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ヴァージョン・アップされたポルティコ・カルテット

今日も新譜紹介です。どんどん行きましょう!

P106 『ポルティコ・カルテット』(2011年rec. REAL WORLD)です。メンバーは、ジャック・ウィリ(sax,electronics,p,syn)、ダンカン・ベラーミ(ds,electronics,vo)、ミロ・フィッツパトリック(b,electronics)、ケイル・ヴィン(hang,syn)です。あれっ、ハング(ドラム)奏者の名前が前と違っているということはメンバー・チェンジしたみたいです。サウンドからも分かりますがクレジットの順番が上がったドラマーのベラーミの重要度が増しています。

ファースト・アルバム(2007年録音)を買ってこの人達のサウンドが気に入りました。
「ジャズかどうかは分かりませんがこれもまた良し。」
「オレゴン」みたいなオーガニック/ナチュラル・サウンドが心地よく響いたのです。
最新アルバム(このバンドの3作目)を買おうか迷っていたのですが結局購入。

今回はエレクトロニクスの使用が大幅に増加。バージョン・アップされています。サウンドがどのように変化したかといえば、北欧フューチャー・ジャズ/音響系に近くなりました。その分ファースト・アルバムのオーガニック/ナチュラル・サウンドはやや後退。サウンドの強度は増していると思います。私としてはソフトのバージョン・アップにより使いやすくなった反面、使い慣れた操作ができなくなって微妙に馴染めないでいる感じかも(笑)。

トラックによっては従来サウンドを色濃く残しているものもあり、この曲なんかはそういう演奏になっています。一方でフューチャー・ジャズ/音響系のものがあります。

このPVのハング奏者は前任者に見えるのですが? このドラミングのつんのめりそうな感じは正に現代リズムになっていると思います。ご覧のとおりドラマーがエレクトロニクスを積極的に取り入れ、サウンドが更新されています。この人達にしかできないサウンド。

曲は物語のように進んでいきます。とてもイマジネーションを掻き立てるサウンドです。サックスがクジラの声に聴こえるような場面が散見。『鯨の詩』を作ったポール・ウィンターとの影響関係が見えます。「ポール・ウィンター・コンソート」を離れたメンバーが作ったバンドが「オレゴン」なので、サウンドのコアはそういう傾向のものです。全曲ポルティコ・カルテット名義なので合議制で曲を作っているのでしょう。

1曲だけボーカルCorneliaを迎えた曲があり、ちょっと気怠い感じのボーカルはシンディ・ローパーのようでもあり、懐かしいケイト・ブッシュ風サイケ風味も感じさせ、そういうものと違和感なく融合するのがこのバンドです。打込みリズムを前面に出したテクノっぽさもあり、これまた違和感なく融合。極めて今時なサウンドを持ったバンドです。

さて、これがジャズと言えるのかどうか?
イギリスではファースト・アルバムがジャズ賞をとっているようで、
クラブ・ジャズ方面からは注目されているようです。

ジャズの境界線にいて、
我々に”ジャズ耳”の更新を迫るのか?単にそっぽを向かれるだけなのか?
興味深いところです。

私は今回の新譜も結構気に入りました。

アルバム名:『PORTICO QUARTET』
メンバー:
Jack Wyllie(sax, electronics, p, syn)
Duncan Bellamy(ds, electronics, vo)
Milo Fitzpatrick(b, electronics)
KEIR VINE(hang, syn)

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