時にはこんなものもアリ。
数年前のアルバムですが聴いてみたくなりました。
ジョエル・ハリソンの『ハリソン・オン・ハリソン』(2005年、HIGHNOTE)です。メンバーは、ジョエル・ハリソン(el-g,national steel-g,fretless-g,vo)、デイブ・リーブマン(ss,ts,wood flute)、デヴィッド・ビニー(as)、ユリ・ケイン(p,fender rhodes)、ステファン・クランプ(b)、ダン・ワイス(ds)、トッド・イスラー(per)、ゲスト:ゲイリー・ヴァセーシ(p)、ロブ・バーガー(B3 organ)、ジェン・チェイピン(vo)です。
ハリソンの今年の新譜『サーチ』を聴いて、この人のアルバムをもっと聴きたくなって買った1枚。『サーチ』については⇒こういうのも悪くありません。
このアルバムはジョージ・ハリソンの曲をやっているということに興味がありました。と言いながら、私が知っているジョージの曲と言えば《マイ・スウィート・ロード》くらい。中学1年生くらいの時にAMラジオ放送から流れてきたこの曲をラジカセで録音して好きになりました。良い曲ですよね。当時ラジオには素敵な洋楽がたくさん流れていました。
このアルバムのもう一つの興味はデイブ・リーブマンの参加。ちょっとジャズから離れたこのアルバムでどんな活躍をしているのか気になったのです。やっぱりリーブマンもアメリカ人ですね。ジャジーにアドリブをガンガンやる一方で、ジョー・ロバーノのようにアメリカンソングをテナーで歌うところもあり、リーブマンのサックスが上手く生きています。
ともするとゴリ押しサックスを奏でるリーブマンですが(それはそれでまた楽しい)、ここでは程よくリラックスした演奏が聴けます。《タックスマン》ではロックンロール・アレンジに乗ってビニーとのサックス・バトルを繰り広げますが、リーブマンはどこか楽しげ。ジョージの曲に交じって《マイ・ファーザーズ・ハウス》だけはジョエルの曲。ゆったりしたバラードでリーブマンの大らかなテナーがいい味出してます。続くジョエルのフレットレス・ギターも伸びやか。
《ウィズイン・ユ-・ウィスアウト・ユー》のみリーブマンがアレンジを担当していて、これがインド風エスニックかつスピリチュアルな匂い漂うものになっているところが面白い。イントロの部分はなんとなく《イン・ア・サイレント・ウェイ》にも聴こえて、リーブマンの立ち位置が見えてくるというものです。ジョージのカントリー曲と牧歌的なサウンドが上手く合っていますね。そんな中でリーブマンらしいうねるソプラノ・サックスが生えます。
ジョエルはギター演奏よりはアレンジと曲の雰囲気を出す方に力を注いでいます。カントリー調、ロック調、フュージョン調、歌入りなど色々あり、ギターもエレキ、スティール、フレットレスの各ギターを使い分け、単調なサウンドになるのを避けています。3曲では歌も披露。歌はなかなか良い雰囲気です。私のお目当て《マイ・スウィート・ロード》はスティール・ギターとベースとパーカッションのみでジョエルが歌う素朴なカントリーに仕上がっていました。《オール・シングス・マスト・パス》のみ女性ボーカルをフィーチャ。
各メンバーはジョエルのアレンジを過不足なく演奏。腕がある人達ですから当然です。このアルバムで各メンバーを個々に語ってもしょうがないと思います。一言触れるならケインがピアノをしっかり聴かせてくれているところに好感が持てました。
このアルバム、私は気に入りました。
休日の午後、これをB.G.M.にして読書でもすれば大人お洒落かも?
アルバム名:『Harrison on Harison』
メンバー:
JOEL HARRISON(el-g, national steel-g, fretless-g, vo)
DAVE LIEBMAN(ss, ts, wood-fl)
DAVID BINNEY(as)
URI CAINE(p, rhodes)
STEPHAN CRUMP(b)
DAN WEISS(ds)
TODD ISLER(perc)
Guest:
GARY VERSACE(p)
ROB BURGER(B3 org)
JEN CHAPIN(vo)
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