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ヒップホップ講座 パート4 これでおしまい。

1月28日(土) ジャズ喫茶「いーぐる」 で行われた「ヒップホップ講座」のレポートの続きです。

講演の内容については前回までに書きました。
今回は講演後の質問と私の感想を簡単にまとめます。

P44

質問はたくさんあったのですが、その中からいくつか書きます。

 ラップの上手さがわからない。
 ジャズの楽器と同じで、きちんとキャラが立っているかどうか。
(こういうのはある程度聴きこまないとダメでしょうね。私なんかまだラッパーの区別さえままなりません。)
 

 今はコミュニティー感が減っているようだが聴いている人はコミュニティー内?
 黒人が住んでいる場所にはコミュニティーがある。そこの人達も聴いている。

 ラップを聴いていると歌詞がひどい。
 時には社会ネタ、時にはギャングネタ、色々なのが回っている。ウィットが肝心で、そういうセンスでラッパーから俳優になる人が多い。

 音源㉖のところで「これが売れているのはどういうことか?」と言っていたがもう少し詳しく。
 真剣に考える必要があると思う。そのためにもメジャーのヒップホップを聴きましょう。

 ここで聴くとキック(ドラム)にサイン(波)を被せたのがバラバラに聴こえてよくない。どいうところで聴くことを想定しているのか?
 車で聴くことが多いんではないか。最後にかけた音源なんかは音がしょぼいが、それは作品としての完成度じゃなく、ヒップホップの場に参加できれば良いという考え方。タイラー・ザ・クリエイターは若くてヒップホップを意識していない。
(解像度が高いとよく聴こえないという場合もありますよね。ボロが見えちゃうという。それにしても「いーぐる」オーディオの低音の解像力。恐るべし。)

今の学生は洋楽を聴くというだけで嫌味と受け取られてしまうなんて話もありました。若者が聴いているのはほとんどJ-POPだそうです。大和田さんは大学の先生ですからこういう事情には詳しいのです。中山康樹さんが「かんちがい音楽評論」で、”日本に洋楽は根付かなかったということに向かっている”と書いていたことがここにも表れていますよね。R&B(ヒップホップ)を聴いているのは不良女子で、渋谷辺りにいるまっ茶な毛の女の子などだとか。

日本ではイギリス経由のアメリカ音楽評論が多く、そのためロック系の価値観でヒップホップも捉えられる傾向があるとのことでした。音そのもの以外のことによって耳ができてしまうことが起こりがちであることは自覚しておく必要があると思います。

 ティンバランドのビートは祭りばやしのようだったが、アメリカの民族音楽に先祖帰りがあり、中南米経由のビートになっていることは日本とどう繋がるのか?
 黒人のバックビートはどこから出てきたのかよく分からない。中南米のビートにしても、アフリカのビートにしてもバックビートというわけではない。
(日本との繋がりについては回答なし。)

 ヒップホップはポストモダンという話があったがどういうこと?
 モダンは偉大なアーティストの作品を聴かせていただくというものだが、ヒップホップは聴き手と作り手の境がなくなり、できたものが作品ではないところがポストモダン。

(注)質問と回答が微妙にリンクしていないところがありますが、それは私が3時間以上の講演をメモを取りながら集中して聞いた疲れもあり、理解に至っていないということをご理解願います。まあ、短い時間の質疑なので話が深められないという面もあります。

今回の内容は「文化系のためのヒップホップ入門」に書かれていることを音源を聴きながらたどるものでした。速足ではありましたが概要は掴めました。日本ではあまり語られないというヒップホップのメジャー・シーンの動き(4.ヒップホップ・ソウル~ティンバランドのサウンド革命、5.サウス、6.ヒップホップの現在)は特に面白かったです。大太鼓リズムの連発には頭が”クラクラ”きましたけどね(笑)。いたる所にヒップホップの楽しみ方に係る話が散りばめられていて興味深かったです。

「文化系のためのヒップホップ入門」を読んでから今回のレポートを読んでいただければ、ヒップホップ理解はより深まると思います。是非ご一読を。

今回でジャズ喫茶「いーぐる」におけるヒップホップ関連の講演は一区切りです。

1.中山康樹さんのようにジャズがらみで聴く方。
2.鷲巣功さんのようにオールドスクールで聴くのをやめてしまった方。
(ある意味70年代以降のジャズを聴かないようなもの)
3.原雅明さんやDJアズーロさんのようにプロデューサーとトラックを中心に聴く方。
(日本のヒップホップ需要はこちらが多いとか)
4.長谷川町蔵さんや大和田俊之さんのようにメジャーなものを聴く方。
(日本にこちらのリスナーを増やしたいそう)

まだ未熟ではありますが、一応ヒップホップとはどういう音楽なのか分かっただけでなく、需要のされ方までも目の当りにすることになり、色々な聴き方ができるヒップホップの広さや深さを改めて実感できました。「ジャズ・ヒップホップ学習会」だけで終わらず、3回の「ヒップホップ講座」が追加された意味はとても大きかったです。後藤さんの音楽に対する姿勢のなせる業なのでしょう。

講演者の皆さん、後藤さん、関係者の皆さん、ありがとうございました。

最近はジャズに混ぜてヒップホップも聴いています。
ヒップホップ・アルバムも10枚以上購入。
音楽ライフがより楽しくなりました。感謝!

「ヒップホップ講座」のレポートはこれにて終了。ふ~ぅ、疲れました。

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