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シェリー・マンのこれが好きです。

今日もオリジナル盤の話です。

P1 シェリー・マン『234』(1962年rec. impulse)です。メンバーは、シェリー・マン(ds)、コールマン・ホーキンス(ts)、エディ・コスタ(p,vib)、ハンク・ジョーンズ(p)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)です。私が持っているのはオリジナル盤。ステレオ、オレンジラベル、RVG刻印、盤質良好。インパルスのオリジナル盤はあまり持っていないのですが、その中の1枚。

川崎のディープなレコード屋さん 中古レコード/CD TOPS で買いました。モノラル盤のジャケットにSTEREOシールが貼ってあります。TOPSの店主によると、アメリカは結構いい加減なので、こういうことは良くあるとのことでした。なぜステレオ盤を買ったのかというと、オーディオ雑誌「管球王国」にこの盤の聴き比べ記事があり、ステレオ盤の音が良いと書いてあったからです。確かにクリヤさと力強さが両立した良い音でした。

でも音以上に気に入っているのは演奏です。「234」のタイトルどおり、ホーキンスとのデュオ、コスタ、デュヴィヴィエとのトリオ、ホーキンス、ハンク、デュヴィヴィエとのカルテットの演奏が収められています。歌うようにメロディアスなドラムを叩くと言われるマンなのですが、ここでの演奏はラジカルでありアナーキーなんだから面白い。

A面1曲目《テイク・ジ・A・トレイン》から変です。ハンクにピロピロとせわしくピアノを弾かせて、ベースが自由にからみ、シンバル基調でアクセントを加えるドラム。こんなアレンジは他で聴いたことがありません。そこからスローでピアノ・ソロになるわけですが、ドラムが急にアクセントを入れたりします。で、ホークのソロではテンポアップして快調にソロを進めます。ベース・ソロの後ろでは途中何度かいきなり演奏をやめちゃうし、でなかなか凝った処理のテーマに戻って終了。マンの秘めたる過激な何かが噴出しているのが◎。

コスタとはヴァイブラフォン・トリオとピアノ・トリオで1曲ずつ。これがなかなか渋くて、ドラムは普通に4ビートを叩いている部分とフリーなビートを刻む部分があって、耳を離さないような工夫がみられるところが面白いです。ホークのカルテットでは上記の他に2曲あり、こちらはホークの大らかでスケールの大きいサックスに焦点をあてつつ、マンの軽やかに歌うドラムが聴けます。ハンクの助演男優賞的ピアノも聴きどころ。

そしてB面ラスト《ミー・アンド・サム・ドラムス》がこれまた独特。最初はピアノとのデュオでマンはマレットを使ってスピリチュアルに進めます。途中でピアノが抜けホーキンスが入るのですが、マンのマレットで叩くドラムはまるでもう一人のリード奏者のよう。ホークが咆哮するようなところもありつつ、それにからみつく自由なドラミングがとても気持ち良い演奏です。フリー・インプロみたいでホークにしては異色だと思います。

で、やっぱり音について触れます。マンのドラムの音がとにかく気持ち良いのです。スネアドラムの”サクサク”した音、シンバルの金属感をよく捉えた音、時々”ドスッ”と入るバスドラムの音、どれもがオーディオ的快感に溢れています。これがヴァンゲルダーの音なのかと思います。ブルーノートの音とは違う、どちらかと言えばコンテンポラリーに近い音です。

音良し、演奏良し、ジャス・オーディオ名盤とでも言っておきましょう。

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