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時々こういう普通のジャズが聴きたくなる。

今ディスクユニオンでやっている通販限定特価セールで買った1枚を紹介します。

P66 ジム・ロトンディ『ザ・ムーヴ』(2009年rec. Criss Cross)です。メンバーは、ジム・ロトンディ(tp,flh)、ラルフ・ボウエン(ts)、マイク・ディルボ(as)、デヴィッド・ヘーゼルタイン(p)、ジョン・ウェバー(b)、ジョー・ファンズワース(ds)です。3管セセクステットです。

新しいジャズとか聴いていると、たまにはこういうオーソドックスなジャズも聴きたくなります。セール特価なので安いし気楽に買えますよね。ヘイゼルタイン、ウェバー、ファンズワースは、ロトンディがエリック・アレキサンダーと組んでいるグループ:ワン・フォー・オールのリスム隊そのまんまです。たぶんサウンドも近いんじゃないでしょうか?私はワン・フォー・オールを聴かないのでよく分かりませんが。

ホレス・シルバーの《プログレス》から始まり、メンバー・オリジナル、スタンダード、バート・バカラックの《ザ・ルック・オブ・ラブ》と選曲も色々あって、モーダルでオーソドックスなジャズをやっています。テーマ部のアンサンブルをきちんとやりつつ各人のソロをきちんと聴かせる演奏。パワーで押すというより心地よくカッコ良くジャズを聴かせる感じです。

ロトンディのトランペットとフリューゲルホーンの使い分けもオーソドックス。ちょっとメローな曲で柔らかい雰囲気を加えたい時はフリューゲルホーンを使い、ハイテンポで勢いの良い演奏ではトランペットを使います。ラストの曲でミュートを使って小粋に終わるところも想像しやすい展開。この曲はワン・ホーン・カルテットでやってます。この人のフリューゲル演奏はフレディ・ハバードに似た感じで、トランペットも派手なハイノートを入れないハバードのような感じです。

フロントを構成する2管のディルボは音程の微妙な外れ感からはジャッキー・マクリーンが浮かんできます。熱っぽい演奏はまさにマクリーン。片やボウエンは前にこの人のリーダー・アルバムを紹介した時にも書きましたが、ジョン・コルトレーン~マイケル・ブレッカー路線。私みたいに長く色々ジャズを聴いていると、こういう”~似”が浮かんで来て困ったものなのですが、まあそこはそれ、こういう音は好きなので安心して聴けます。

ヘイゼルタインが《フォー・シダー》なんて曲を書いていて、これが確かにシダー・ウォルトンが作りそうな曲で笑ってしまいます。私はこの曲が結構お気に入り。ヘイゼルタインのピアノってあんまり特徴がないのはウォルトン的かも?ベースのウェバーとドラムのファンズワースはスインギーで安定したリズムを提供して演奏を心地よく進めていきます。

ここにあるサウンドは80年代のメイン・ストリーム・ジャズでしょう。こういう演奏ってあれから30年経ってもほとんど変っていないようです。こういうところがジャズの伝統芸能化なんて言われてしまうんですよね。まあ、伝統芸能ジャズも認めなくてはいけないとは思いますが。最近の若手は更に遡って50~60年代のジャズをやっていますよね。

私はジャズを聴き始めたのが80年代なので、ここにあるジャズは安心して心地よく聴いていられます。それだけに刺激はあまりないですが、たまにはこういうオーソドックスなジャズを聴いて和むのがいいんです。

面白いことを発見しました。フロント3管のなかではマクリーン的ディルボがちょっと異色なのですが、そのせいかどうか、大人のメーローなジャズをやっている曲ではディルボがソロをとっていなかったり、ディルボ抜きのクインテットでの演奏が1曲あったりまします。面白いですよね。でも私はマクリーン的ディルボのソロが聴いていて一番楽しいです。ジャズってやっぱりこれだよなって思います(笑)。

色々書いてますが、私はこれが結構気に入りました。

アルバム名:『THE MOVE』
メンバー:
Jim Rotondi(trumpet & flugelhorn)
David Hazeltine(piano)
Eric Alexander(tenor saxophone)
John Webber(bass)
Steve Davis(trombone)
Joe Farnsworth (drums)

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