« ルドレシュ・マハンサッパじゃっ! | トップページ | 音楽が持つ表情を聴かせるフュージョンです。 »

是安則克 追悼LIVEへ行ってきました。

昨日は 「桜座」 の是安則克さんの追悼LIVEへ行ってきました。ベーシストの是安さんは去年56歳で急逝されました。心筋梗塞らしいです。私は全然知らなかったのですが、昨年桜座でライブをした5日後に亡くなられたのだそうです。まだお若いのに残念です。是安さんが亡くなられたことについて私が大好きなサックス奏者早坂紗知さんがブログに書かれているのでリンクを貼ります。

http://blog.goo.ne.jp/minga226/e/eaa247ddecc117922cdea0991dc3e042

私が持っているアルバムで是安さんが演奏しているのはサックス奏者林栄一さんの『MAZURU』です。《サークル》1曲だけですが、是安さんは腰の据わったウォーキング・ベースを弾いています。アルト・サックス・トリオなのでリー・コニッツの『モーション』~オーネット・コールマンの『アット・ザ・ゴールデン・サークル』みたいでカッコいいです。

P185 今回このライブに行ったのは林栄一さんのアルトと加藤崇之さんのギターが聴きたかったからです。このお2人の演奏、一度聴けば分かりますが凄いです。バンドのリーダーは 宅shommy朱美 さんです。shoomyさんは知らなかったのでネット検索したらYouTubeにいくつか動画あり、フリー・ジャズをやっていたのでてっきりジャズの人かと思っていたのですが、ライブを聴いたらどちらかと言えばシンガー・ソング・ライターでした。中央線沿線が似合いそうなアングラ系ジャジーなフィーリングに溢れた演奏と歌です。

shommyバンドのメンバーは、宅shommy朱美(vo,p)、加藤崇之(g)、樋口昌之(ds)とベースの是安さん。この4人で昨年桜座でライブをしました。今回は追悼バンドということで、ゲストとして松風紘一(ts,fl)、林栄一(as)、米木康志(b)、吉野弘志(b)が参加しています。

いつもより開演時間が早く18:30だったので間違わないように早めに桜座へ。中に入るとドリンクスペースにミュージシャンの皆さんがチラホラ、shoomyさんがテーブルに座って楽譜を書いていました。後で分かったのですが、演奏者の皆さんの編曲をしていたようです。そのせいなのかどうなのか、開演は30分遅れました。この辺りがジャジーですよね(笑)。

1stセット。全員登場して《Dejavu》から。フリー・ジャズです。shoomyさんの歌なのかスキャットなのか?混沌とした世界がアバンギャルドです。サックスの自由な咆哮、異音を放つギター、地を這うベースの重奏、タイトなドラム。カッコいいサウンドです。私はこういうカオス系が大好き。演奏が終了するとshoomyさんのMC。故是安さんの奥さんも来ていて紹介されました。是安さんがデザインした?Tシャツが飾られて演奏を見守る感じに。合掌。

ここでshoomyさんの指示でサックスが松風さん、ベースが米木さんに。《ロブノール》。日本のディープなジャジー・フォークという感じのバラード。ギターの加藤さんとドラムの樋口さんはこのバンドのオリジナル・メンバーなので楽譜は見ませんが、松風さんと米木さんは楽譜を見ながらの演奏。テナー・ソロはほとんど書かれたもののようでした。加藤さんはエレクトリック・ギターとエフェクター群を使いサウンドエフェクトで演奏を装飾し、ギター・ソロになればディープな演奏するというこのバンドの肝なのでした。とにかく加藤さんはカッコ良すぎ! 樋口さんは珍しいサウスポー・ドラマー。セッティングも不通と逆です。派手さはないけれど落ち着いたグルーヴを生み出していました。

次はサックスが林さんでベースが吉野さん。曲名がよく聞き取れませんでしたが、ボサノバ風の歌と曲です。林さんと吉野さんはやっぱり楽譜を見て演奏。林さんのアルト・ソロ。音が素晴らしいです。アルトの鳴りが良く抜けるようなブライトな音はその音だけで快感。書かれたものだとしてもそこに込められた情感は人の心を打ちます。吉野さんのベース・ソロはオーソドックスでした。

次は松風さんのサックスと米木さんのベース。《インファント・アイズ》。最初に曲紹介がなかったので、聴いたことはあるんだけれど曲名が浮かんでこず、「いい曲なんだよな~これ。何だっけ。」と、のどに小骨がつっかかったような感じで聴いていました。曲後にタイトルを聴いて「それそれ。」となりました。ウェイン・ショーターのこの曲を取り上げてくれたことで一挙に好感度UP。shoomyさん、さすがでございまする。松風さんのフルート・ソロ、加藤さんのギター・ソロ、この曲の持つミステリアスでアンニュイなイメージが良く出ていました。

5曲目は再び全員で。タイトルはよく分かりませんでした。4ビート(ここまで4ビートなし)でジャジーな曲。shoomyさんのピアノのタッチはクッキリ。ピアノも良く鳴っています。林さんのアルト・ソロ、松風さんのフルート・ソロ、それぞれ良かったです。松風さんは曲想にあった好演奏なんですが林さんほど個性がなく職人的。そこへ行くと林さんは職人でありつつアーティストです。shoomyさんのスキャット風な歌が印象的でした。ベースは一人だけで演奏したり一緒に演奏したり、楽譜に書かれているみたいでした。米木さんは職人的ジャズベーシストでピチカートに専念。吉野さんはより自由でアーティスティックなベーシストで弓弾きもしていました。

6曲目は最初と同様フリー・ジャズでした。曲が終わるとメンバーからshoomyさんに「休憩しないの。」と声が(笑)。もう1曲やって休憩とのことで、松風さんのテナーとのデュオから静かに情感豊かな演奏が始まり、途中からベースとドラムが入ってその流れのまま終了。ここまで約1時間半。普通より長めの1stセットでした。

ゲスト・メンバーの皆さん、たぶんリハーサルはあまりしていないと思うのですが、楽譜を見ながらでも全く不安のない演奏ぶり。要するにプロフェッショナルということです。マスメディアにはあまり乗らないけれど、こういうジャズ・マンがたくさんいて日本のジャズを支えているのです。

P186

15分ほどの休憩をはさんで2ndセット。1曲目は全員で面白い歌詞の《まわる まわる 目がまわる》フリー・ジャズ、加藤さんのギターが尖がりまくってました。林さんのフリーキーな吹奏はさすがの一言。2曲目は林さん米木さんとでボサノバ調。3曲目は松風さんと吉野さんとでボサノバ風《サウダージ》。4曲目は全員でバラードの《泣いて笑って》。加藤さんの泣きのギターが素敵でした。5曲目は松風さんと米木さんとでフォーク調歌謡曲を弾き語りから。6曲目は林さん吉野さんとで《天国への最後の階段~Last Steps To Heaven~》。弾き語りで始まりドラム・レス。林さんのアルト・ソロ、吉野さんの弓弾きも含めたベース・ソロが素敵でした。ラストは全員で《サンクチュアリ~船出~》。

ここまでで22:00を少々過ぎていたので(桜座は原則22時以降音が出せない)、アンコールはどうなるのかと思いました。松風さんが「2ndセットは全曲がアンコールのつもりです。」と言ったので終わりかと思ったら、shoomyさんが1曲やるということで、ピアノ弾き語りで《オセアナ》(と言ったと思います)。始まる前に照明が一旦明るくなったので、このアンコールは予定外だったのでしょう。静かなエンディングとなりました。

全部がジャズというわけではありませんでしたが濃ゆ~い時間を過ごせました。
とても楽しかったです。

ライブ終了後、是安さんが亡くなる5日前昨年9月18日の桜座ライブの模様を収めたDVD&CD2枚組が発売されてたとのことで買ってきました。
是安さんのご冥福をお祈りいたします。

|
|

« ルドレシュ・マハンサッパじゃっ! | トップページ | 音楽が持つ表情を聴かせるフュージョンです。 »

ライブ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/511944/45615820

この記事へのトラックバック一覧です: 是安則克 追悼LIVEへ行ってきました。:

« ルドレシュ・マハンサッパじゃっ! | トップページ | 音楽が持つ表情を聴かせるフュージョンです。 »