「かんちがい音楽評論」が届きました。
今日、注文しておいた中山康樹さん著「かんちがい音楽評論」が届きました。
早速第1章を読み終えました。
字が大きいのですぐに読めました。
内容はやっぱり中山さんが「JaZZ JAPAN」誌に書かれていたことの延長で、
例などを増やしてより丁寧に説明しているものでした。
この第1章にたぶん評論の現状がほぼ書かれているのではないかと思います。
さて、第1章を読んだだけですが第一印象を書いてしまいます。
その書き方はクールで客観的です。
過度のものを期待すると肩透かしをくらうかもしれません。
でも、その書き方に意味があるのだと感じます。
クールに客観的に書くこと。
それが「批評」なのだろうということです。
私はそこに中山さんの「批評眼」を感じました。
この書き方にこそ中山さんの「批評」に対する回答を見るべきだと思いました。
余談ですが、山中千尋さんが書いていることなどは「批判」なんだろう思います。
「批判」と「批評」の違いは何かと考えてみたら、
「批判」は主観的行為であり、「批評」は客観的行為なのだろうと。
実際のところは結構微妙なのでしょうけれど、
第1章を読んだ感じでは「批評」をしていると感じました。
まあ、第1章を読んだだけなので、
読み進むうちにまた違ったものが見えてくるかもしれませんが、
その時は読み終えてからの感想に反映させることにします。
大西順子さんの一件は全く知りませんでした。
私はツイッターをあまり見ていないので知らないのは当然ですね。
ツイッターってまだまだ影響が及ばないところはいっぱいありますよ。
それから山中千尋さんと大西順子さんの類似性をあらためて実感しました。
発想が近いからやっているジャズも似たテイストになるんでしょうね。
もう一つ。
山中千尋さんが批判しているのは寺島靖国さんであることは明白ですが、
この本には山中さんが批判するような「ジャズ評論家」は存在しないとあります。
それって寺島さんが「ジャズ評論家」ではないといいう意味ですよね。
それをほのめかす文章もありますしね。
まっ、私も同感ではありますが(笑)。
当然自覚しているだろうと思わず、
ジャズ業界の人はこの本をきちんと読んでみても良いのではないかと思います。
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コメント
いっきさん
こんばんは。
「例の本」、さっそく届いたようですね。
私も早く読みたくてウズウズしているのですが、さきほどアマゾンからメールがあり、本の到着は27~28日頃になってしまうとのこと。
ほぇ~、一週間後じゃん!!
アマゾンって、通常だと早いときには午前中に注文すると夕方に届くこともあるぐらい速いのですが、ジャズ本に関しては「遅くなります」という通知がくることが多いんです。
過去にも何度かジャズ本の新刊を注文したときにもこのようなことがありました。
刷り部数にもよるのかな、と。
刷り部数が少ないと、大型書店や、このようなニッチな層向けの本が売れる書店(青山B.C.のような)への配本量が多くなり、結果、アマゾンに流れる分の供給数が少なくなるのではないかと思います。
だからアマゾンの場合は、予約注文していた人への発送が優先され、私が注文したタイミングですと、すでに在庫がなくなり、改めて版元に追加注文をかける⇒アマゾン倉庫に届くまでに時間がかかる⇒注文者への発送が遅くなるのかな? と。
だから、アマゾンへの注文はいったんとりやめ、もう少し発送が早そうな楽天ブックスに再度注文をかけました。
それでも3営業日ぐらいかかるんだよね。
結果的にアマゾンに注文したときと1~2日ぐらいしか到着日が変わらないのだけれども、それでも早く読みたいので、少しでも早いほうにしました。
それはそうと肝心な中身ですが、大西順子さんとの一件(?)も何かあったようですね。
私もまったく知りませんでした。
ま、知ったところでどうするわけでもないんですけどね……。
いっきさんが書かれた感想や、本のコンテンツを一望するかぎりでは、プロレスファン的な楽しみ方が出来そうな本なのかな?と読む前から妄想しています。
ほら、プロレスを見に行かない活字マニアのプロレスファンっているじゃないですか?
プロレスそのもののファンとは別に、プロレス周辺のギョーカイの内幕やイザコザや確執を楽しんでしまおうというファン層って確実にいますからね。
それに、かつてのターザン山本氏のような、優れたプロレスライターもいますからね。
同様に、いまだヘヴィメタ雑誌が廃れていないのも、伊藤政則氏や有島博志氏のような読ませるライター(ミュージシャンとのつながりの濃いライター)の存在と、メンバーチェンジや派閥の確執などの絶えない業界だからこそ、音楽評論とは別の次元でのゴシップ的関心を読者に喚起させるものがあるからなのでしょうね。
とはいえ、読まずに書いているので、なんとも言えないのですが、もしそうだとしたら、ジャズという音楽とは関係のない別な次元で楽しめそうな予感。
だって、登場する人物で知ってる人多そうなんだもん(笑)。
このような下世話な好奇心(?)がむくむくともたげてきているところが正直なところです。
だからこそ、早く読んでみたいのよね(笑)。
投稿: 雲 | 2012年1月21日 (土) 01時35分
読み終りました。過激に批判してる本だと思っていた自分がちょっと恥ずかしいです。冷静で客観的に分析されていて、逆に凄味を感じました。ネタバレになるのであんまり書けませんが、菊地さんの「M/D」に感じていた違和感の原因がわかりました。後藤さんが掲示板で書いていた意味も理解できました。私も重要な本だと思います。
投稿: いーぐるの客 | 2012年1月21日 (土) 09時17分
雲さん
こんにちは。
なるほどアマゾンの場合はそういうことがあるんですね。
私は早く注文したのが良かったみたいです。
雲さんなら大型書店、タワー、ユニオンへ買い行ったほうが早く入手できるんじゃないですか。
雲さんがおっしゃるプロレスファン的な読み方もできるとは思いますが、
「批評」とは?「評論家」とは?についてきちんと書かれていると思います。
意外と冷静に読めるトーンで書かれていると思いました。
なかなか面白い本です。
早く本が届くと良いですね。
投稿: いっき | 2012年1月21日 (土) 12時25分
いーぐるの客さん
こんにちは。
もう読み終えられたんですね。
おっしゃるとおりで、私も冷静で客観的に分析されていると思います。
色々取り上げられているエピソードについては、それぞれ「なるほど」と分かることがあって、それはそれでまた面白いですよね。
何事もまずは現状の理解から始めるという意味では、この本を読む必要はあると感じます。
投稿: いっき | 2012年1月21日 (土) 12時32分
いっきさん
いわれてみれば、たしかにそうですね。
>雲さんなら大型書店、タワー、ユニオンへ買い行ったほうが早く入手できるんじゃないですか。
私も注文したあと、しまった!と気が付いた(笑)。
夜だったんで(飲み屋でハイだったので)、あまり「明日買いに行けばいいや」という発想にならなかったんでしょう。
ま、楽天ブックスで商品を注文するのも始めての試みだから、試験的に注文してみっかー、という気分もあったのですが。
なので、これから街に繰り出します。
寒いけど
ところで、全然関係ないんですが、CDの整理をしていたら、80年代に聴いていたポップスのアルバムがワラワラと出てきました。
Youtube画像を貼り付けてブログ記事にアップしたんですが、いっきさん的胸キュンメロディにつながりますでしょうかね?
▼サイレントソング
http://p.tl/Bwil
▼Wake Up
http://p.tl/VSDH
▼ビー玉坂
http://p.tl/w4zZ
投稿: 雲 | 2012年1月21日 (土) 14時56分
買いました!
そして、今読み終わったところです。
感想は、近々自ブログにアップしたいと思います。
o(_ _)o
投稿: 雲 | 2012年1月21日 (土) 18時03分
雲さん
もう本買って帰ってきましたか?
私はもう読み終わっちゃいました。
さて、紹介ていただいたリンク。
《サイレントソング》だけ見られません。
パスワードとか聞いてきます。
なので、YouTubeを検索して直接見ました。
がっ、私としては、いくつかチェックした中では
《Friends or Lovers》
http://www.youtube.com/watch?v=Y7Y4nnd-cnQ&feature=related
《Woman・S》
http://www.youtube.com/watch?v=8taYkC2WRNg&feature=related
などが好きです。
《Wake UP》のようなテクノは私にとって何かが足りない。
で、こっち《Another Diary》のほうが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=t4DUt1ZAlVE&feature=related
と、ここまで気に入ったのを3曲あげて、ウィキを調べたら。
番組テーマ曲とCM曲ですね。
つまりベタなうけ狙いの曲が好きということで私らしいと(笑)。
そして、村松健なんですが、せっかくご紹介していただいたのに、微妙にこないのです。
曲ということでは、私は《New days》なんかが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=sUR1I9g9esw&feature=related
ということでよろしくお願いします。
投稿: いっき | 2012年1月21日 (土) 19時06分
雲さん
もう読み終わったんですね。
雲さんの感想が楽しみです。
第3章、菊地成孔さんをディスってましたね(笑)。
内容については同感です。
投稿: いっき | 2012年1月21日 (土) 19時14分
いっきさん
さっそく、私の極私的な趣味におつきあいいただきありがとうございました。
《Friends or Lovers》は、80年代ポップスの王道的なアレンジ、メロディ、音色ですね。
ま、いい曲なんですが、私がこの曲で好きなのはシンセベースの音色ぐらいなんですよね(笑)。
あと、《Another Diary》も悪くはないんですが、なんかキャッチーすぎて捻りがなんか足りないんですよね、私的には。
それに比べて《Woman・S》は、メタリックなリズムがツボですね。昔はよく聴いたものです。
デジタル音源が台頭しはじめた時期ならではの音色選びですね。
くっそー、YAMAHAのDX-7欲しいぜ!と思いながら当時は聴いていました。
中期ディぺッシュモード(Construction Time AgainやSome Great Rewardsあたり)のドラムやシンセの硬質な音色を彷彿とさせるものがあります。ただし、デペッシュ特有のアンニュイでダークなニュアンスは見事に払拭され、もうなんというか、明るい元気モリモリなポップス調が、いかにもいっきさん好みっぽくて面白いです(笑)。
ちなみに、こちらはライブバージョン
▼
http://www.youtube.com/watch?v=oIjBi5BRozw
いいメロディの曲なので、アルバムバージョンのようにあんまりこまごまといぢらんで、このようにストレートに演奏してくれたほうが気持ちいかもしれませんね。
それならコレはどうだ!のドリーム・スープはどうでしょう?
これ、ブログにはれなかったんですよ。
ゼルダの高橋佐代子のナンバーで、高橋さんが最初のヴォーカルで先陣をきってます。
ゼルダも私、昔好きだったんですが、やっぱり後半に登場するchakaのヴォーカルを聴くと、力強くて安定感があっていいですね。
ケン・マッキンタイヤーの次に登場するドルフィーのアルトみたい(笑)。←ちょっと違う?
最近はチャカさん、ソウル&ジャズのシンガーとしてご活躍されていますが、この声量、安定感からすると、テクノポップ調な路線よりも正解な気がします。
村松健に関しては、そうですね、私がイイと感じるのは、多分にジャズを聴く前のケツの青い時代の高校時代の私のノスタルジー的なものも加味されていると思います。
もし、ジャズ耳が出来あがってしまった今現在、初めて聴くと、「なんだこれ?宮﨑アニメのピアノアレンジ?」って言ってたかもしれません(笑)。
《New days》は、はじめて聴きました。
村松健にしては、サティっぽいな、と思いました。
いっきさんって、ポップスだと思いっきりベタなのが好きで、インストもの(?)になると、ちょいヒネリが効いたのが好きなのかなぁ?
投稿: 雲 | 2012年1月21日 (土) 20時58分
雲さん
色々な音楽を紹介していただきとても楽しいです。
《Woman・S》のライブバージョンもいいですね。
こういうのを見ると私の中では「米米クラブ」に直結します。
私は「米米クラブ」がかなり好きなんです。
《ドリーム・スープ》はいい感じです。
アレンジの凝り具合とかニュアンスはなかなかです。
二人のボーカルに対するマッキンタイヤー、ドルフィーの喩は分かります。
これなんかもいい感じです。
《あさ~from day to day》
http://www.youtube.com/watch?v=SY9PKcm27NY&feature=related
>いっきさんって、ポップスだと思いっきりベタなのが好きで、インストもの(?)になると、ちょいヒネリが効いたのが好きなのかなぁ?
ポップスはポール・モーリアやABBAが私の基本ですから。
ベタな美メロ、明るいアレンジ、ノリの良いリズムが好きです。
そしてインストものになると急に「ジャズ耳」が発動するんでしょうね(笑)。たぶん。
今そんなことに気付きました。
面白いです。
投稿: いっき | 2012年1月21日 (土) 22時32分
私も、ざっと見をしました。
Jazz Japanの頃から気になっていましたが、
この本は必読です。
個人的には、ずっ~と気になっている『菊地さんとマイルス』の章が注目するところです。
まだ、自分でも消化しきれません。
ちょっと『とうようさん』の文章も気になっています。
いーぐるでこの本関係の講座をしてもらいたいですね。
投稿: megurojazz | 2012年1月22日 (日) 18時26分
megurojazzさん
こんばんは。
>Jazz Japanの頃から気になっていましたが、
この本は必読です。
ですよね。
多くの人に読んでいただいて反応してもらいたいです。
>個人的には、ずっ~と気になっている『菊地さんとマイルス』の章が注目するところです。
気になりますよね。
多くの人が気にしているんじゃないかと思います。
>ちょっと『とうようさん』の文章も気になっています。
同業としてのライバル心からきているように感じました。
>いーぐるでこの本関係の講座をしてもらいたいですね。
それはちょっとやばいかもしれません(笑)。
そうではないとしても、”内輪の慣れ合い”との世間目線が好ましくない展開を生む可能性があると考えられるからです。
投稿: いっき | 2012年1月22日 (日) 21時12分