クリス・ポッターを観るための上京ですが他にも色々寄ってきました。4か月ぶりの東京ですからね。
まずはディスクユニオン新宿ジャズ館でいらないCDを処分。査定をしてもらっている間に中古CDを物色。私が気に入っているNY先端ジャズ系のアルバムが安めの値段でチラホラ見つかり、今時ジャズ需要の実態をなんとなく察することができました。レア盤のセールもやっていましたが、最近値崩れしつつあり、その棚を見ている人はあまりいませんでした。今の私はレア盤CDに全く意味を感じなくなしました。ほとんどのものが高いお金を払ってまで聴く価値はないんですよね。
ということでマニアックな2枚を購入しました。アラン・ホールズワースの『i.o.u.』とMSGの『Tasty!』です。我ながら”よくもまあ。”と思う2枚(笑)。
1階の新品売り場もサラッと見渡して、”そうだ!あれを買わなきゃ。”ということで、橋爪亮督グループの『アコースティック・フルード』を買いました。ウェブマガジン 「com-post」 のクロスレビューで取り上げられている1枚です。Amazonで買っても良いのですが、たまにはユニオンにお金を落としてあげましょう(笑)。
クロスレビューを読むとつい聴いてみたくなるんですよね。私にとっての興味はどのアルバムをレビューするとかしないとかではなく、アルバムの中身ですね。それがジャズ聴きってもんでしょう。帰って聴いてみたらとても心地良く聴けるアルバムだったので意外でした。レビューを読んでいるとお堅い物に感じられちゃうんですよね~。
ここではかさ張るレコードは買いませんでした。1泊するので翌日買うことに。
次は御茶ノ水の「GRAUERS」へ向かいました。これまで2回行ったんですがお店が開いていなかったので、今回こそはという気持ちでお店へ。開いていました!三度目の正直です。
いい雰囲気のお店です。お客さんもたくさんいました。で、一番奥のスピーカー前へ。マスター古庄さんの姿が見えないと思ったら、奥の厨房にいたようでしばらくすると出てきました。ご挨拶してコーヒーを注文。かかっていたのはソニー・クラークの『クール・ストラッティン』。
レンガが積んであるしっかりした土台(外がレンガで中身はコンクリートとのことでした)の上にJBL4333Aが鎮座。低音がしっかり良い感じに鳴っています。スピーカーの上にはJBLの最近のスパーツイーターが乗せられていて高域を伸長。こういう使いこなしがオーディオマニアならではなのですよね。中域重視の濃い音が鳴り響きます。これぞジャズの音です。古めかしい音ではなく適度に新しい響きがブレンドされた音。いい感じです。音量は大き過ぎない程度。
コーヒーが美味しかったです。コーヒーと一緒にフランスパンを切ってシナモン薫るジャムを塗ったお菓子が付いてくるのがお洒落。次にかかったのがナット・アダレイの『リトル・ビッグ・ホーン!』。これは同じステレオ・オリジナル盤を持っています。前にブログで紹介しましたよね。日本放送(AMラジオ)でやっていた「夜のドラマハウス」のテーマ曲が入ったやつです。お気に入りのこれがかかって私の気分は上々。レコードはやっぱりいいな~。
次がデイブ・ブルーベックの『デイブ・ディグズ・ディズニー』。ちょっとバカにしていた1枚なのですが、これがいい。ポール・デスモンドのアルトが心地いいんです。これはオリジナル盤を持っていたいところですね。そしてG.J.T.の『ラブ・フォー・セール』。これってやっぱりトニーのドラムは凄い音で入っているんですね。ここで聴くとそれがよく分かりました。ハンクはちょっと気張り過ぎかな。コーヒーをお代わりしたら今度はカントリーマアムが付いてきました。このお菓子好きです。
次はレッド・ロドニーの『レッド・ロドニー・リターンズ』。私はこれもオリジナル盤を持っています。私がオリジナル盤を持ているのが2枚もかかるなんて奇遇です。何の細工もないストレートなハードバップ。カウンター席に移ってマスターとオーディオのことなどを歓談。次にかかったのはジョー・パスの『Tudo Bom』。ポーリニョ・ダコスタとやっているトロピカルな1枚。この軽い雰囲気もなかなか良いです。
レコードプレーヤーはバーコEMT948が2台、放送局の送り出し用に使われている機種。これ、オーディオ誌で読んだけれどダイレクトドライブです。ペナペナの軽いプラッターなのに生き生きと鳴ると書いてありました。正にそういう音で鳴っていました。カートリッジはモノ用とステレオ用がそれぞれ付いているそうです。もちろん両方EMT製。OFD25とTSD15かな?聞くのを忘れちゃいました。
CDプレーヤーはスチューダ。これも業務用。ドイツの業務用で入り口を固めているのが渋いです。予備も含めて3台ありました。古いので現代的ではないけれど聴きやすい音だとのことでしたが、それでもCDはあまりかけずほとんどレコードをかけているそうです。CDの音も聴かせていただきました。解像度はやはりレコードよりCDの方が良いと思いました。
アンプはマッキントッシュの比較的新しい機種。プリが電源部セパレートのフラグシップ機C200、パワーがMC402だと思います。出力メーターの振れを見ていたら最大でも4Wくらいでした。スピーカーの能率が良いし、アンプ出力は数Wもあればかなり大きい音が出るのです。アンプの最大出力は400Wなので使っているのは100分の1ですが、ピーク時でも10倍の40Wもあれば事足りるはずです。400Wは電源の余裕ということです。
これからクリス・ポッターを観に行くと話たら、マスターはアメリカでクリス・ポッターにサインをもらったことがあるんだそうです。羨ましい! などと話をしていると時間が迫ってきましたのでお店を出ることに。そういえばスピーカーがきちんと鳴るまでに半年くらいかかったなんておっしゃってました。私なんかは引っ越した後に音がしっくりくるまでに1年かかってますからね。不思議ですがそういうものです。
出るべき音はきちんと出ているけれど聴き心地の良い疲れない音でした。インテリアの雰囲気も良く居心地の良いお店です。東京に来た際にはまた寄りたいですね。
その後のクリス・ポッターのライブは昨日報告のとおり。とても楽しめました。
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