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らしい上質なジャズをやっています。

最近のジャズを取り巻く状況を考えながら、YouTubeから動画をひっぱってきてあれこれ書いたわけですが、まあ戯言なので適当に流していただけたか?いただけないか?このへんで終了します。

今日は新譜紹介。とは言っても、このアルバムが出てからだいぶ経ってしまいました。いつものことですね。これは安い輸入盤が買えるようになるまで待ったので余計遅くなってしまいました。

P128 ヴィンス・メンドーサ『ナイト・オン・アース』(2011年、art of gloove)です。メンバーは、ヴィンス・メンドーサ(com,arr,con)、ロレイン・ペリー(vo),ルチアナ・スーザ(vo)、ジム・ウォーカー(fl)、ジョー・ロバーノ(ts)、ボブ・ミンツァ(ts,b-cl)、ステファン・ギラウム(ts,ss)、アンブローズ・アキンムシーレ(tp)、ジョン・アバークロンビー(g)、ジョン・スコフィールド(g)、グエン・レ(g)、アラン・パスカ(p)、ケニー・ワーナー(p)、ラリー・ゴールディングス(org)、ミシェル・アリボ(el-b)、クリスチャン・マクブライド(b)、ピーター・アースキン(ds)、アレックス・アカーニャ(per)、ヘクトル・デル・カルト(bandoneon)、アンディ・ナレル(steel drums)、メトロポール・オーケストラ、etc.です。

最近共演が多いメトロポール・オーケストラをはじめとして、上記のとおりメンドーサとなじみ深いミュージシャンが多数参加しています。サックス、ギター、キーボード、パーカッションなどは、曲に合わせて使い分ける念の入れよう。最近では、これだけの豪華メンバーを集めて上質なジャズを作れる人はメンドーサくらいしか思い当たりません。

全12曲、全てメンドーサの曲。アレンジはもちろんメンドーサで指揮もしています。いつもながらのことですが、品があり優しく美しい曲が並んでいます。だいたい似たような感じの曲なのですが、この人の場合はしつこさがないので決して満腹感にならず、出てくる料理の繊細で上品な味を次々と味わい消化しながら食べ続けられる感じです。

タイトルからは夜にちなんだ曲というのが分かりますが、サウンドの傾向としてはブラジルやアルゼンチンやカリブといった中南米音楽を取り入れたエスニック色が強めです。パーカッションにそういう人達を起用していることからもそれは分かります。とはいっても、ここにある音楽はメンドーサ・サウンドというべきもので、メンドーサ好きには安心感がありますね。大人の上質哀愁サウンドです。

アレンジはもちろん非常に凝っていて、それだけで聴かせてしまうところはあるのですが、、その中に登場してソロをとるロバーノ、ミンツァ、アキンムシーレ、ジョンスコ、グエン・レなどを上手く引き立てるのもこの人のアレンジの技です。メンドーサ・サウンドの中にソリストが登場すると、”スッ”とその人の音にサウンドがマッチしてしまうのは非常に巧みな技だと思います。

私は基本的に少数コンボで個人技と心意気を聴かせるイケイケ・ジャズが好きなのですが、こういうグループでひとつのテーマにそって楽曲を聴かせるハイクオリティーなジャズも好きです。

ジャケットはオーロラで寒い夜を感じさせるもの。このアルバムは寒い冬にはよくマッチするんじゃないかと思います。部屋を暖かくしてミルクティーでも飲みながら聴くと気持ちが落ち着くと思います。今の私にピッタリかも(笑)。

アルバム名:『NIGHTS ON EARTH』
メンバー:
John Abercrombie, John Scofield, Peter Erskine, Louis Conte,
Larry Goldings, Kenny Werner, Alan Pasqua, Fred Sherry,
Bob Mintzer, Joe Lovano, Ambrose Akinmusire, Luciana Souza,
Hector Del Curto, Tom Diakite, Nguyen Le, etc.

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ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

今日も寒いですねぇ。
馬鹿と煙は、、って、いいますが。。
わたしは、高所はだめなんです。でも、高いところにあるものは好き。
オーロラも雲も、星も、、みんな好き。あ、お月様も。。。

このアルバムは、誰の何処の演奏をって、アルバムではないと思うんですが、メンドーサの世界をそれぞれが彩って作品になっているわけで、素敵な作品ですよねえ。

で、これって、日本の人より、海外からの検索が多かったりしますよ。
面白いですね。
って、トラバしてみました!

投稿: Suzuck | 2011年12月 1日 (木) 18時19分

Suzuckさま

こんばんは。
トラバありがとうございます。
後ほど私からもトラバ&コメント致します。

>今日も寒いですねぇ。

はい、寒いです。

>わたしは、高所はだめなんです。でも、高いところにあるものは好き。
>オーロラも雲も、星も、、みんな好き。あ、お月様も。。。

私は高いところも好きですし(基本アホなやつなんで、笑)、
高いところにあるものも好きです。
雲も星も大好きです。

>このアルバムは、誰の何処の演奏をって、アルバムではないと思うんですが、

トータルとしてのサウンドですね。

>メンドーサの世界をそれぞれが彩って作品になっているわけで、素敵な作品ですよねえ。

はい、とても素敵でした。
この世界は好きです。

>で、これって、日本の人より、海外からの検索が多かったりしますよ。
>面白いですね。

そうなんですか!面白いです。
日本でも多くの人に聴いてほしいですよね。

投稿: いっき | 2011年12月 1日 (木) 20時31分

さらに遅れてアップしました。
1ヵ月前には入手はしていたんですが、クレジットの多さに負けてしまい、もっと早く聴けばよかった、と思いました。

やはりこれだけのものを作れるのは彼だけかもしれませんね。ジャケット写真、タイトルと曲調や曲の流れがけっこう計算されているのかな、と思うほどにマッチしてました。また繰り返し聴いてます。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2011年12月10日 (土) 11時25分

910さん

こんばんは。

>1ヵ月前には入手はしていたんですが、クレジットの多さに負けてしまい、もっと早く聴けばよかった、と思いました。

910さんは全員書いてますもんね。
すごいです。
いいんじゃないですか。ゆっくり聴けば。

>やはりこれだけのものを作れるのは彼だけかもしれませんね。

はい、なかなかいないでしょう。

>ジャケット写真、タイトルと曲調や曲の流れがけっこう計算されているのかな、と思うほどにマッチしてました。

コンセプトがしっかりしているんだと思います。

TBありがとうございます。
私からもTBさせていただきます。

投稿: いっき | 2011年12月10日 (土) 18時15分

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きっと、こんな美しいオーロラをみると石になってしまうと思います。。 ヴィンスメン [続きを読む]

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このアルバムは輸入盤でちょうど1ヵ月前に入手したので、国内盤よりもはるかに遅れ、 [続きを読む]

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