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あ~ケニー・ギャレット・・・。

遅い新譜紹介です。FM-NHK「ジャズ・トゥナイト」でかかっているを聴いて、買いたくなった1枚なのですが・・・

P196 ケニー・ギャレット『シーズ・フロム・ジ・アンダーグラウンド』(2012年、MACK AVENUE)です。メンバーは、ケニー・ギャレット(as,ss,p)、ベニート・ゴンザレス(p)、ナット・リーヴス(b)、ロナルド・ブルーナー(ds)、ルディ・バード(bata,per)、ネデルカ・プレスコッド(vo)です。久しぶりにギャレットのアルバムを買いました。「この人は最近何やってるのかな~?」と。

「ジャズ・トゥナイト」でかかった曲は《J.MAC》。コルトレーン・カルテット風の曲でギャレットが気持ち良さそうにブローしていたので、「なかなか良いかも?」と思って購入。通してきいたら・・・、「なるほど、今更こんなことをやりたいのか。」という感じです。

正直に言ってしまえば肯定的というよりは否定的な感じ(涙)。全10曲ギャレットが作曲。アフロ・スピリチュアルなジャズが並んでいます。モロにコルトレーン・カルテット風な演奏が何曲かあります。アフリカンな曲にはパーカッションが参加。ギャレットは気持ち良さそうにブローしているので、何も考えずに聴けば楽しいと言えば楽しいアルバムです。

でもそれだけ、触発されるような要素はありません。まっ、これはこれで”アリ”だとは思います。この人はマイルスの元にいて色々学んだと思うんですけどね~。今やこの人の中でジャズは進展していないようですね。むしろ後退している感じです。進展しなければいけないというわけではありませんが、だからと言ってこれで良いのかというと?

ピアノのゴンザレスが痛い。コルトレーン風な曲ではマッコイ・タイナーを演じているわけですが、ソロになるとチック・コリアが顔を出したり、ハービー・ハンコックが顔を出したり、「あなたはだぁーれ?」と聞きたくなります(笑)。リーブスのベースは存在感薄いです。スタンリー・クラーク・グループのドラマー、ブルーナーは元気があってなかなかよろしい。途中に入るタム”ドロドロドロン”が気持ち良いです。

《デトロイト》という曲が異色。始終バックにレコードのプチパチ音が効果音として流れ、素朴なピアノだけを伴奏に(ギャレットが弾いているのか?)アルトでスピリチュアルなバラードを展開していきます。途中からはアフロ・スピリチュアルな女性ボイス(コーラス風)が加わっていかにもな感じ。でもどこか厳かになりきれない中途半端さ(涙)。レア・グルーヴ~クラブ・ジャズの影か。トホホ。これだからクラブジャズってやつは・・・。

あちらでも”ジャズの何たるか”は今やこんな状況なのでしょう。
色々書きましたがちゃんとジャズやってますしギャレットの熱演は聴けます。

アルバム名:『Seeds from the Underground』
メンバー:
Kenny Garrett(as, ss, p)
Benito Gonzalez(p)
Nat Reeves(b)
Ronald Bruner(ds)
Rudy Bird(bata, perc)
Nedelka Prescod(vo)

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