここにあります。

現代NYジャズマンのジャズでないけれどジャズの匂いを秘めた音楽です。
ヒットチャートに縁はないでしょうけれど上質な音楽です。
興味を持たれた方は是非!

アルバム名:『HELLO EARTH ! The music of Kate Bush』
メンバー:
Theo Bleckmann(vo, live electronics, voice processing, toy piano, eaxixi)
Henry Hey(p, prepared harpsichord, fender rhodes piano)
Caleb Burhans(electric five string violin, el-g)
Skuli Sverrison(el-b)
John Hollenbeck(ds, per, crotales)

話は変わりまして、ケイト・ブッシュを検索したら面白いことを見かけました。

そのサイトにはケイト・ブッシュのアルバムとちょっとしたコメントが書いてあるのですが、そのコメントの中にこんなことが書いてあります。1978年の来日時の思い出とのことで、
”何だかすげー顔して体操しながら唄ってる。”
と。”体操しながら唄う” この一言に私は吸い寄せられました(笑)。「なんじゃそりゃっ?」と興味津々。ありがたいですねYouTube。その模様がちゃんとUPされているんです。これです。今のところ最初で最後の来日とのこと。

なるほど。確かに変な振り付けで歌ってます。インパクトあります。20歳には見えない(笑)。私、これを見ていてケイト・ブッシュが好きになりました! ”独特な際立つ個性”は私がジャズに求めているものの一つです。パッと見奇抜だけれど表現に対する真摯な姿勢故なのだろうと感じられます。

この頃は音響的に優秀な小型マイクなんてないですから、首から普通のワイヤレスマイクを吊るして花飾りでカムフラージュしてます。面白い。

次は番組のテーマ曲としてさわりの部分しか聴いたことがありませんでした。このPVを見ると表現者としてのケイト・ブッシュに強く惹かれます。それになかなかいい曲ですよね。当時の私はABBAが好きな中坊でしたのでこの良さは分かりませんでした。赤色のドレスがいいですね。今日は赤色で始まり赤色で終わります。

この曲が入っているデビュー・アルバム『天使と小悪魔』のレコードが猛烈にほしくなってきました(笑)。CDじゃなくてLPレコード。今度中古レコードを買いたいと思います。

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ポップ・ロック・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

いっきさん、こんばんは。

今回はケイト・ブッシュに反応しました。
僕もケイトには非常に興味があります。
といっても聴いたことがあるのは3曲だけですが。
1.Wuthering Heights(邦題嵐が丘、デビューアルバムThe Kick Inside)
2.Babooshka(サードアルバムNever for Ever)
3.Violin(Never for Ever)
この中で一番有名なのは1でしょうが、僕が気に入っているのはViolinです。
何の変哲もないハードロックと言われればそれまでですが、
曲間のIan Bairnsonのギターソロ、ケイトのエキセントリックなヴォーカル
が素晴らしい僕にとっては一番テンションの上がる曲です。

>>なるほど。確かに変な振り付けで歌ってます。インパクトあります。

これはパントマイムの影響でしょうね。彼女はリンゼイ・ケンプというパントマイミストに師事していたらしいですから。
ケンプはデヴィッド・ボウイにも影響を与えた方みたいです。

>>この曲が入っているデビュー・アルバム『天使と小悪魔』のレコードが猛烈にほしくなってきました(笑)。
CDじゃなくてLPレコード。今度中古レコードを買いたいと思います。

このアルバム日英米でジャケットが違うみたいですよ。日本盤と米盤はケイトがジャケットに登場していて、どちらも良いのですが、
日本盤はアイドルしていて最高ですよ。

あとよく言われるみたいですが、ケイトと矢野顕子さんのヴォーカルスタイルは似ているように感じられるのですが、
いっきさんはどう思いますか。

投稿: kimt | 2012年7月27日 (金) 21時15分

kimtさん
こんばんは。


その3曲はどれもなかなか面白いですね。
1曲目は紹介済みですので飛ばします。
2曲目《バブーシュカ》はベースと踊ってるPVがユニークでした。
曲調は何となくクイーン風にも聴こえます。悪くないです。
3曲目《ヴァイオリン》はケイト自身がヴィオリンになったような歌唱がユニークです。
伴奏のヴィオリンはフリー・ジャズに通じるテイストを感じて好みです。


パントマイムうんぬんについてはウィキにも書いてありましたね。
パントマイミストに師事していたとは。
表現者として真摯なものを感じるのはそういうケイトの姿勢からなのでしょう。


『天使と小悪魔』はジャケット違いがあるんですか。
私はもちろん日本盤のアイドル仕様がいいです。
できればタスキが付いているやつ。


>あとよく言われるみたいですが、ケイトと矢野顕子さんのヴォーカルスタイルは似ているように感じられるのですが、
そう言われてみれば似てますね。
鼻から脳天へ抜けていくようなハイトーン。
矢野顕子のほうがカマトト強めだとは思いますが(笑)。

投稿: いっき | 2012年7月27日 (金) 23時42分

いっきさん、こんばんは。

>>3曲目《ヴァイオリン》はケイト自身がヴィオリンになったような歌唱がユニークです。
伴奏のヴィオリンはフリー・ジャズに通じるテイストを感じて好みです。

確かにそんな風に聴こえますね。何の変哲もないハードロックとか書きましたが、
いかに音楽の表面の部分しか聴いていないのがバレましたね。お恥ずかしい限りです。
まあ、自分がそういう聴き方をしているのは薄々感じていましたが。
ケイトの音楽は奥が深いので今度はじっくり聴いてみたいと思います。(歌詞も含めて)

>>2曲目《バブーシュカ》はベースと踊ってるPVがユニークでした。
曲調は何となくクイーン風にも聴こえます。悪くないです。

この辺はいかにもブリティッシュ・ロックという感じがしますね。
湿り気を帯びた深みのある音楽です。
昔はアメリカン一辺倒だった僕ですが、最近はブリティッシュも気になってきました。

>>パントマイムうんぬんについてはウィキにも書いてありましたね。

そのまま書いてしまいました。ウイキペディアにはパントマイムのスクールでボウイやザイン・グリフと交流があったと書いてありましたが、
この「ザイン・グリフ」というアーティスト、80年代に美形ヴォーカリストとして雑誌「MUSIC LIFE」などで取り上げられていました。
懐かしかったですね。音楽的にはボウイのフォロワーらしいですが、高橋幸宏さんのアルバムに参加したこともあるそうです。

ところでケイトのファーストアルバム「天使と小悪魔」CDのジャケットは一番色気のない英盤のジャケットを採用しているみたいですね。
残念。やはり日本盤のアナログを手に入れたいところです。

投稿: kimt | 2012年7月30日 (月) 01時21分

kimtさん
こんばんは。


>いかに音楽の表面の部分しか聴いていないのがバレましたね。お恥ずかしい限りです。
そんなことないと思います。
単に言葉にするかしないかくらいの差じゃないでしょうか。


>ケイトの音楽は奥が深いので今度はじっくり聴いてみたいと思います。(歌詞も含めて)
確かに深い感じがしますね。
じっくり聴く価値はあると思います。


>この辺はいかにもブリティッシュ・ロックという感じがしますね。
>湿り気を帯びた深みのある音楽です。
おっしゃるとおりです。


>昔はアメリカン一辺倒だった僕ですが、最近はブリティッシュも気になってきました。
私は中学生の時、プログレ好きの友達からクリムゾンとかツェッペリンとか薦められて聴きましたが、当時はいまいちでした。
だってABBAが好きだったんですから(笑)。
高校生の時には友達からセックスピストルズを薦められて聴いたけれど受け付けず。
同時に薦められたJAPANに嵌りました(笑)。
でもJAPANのみでその後はジャズです。
ビートルズには全然縁がありませんでした。


>音楽的にはボウイのフォロワーらしいですが、高橋幸宏さんのアルバムに参加したこともあるそうです。
高橋幸宏と言えば、JAPANと並行してYMOは好きで聴いていました。


>残念。やはり日本盤のアナログを手に入れたいところです。
ですよね。

投稿: いっき | 2012年7月30日 (月) 23時31分

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