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知的な中に織り込まれる粗野

今日もニューヨーク・ダウンタウンのジャズです。

P8 『トニー・マラビーズ・ノヴェラ アレンジメンツ・バイ・クリス・デイヴィス』(2011年rec. clean feed)です。メンバーは、トニー・マラビー(ts,ss)、マイケル・アティアス(as)、ヨアヒム・バデンホルスト(b-cl)、アンドリュー・ハドロ(bs)、ラルフ・アレッシ(tp)、ベン・ガースティン(tb)、ダン・ペック(tuba)、クリス・デイヴィス(p,conductor)、ジョン・ホレンベック(ds,per)です。このアルバムは昨年出て、チェックをしていたのに買いそびれていた1枚。

com-post の益子博之さんの最近の記事を読んで、これも聴いておかなければならないということで購入しました。「ジャズ批評」2012年3月号の「マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2011」で益子さんが推薦していた1枚でもあります。

トニー・マラビーは独特な音響的吹奏や爆発的な即興が魅力のサックス奏者です。私は益子さんの特集で聴いてからフォローするようになりました。私の中では注目サックス奏者と言えば、クリス・ポッターかトニー・マラビーかというくらいです。クリポタの知名度が上がりつつある今日この頃、マラビーの知名度も上がってほしいと願うところではありますが、まあ無理でしょうね(笑)。

フリー・ジャズの人なので、フリー・ジャズの根強いファンにはその実力を知られているはすです。この辺りのジャズは面白いんですけれど、なかなか知名度が上がりません。私はめげずに紹介していきます。

トニー・マラビー参加のこのアルバムなんかも面白いです。
とても音楽的なフリー・サックス・トリオ

本アルバムはホーン奏者7人+ピアノ&ドラムという面白い編成です。メンバーの中で私が知っているのはマイケル・アティアス、ラルフ・アレッシ、クリス・デイヴィス、ジョン・ホレンベック、ニューヨーク・ダウンタウンを聴いている人は注目している人達です。

ドラマーのジョン・ホレンベックはクローディア・クインテットというグループ(このグループのアルバムについてはブログで何度か紹介済み)やラージ・アンサンブルというビッグバンドを率いている鬼才ドラマー。クリス・デイヴィスはマラビーとつるんで色々やっている女性ピアニスト。今回はマラビーの曲をアレンジしてその才能を見せてくれます。

全体を通して聴くと現代音楽的な部分がある知的なサウンドということになると思います。ホーンのアンサンブルの多彩で繊細なアレンジは聴きものです。面白いのはその中に織り込まれている粗野な部分。ホーンが知的なアンサンブルを聴かせていたかと思うと粗野な(と言っても適度ではありますが)ホーンのフリーな掛け合いが出てきたりして、演奏に躍動感をもたらしています。

なかなか凝った楽曲と凝ったアレンジというと何か静的なイメージになると思うのですが、中にフリーなホーンの掛け合いを混ぜたり、マラビーを始めとするホーン陣のダイナミックなソロをフィーチャすることにより各所に動的な展開が現れ、知的でありながらパワーもあります。それから知的な部分と粗野な部分がばらばらにならずとても上手くブレンドしているところが良いです。

トニー・マラビー、色々面白いことやってますよ。
ジャズもまだまだ面白いです。

アルバム名:『Tony Malaby's Novela Arrangement By Kris Davis』
メンバー:
Tony Malaby(ss, ts)
Michaël Attias(As)
Joachim Badenhorst(b-cl)
Andrew Hadro(bs)
Ralph Alessi(tp)
Ben Gerstein(tb)
Dan Peck(tuba)
Kris Davis(p, conductor)
John Hollenbeck(ds, per)

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