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2011年12月

1年間お世話になりました。

本年最後のブログ更新です。
私のブログをご覧になって下さった皆さま、どうもありがとうございました。

今年は東日本大震災という未曽有の災害があり、
原発事故も併発するという誠に危機的な状況もあったわけですが、
今このように私は例年どおりの大晦日を迎えることができました。
今年背負ったものは決して小さくないわけですが、
降ろすわけにもいかないので皆で背負っていきましょう。
悲観的にならずたくましくいきたいですね。

ヒップホップに明け暮れた1年。
もちろんジャズはいつもどおりたくさん聴いた1年。
来年も同じように過ごしていけることを祈りつつ、
来年も拙ブログをどうそご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

こんなの聴いてなるほどなの昨日今日。

ティンバランドの『ショック・バリュー』。
カニエ・ウェストの『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』

こういうメジャー・ヒップホップもかなり楽しい!

良いお年を。

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矢野顕子と上原ひろみのデュオでもう少し。

2009年ノース・シー・ジャズ・フェスティバルの映像。
こんなハプニングがありました。
上原さん作詞/作曲《グリーン・ティー・ファーム》。
矢野さんが歌詞を忘れてしまいます!
結構感動的な歌なのに・・・。

間違えた矢野さんがキュートです。
歌の最後、上原さんがウルウル状態?
この歌は『プレイス・トゥ・ビー』日本盤ボーナストラックでもやってます。

次は矢野さん作詞/作曲《エバキュエーション・プラン》。
このブルージーさがたまりません!

矢野さんのソロがかなりの迫力。カッコイイ!

にしてもこれ無断撮影ですよね。
オランダって結構ルーズなんですね。
これを消しにいかないTELARCもエライ?

今年も残すところあと2日か。

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矢野顕子と上原ひろみのデュオ、気に入ってます。

予約注文して買ったのですが、レビューがすっかり遅くなってしまいました。

P25 矢野顕子×上原ひろみ『ゲット・トゥギャザー -ライブ・イン・東京-』(2011年rec. TELARC)です。昭和女子大学人見記念講堂でのライブ録音です。2年前の「JAZZ東京」でお2人がデュオしたので、その続編みたいなものが今回のアルバムということになるのでしょう。

さすがはテラーク、ピアノの録音は素晴らしいと思います。昔からのオーディオマニアならご存知だと思いますが、テラークは一早くデジタルレコーディング(サウンドストリーム社製PCMレコーダー)を取り入れたレーベルです。クラシック録音においては3本マイクによる間接音で、ホール感を重視しつつ自然な定位をうたっていました。現在は自社録音をしていないようですがその伝統は守られています。ピアノの響きが素晴らしいです。これはSHM-CD。日本マーケット向けのなのでしょう。

私はSHM-CDを評価していません。中途半端なんですよね。CDプレーヤーしか持っていない人(私もそうですが)とオーディオファンの両方に値上げしたCDを売ろうという姑息な経済的魂胆が嫌い(笑)。キッパリ! どうせ高音質をうたうならSACDにすべきです。高音質で聴きたい人はSACDプレーヤーくらい持っています。そういうオーディオファンでないと高音質の恩恵にはあずかれないのです。私はCDプレーヤーで充分(笑)。最近は些細な音質差より演奏内容のほうが気になっていますからね。

いきなり愚痴ってしましました。m(_ _)m。

さてアルバム内容の話に戻ります。2人のデュオ演奏はYouTubeにUPされているNHK番組をまず見て下さい。この放送は2009年「東京JAZZ」の前日の生放送だったと思います。楽しそうに演奏していますよね。インタビューでは当時から上原がNYの矢野の家にご飯を食べに行く仲だと言っていました。

2009年ノース・シー・ジャズ・フェスティバルの《ラーメンたべたい》の映像もありました。タイトルは《ソー・ホワット》になっています。今回のアルバムにもおさめられていますが、この2曲が合体していたので笑ってしまいました。終盤《タイム・ディファレント》に似たメロディーが出てきます。アレンジは今とほとんど同じですね。ノース・シー・ジャズ・フェスティバルの演奏は他にもUPされていますので見て下さい。面白いハプニング映像もありました。

アルバムの内容について色々書かなくても、上記2つの演奏を見ていただければ分かっていただけちゃうでしょうね。こういう演奏が繰り広げられています。

最近TVでこの2人を取り上げていました。「SONGS」と「アナザースカイ」です。矢野顕子と上原ひろみって親子みたいでした。好奇心に目をキラキラ輝かせる上原はやんちゃそう(笑)。私はそこに野球のイチローに近い雰囲気を感じました。そんな上原を優しく嬉しそうに見守る矢野はまるでお母さんのようでしたよ。いいコンビだと思いました。コンビネーションが良ければ演奏が上手くいくのは当然のことですよね。

そういうライブ演奏がスッポリおさめられているのがこのアルバム。ポップスとかジャズとかそういうの抜きに2人の演奏を楽しんでしまえば良いのです。私はピアニスト矢野を見直してしまいました。技巧的には上原に劣るかもしれませんが、ピアノは良く鳴っているし懐が深いピアノを聴くと、矢野に軍配が上がるとさえ思ってしまいます。矢野が歌っていることもあり、全体の雰囲気は矢野に上原が招かれて演奏している感じです。

チック・コリアと上原のデュオもそうでしたが、今回も2台のピアノによるリズムの饗宴が聴きどころです。上原のリズム感は素晴らしいのですが負けず劣らず矢野のリズム感も素晴らしい。私はこういうピアノから溢れ出すリズムが大好きです。聴いていてとにかく気持ち良いのです。

《ケープコッド・チップス》が陽気で私は好きなので、ここに収録されていて嬉しくなりました。矢野のユニークな歌詞も最高。この難しいリズムも余裕で乗りこなす矢野は凄いです。ストライド風ピアノでジャズしているのですが、矢野のジャズ度がこれまた最高レベル。矢野ってジャズがきちんと体にある人なのだと思いました。同じことは《りんご祭り》にも言えます。最高のスイング感で演奏が展開されます。終盤引用される《二人でお茶を》とラストの《イン・ザ・ムード》エンディングフレーズもいいですね。私はアルバム中この曲がベストトラックだと思っています。

余談ですが、《ケープコッド・チップス》と言えば『プレイス・トゥ・ビー』に入っているこの曲を、一昨年のジャズ喫茶「いーぐる」の「年末ベスト盤大会」でかけました。最近後藤さんのブログに「若干ヌルいなあ」と書かれてしまいました(涙)。でも後藤さんのおっしゃるとおりでございます。今年の選曲はお褒めいただいたので今は気分爽快(笑)!

リズムのことばかり言いましたがメロディーにおいても2人は相性が良いです。矢野は言わずもがなですが、上原も実はヤマハのポプコン的ニューミュージック系メロディー・センスの持ち主だと私は思うのです。だから音選びは矢野と共感できているんじゃないかと思うのです。上原作曲《月と太陽》なんて正にそのセンスで作曲されていますから矢野の歌がとても馴染んでいます。この曲のサビは自身の《ディープ・イン・トゥ・ザ・ナイト》に似ているところがありますよね。そして矢野の《二人のハーモニー》の雰囲気にもどことなく通じると思うのですが・・・?メロディーは矢野のほうが洗練されていますけどね。

私はこのアルバムがかなり気に入ってます。聴いて下さい!

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座 Cherry Chridtmas!を観てきました。

12月24日、クリスマスイブの夜は 「桜座」 でライブを観て楽しんできました。ライブのタイトルは「座 Cherry Chridtmas!~桜座のクリスマスイブ~」。なかなかいかしたタイトルです。

P23_5 メンバーは、梅津和時(as,cl)、鬼怒無月(g)、太田恵資(vl)、坂出雅海(b)、佐藤正治(ds) + おおたか静流(vo)です。皆さん自分のバンドを持っているうえにサウンドクリエイターとして多彩な活動をされていますので、オールスター的な一夜限りのバンドです。

クリスマスイブのうえジャズということでお客さんの入りを心配したのですが、「桜座」に入るとカフェスペースは既にお客さんでいっぱい。スタッフの方に聴いたら、おおたかさんファンの方が多いとのことでした。なるほど、歌のほうがやっぱり人気がありますね。分かりやすいですから。

1stセット最初、おおたかさん抜きの5人が登場。リーダーは鬼怒さんだけれど、MCは梅津さんがするとのことでした。

リーダー鬼怒さんの曲から。オープニングにふさわしい8ビートの元気な曲(曲名失念)です。ここで目に飛び込んだのは派手なアクションでドラムを叩く佐藤さん。見た目はどことなくジャーナリストの鳥越俊太郎似でグレーのぼさぼさヘアーが魅力的な紳士なのですが、一旦ドラムを叩くとその激しいアクションに唖然。普段パーカッションらしいのですが今回はドラム。テクニックがないというわけではないけれど、普段ジャズの超絶技巧ドラミングを耳にすることが多い私には、佐藤さんの勢い任せのドラミングが新鮮に感じられました。パンキッシュとも言えるかもしれません。激しいリズムののって、太田さんの激しいバイオリン、梅津さんのパンキッシュなアルト、鬼怒さんのヘビーメタルなギターがソロを展開。会場はいきなり盛り上がりました。

2曲目、おおたかさんが静かに現れエスニックな歌が始まります。それに呼応して太田さんも歌を入れ、おおたかさんの歌を中心にソロも入れて演奏は続きます。梅津さん、太田さん、鬼怒さんもエスニックなサウンドは得意分野なので、まとまりのある曲のイメージを上手く膨らませた演奏でした。梅津さんはクラリネットを演奏。この曲はおおたかさんの曲で、どこかの街の名前(失念)でした。東ヨーロッパなのか、中近東なのか、アフリカなのか、中央アジアなのか?そんな感じのエスニックです。

3曲目はクリスマスを意識して《アベマリア》。おおたかさんのパワフルな歌が胸にきました。梅津さんもこういう染みるメロディーは得意なのでいい感じのソロをとっていました。

4曲目は坂出さんの《インフルエンザとともに》(だと思う)です。フリーインプロビゼーションを多めに取り入れていました。ある意味ボイスパフォーマンス。おおたかさんの歌とも朗読とも奇声とも取れる七色の声、太田さんの味のある歌とバイオリン、ドラマー佐藤さんの奇声(これが本当に面白く楽器的)、梅津さんの得意とするフリーな声とアルト、自由なボイシングの鬼怒さんの音響ギター、ベースだけでなく小物を使う坂出さん、自由にして息の合ったこのメンバーにしかできない音響空間は最高に面白かったです。

5曲目は鬼怒さんの新曲で自分のグループのために作ったインド・フュージョン(曲名失念)。インド的な旋律をロックなリズムで勢い良く演奏。こういうロック曲での鬼怒さんのギターソロはもう縦横無尽の暴れっぷり。聴いていてスカッとします。梅津さん、太田さんももちろん得意でして、ガンガンソロをとってるのが印象的でした。おおたかさんの声だって負けていませんでしたよ。佐藤さんのドラムも当然暴れまくってました。そういえばギターソロの時に梅津さんとおおたかさんがちょっとした踊りでステージを横切るパフォーマンスが受けていました。

6曲目はおおたかさんのフリーボイスを中心にした曲。こういう独特なボイスを駆使して場をおおたかワールドに引き込んでしまうその技は、梅津さん、太田さん、鬼怒さんという個性的な面々と対等に渡り合えるものでした。

P24_2 ここでちょっと休憩して2ndセット。グーパーじゃんけんで2組に分けて完全即興演奏をするとのことでした。ここでギター鬼怒さん、ベース坂出さんの組、ボーカルおおたかさん、サックス梅津さん、バイオリン太田さん、ドラム佐藤さんの組に分かれました。今思うとギター/ベースの弦楽器デュオ(ボイスは使わない)とボイスパフォーマー4人とに計画的に分かれたのではないかと勘ぐってしまうところがあります(笑)。

最初はギター/ベースデュオ。鬼怒さんはアコースティック・ギターを使用。基本的なラインは鬼怒さんが主導して、坂出さんはオカリナみたいな楽器を吹いて始まりました。途中ベースを持ちその上にそろばんを乗せたりそろばんで弾いたりしてからベース演奏へ。鬼怒さんは始終ギターで呼応。そろばんのところでは会場の一部からは笑も出ましたが、演奏は至って真面目でアート性の高いデュオでした。カッコ良かったです。

続いて問題の4人(笑)。控室にあったというほうきやくまでや木片とか持って演奏しながら自由に歌って登場。会場大笑いです。この4人にかかったらこんな変なことでも音楽になってしまいます。この自由さこそがジャズの本質の一部だと私は思います。変幻自在、4人が阿吽の呼吸で声や楽器を駆使して即興。途中良く知られ曲が流れの中で出てきて、それに呼応してまた別な曲へ変化してく様は何とも愉快でした。こういうプリミティブな音楽空間が私は好きです。ポップスの究極的な人工性に対するものとしての魅力に溢れていました。エンターテインメントな部分も強かったですがこれもまたアート。

3曲目は佐藤(マッサ)さんの曲《ヘビアブラ》。佐藤さんらしい怒涛のファンク曲、ファンク~ロックビートにのって太田さん、鬼怒さん、梅津さん、おおたかさんのパワフルなソロがさく裂。最後にはドシャメシャなドラムソロで会場を興奮の坩堝へと陥れていました。痛快。

4曲目はおおたかさんの面白い歌詞の曲(曲名失念)。面白い歌詞の曲でこれまたおおたかワールド炸裂でした。こういう歌に魅力を感じておおたかさんのファンになる人が多いのというのは頷けるものがありました。

5曲目は東日本大震災のために梅津さんが書いた曲で、それにおおたかさんが歌詞をつけた曲《東北》。演奏がはじまってすぐに梅津さんが演奏を制止。何かと思ったらこの曲だけのために来てくれたテナーサックスの多田さんを呼び出すのを忘れたとのことでした。何ともらしいハプニング。心に訴えかける歌が響き渡りました。こいう曲での梅津さんのアルトサックスっていいんですよね。

ちなみに多田さんは梅津さんのバンド「こまっちゃクレズマ」に参加しています。それから「こまっちゃクレズマ」とおおたかさんは共作アルバムも出していて、そんな意味から梅津さんとおおたかさんはこの日も始終抜群の相性を見せていました。ベースの坂出さんとドラムの佐藤さんは翌日「ヒカシュー」のライブがあるのに手抜きがないと梅津さんが笑っていましたが、私はこの2人がリズムを固める「ヒカシュー」を観てみたくなりました。

アンコールは《きよしこの夜》。メリー・クリスマス!ということで終了。

個性的なミュージシャンが集まり、個々の個性を存分に発揮しつつも一体感溢れるステージは文句なく楽しかったです。良いクリスマスイブとなりました。

私の今年のライブはこれにて終了。
「桜座」には今年も大変お世話になりました。
皆様に感謝!

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「桜座」でクリスマスイブライブを観てきました。

今日はクリスマスイブ、例年だいたい家で過ごしますが、たまにはライブでもということで、いつもの甲府 「桜座」 へ。「座 Cherry Chridtmas! ~桜座のクリスマスイブ~」というタイトルのライブです。

桜座へ向かう途中に例年派手なクリスマスイルミネーションをする家があるのですが、今年は節電ということでかなり小規模のものになっていました。P21サンタさんが”セツデン”を呼びかけています。このユーモアに拍手。

こんな面白いイルミネーションのビルもあります。派手さはないけれどビルにリボンがかかっているのが面白いです。
P22 いつものことですが、商店街(銀座通り)にはほとんど人がいません。空洞化してしまった甲府中心街。暴力団の抗争が問題となっているので、各通りの入り口には警察官が立って警備にあたっていました。ご苦労様です。

P23_2 今回のメンバーは、梅津和時(as,cl)、鬼怒無月(g)、太田恵資(vl)、坂出雅海(b)、佐藤正治(ds) + おおたか静流(vo)です。皆さん自分のバンドを持ったりして独自に多彩な活動をされていますので、オールスター的な一夜限りのバンドです。

イブだというのにお客さんの入りも良く大盛況。

基本はジャズですが、ロックあり、エスニックあり、歌謡あり、フリージャズあり、ボイスパフォーマンスあり、ダンスありと、あらゆる要素が混じり合った楽しいエンターテインメント。

どんなライブが繰り広げられたのか?皆さんお知りになりたいところでしょうが、すみません。今日はここまでとさせていただきます。続きは次回。

お楽しみに!

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広瀬香美の歌は不思議でした。

今日もジャズ話ではありません。あしからず。

今から25年前に私は就職したのですが、当時は冬と言えばスキーでした。それまで貧乏学生だったのに(まあ、貧乏とはいってもバイト代はオーディオとレコードにつぎ込んでいたので生活が貧しかったわけではないですし、自宅から通っていたので食べ物にも困まったわけでもありません。)、就職したらもう少し使えるお金は増えるわけで、就職した年の冬には早速スキーとウェアーを購入。年越しは実家へも帰らず、友達とスキー場で過ごしました。

その翌年が大変でした。かの有名な当時一世を風靡した映画「私をスキーに連れてって」が公開されたのです。原田知世主演で三上博史もこの映画からトレンディー俳優になったはずだと記憶しています。原田知世の実の姉喜和子が映画のなかでカッコよく運転するセリカGT4は若者垂涎の車になりました。

ここからのスキーブームはとにかく凄かったです。リフトが30分待ちとかは当たり前、へたすると1時間待ちとか。スキー場が結構遠かったので、真夜中に出発して翌朝早くスキー場の駐車場に到着。仮眠してリフトが動き出したら直ぐに滑り始めるとかやっていました。当時年によっては暖冬もあり、スキー場へ行ってもろくに雪がないなんて事態もまま発生しました。それでもスキーにいくという若者のパワーって凄いものがありますね。

でそろそろ本題へ。当時アルペンというスキー屋さんがどの町にもできました。そのアルペンのCMソングを歌っていたのが広瀬香美です。この歌がCMソングになったのは上記スキーブームの後半?の1993年です。一番有名なのはこの曲ですよね。《ロマンスの神様》。当時初めて聴いた時、何か変だなと思いました。まずは聴いてみてください。

まず誰でも気づく変はポップな曲に演歌っぽいこぶしが聴いた歌い方。違和感ありますよね(笑)。でも私が言いたいのはそこではないです(笑)。何か変なメロディーだと思いませんか?思わない?そうでしょうか?私は感じました。メロディーの流れが不自然なのです。最初2度同じメロディーが繰り返されそこが最初のパート。次に「目立つにはどうしたらいいの」から違うパートになります。そして「そんなの嘘だと思いませんか?」のパート。更に「Boy Meets Girl」から始まるサビがまた違うパートです。2番の歌詞の後につく部分も全く別ものメロディー。

いくつかのパートに分けられたメロディーがぎりぎりつながっているのです。今までこんな曲は聴いたことがありませんでした。面白いと思いました。で、その後この謎は解けたのです。広瀬に作曲方法を質問した時の回答にその答えがありました。時間や場所が違うところで作曲したものをつなぎ合わせて1曲にしているというのです。なるほど、だからメロディーの雰囲気がコロコロ変わるのかと。音楽の不思議を感じました。ちなみに上記のパート分割は私が感じたことで、実際にどこで分割されているかは分かりません。

ということでこちらを聴いてみて下さい。《ゲレンデがとけるほど恋したい》。これも大ヒットしました。私が言っていることにうなずいていただけるかな?

私的「音楽の正体」(フジテレビでやっていた番組)でした。音楽って面白い!

今日は 「桜座」 で、座 CherryChristmas~桜座のクリスマスイブ~ を観ます。
出演するのは、梅津和時 (sax cl)、鬼怒無月 (g)、太田惠資 (vl)、坂出雅海 (b)、佐藤正治 (ds)+おおたか静流 (vo) です。楽しみ!

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You Tubeを見ていたらこれが気に入ってしまった。

超時空要塞マクロスは昔々見ていたのですが、途中から見なくなってしまったアニメです。日曜の昼にやっていたましたね。今考えるとよくこんな時間にと思います。

その頃私はケーヨーホームセンターのバイトを始めたので、昼食を食べに家に帰ってきたのですが、せわしくて見ていられなかったような気がします。内容もメカや戦闘シーンよりどちらかと言えば恋愛ものの要素が強く、当時は硬派だった?(笑)私にはいまいちしっくり来なかったような記憶もあります。ストーリー設定はかなり斬新でした。マジンガーZから始まり、ガンダム、イデオンなど見てきた私にも、これはちょっと次元が違うぞと思ったものでした。

数年前スカパーをザッピング中、アニマックスでマクロスFRONTIERをやっていることがあり、途中から見たりしたことが数回ありました。劇場版か何かの最終回を見て、歌が世界を救うという壮大なテーマに呆れたたというか超感動したというか(笑)。音楽を聴かない若者が増えている昨今こそ、”歌が世界を救う!”なマクロスFを見よと言いたい(笑)。

というのはまあいいとして、今日はそのマクロスFRONTIERの主題歌、だったんですね。知りませんでした。昨日たまたまYouTubeを見てこれに出会い。気に入ったのでここにUPします。

何が好きかというと、それはもうサビの部分のメロディーの胸キュン感ですが(笑)。ロック基調というのがいいですね。挿入されるディープパープルの有名曲のリフがイカしてます。作曲した人はハードロックが好きなんでしょう。”キュルキュル”なギターとオルガン風シンセとタンバリンがロックしてます。ゴング”キンコンカン”とかアレンジも面白い。そこにテクノ的”ピコピコ”リズムも被さってポップ感増強。で、胸キュンメロディー。イントロや間奏はノーランズっぽくもあります。この組み合わせはなかなか強烈です。アニメソングをばかにしてはいかんのです。歌っているのはランカ・リーちゃんですよね。まあロリ感も悪くはないと思いますよ(笑)。

こっちもなかなか良いのです。ロック度はこちらが上ですね。

こちらはロック基調で、時々リズムがドラムンベース。途中に入るドラムソロはカッコイイ人力ドラムンベースです。極めて今時。シンセによるものと思われるストリングスが楽曲のスケールUPに貢献しています。こちらはギターではなくピアノが主体というのはジャズっぽくもあります。もちろん”ギンギン”ギターが活躍している場面もあります。歌も迫力がありますね。これも色んなジャンルの要素がフュージョン(融合)していますね。で、それが上手く一体化しているのが”なかなかやるじゃん!”と思うのです。シェリル・ノームさんの、こちらはカッコイイお姉さんキャラ。”お姉さん、僕ついていきます。”な人はこちら(笑)。

とりあえずこの2曲ですが、マクロスF、もっと良い曲があるのかもしれません。
恐るべし!

ジャズ友の高野雲さんが私の記事に触発されてブログにマクロスネタをUPしています。

その記事はこちら↓
マクロスプラスの《After In The Dark》は最高なのだ。

さすがは雲さん!選んでいる曲が大人じゃのう(笑)。カッコイイ!

そしてマクロスへの拘りは半端ないです。
私なんかお呼びではありません。

是非ご一読を。
中途半端ではない記事を書くところがジャズ(笑)?

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酒井俊×スガダイローDUOを観てきました。

久しぶりに甲府「桜座」でライブを観てきました。酒井俊×スガダイローDUOです。今年は「甲府JAZZストリート」に行かなかったので、桜座には3ヵ月ぶりくらいに行くことになりました。スガダイローさんが来るということで楽しみでした。酒井俊さんは今回初めて観ます。前から気になっていたのでこちらも楽しみでした。

P19_3 今回はうっかりデジカメを持っていくのを忘れてしまいました。ということで桜座のフリーペーパー からコピーさせていただきました。”スガダイロウ”ではなくて”スガダイロー”なんですけど・・・(涙)。

さて、今回は早い時間に始まることをちゃんとチェックしていきましたよ。リハーサルが長引いたみたいで開演時間は30分ほど遅延。最近は知り合いの方が増えたし、ライブを仕切る龍野(怪物)さんともお話ししながら開演を待ちました。

お2人がステージに登場。酒井さんの詩の朗読から始まります。これはかなりアートな感じなのかな~。なんて思いながら聴きました。しばらくしてメロディーが始まり歌になります。かなり濃いムード。酒井さんの振る舞いは演劇をしているようにも見えます。歩いたり体を振ったりしながら自由に歌を進めていきます。スガさんはそんな酒井さんを注意深く見聴きしながらピアノで伴奏をしていきます。スガさんが寄り添っていく感じです。もちろん寄り添うだけでなくそこにはスガさんの主張も織り交ぜられていきます。

1stステージの中盤、マリリン・モンローが海岸に寝そべって好きなサラ・ボーンの歌《ラブ・ミー・テンダー》をラジオから聴いているところを思い浮かべて聴いてほしいというのがあり、ラジオの雰囲気を出すために小型メガフォンを使って歌う演出が面白かったです。歌終盤にはピアノのソロのバックでメガフォンを使ってパトカーサイレンが遠くで鳴っているような演出をしたのですが、2個あったメガフォンのサイレン音に違いがあったらしく、歌が終わったあと「サイレン音が違う。」と子供のように無邪気に笑う酒井さんがとてもチャーミングでした。

1stステージのラストは《ナーダム》。渋さ知らズの演目でも有名な、アルトサックス奏者林栄一さんの曲ですね。この曲に酒井さんが歌詞をつけて歌いました。この元気がよく哀愁もある曲が私は好きですが、お2人がダイナミックに盛り上げていく様は痛快。ここまで聴いてきて酒井さんのキャラクターが分かりました。ファンキーなのです(笑)。演奏そのものはファンクではないですよ。雰囲気がファンキー。私が思い浮かべるのはジェームス・ブラウンやティナ・ターナー。濃い感じですね。そして最初に感じたアートというよりはエンターテインメントなのです。楽しい。拍手!

奔放にして天然な酒井さんなので、スガさんが探りながらレスポンスしていく様子も分かり、お2人の間に流れる空気がその場で作られていくのを面白く観ました。でもスガさんは場に流されるようなことはなく、きちんと演奏をまとめ上げていきます。相手に合わせつつ自分の個性も入れ、目指すクオリティーは安易に譲らない姿勢。職人気質でもあると推察しました。ピアノはいい音で伸びやかに鳴っているし、抜群にノリの良いリズムとそれを微妙に揺らして違和感を混ぜ込む遊び心。気持ち良かったです。

2ndセットはスタンダードのメドレーから、マイ・ファニー・バレンタインともう1曲はなんでしたっけ?失念。これも独特でした。酒井さんの世界。中盤の《寿限無》がユニークでした。山下洋輔さんの曲も有名ですが、こちらはスガさん作曲。1フレーズだけ山下版から借りてきているそうです。スガさんの新譜『スガダイローの肖像・弐』に入っています。アルバムではトニー・チャンティさんが歌っています。上記アルバムを聴いた酒井さんが気に入って今回の演奏になったそうです。歌詞が間違っているところもあったようですがご愛嬌。間に”外郎売”のセリフを入れていたのがいい感じにマッチして、酒井流のユニークな《寿限無》になっていました。独特な詩をつけた和製《カルメン》も面白かったです。

アンコールでは、大津波で亡くなられた人へ思いを馳せ、被災者への応援歌であると酒井さんがMCしてから《満月の夕》を元気よくファンキーに歌って終了。MCにしても歌にしても色々な人生経験から得られたであろう深さが酒井さんにはあるのですが、決して重くなく思わず微笑みたくなるキャラに私は惹かれてしまいました。

ピアノの上に置かれた楽譜が振動で演奏中ハラリと舞っても、それが演出のように見えてしまうというステージは素敵でしたよ。お2人のデュオは今回で3回目なのだそうですが、そこにある初々しさが魅力的で、これから回を重ねたとしても失ってほしくないと思いました。

P20 ライブ終了後、スガさんに新譜のことや諸々を質問。内容については書きませんが色々分かって面白かったです。快くお答え下さり感謝。そして『スガダイローの肖像・弐』にサインをしていたきました。その後スガさんと酒井さんと桜座スタッフの皆さんと一緒にお話させていただいたので楽しかったです。

最近スタッフの方が増えたのでどうしてかと思ったら、音声と映像の勉強をされている若い方達でした。桜座という空間を生かし、そこからいろいろなものを発信していこうと考えているそうなのでエールを送りたいです。最近Ustreamで配信もしていますしね。龍野さんからジャズへの思いやライブを作る裏方スタッフの皆さんの戦いぶりもお聞きすることができ、こういう形でライブをきちんと見せてくれる桜座は貴重な存在だと思います。音響と舞台照明は最高ですよ。近くにこんなところがあるのは幸せだと思います。

来年、酒井俊さんと今堀恒雄[(ギター)さんとのDUOがあるそうなので是非観たいと思っています。スガさんとのDUOとはまた違った感じなのだそうです。それから来年こそ、ベルベットサンなりピットインなりへスガさんを観にいきたいと思います。そうそう、来年は「甲府JAZZストリート」にスガさんが来てくれると嬉しいんですけどね。

ライブだけではなくアフターアワーズまで楽しんでしまいました。
皆さんありがとうございました!!

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ジャズ喫茶「いーぐる」の2011年ベスト盤大会。

まず最初に、今日から拙ブログは5年目に突入します!
文章を書くことがどちらかといえば苦手な私が、
よくもまあ4年間も続けたものです。
お読み下さっている皆様には感謝するとともに、
これからもよろしくお願い致します。

先週土曜日は ジャズ喫茶「いーぐる」 の年末恒例「2011年ベスト盤大会」「忘年会」へ参加してきました。私はこのイベントへ参加するのは3回目、去年は参加しなかったので2年ぶりということになります。

P16 ベスト盤大会というのは、連続講演で講演をされた方などがその年のベスト盤の中から1曲かけて解説するというものです。最近の連続講演はジャズだけでなく、ワールドミュージックなども行われているので、かかるベスト盤はいろいろなものがあります。ジャズサイドだけに絞ってみても、講演者がそれぞれ自分の得意分野をかけるという感じなので重複はほとんどありません。世の中も多様化しているので、それは自然な成り行きなのだろうと思います。

当日かかった曲は ジャズ喫茶「いーぐる」”blog”にUPされると思いますのでご覧下さい。最初にかけたのは出席する予定だったおおしまゆたかさんが選んでいたものでした。「いーぐるnote」”bbs”に書かれていたものを後藤さんが代理でかけました。

続いて後藤さんのベスト盤から。21世紀に入ってからは誰もが認めるようなベスト盤が無くなったので、今回かけるものも後藤さんがいいと思えるいくつかのものの中のひとつというような前置きでかけました。この曲の解説等については”blog”のほうにUPされると思いますのでご覧下さい。ここで思わぬ展開が!

P17 かけたアルバムはレズ・アバシ『SUNO SUNO』。なんと私のブログを読んでいただいて購入されたそうなのです。このブログ記事はこちら⇒エンヤ・レーベルから新譜が出ました。それで気に入ってここでかけることになったということなので、私もブログをやっている甲斐があるというものです。かける前に後藤さんからは「いっきさんががかけようとしたものとかぶってない?」との問いがありましたが大丈夫でした。実は少しかぶっていたのですが(笑)。最初からとても嬉しい展開。

その後皆さんそれぞれ個性に溢れたアルバムをかけられましたが、今回は詳細については書きませんので、”blog”の選曲リスト(後藤さんが各曲の解説をされています。)をご覧いただき、思いを巡らしていただければと思います。

私がかけたものの話をします。誰かとかぶるものがあるといけないので一応4枚持っていきました。その4枚はルドレシュ・マハンサッパの『Samdhi』、グエン・レの『ソング・オブ・フリーダム』、ジョン・スコフィールドの『ア・モーメンツ・ピース』、クリス・ポッターの『トランスアトランティック』。次点には上記のレズ・アバシや上原ひろみの『ヴォイス』なんかがありました。

P18 ということで、かけたのはマハンサッパ『Samdhi』。このブログ記事はこちら⇒マハンサッパの新譜はなかなかカッコイイ!マハンサッパは後藤さんがかけたアバシのアルバムのメンバーでもありますので、少しかぶっていたというわけです。私はこの1年、「ジャズ・ヒップホップ」に明け暮れたわけですが、ヒップホップも面白いと思いつつ、やっぱり私にはジャズだろうという気持ちも込めての選曲です。

かけた曲は《キラー》。この曲を選んだ理由は元気が良い演奏だからです。今年は東日本大震災があったので、ジョンスコのアルバムから静かな曲をかけようとも考えたのですが、私にはやっぱりこういう元気で勢いがある曲のほうが合っていると思いました。エレクトリックなサウンドも取り入れ、インド系パーカッションも含む怒涛のリズムがカッコイイ曲。そのリズムの上でマハンサッパとギターのギルモアの勢いあるソロが展開。

曲をかけたあとで後藤さんにも評判が良かったので嬉しかったです。このアルバム、2008年の録音なのですが発売は今年。こういうものを今発売できるのはユーロ圏でも元気があるドイツのACTレーベルゆえか?なんて話をしました。そしてACTレーベルからでたヴィジェイ・アイヤのアルバムの日本盤で、ビゼ・イヤーと表記されているのは間違いだという話にもなりました。後藤さんは早速このアルバムを注文されたみたいです。紹介したものを気に入っていただけるというのは嬉しい限りです。

林さんがかけたローランド・カークといい、よういちさんがかけたパーカーといい、発掘盤が未だに出てくるのもニースがあるからでしょうし、ジャズのひとつの需要形態だと思います。ラストはよういちさんのパーカーだったわけですが、やっぱりいいわけでして、私にとってのジャズはここからだと思います。そこから今につながってきて、同じアルト奏者であるルドレシュ・マハンサッパをかけている私。パーカーとマハンサッパが並列で楽しめるのが正に今なわけで、でもそこに至るジャズの歴史を知っていても損はないかなと思う今日この頃(笑)。

皆さんがかけたアルバム、それぞれ面白いものでした。そしてそれらは今を映す鏡なのだろうと思います。

ベスト盤大会のあとは忘年会に突入。後藤さんが講義をされている朝日カルチャーセンンターの生徒さんもいらしてかなりの人数でした。高田馬場「イントロ」の茂串さんもいらしていました。ヒップホップ特集をされた原雅明さんもいらして、たぶん原さんが持参された(のではなく後藤さんが入手した)ヒップホップが店内B.G.M.に、雰囲気はもうクラブです。さすがに踊っている方はいませんでしたが(笑)。私的にはツイッターやブログで何度も会話していたmegurojazzさんとやっとお会いできたのて嬉しかったです。

皆さんとディープな会話をしつつの3時間半は濃密で楽しかったです。場はまだまだ盛り上がっていましたが、私は甲府行き最終電車に乗り遅れないように途中で退散。

皆様どうもありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。

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井の頭公園を散歩しました。

昨日は ジャズ喫茶「いーぐる」2011年ベスト盤大会&忘年会でした。
その時の話は後程。

上京する時の常で、まずはディスクユニオンへ。
今回は吉祥寺のジャズ・クラシック館を見てきました。
最近輸入盤はAmazonを利用して安く買うので、ここでは中古と新譜情報収集。
タイション・ソーリーの新譜『オブリークⅡ』が気になりますね。
”ゲッ”、帰ってからAmazonを見たらまだ売ってないようです。

日本人中古JAZZセールの中に、
ジャズブロガーの一部で話題の外山安樹子トリオ『アンビション』を発見!
ケース割れということで安くなっていました。
ここで見つかったということは神の思し召し(笑)。買いましょう!
もう1枚池田芳夫『DADAⅡ』も買いました。
『DADA』『DADAⅢ』は持っているので、間の『DADAⅡ』がほしかったのです。
日本JAZZの良心みたいなグループのCD。
お店には3枚とも売っていました。
こういうCDを売っているお店がある東京ってやっぱりいいな~。
以上2枚をゲットして終了。

今回なぜ吉祥寺ディスクユニオンにしたかというと、
井の頭公園を散歩したかったからです。
この後「いーぐる」の店内にず~っといるので、まずは屋外でリフレッシュ。

ごらんのとおりでいい天気でした。
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結構きれいに紅葉している木々があります。
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いい感じですよね。赤色の楓がとくにきれいです。
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池の周りを1周。何人かの人が大道芸をしていましたよ。
今人気のバルーンアートがなかなか面白かったです。
池のカモ、公園のハトも元気そう。たくさんいました。
ハトは子供たちに追い掛け回されていましたよ(笑)。
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犬を連れて散歩している人も多数。
最近の犬は吠えないしおとなしい、そしてかわいい。
私は小さい頃に犬にかみつかれそうになってからず~と苦手でしたが、
最近はもう何も恐れるものはありません(笑)。
丸井の前にこんな展示が!
P15

ということで散歩のあとは四谷「いーぐる」へ。

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今度の土日はイベント。

今度の土日、と言ってももう土曜日ですが2つのイベントがあります。

まずはこれでしょう。

12月17日(土)は ジャズ喫茶「いーぐる」 年末恒例、

ベスト盤大会&忘年会です。

去年は行かなかったのですが今年は行きます。

ジャズ・ヒップホップに明け暮れた今年の〆。

甲府行き終電に乗り遅れないようにせねば!

そして、

12月18日(日)は 「桜座」 で、

酒井俊、スガダイローDUO

ダイローさんが来るとなれば行かねばなるまい。

酒井俊さんも前から見たかったんです。

開場16:30、開演17:00なので間違わないようにせねば。

以前いつものように19:30開演だと勘違いして

「桜座」から電話をもらったという失敗がありますからね。

楽しみです。

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現代ニューヨークな1枚。

今日は新譜紹介です。

P7 アーメン・ドネリアン『リープフロッグ』(2010年rec. Sunnyside)です。メンバーは、アーメン・ドネリアン(p)、マーク・モマース(ts)、マイク・モレノ(g)、ディーン・ジョンソン(b)、タイション・ソーリー(ds)です。なかなかの精鋭メンバー揃いです。私のお目当てはリーダーのドネリアンとドラムのソーリー。特にヘビー級白熱ドラマーのソーリーに注目。

タイトルのリープフロッグは”馬跳び”です。ジャケットは子供達が馬跳びをして遊んでいるところ。車の形からいってだいぶ昔の写真のようです。向こうでは”跳ぶカエル”って言うんですね。イメージ的には”跳ぶカエル”のほうが近いかと思います。昔、体育の授業でこれで競争したような記憶があります。最近はこんなことやらないのでやけに懐かしい感じがいます。

アーメンがジャケ裏にこんなことを書いています。「リープフロッグは勝者も敗者もいないゲームです。誰もがその中で楽しいです。私は人生においてこのアプローチが好きです。そして音楽においても。」と、なるほどね。勝ち負けではなく参加して皆で楽しくということなのでしょうね。そういう気持ちも分かります。私は意外と勝ち負けが好きかも(笑)? ブログをやっていても色んな意味で勝ったとか負けたとか意識しますよ。

アーメン・ドネリアンといえば、普通のジャズ・ファンにはレア盤『トリオ87』が思い浮かんでくるんでしょうね。欧州系マイナー・ピアノ・トリオです。私はたまたまその5年後に録音された、当時の注目アルト・サックス奏者である故トーマス・チェイピンとの『カルテット・ランゲージ』(発売は2003年、廃盤)で初めてこの人を聴いたので、イメージが異なっています。このアルバムで熱い演奏を繰り広げていたんです。好きなアルバム。

『カルテット・ランゲージ』はブログで紹介済み⇒これはガッツがあります。

そんなドネリアンがやる現代ニューヨークジャズが今日のアルバム。私にはとっては至って馴染みやすく聴きやすいジャズになっています。ドネリアンはニューヨーク生まれなのですが両親はアルメニア系だそうで、そのせいなのか曲や演奏に東欧系エスニック風味と哀愁が漂っていていい感じです。バラード演奏なんかは結構安心感があります。

ドネリアンの7曲とモマースの1曲の全8曲収録。それぞれなかなか良い曲です。アンサンブルも大事にしつつ各人のソロをきちんと聴かせる構成なので、聴きどころは分かりやすいんじゃないかと思います。今時フレージングでテナーを熱く吹くモマース、カート・ローゼンウィンケル系列の浮遊感漂うフレージングのギターを弾くモレノ、緩急自在で煽りどころを心得たキレとパワーのドラミングをするソーリー、堅実ベーシストのジョンソン。

ドネリアンのジャズを皆で手際よく奏でているように思います。そしてクオリティーは高いです。ドネリアンのエスニック性が無機的なジャズに陥ることを避けていますし、それほど複雑なビートをやっていないのも馴染みやすさにつながっているように思います。私のお気に入り曲は『カルテット・ランゲージ』でもやっていた《メキシコ》。哀愁とスピリチュアルな雰囲気に溢れているところが好きです。

それほど構えなくても聴ける現代ニューヨークジャズ。いい感じですよ。

アルバム名:『Leapfrog』
メンバー:
Armen Donelian (p)
Marc Mommaas (ts)
Mike Moreno (g)
Dean Johnson (b)
Tyshawn Sorey (ds)

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これは妙に記憶に残っている。

あと2枚新譜紹介しなければならないのですが、気分がのらない最近。
今日は適当に1枚。

P6 ステップス(アヘッド)『ステップ・バイ・ステップ』(1980年rec. 日本コロンビア)です。メンバーは、マイク・ブレッカー(ts)、スティーヴ・ガッド(ds)、エディ・ゴメス(b)、ドン・グロルニック(p)、マイク・マイニエリ(vib)です。ジャズ・フュージョンの精鋭メンバー集結。ステップスって日本ではかなり人気があったんですよね。このグループはフュージョンの嵐が吹きすさんだ後の、フュージョンサイドからのジャズのメインストリーム回帰への回答だったと思います。

なんで今日紹介しようと思ったかというと、大学の生協でこれを売っていて、ジャズを聴き始めた私は何度も買おうと思いつつ在学時にとうとう買わなかったという思い出があるからです。当時生協のジャズコーナーを何度もチェックした記憶が残っています。でもレコードを買うのはもっぱら例の「サンリン」(来年1月閉店)だったので、生協ではチェックのみ。当時の私はマイルスとウェザー・リポートにぞっこんだったので、ステップスにはどうも触手が伸びなかったのです。

その後ステップスを買うことになりますが、最初に買ったのは『パラドックス』のCD(レコードに買い換え)。今ではデビュー・アルバムから『マグネティック』までをレコードで、『N.Y.C.』のCDを持っています。マイケルが抜けて面白くなくなったため、それ以降は聴いていません。後に出た『ライブ・イン・トーキョー1986』も持っています。

最初はアコースティック・バンドでしたが途中からエレクトリックを取り入れましたね。グループ名も同じ名前のロック・バンドがあるとかで途中から”ステップス・アヘッド”に変更しました。メンバーも何度か入れ替わりましたね。このアルバムのメンバーの2人、マイケルとドン・グロルニックは既に亡くなってしまったというのが残念です。このレコードが発売されてからもう30年も過ぎてしまいました。時の流れを感じます。

テクニカルで小気味良いミディアム/アップ・テンポの演奏と歌心を感じるバラード演奏の2面作戦というのが特徴でしょうか。バラードにおいては、マイケル、マイニエリ、ドングロ、なかなかロマンティックで哀愁もあるソロを聴かせてくれます。マイケル、マイニエリ、皆ジャズをやっていると思いますが、同時にフュージョンもやっていたのでピュアなジャズ・ファンからは反発もあったように記憶しています。ガッドのドラミングにジャズのスイング感が乏しかったり8ビートをやっていたりするところにも違和感があったんでしょうね。

ステップスは今時クオシモードなんかよりはよっぽどジャズです。ガッドのドラミングについては、私の場合チック・コリアの『スリー・カルテッツ』や『フレンズ『で聴きまくっていました。で、それほど違和感は感じなかったです。ジャズを聴く前はロック・ポップスを聴いていたので、こういう4ビートもありだと思っていました。この人はパタパタしたリズムを叩きますよね。独特です。

ただしガットが参加したマンハッタン・ジャズ・クインテットの4ビート。これは気持ち悪かったです。何でだろう?シンバル・レガートからはじまってマッチしないんですよね。聴き慣れたスタンダードをやったからでしょうか?考察はしていませんがとにかくよろしくないのです。それでも2作目『枯葉』はそうでもなかったのでこれも不思議。マンハッタン・ジャズ・クインテットは2枚買って終了。その後だいぶ経ってアンディ・スニッツァー加入後の2枚買って1枚をディスクユニオンに売って現代に至ります。

だいぶ話が横道にそれてしまいました。このアルバムの話に戻りますが、メンバーの音楽性や技術が揃った良い演奏を聴かせていると思います。そして意外と奇をてらったところはなく落ち着いた仕上がりになっています。こういう感じのもののほうが実は長く聴いても飽きなかったりするんです。なかなか良いですよ。ガッド得意のサンバ調リズムが心地良い《ブレット・トレイン》が私好み。マイニエリ、マイケルが”ピチピチ”跳ねています。

このアルバム、たまに取り出して聴きたくなる1枚です。

アルバム名:『STEP BY STEP』
メンバー:
Mike Brecker(ts)
Steve Gadd(ds)
Eddie Gomez(b)
Don Grolnick(p)
Mike Mainieri(vib)

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私が敬愛する3氏が推薦するこれ。

パソコンが壊れました。リカバリーを何度もして騙し騙し使って1年くらい経つのですが、とうとうリカバリーすら不能に(涙)。パーティションを分けたところに保存しておいたデータも読めなくなりました。今度失ったデータは自分で撮った写真など大事なデータが・・・。あ~あっ、パソコンが怪しい雰囲気だったので外付けHDに落とそうと思っていた矢先にこれですよ。金曜夜のことです。

で翌日、ネット中毒の私はたまらずコジマ電気へ。新しいの買うしかないじゃん!思わぬ出費です(涙)。これまで東芝のdynabookを3台使ったのですが、理由は同グレードで一番安かったから。今回東芝はあまり安くなく、富士通、ソニー、NECが候補になりました。在庫の有無その他で、ソニーのVAIOにしました。CPU性能は前のものより若干落ちましたが、今の私の使用方法では十分。VAIOはデザインがカッコイイ!「VAIO使ってます。」って言うのもお洒落(笑)。購入選択時間約30分。いい加減な買い物です。

OSはVistaから7になりましたが、操作方法の若干の違いは許容範囲内。これまで95、ME、XP、Vistaと使ってきた私は、Windowsさんの手口にはもう慣れました(笑)。ただキーボード右に余分なテンキーがあり、キーそのものが小さくなったので、今はミスタッチが頻発していますがすぐに慣れるでしょう。ということで、私のネット生活は今日も続くのでありました。

そして土曜夜の皆既月食。”ジャズメン占い”によると私はパット・メセニーで、”自然派ロマンチストにもかかわらず、何故か非常に機械に強い。”らしい。そんな私は、皆既月食という天体ショーに魅せられたことはいうまでもありません。ツイッターにもつぶやいていました。寒かったし真上で首が疲れるので時々ベランダへ出て鑑賞。ブログに何度も空や雲や月の写真をのせている私なので、ワクワクしながら月を見ていたことは察していただけるでしょう。そういえば撮りためた写真も見られなくなりました(涙々)。

前置きが長くなりました。本題に参りましょう。

P2 今日紹介するのはカーティス・カウンス・グループ『ランドスライド』です。メンバーは、カーティス・カウンス(b)、ジャック・ジェルドン(tp)、ハロルド・ランド(ts)、カール・パーキンス(p)、フランク・バトラー(ds)です。私が持っているのはオリジナル盤。モノラル、溝あり、盤質B+です。これはディスクユニオンで買いました。そこそこの値段でした。最初は日本盤だったのですが数年前に買い換えました。

このアルバムは私が敬愛する3氏が薦めているのでここに紹介します。

まずはジャズ喫茶「メグ」マスターの寺島靖国さん。「辛口JAZZノート」の中で以下のように紹介しています。
P4 ”ウエストコーストのきわめつけ7枚”の中の1枚。”カ-ティス・カウンスのベースがギシギシ軋む”。こんなことを言われたらオーディオ・ファンでもある私は買うしかありません。

次はオーディオ評論家の故長岡鉄男さん。FMfan特別編集「開拓者 長岡鉄男」の中で紹介されています。この本は長岡さんが亡くなってしばらく後に追悼本みたいな形で出ました。本の内容はFMfan誌で長年続いた人気連載「長岡鉄男のダイナミックテスト」の総集編。長岡さんが亡くなる前に書いた最後の直筆原稿も掲載されています。付録は「陸上自衛隊富士総合火力演習」のリマスタリングCD! 「ダイナミックソフト」の中でこのアルバムが紹介されています。P3 アルバムタイトルが誤記なのはご愛嬌。これはCDですが”1956年のステレオ録音だが聴いてびっくりの優秀盤 この38年(1994年当時)、果たして録音は進歩したのだろうか”あの長岡さんにしてこのセリフ。重みがあります。コンテンポラリー・レーベルはオーディオ的にハイファイ録音であるのは皆さんご承知のとおり。で、なんと言おうが”鮮度”という意味ではオリジナル盤レコードが最高だと思う私です。

最後はこの人。ジャズ喫茶「いーぐる」マスター後藤雅洋さん。「ジャズ・レーベル完全入門」のコンテンポラリー・レーベルの項で以下のように紹介しています。P5 我らが後藤さんに”中身は聴いて納得の隠れ名盤”と言われれば、もう黙って頷くしかありません。”オリジナル盤買って良かった!”と私はもう歓喜の涙(笑)。

ということで、音良し演奏良し!文句あるか!買いなさい!

OJC盤CD中古でこの高値(涙)。
皆さんは適正価格の中古CDを買って下さいね。

そういえば、再発盤はジャケット写真を裏焼きしてしまったんでしょうか?

ツイッターでtommyさんからご指摘を受けました。
時計、指輪をしている手、ベース弦の太さの並びから、オリジナル盤が裏ポジだろうとのことでした。確かにご指摘が正しいと思います。
なるほど納得!

tommyさんがご自身のブログで解説してくれました。ありがとうございます。
Tommy's Jazz Caf'e ジャズブログ⇒カーティス・カウンスのジャケット写真

後藤さんからお知らせがありました。

来年1月に『ジャズ・レーベル完全入門』の増補改訂版が河出書房新社から出るそうです。けっこうマイナーなレーベルも追加したそうです。

まだお持ちでない方はもちろん、既に私のように持っている方も買いましょう!
楽しみですね~。

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シェリー・マンのこれが好きです。

今日もオリジナル盤の話です。

P1 シェリー・マン『234』(1962年rec. impulse)です。メンバーは、シェリー・マン(ds)、コールマン・ホーキンス(ts)、エディ・コスタ(p,vib)、ハンク・ジョーンズ(p)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)です。私が持っているのはオリジナル盤。ステレオ、オレンジラベル、RVG刻印、盤質良好。インパルスのオリジナル盤はあまり持っていないのですが、その中の1枚。

川崎のディープなレコード屋さん 中古レコード/CD TOPS で買いました。モノラル盤のジャケットにSTEREOシールが貼ってあります。TOPSの店主によると、アメリカは結構いい加減なので、こういうことは良くあるとのことでした。なぜステレオ盤を買ったのかというと、オーディオ雑誌「管球王国」にこの盤の聴き比べ記事があり、ステレオ盤の音が良いと書いてあったからです。確かにクリヤさと力強さが両立した良い音でした。

でも音以上に気に入っているのは演奏です。「234」のタイトルどおり、ホーキンスとのデュオ、コスタ、デュヴィヴィエとのトリオ、ホーキンス、ハンク、デュヴィヴィエとのカルテットの演奏が収められています。歌うようにメロディアスなドラムを叩くと言われるマンなのですが、ここでの演奏はラジカルでありアナーキーなんだから面白い。

A面1曲目《テイク・ジ・A・トレイン》から変です。ハンクにピロピロとせわしくピアノを弾かせて、ベースが自由にからみ、シンバル基調でアクセントを加えるドラム。こんなアレンジは他で聴いたことがありません。そこからスローでピアノ・ソロになるわけですが、ドラムが急にアクセントを入れたりします。で、ホークのソロではテンポアップして快調にソロを進めます。ベース・ソロの後ろでは途中何度かいきなり演奏をやめちゃうし、でなかなか凝った処理のテーマに戻って終了。マンの秘めたる過激な何かが噴出しているのが◎。

コスタとはヴァイブラフォン・トリオとピアノ・トリオで1曲ずつ。これがなかなか渋くて、ドラムは普通に4ビートを叩いている部分とフリーなビートを刻む部分があって、耳を離さないような工夫がみられるところが面白いです。ホークのカルテットでは上記の他に2曲あり、こちらはホークの大らかでスケールの大きいサックスに焦点をあてつつ、マンの軽やかに歌うドラムが聴けます。ハンクの助演男優賞的ピアノも聴きどころ。

そしてB面ラスト《ミー・アンド・サム・ドラムス》がこれまた独特。最初はピアノとのデュオでマンはマレットを使ってスピリチュアルに進めます。途中でピアノが抜けホーキンスが入るのですが、マンのマレットで叩くドラムはまるでもう一人のリード奏者のよう。ホークが咆哮するようなところもありつつ、それにからみつく自由なドラミングがとても気持ち良い演奏です。フリー・インプロみたいでホークにしては異色だと思います。

で、やっぱり音について触れます。マンのドラムの音がとにかく気持ち良いのです。スネアドラムの”サクサク”した音、シンバルの金属感をよく捉えた音、時々”ドスッ”と入るバスドラムの音、どれもがオーディオ的快感に溢れています。これがヴァンゲルダーの音なのかと思います。ブルーノートの音とは違う、どちらかと言えばコンテンポラリーに近い音です。

音良し、演奏良し、ジャス・オーディオ名盤とでも言っておきましょう。

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こういうジャズにドップリ浸りたくなることもある。

今日はジャズにドップリ。

P133 ジジ・グライス『ザ・ラット・レース・ブルース』(1960年rec. PRESTIGE/NEW JAZZ)です。メンバーは、ジジ・グライス(as)、リチャード・ウィリアムス(tp)、リチャード・ワイアンズ(p)、ジュリアン・ユーエル(b)、グランヴィル・ロッカー(ds)です。私が持っているのはオリジナル盤。モノラル、溝なし、RVG刻印。ジャケ裏にスタンプがあったりするので、それほど高くなかったと思います。どこのレコード屋さんで買ったのかは忘れてしまいました。

A面1曲目タイトル曲《ザ・ラット・レース・ブルース》から元気良く飛び出します。ラット・レース=ねずみのレースらしく、ファンファーレの後ベースが”ブンブン”とうなりをあげてレースはスタート。まずはピアノが抜け出します。続いてミュート・トランペットが抜き返し、最後にグライスのアルトが末脚で先頭に立ち、観客から拍手と歓声が上がる中ゴールへ、という展開。なかなかスリルとスピード感がある演奏です。

A面2曲目《ストレンジ・フィーリング》はミディアム・テンポで快適に。ウィリアムスのトランペットはアーティキュレーションなどがリー・モーガンに似ていると思います。いなせに格好良く吹きます。グライスはキャノンボール・アダレイに近いですね。ちょっとかすれた音で小細工なくストレートに吹き切ります。ワイアンズのピアノは粘りあるピアノ。特に誰がどうとかの個性はないですが、これぞハードバップという演奏。

A面ラストは《ボクサーズ・ブルース》。これはスローテンポでブルージーに。このアルバムのポイントはやっぱり黒さなのです。アルトの抜けの良い音を聴いていると気持ち良くなってきますね。トランペットは高らかに吹き上げ、ピアノはコロコロと小気味良く、ジャズです。当たり前か(笑)。

B面1曲目《ブルース・イン・ブルーム》がなかなか印象的なのです。テーマはいかにもブルースって感じなのですが、アルトのソロが始まるとそこに響くのはマイルスの《ソー・ホワット》なんだから面白い。グライスのフレージング、ピアノのコンピング、ベースの刻みを聴くとかなり似た雰囲気。モードとブルースの親和性を意外なところで発見してしまったのでした。続くウィリアムスのトランペット・ソロを聴くと、これも悪くはないのですが、マイルスの内に秘めた緊張感との差を感じます。ピアノは《ソー・ホワット》をウイントン・ケリーが弾いたらこんな風だろうという感じです。これは面白い。

B面ラスト《マンデー・スルー・サンデー》はいかにもブルース。どことなく気だるい雰囲気が漂って、当時は月曜から日曜まで、こんな風に世の中の騒ぎを傍観しつつ、毎日を仕事に追われて生活を送っていたのだろうかと、思いが巡ってしまいます。アルト・ソロはなかなか胸に迫ってきます。続くトランペット・ソロもケレンなく切々と。ピアノは緩急とブロック・コードの具合がいいです。合奏の後、ベースが訥々と”俺達の1週間はこんなだぜ”と言ってからエンディングへ。ジャズ喫茶でドップリ浸りたい曲です。

名盤の類ではありませんが、”これがジャズだよっ”と言える1枚ではないかと思います。私が好きなどうってことのないアルバムの1枚。

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クリスマス・アルバムを買ってしまった。

今まで一度もクリスマス・アルバムなんて軟弱ものを買ったことがなかったのですが、とうとう買ってしまいました(笑)。

P132 ジェリ・アレン『ア・チャイルド・イズ・ボーン』(2011年rec. MOTENA MUSIC)です。メンバーは、ジェリ・アレン(Fazioli Pianoforte F228,Fazioli Pianoforte F278,Farfiza Organ,Celeste,Fender Rhodes Electric Piano,Hohner Clavinet)、ゲストボーカル:コナイトル・ミラー、キャロリン・ブリューワー、バーバラ・ロニー、スポークン・ワード:ファラ・ジャスミン・グリフィン、Ph.D.です。基本はソロ・ピアノ、数曲でピアノ以外を使った多重録音とボーカルが入る曲があります。

これがクリスマス・アルバムだとは知らず、Amazonで数曲試聴して良さそうなので買いました。曲名もろくにチェックしなかったので気付きませんでした。CDが手元に届くまでに、ジャズ友Suzuckさんのブログを見たら、これがクリスマス・アルバムだと書いてあるではありませんか!でも半信半疑。CDが届いてラナーノーツを開くと、最初のページには”CHRISTMAS”の文字が!やっぱりそうだったんですね。

最初に言っておきますが、これはかなり気に入っています。《クリスマス・メドレー》は1曲ありますが、他はとくにクリスマスって強く主張していないので、私にとってはアレンのピアノ・ソロ・アルバムということで何の問題もありません。

アレンって子供がいるんでしたっけ?これはジャケットやタイトルからも分かるとおり、クリスマスであると同時に、子供への慈愛に満ちたアルバムだと思います。ファツィオリ・ピアノの美しい響きを生かした優しい演奏が詰まっています。アレンっていうとどちらかと言えば強面なイメージでしたが、それを見事に覆すこの優しさにはウットリしてしまいます。

タイトル曲《ア・チャイルド・イズ・ボーン》は私の好きな曲なのですが、とにかく優しく包み込むように弾いていて、聴いていると心が癒され浄化されます。ジャケットのとおり子供を包み成長を見守る母の心境なのでしょう。続くエチオピアの民謡《イマジニング・ジェナ・アット・サンライズ》はオルガンを多重録音していてこれがインド風。次の民謡《オー・カム・オー・カム・エマニュエル》にもその雰囲気は継続し、ボーカルは正にインド。

このインドというか仏教のイメージがクリスマスとオーバーラップしているのが面白いです。”ジーザス・ミーツ・ブッダ”? インドの雰囲気は60年代のスピリチュアル~フリーのコルトレーンあたりにもつながります。これを聴いてアリス・コルトレーンの『トランスリニア・ライト』が浮かんできました。発想は近いものを感じます。このアルバムについては以前ブログに書きました。⇒「母子愛に溢れた1枚。」

「アリスもアレンも母なんですね~。」と思う次第。母の愛は広く深いのです。そして世界を包みます。その慈愛に満ちた演奏が気に入っている私。

アレン作《ジャーニー・トゥ・ベツレヘム》は1分ちょっとのイントロですが、《スカボロ・フェア》に似ていますよね。それは次曲《ウィ・スリー・キング》のラストにも現れます。アレン作《ゴッド・イズ・ウィズ・アス》は歌詞や曲はゴスペルですが、これもどこかインドな雰囲気も漂っています。それに続く《アメイジング・グレース》という流れもなかなか素敵に響きます。意外と軽めに弾いているところにも好感が持てます。

で、《クリスマス・メドレー》へ。クリスマスというよりはゴスペル・ソングの流れとして聴けてしまいます。というか、私がクリスマス・ソングとして意識しているのは《きよしこの夜》1曲だけなので、全体からするとこの曲が占める割合はほんの少しなのです。その後にまたインド風な《イマジニング・ジェナ・アット・サンライズ》がほんの少しだけ登場。やっぱり”ジーザス・ミーツ・ブッダ”。神様、仏様、いや人類愛なのです。

今年は東日本大震災という悲しい災害が起きました。直接被災しないにしても、日本に住む人には皆ついたであろう心の傷。それを癒してくれそうなのがこのアルバムだと思います。染みます。

アルバム名:『A CHILD IS BORN』
メンバー:Geri Allen(p, etc.)

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エンヤ・レーベルから新譜が出ました。

最近買ったCDから1枚紹介します。

P131_2 レズ・アバシズ・インヴォケイションの『SUNO SUNO』(2010年rec. ENJA RECORDS)です。メンバーは、レズ・アバシ(g)、ルドレシュ・マハンサッパ(as)、ヴィジェイ・アイヤ(p)、ヨハネス・ウェイデンミューラー(b)、ダン・ワイス(ds)です。前作はサニーサイド・レーベルというニューヨークの今を録音しているレーベルからアルバムを出しましたが、今回はなんとメジャー・レーベルのエンヤから出ました。この人達もいよいよメジャーから声がかかるようになったんですね。ジャケットはエンヤらしいものです。

前作についてはこちらをご覧下さい。今日もいきます。ニューヨークのジャズ(笑)!

アバシはパキスタン出身ですが、活動はニューヨークで行っています。今回のアルバムにはインド系のマハンサッパとアイヤが参加して、ニューヨークのインド・コネクションによるアルバムです。実はこのメンバー、前作『シングス・トゥ・カム』と同じメンバーなのです。ただし前回数曲に参加していたインディアン・ヴォーカルは不参加。そのせいでインド色は薄まっています。このあたりの処置はエンヤらしいと思います。おそらく広いジャズ層に違和感がないようにとの配慮でしょう。

全曲をアバシが作曲。馴染みやすいメロディーだとは思いませんが、かといって無機的でもなく、どことなく情緒があるのはインド系メロディーセンスなのだろうと思います。抽象的で独特なフィーリングがあることは確かです。現代ニューヨークと言えばユダヤ哀愁メロディーが結構多いのですが、彼らのインド系メロディーも悪くはないです。リズムは変拍子&ファンク系、ということでこの人達はM-BASEの進化系なのです。

M-BASE本家スティーヴ・コールマンも相変わらずやっていますが、私はこのアイヤ一派がやるM-BASE進化系のほうに面白みを感じます。コールマンは最近主流の複雑な変拍子についていききれていないような感じがしますし、色気がない感じがするんですよね。

アバシのギターはカート・ローゼンウィンケルをダークにした感じだと思います。でもジョン・スコフィールドのようなブルージーさやビル・フリゼールのような浮遊感もあったりと、今時の人らしく色々な要素を含んでいます。バカテクで速弾きするというよりは独特なフレーズをしっかり聴かせるタイプ。

ピアノのアイヤは最近かなり落ち着いた演奏を聴かせてくれます。ソロを聴くとマシュー・シップに似ているようにも聴こえます。アイヤ、シップともにヒップホップ感覚も取り入れたりする新感覚派のピアニストであることには間違いありません。こういう人達がニューヨークで活躍して場を活性化させているのでしょう。アイヤのピアノは全編でしっかり演奏の芯をなしています。

マハンサッパはダウンビート誌アルト・サックス部門1位だけあって、張りと勢いのあるアルト・サックスをここでも吹いています。アイヤ、アバシとも相性が良いです。ウネウネなフレーズではあるんだけれどメカニカルというだけではなく情緒も漂うところがこの人の良さなのかもしれません。こういう人がちゃんと評価されているアメリカは凄いですよね。

ベースのウェイデンミューラーは派手さはないけれど堅実なプレー。ギター、アルト、ピアノが個性的なのでベースはどっしりと構えていることが必要なのでしょう。ワイスのドラムは複雑なリズムを難なくこなし、パワーよりはスピード感を重視。柔軟なビートで心地よくプッシュしつつ包んでいます。

イントロ曲以外は10分前後の曲が6曲。各人のソロをきちんと聴かせるアルバムになっているのは老舗ジャズレーベルのエンヤならではのことでしょう。キャッチーなものはあまりないですが、きちんとジャズを聴かせてくれるアルバムです。同じようなトーンが続くのでちょっと地味かも?現代先端ニューヨークを聴いてみたい人にお薦めします。エンヤのお墨付きをもらったジャズ。

アルバム名:『SUNO SUNO』
メンバー:
Rez Abbasi(g)
Rudresh Mahanthappa(as)
Vijay Iyer(p)
Johannes Weidenmueller(b)
DanWeiss(ds)

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最近こんなCD買いました。

最近こんなCDを買いました。
レビューはおいおいUPしていきます。

まずは矢野顕子と上原ひろみのこれ。
上原ひろみファンとしては買わずにいられません。
矢野顕子も好きです。ジャズやってます。
ピアニストとしての矢野さんを再認識。
《ラーメンたべたい》が《ソー・ホワット》と合体(笑)。
当然初回限定DVD付。

パキスタン出身ギタリスト、レズ・アバシ。
エンヤから出るとは!
現代最先端NYならこれでしょう。
ルドレシュ・マハンサッパ、ビジェイ・アイヤも参加。
M-BASE発展系ならこの人達に要注目。

ジェリ・アレンのソロ・アルバム。
私はアレンがそれほど好きというわけではなにのですが、
これはちょっと試聴した感じが良さそうだったので購入。
優しさがいい感じです。
これってクリスマス・アルバムだったの?

こいつも現代最先端NY。
ピアニスト、アーメン・ドネリアンの新作。
テナーにマーク・モマース、ギターにマイク・モレノ。
ドラムはタイション・ソーリーだっ!
カッコイイぞ。これぞ現代ジャズ。
比較的オーソドックスな演奏もあります。

現代ジャズ、面白いじゃありませんか!

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サウンドトラック的アルバム。

今日も新譜紹介いってみよう!

P130 ニルス・ペッター・モルヴェル『バブーン・ムーン』(2011年、Thirsty Ear)です。メンバーは、ニルス・ペッター・モルヴェル(el-tp,ac-tp,voices,loops,bass synth)、スティアン・ヴェスタルフース(el-g,ac-g,baritone-g,analogue synth,hand per,etc.)、アーラン・ダーレン(ds,log ds,steel ds,metal per,omnichord,etc.)です。

今回からマシュー・シップのレーベルであるサースティ・イヤーに移籍しましたね。メンバーも一新。ギタリストのヴェスタルフースはノルウェーのジャズグループ、ジャガ・ジャジスト(Jaga Jazzist)のメンバーで、ドラマーのダーレンはノルウェーのサイコ・ブルース・バンド、マドルガーダ(Madrugada)のメンバーだそうです。

私がモルヴェルを知ったのは、ジャズ批評2003年5月号の「トランペット最前線2005」です。その記事によるとフューチャージャズという言葉を定着させた立役者の一人とうことでした。ジャズ喫茶「いーぐる」周辺でも話題の人だったので慌ててフォローしました。この人のトランペット自体は哀愁マイルス路線。『スケッチ・オブ・スペイン』で切々とトランペットを吹き鳴らすあの感じです。バックはDJやサンプリングを使ったエレクトリック仕様。

モルヴェルのアルバムは3枚持っていましたが、良くも悪くもワンパターンという感じがします。その基本は1997年にECMレーベルから出た『クメール』。バックの意匠は少しづつ変化しているんでしょうが、モルヴェルのトランペットはマイルス同様ほとんど変わらないです。変わらないのは一貫性という意味では良さでもあるとは思います。

今回の曲は全9曲、3人の合作になっています。フリー・インプロではないので素直に共作なのでしょう。3人が色々な楽器を使って作った緻密なトラックの上で、モルヴェルがひたすら切々とトランペットを吹くというもの。鋭く吹く場面もないわけではないですが、全体からすると印象が薄れがち。曲によっては続けて演奏されるものもあり、全体を通して聴くとまるで映画のサウンドトラックのような仕上がりになっています。

バックの2人がジャズというよりロックをやっているので、アルバムとしてはロック・インスト物といったほうがいいように感じました。全部で約43分半という最近にしては短い収録時間にも関わらず、重め濃いめの雰囲気が最後まで持続していくので、通して聴くと食傷気味になります。個人的な好みかもしれませんが、もう少し軽やかさも取り入れてほしかったです。それからもう少しジャズにしてほしい。というか文化系過ぎるのでもう少し体育会系要素を入れてほしい(笑)。

モルヴェル・ファンは一応聴いておいたほうが良いとは思います。
私的にはそれほど面白いとは思いませんでした。

アルバム名:『Baboon Moon』
メンバー:
NILS PETTER MOLVAER(tp etc)
STIAN WESTERHUS(g etc)
ERLAND DAHLEN(ds etc)

うっかりしていました。
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