マイルスがもう少しヒップホップをやっていたら・・・
マイルスがヒップホップをもう少し続けていたらどうなったのか?
今となっては考えてもしかたがないことなのですが・・・。
YouTubeでたまたまこんなのを見つけました。
ビッグ・ダディ・ケインの《エイント・ノー・ハーフ・ステッピン》。
この人はヒップホップの「黄金時代」のもっとも偉大なラッパーのひとりに挙げる人も多いそうで、高速のラップやシャープなフローなど、その後のラッパーに与えた影響は計り知れないとか。
これを聴いたらまたまたマイルスの『ドゥー・バップ』が浮かんできました。
《ファンタジー》です。トラックの雰囲気が似ているからです。
『ドゥー・バップ』はマイルスとイージー・モー・ビーの未完成セッションを死後に完成させたものなので、これなんかはマイルスのソロの完成度は低く、あとから上手くつないでどうにか1曲にした感じがします。
とライナーノーツを見たら、85年のマイルスの録音に後からイージー・モー・ビーがトラックを付けた見たいです。なるほどフィットしていないはずです。
それはそれとして、マイルスが自分のトランペットを未だヒップホップに上手くフィットさせているとは言い難いここを出発点として、それまでのマイルスがそうだったように、その後上手くフィットさせて行ったら、どんな風になったのか興味は尽きません。
上記のビッグ・ダディ・ケインのラップのフローなんかは、そのポップな雰囲気も含めマイルスにとっては参考になる人だったのかもしれませんね。
昨日の《ドゥー・バップ・ソング》といい、これといい、『ドゥー・バップ』というアルバムは、80年代後半のヒップホップ・サウンドの上に成り立っているのだろうと想像します。
発売された92年としては、ア・トライブ・コールド・クエストやドクター・ドレーなど90年代の新しいサウンドから少し遅れていたのかもしれませんが、出発点としては決して悪くはなかったのではないかと思います。
マイルスの死によってその出発点だけが残ってしまったという歴史の皮肉。
合掌。
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コメント
いっきさん。
オイラの記憶では、マイルスの『ドゥー・バップ』より先に
ハーブ・アルパートの方が、ヒップホップ風サウンドには
接近していたような気がします。きっと早過ぎた!!
投稿: tommy | 2012年5月 3日 (木) 02時08分
tommyさん
おはようございます。
ハーブ・アルパートがそんなことをやっていたとは知りませんでした。
私の中では《ライズ》とロバートブラウンの人(笑)。
投稿: いっき | 2012年5月 3日 (木) 07時45分
ハーブ・アルパートは、どんなに頑張っても黒くならない(笑)。
サウンドはいいんだけど、トランペットが浮いてしまうんです。
《ライズ》もそうなんですよ。オケはいいんですけどねぇ!!
比較的新しい1991のPVを観てみてください。
Herb Alpert-"North on South Street"
http://www.youtube.com/watch?v=QgSYJGifQMo
投稿: tommy | 2012年5月 3日 (木) 16時21分
tommyさん
こんばんは。
モロにヒップホップやってますね。
これっ、嫌いじゃないですよ。めっちゃ軽いけど(笑)。
黒くないのはどうしようもありません。誰も求めていませんよ。
1991年とはまた興味深い。
Us3が結成されてマイルスが死んだ年。
ア・トライブ・コールド・クエストがファースト・アルバムを出した年。
90年代に入って一気にジャズ/フュージョンとヒップホップが
クロス・オーヴァーしたんでしょうね。
マイルスはその最中に亡くなってしまったという。
ハーブ・アルパートとは盲点でした。
この時期の状況を知る貴重な資料です。
ありがとうございます。
投稿: いっき | 2012年5月 3日 (木) 19時59分