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アドリブ一発!漢のサックス・トリオ。

今日は新譜紹介です。

P135 スティーヴ・リーマン・トリオ『ダイアレクト・フルオレセント』(2011年rec. PI RECORDS)です。メンバーは、スティーヴ・リーマン(as)、マット・ブリューワー(b)、デミオン・リード(ds)です。漢のサックス・トリオ!このジャケットは何ともミスマッチです。それが今時と言えば今時か?

リーマン久々の新譜です。今回は買うかどうか様子見だったのですが、私が徘徊するブログでなかなか良さそうなことが書いてあったので、慌てて購入しました。一応リーマンはフォローしているサックス奏者です。多分これが前リーダー作だと思います。

「今日は新譜紹介しまっせー。」

昨年注目作を出した同じアルト奏者のルドレシュ・マハンサッパとの双頭クインテットのライブ録音でした。ベースとドラムは今回と同じくブリューワーとリード。現代ジャズのひとつの形ですね。私は支持しています。マハンサッパとリーマンは良きライバルだと思います。今回はリーマンがやってくれました。

このサックス・トリオはリー・コニッツ『モーション』の現代版です。リーマンがアドリブ一発にかけて朗々とアルトを吹き切っています。これがカッコいいのですよ。久しぶりに心踊らされる熱い吹奏を聴いた気がします。現代ニューヨーク・ジャズにもこういう面はあるのです。

面白いのは曲配列。リーマンのオリジナル曲とジャズメン・オリジナル曲などが交互に並んでいます。これらの比較をするのが面白いです。リーマンの曲は現代トリスターノ系。ウネウネと幾何学的で馴染み難いメロディー。こういうのが嫌いな人が少なからずいることは承知しています。このメロディーが乗るのが数えるのもバカらしくなる複雑怪奇な変拍子。現代ニューヨーク・ジャズの一つの形ですが、良さが分からないと言ってしまえばそれまでのこと。

こんなのがアルバム1枚続くと私も疲れてしまうのですが、今回は間にジャズメン・オリジナルなどが入っています。これが馴染めます(笑)。やっぱり知っているメロディーの効果は絶大。リズムも4ビートを基本にした現代的なパルシブなものになっています。これはもう『モーション』の現代版と言って良いでしょう。アドリブ一発の凄み。ジャズメン・オリジナルを聴くと今度はリーマンのオリジナル曲にも馴染めてしまうのが面白いところです。

ブリューワーのベースがゴリゴリ・ゴリゴリと迫り、手数が多いリードが縦横無尽にパルシブなドラミングを繰り広げて鼓舞し、それに乗ってリーマンが熱く燃え上がるのがこのアルバムです。ドラムとのバース交換やベース・ソロはほんの少し。とにかくリーマンが吹きまくっています。私が最高だと思う演奏はデューク・ピアソンの曲《JEANNINE》。このピアソンらしい良い曲をとにかく熱く勢い溢れて吹き切るところが素晴らしい!

大音量で聴くと”スカッ”とします。できるだけ大音量で聴いて下さい。

ジャズについては、黒いだの白いだの、ブルースだのカントリーだの、踊れるだの踊れないだの、批評性だの、ヒップホップだの、ポスト・プロダクションだの、色々な語句が飛び交っていますが、やっぱりアドリブ一発の凄みを聴かないで何のためのジャズなのかと思う今日この頃です。DCPRGにしたってそうですよ。類家心平さんや津上健太さんなどのソロついて言及しないような人達はジャズ・ファンとはみなしません。キッパリ。

ジャズ・ファンならスティーヴ・リーマンを聴け!

アルバム名:『DIALECT FLUORESCENT』
メンバー:
Steve Lehman(as)
Matt Brewer(b)
Damion Reid(ds)

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