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2011年10月

マハンサッパの新譜はなかなかカッコイイ!

今日は新譜紹介です。
ヒップホップもいいんですけれどやっぱりジャズですね。
現代最先端ジャズ。
私はまだまだジャズを見捨てたりしませんよ(笑)。

P99 ルドレシュ・マハンサッパ『Samdhi』(2008年rec. ACT)です。メンバーは、ルドレシュ・マハンサッパ(as,laptop)、デヴィッド・ギルモア(el-g)、リッチ・ブラウン(el-b)、デミオン・リード(ds)、”アナンド”・アナンサ・クリシュナ(mridangam,kanjira)です。ニューヨーク最先端ジャズ。

マハンサッパはインド系アメリカ人です。何と数学者なんだそうです。インドらしいですよね。私がこの人を知ったのはヴィジェイ・アイヤ(ヴィゼ・イヤー)のアルバム『リ・イマジニング』(2005年)で聴いた時。このアルバムはかなりインパクトが強かったので強く印象に残りました。正直に言うと、私はこの人のアルトの音や幾何学的でアブストラクトなソロがあまり好きではないのでフォローするには至りませんでした。

それでも昨年出た2枚のアルバム、まずはスティーヴ・リーマンと共演した『デュアル・アイデンティティ』、そしてアルト・サックスの大先輩バンキー・グリーンと共演した『アペックス』は買いました。これら2枚はかなり良い内容です。アルバム評は以下のとおりブログにUPしていますのでご覧下さい。
「今日は新譜紹介しまっせー。」
「バンキー・グリーン頑張る!」

これまではアコースティック系だったのに、今回は本人がラップトップを使い、エレクトリック・ベースを入れて、ほどほどにエレクトリックな作風に仕上がっています。今回私が買う気になったのは正にそこがポイント。さて、どんな仕上がりになったでしょう?

今回ACTレーベルからアルバムを出したのは、かつて行動を共にしていたヴィジェイ・アイヤがACTにいるからなんでしょうか?ここでやっているジャズはACTレーベルにマッチしているし、ここなら日本盤が出るので、日本にマハンサッパの存在を意識させるのには好都合だと思います。まっ、注目されるとは思いませんが(涙)。

ちなみにこの人はダウンビート誌のアルト・サックス部門で1位になっていることを最近知りました。あちらでは注目の人なんですよ。日本のジャズジャーナリズム&ジャズCD業界は今や機能不全なので、あちらで何が起こっているのかはあまり伝わってきません。ビージー・アデールとかノラ・ジョーンズとか、それはそれでいいんですが、そんことばかり言ってる場合じゃないでしょ(笑)。

やっとこのアルバムの内容の話。メロディーは相変わらずインド系ですね。マハンサッパは全12曲中9曲作曲。後はベースのブラウンの1曲、ギターのギルモアの1曲、ドラムとインド・パーカッションの即興曲1曲です。《Parakram#1》と《Parakram#2》はラップトップのシンセ音&打ち込みだけをバックにスペイシーな空間でアルトを吹いています。特に《Parakram#2》の方はテクノ/ヒップホップ系のリズムで、中盤に出てくる複雑怪奇なリズムが素敵!インベーダーゲーム的なところもありますがご愛敬。

冒頭の《Parakram#1》は上記のとおりの作りで、静かに深淵な雰囲気で幕を開けます。続く2曲目《キラー》は一転いきなりのハイテンション。ドラムとインド・パーカッションとエレベが怒涛の変拍子リズムを繰り出す中にアルトが切り込んできます。アルトとギターの掛け合いを含むテーマは幾何学的インドメロディー。アルトソロは”グリグリ”と迫ってきます。ロックなギルモアのギターも切れてます。とにかく怒涛のリズムがカッコイイ。

3曲目《リチャーズ・ゲイム》はたぶんブラウンのべースによる即興ソロ。次の曲《プレイング・ウィズ・ストーン》のイントロ。《プレイング・ウィズ・ストーン》は何となく日本の民謡調で懐かしさが漂っているところが面白いです。幾何学的な中に独特の哀愁感漂うアルトがなかなか。これも変拍子。曲が色々表情を変えていくのは楽曲重視の現代らしさ。インド・パーカッションが躍動感を与えていて良い感じです。

5曲目《ルネ》はギルモアのギターによる多重演奏も含めた即興だと思います。次は面白い名前の曲《Breakfastlunchanddinner》。Bureakfast Lunch and Dinnerをくっ付けたものですね。演奏は特に趣向があるわけではく、インドメロディーと変拍子にのって、アルト・ソロ、ギター・ソロ、ベース・ソロ、ドラム・ソロが続きます。ソロ終盤4ビートに変わるのですがスムーズで違和感なし。インド・パーカッションは控え目なのでファンク基調M-BASE系。ドラム・ソロの機械的速打ちビートが凄まじいです。

8曲目《Ahhh》は曲調が様々に表情を変える中、ギターの落ち着いたソロとアルトにエフェクトをかけた尖ったソロがあります。アルトのソロのバックではリードの高速パルスドラミングがこれまた強力。9曲目《ミーティング・オブ・ザ・スキンズ》はドラムとパーカッションだけのデュオ。超強力なドラム・ソロから。この人の速射砲ドラミングには脱帽です。途中からはインド・パーカッション主体になり、後半は2人の共演。高速でシンクロする2人のリズムは超カッコイイ!

10曲目《スティル-ガス》はリズム・チェンジによる場面チェンジが特徴の曲。途中に出てくるシンセ音のソロはアルトにエフェクターをかけたものなんでしょうか?11曲目《フォー・マイ・レディ》はスローなエスニック・アルト・ソロで次曲のイントロ。ラスト《フォー・オール・ザ・レディース》はバラードでしっとり。全ての女性に捧げるバラードです。結構ベタな美メロかも?こんなポップな1面も見せるマハンサッパがかわいい(笑)。

このアルバム、レーベルカラーはあるにせよ、NYダウンタウンにしては内省的ではありません。最近色々聴いてみて、9・11から10年過ぎて、NYのムードもだいぶ変わってきたのではないかと思います。(注)録音は2008年でした。m(_ _)m

なかなか聴き応えがあるアルバムになっていると思います。是非!

アルバム名:『Samdhi』
メンバー:
Rudresh Mahanthappa(as, laptop)
David Gillmore(el-g)
Rich Brown(el-b)
Damion Reid(ds)
"Anand"Anantha Krishnan(mridangam, kanjira)

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ジャズ・ヒップホップ・マイルス!

やっと中山康樹さん著「ジャズ・ヒップホップ・マイルス」を読み終えました。
面白かったです。

ジャズ喫茶「いーぐる」で5回に渡って行われた「ジャズ・ヒップホップ学習会」でよく分らなかったところは、この本を読んでほぼ分かった感じです。これはこれで面白い見方だと思います。色々よくつながっているなと思いました。さすがは中山さんです。

論旨を極端にまとめると、ジャズとヒップホップの共通項は「黒人性、批評性、メッセージ性」であり、それがビバップ、フリー、ファンク、ヒップホップと遷移する中で脈々をつながっていくというようなことだと思います。複線としてアフロ・リズムのつながりも書かれています。

頭のビバップとお尻のヒップホップは良いとして、間が微妙かも?意外とフリーの部分はなるほどと思いました。問題はファンクのところですね。突然ですが、ファンク期を渋谷駅としましょう。そしてジャズの流れは山の手線でヒップホップは地下鉄半蔵門線とします。同じ駅の中なのだけれど、同じ電車ですが、乗り換えはなかなか大変です。そんな雰囲気があります(笑)。

ここに書かれていることは黒人音楽(ブラック・ミュージック)史としては、いいところを突いていると私は思います。でもこれをジャズ史から見ると、しっくりこないと私は思います。それはなぜかというと、(モダン)ジャズは普通の解釈では即興音楽(インプロバイズド・ミュージック)だからです。即興音楽という側面がこの本では意図的に無視されているようなところがあります。

即興性というのを「スタイル」の中に入れて無視してしまっている感じがします。即興性を無視してジャズの先にヒップホップを置き(ヒップホップにも即興要素があることは「ジャズ・ヒップホップ学習会」で知りましたが、この本ではそこにほとんど触れてません)、ジャズ側から見てヒップホップに価値を見出せるかということにはどうもしっくりこない私がいます。

話は変わりますが、マイルスが生きていてヒップホップを取り入れたとして、そこに批評性があるのかは疑問に感じます(『ドゥー・バップ』は未完なのでそれを持って判断しているわけではなません)。なぜならマイルスはジャズ界のモード(最先端ファッションという意味)を作ってきた類稀なるスタイリストだからです。そんなマイルスなら音楽に批評性を持ち込むことはダサイと思っていたんじゃないかと想像します。

《ワン・フォン・コール/ストリート・シーンス》はギャグです(笑)。『ユア・アンダー・アレスト』自体がテオ・マセロと別れてマイルスが好き勝手やったパロディー・アルバム的側面がありますから。もしくは天才ならではの幼児性が一挙に出たものと感じます。サン・シティの参加も自分の音楽ではないですからね。それまでマイルスの音楽に批評性がないことはこの本にも書いてあります。なので、ジャズ・ヒップホップにマイルスを絡ませても、批評性という部分で説得力を欠くと私は感じます。

第14章にブレッカー・ブラザーズとパッと・メセニーが登場していることに個人的にニンマリ(笑)。ヒップホップを取り入れたジャズに大した成果がないことは認めます。でも、ジャズを参照したヒップホップも、ジャズ的な目線で見れば大して面白くないというのが私の意見です。

ジャズ側がヒップホップを取り入れると、「精神なきヒップホップ」と称するとの意見は私も認めるとして、ヒップホップ側がジャズを取り入れると、私に言わせれば「即興なきジャズ」と称するものになると思います。ちなみに、ジャズは即興にこそ精神性が色濃く反映されているものと考えます。

ここで突然ですが、ジャズを一旦かっこで括ってメタ・レベルでジャズをやるのがポスト・モダンだと私は思うのですが、そんなポスト・モダン感覚を持ったウイントン・マルサリスが80年代にトラディショナル・ジャズを引っ張り出してきたように、90年代にヒップホップがジャズを引っ張り出してきたというのは、正にヒップホップを一旦かっこで括りメタ・レベルでヒップホップをやるポストモダン感覚の現れだと思うわけで、そうなると当のヒップホップも周回遅れでポスト・モダン感覚を持ったことになると思います。ジャズを参照することの意味は、ジャズとのつながりというよりはポスト・モダン感覚の存在を意識することが大事だと私は思います。

マッドリブはポストモダンの典型だと私は感じます。ここにはポスト・モダンのつまらなさという問題(私はそうは思わないのですが)が内包しているように思います。批評性についても疑問があります。黒人が大統領になる現代、黒人であるが故の抑圧って未だにそんなに大きいものなのでしょうか?そこに有意義な批評性ってあるのでしょうか?素朴な疑問です。

最後にもう一つ、黒人ではないけれど、現代社会の中で抑圧された者が、ジャズにそのはけ口を求めているようなところが、今のNYダウンタウンのジャズに感じられるのですが、そこにあるエネルギッシュなものは、中山さんが言うところの批評性と同義ものもだと私は考えます。

とまあ、あまり考えずに、勘違い甚だしいのかもしれませんが、
思いの丈を書きました(笑)。
m(_ _)m

「ジャズ・ヒップホップ・マイルス」、面白い本です!是非お読みください!

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オーディオ・チェックCD

オーディオ・チェックCDというのはいくつかあるのですが、これは低音チェックCDです。単にオーディオ・チェック用というだけでなく内容も気に入っています。

P97 エリカ・バドゥ『バドゥイズム』(1997年、UNIVERSAL)です。真空管アンプ作りにドップリ嵌まっていたころに、雑誌「管球王国」の試聴記事でこのCDが使われていたりして、気になって買った1枚。もう低音のチェックに尽きます。マッシブな低音が入っていてるのでこれがまともに再生できるかどうかで、システムの低音の具合をチャックすることができます。こういう倍音成分少なめの低音をファットに再生したいのです。

「管球王国」という真空管アンプの雑誌でこんなCDをかけるのかという疑問がおありでしょう。世間一般の真空管アンプに抱くイメージは昔のアンプ。そんな昔のアンプでこういう新しい音が聴けるのか?という疑問ですよね。ところがどっこい、作り方次第でいくらでも現代的な音も再生可能です。技術的な話をすれば、NFB(ネガティブ・フィードバック)とダンピング・ファクターあたりが現代的低音再生の鍵となります。

P98 スピーカーから見てもこの低音は厳しい要求になります。10cm近辺フルレンジとか、20cm以下の高能率で低音だら下がり特性のスピーカーではまずまともな音になりません。私が一時所有していた写真のフォステクスFE-103でこれを鳴らしたら、スピーカーが”パタパタ”鳴るだけで低音になりませんでした。こうなるとアンプで低音をいくらブーストしてもなんともなりません。

P181 私が今サブシステムで使っている16.5cmのスピーカーでこの低音が出るかというとそこそこ出ます。こういうウーファーは小型でも能率を下げて低音専用に作られているので出るのです。バスレフも効果的に働いてくれています。

このスピーカーを最近度々登場する自作の6V6GTプッシュプルアンプ(最大出力10W)で鳴らしているのですが、結構気持ち良くこのアルバムを鳴らしてくれます。私の真空管アンプはジャズ・ボーカルやクラシックの室内楽を心地よく鳴らす方向では作っていません。こういう現代的な音楽もまともに鳴るように作っています。

あっ、そうそう、メインシステムのスピーカーはタンノイのスターリングTWWですが、クラシック用にはチューニングしていませんので、このアルバムをよりスケールUPした低音で気持ち良く鳴らしてくれます。低音に貢献しているのはパワーアンプとして使っているNECのA-10typeⅢ。こいつの低音は折り紙つきです。

そしてタンノイ同軸の定位の良さで、エリカ・バドゥのキュートなボーカルが真中にフワッと浮かぶ様も聴きどころです。マッシブな低音に引きずられて口が大きくなるようなことはなく、小さく浮かぶかどうかというのもチェックポイントになります。

アルバム内容でいえば、ヒップホップを取り入れたリズムとけだるい雰囲気のボーカルが好きです。何曲かでロン・カーターがベースを弾いてます。ヒップホップ学習会以前にロン・カーターのこういうベース演奏に接していたことをすっかり忘れていました。

オーディオ・チェックだけにするのはもったいない好内容アルバムです。

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こういうサウンドが好きなのです。

最近時々登場するレーベル。そうですスウェーデンのモーズロビー・レーベルです。ディスクユニオンジャズ館のサイトでこのレーベルを検索すると中古CDが結構あったりして、私としては何とも悲しいのだけれど、それもまあしょうがない。実はこのアルバムはそのユニオンの中古を通販で買いました。

P96 ソニック・メカトロニック・アーケストラ『オーバーユニティ』(2005年rec. MOSEROBIE)です。メンバーは、マッティス・セデベリ(b-tb,vo,per,etc)、ヨナス・カルハマー(amplifide-ts,bass-sax,a-fl)、ペル・”テキサス”・ヨハンソン(amplifide-as,ss,fl)、アルベルト・ピントン(bs,bass-sax,b-cl,fl,etc)、ワティアスランダース(fender rhodes,melodica,live electronics)、トルビヨルン・セッテベリ(danelectro longhorn bass,gretsch electric bass)、オラ・オスゼン(congas,bongos,vib,per,etc)、アンダース・ヘルンド(ds)、ダニエル・フレドリクソン(ds)です。

4人のホーン奏者にキーボード、エレベ、ツイン・ドラムにパーカッションという構成。アーケストラというだけあってサン・ラの曲も1曲やっています。そのサン・ラの曲ではリーダーであるセデベリが歌っていて奇妙なサウンド空間を作っています。なかなかマニアックで濃い音を作り出す集団がこのソニック・メカトロニック・アーケストラです。こういうアングラ臭は好きなテイストです。

ツイン・ドラムとパーカッションが繰り出す躍動的な8ビートにのって、4人のホーン奏者が濃いアンサンブルをしつつ、ソロになれば熱く咆哮するところが聴きどころです。9人編成とは思えない厚みのあるサウンドになっています。エレピは70年代の雰囲気を醸し出し、効果音としてのエレクトロニクスは宇宙的だったり神秘的だったり、怪しさ具合はアーケストラを名乗るだけのことはあります。

モーズロビーのアルバムって現代的なんですけれど、60年代後半の熱いフリーの要素や70年代のファンク/ロック的要素を積極的に取り入れているのが面白いです。現代流レトロサウンドとでも言いましょうか?そして、サウンドには拘っていてもサウンドに走らず、個人技(ソロ)を軽視していないところが良いです。現代と過去の絶妙なフュージョンが私にはカッコ良く聴こえます。

ジャケットがいいですね。キリスト風な方は天使の輪が歯車になっていて、ハンマーで何かをぶっ壊そうとしているみたいです。私には旧態依然としたジャズ観をぶっ壊そうとしているように見えます(笑)。

アルバム名:『OVERUNITY』
メンバー:
MATTIS CEDERBERG(b-tb,vo)
JONAS KULLHAMMAR,PER RUSKTRASK,ALBERTO PINTON(sax)
MATHIAS LANDAEUS(fender rhodes)
TORBJORN ZETTERBERG(b)
OLA BOTHZEN(perc)
DANIEL FREDRIKSSON,ANDERS HEDLUND(ds)

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グルーヴィーなギター

今日は新譜紹介です。この新譜は私が徘徊するジャズブロガーが次々レビューをUPしている注目盤です。

P95 パット・マルティーノ・カルテット『アンディナイアブル ライヴ・アット・ブルースス・アレイ』(2009年rec. HIGHNOTE)です。メンバーは、パット・マルティーノ(g)、エリック・アレキサンダー(ts)、トニー・モナコ(org)、ジェフ・”テイン”・ワッツ(ds)です。ブルース・アレイでの白熱のライヴが収録されています。お客さんの盛り上がりっぷりが凄いです。

私がパット・マルティーノに開眼したのは、後藤雅洋さん著「ジャズ選曲指南」を読んだ時です。掲載されていたアルバム『ライヴ・アット・ヨシズ』を聴いて、そのレビューを読んで、マルティーノの良さが分かったのです。その良さはギターの音の粒立ち、パチンコ玉のようにきれいに揃っているのです。そしてその揃った音で奏でられるシーケンシャルなフレージング。これを聴いていると快感に誘われます。

そしてその快感が最高に極まるのがアルバム『ライヴ』。このアルバムを知ったのもやっぱり後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」。なので私のマルティーノ好きは後藤さんによって導き出されたのでした。感謝!さて、このアルバムB面ラストの《サニー》が凄い!もう怒涛の粒ぞろい音シーケンシャル・フレージング攻撃が、正に機関銃の如く私の胸を貫きます。最後にはトランス状態になりますよ。このハイテク・ギター・ソロ。絶対必聴です!

このアルバムにもそんなマルティーノを期待して買いました。期待は見事にかなえられました。年をとっても相変わらずのマルティーノ。冒頭の《ラン・イヤーズ》からマルティーノ節全開ですね。3分20秒あたりに登場するお得意フレーズが好きです。リムスキー・コルサコフの《熊蜂の飛行》に似たメロディー。良く聴くとこのフレーズが色んな曲に出てきます。さりげなくオクターブ奏法も入れているのがカッコイイ。

今回のアルバムではミディアム・テンポの曲が多く、そんなマルティーノ節によって醸し出される抜群のグルーヴ感が一番の聴きどころになっています。会場のお客さんもそれは承知の上、マルティーノのソロの後ろでは手拍子や掛け声が多数入り、お客さんの興奮が手に取るように分かります。このギターは聴く人をある種トランス状態にします。

共演するテナーのエリックも好演。この場の雰囲気に合った熱いテナーを吹いています。マルティーノにエリック、白人なんですけどサウンドは黒いですよね。そしてオルガンのモナコも黒いグルーヴに溢れているんですが、やっぱり白人です。この黒さが私にはたまりません。白人だから・・・とかはあまり関係ないですね。

難しいことはやらないけれど、ジェフ・ワッツの熱いグルーヴがこの黒いサウンドにかなり貢献していることは言うまでもありません。そして私はモナコのベースラインがいいと思います。シュワシュワのオルガン音がスウィートな黒さを出しているのは言うまでもないのですが、それにも増してベースがマルティーノのギターと程よく絡んでコクを生み出しています。このコクがまた黒さに貢献してしまうというわけです。

グルーヴと黒さにおいて第1級のジャズがここにあります。会場の盛り上がり、スモーキーな雰囲気をよく捉えた録音、実にジャズですな~ぁ。よろしい(笑)!

アルバム名:『Undenaiable』
メンバー:
Pat Martino(g)
Eric Alexander(ts)
Tony Monaco(org)
Jeff 'Tain' Watts(ds)

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真空管6V6G(T)との長い付き合い。

私が最初に作った真空管アンプは、当時秋葉原のラジオ会館4階に店があった三栄無線の6V6GTシングルアンプのキット。当時流行った「モノマガジン」系雑誌に三栄無線の真空管アンプキットの記事がのっていて、それを見たらアンプを作りたいという欲望がモリモリ湧いたので作りました。仕事に追われてオーディオ熱もすっかり冷めていた時にこの記事に出会いました。18年くらい前のことです。

雑誌にのっていたのは真空管6L6GCのキットだったのですが、それが入荷待ちか何かになっていて、どうしてもキットを買って帰りたかった私は、店員さんの薦めで6V6GTシングルアンプキットを買いました。サンキュウパでした。作って音が出た時は嬉しかったです。作ったのはこのキット。

P94

そこからが大変、嵌ると徹底してやる私の性格ですから、忙しい仕事のかたわら真空管アンプ作りに没入することになってしまうのです。次に買ったキットは、やはり三栄無線の物でKT88プッシュプルアンプのキット。これは6V6GTアンプとは比較にならないくらい高度で物量も投入したものです。でもきちんと出来上がりました。

面白かったのは、私が真空管アンプ作りに嵌まって間もなく、真空管アンプブームが来たことです。そういう意味では時代を先取りしていたんですね。昔の話はそれくらいにしておきましょう。

今日は真空管6V6G(T)の話です。上記キットに付いていたのはソブテック製でした。米ソ冷戦が終焉を迎えソ連が崩壊して、当時まだ作っていたソビエト(ロシア)製の真空管が日本に輸入されるようになった頃のものです。安いし性能も良いとのことでした。

まっ、それで満足しなくなるのが真空管好き。すぐにヴィンテージ管を買いました。秋葉原のラジオデパート3階にあるサンエイ電機で買ったマルコーニ製6V6Gがそれです。コカコーラのボトルのような形はST管(G管)と言われます。この形がいかにも真空管ということで良いんですよね。その後6V6Gのプッシュプルアンプを完全自作して、もう一組必要になって買ったのですが、見た目は似ていたのに、これがウエスティングハウス製でした(涙)。

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写真の左側2本がマルコーニ製で右側2本がウエスティングハウス製です。メーカーは違いますが元は同じ真空管だと思います。ということでこれらをアンプの左右チャンネルに挿して問題なく使用していました。この真空管は後にオークションで処分。

更に別な6V6GTも買うことになりました。これを買ったのもサンエイ電機。もっと新しい時代のものでシルバニアの6V6GT。こちらは小さいGT管です。現在も所有。予備品的に使用しています。

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この6V6G(T)アンプで数年遊んだ後、引っ越しとかもあり、自作アンプを整理するということでアンプは解体してしまいました。

でももう一度作りたくなったのです。困ったものです(笑)。どうしてかというとオークションでナショナル(松下電器)製の6V6G(T)に適した出力トランスを落札したからです。古いトランスで6V6G(T)の音がどうしても聴きたくなったのです。でもこのアンプは音がいまいち気に入らなくて、その後何度か改良することになります。

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そしてまたまた別な6V6GTが買いたくなってしまいました(笑)。フランス・マツダ製の6V6GT。秋葉原のクラシックコンポーネンツで見て衝動買いしました。フランス製というのがいいですよね。ヨーロッパの真空管は情緒がある音を奏でてくれそうな気がします。真空管壁面がカーボンスート処理されているので中はほとんど見えません。しかしこれはハズレの真空管でした。最初2組買ったら、1組はしばらく使っているとノイズを発生。しょうがないから追加でもう1組買ったのに、しばらく使うと1本が時々”ボソッ”ノイズを発生。

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クビにしました。たぶんこのロットが良くなかったのだろうと思います。ノイズを発生することを注記したうえオークションで安く売り払いました。

そしてまた・・・買ってしまいましたよ。私ってどれだけ6V6G(T)が好きなんでしょ(笑)。値段が手頃なのでついつい買いたくなってしまうのです。秋葉原のヒノオーディオで見つけてこれもほとんどほとんど衝動買いでした。フランス・ヴィソー製6V6Gです。ハカマ(下の黒い部分)にメーカー名が刻印されているので古い真空管だと思います。見た目が渋カッコイイじゃないですか。これは現在も所有。1組は出力がクリップした後で変な波形になるのがちょっぴり気がかりです。

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それから数年、上記アンプへの不満がつのり、最近作り直したというのは先々月ブログで報告済みです。
「6V6プッシュプルアンプ製作(シャーシ加工編)」
「6V6プッシュプルアンプ製作(配線~完成編)」
このアンプの音は気に入り、最近がぜん調子が良いものだから、また6V6GTを買いたくなってしまいました。もう病気ですね(笑)。で、エイフルのネット通販で買ったのがこれ。

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POPE社というのはオランダ・フィリップス社傘下の老舗電球メーカーです。これは真空管そのものより箱のポップなデザインに惚れました。真空管はご覧のとおりで管壁はカーボンスート処理されていて中が見えません。そしてこの管壁の印字が曲者。この手のやつは触ったりすると印字がとれてしまうのです。今回も注意してアンプに挿したつもりだったのに、1本こすってほとんど消えてしまいました(涙)。アンプに挿すとこんな感じです。

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真空管そのものは魅力薄ですよね。特性値が書いてあるシールは貼ったままにしてあります。この真空管はオーディオというより最近ではギターアンプ用ヴィンテージ管としての需要があるみたいです。これを挿して測ったら最大出力が10W出たので嬉しかったです。他のやつでは10W出なかったからです。まっ、商用電圧の変動があるので、たまたまその時電圧が高かっただけかもしれませんが?

聴いて更に喜んだのは、音に元気があることです。音楽が活き活き鳴っているように感じます。こうなると聴くのが楽しくてしょうがない。今回この記事を書いたのもこのアンプと6V6GTが良い感じで鳴っているからに他なりません。自慢したくてしょうがないのです(笑)。

ここでちょっとオマケ。
真空管アンプに興味がない人はつまらないと思いますが。

私はこの人に凄く興味があるのです。アンプ作りの方向性は全く異なりますから、この人が作るようなアンプを作ろうとは思いませんが、この人の極めている道は素晴らしいと思います。

この人とは佐久間駿(さくますすむ)さんです。この人の作るアンプは「佐久間アンプ」と呼ばれ、熱烈な支持者がいます。佐久間さんの魅力が伝わる映像がYouTubeにUPされていましたので貼り付けます。途中に登場する秋葉原の真空管店は「クラシックコンポーネンツ」ですね。

ディープな人ですよね。
千葉舘山のレストラン「コンコルド」へ行ってハンバーグが食べたい!

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これはかなりユニークな音響です。

高野 雲 さんから貸していただいたアルバムが面白かったので紹介します。雲さんにによると私のオーディオで濱瀬のベースがどう聴こえるか教えてほしいとのことでした。

P86 濱瀬元彦 E.L.F. Ensemble & 菊地成孔『”ジ・エンド・オブ・リーガル・フリクション”ライブ・アット・JZ Brat』(2010年rec. Airplane)です。メンバーは、濱瀬元彦(el-b & effector)、清水玲(el-b & effector)、成澤功章(syn,p)、岡部洋一(per)、菊地成孔(sax)です。

CDの帯には、「盟友菊地成孔との共同プロデュースによる20年振りの新作は、ジャコ・パストリアス、オウテカ、スクエアプッシャー等を経た2010年代の聴覚可能性を切開く、100%手弾きによる驚異のテクノ・ジャズ。」と、書いてあります。簡単に言ってしまえば、テクノのような機械的リズム感覚と音響感覚を取り入れた人力エレクトリック・ジャズということになります。

これが面白い音響なのです。まずは濱瀬のバックを固めるリズム陣が超強力。エッジの立ったチョッパー・ベースがうなりを上げ、シンバルはシャキシャキとエッジが効いて尖り、スネアはパキパキ跳ねまわり、バスドラムは重く塊となり腹を揺らし、刺激的なシンセ音が飛びかったりと、スピーカーの前に壁のようなマッシブな音響を築きます。

こんな音響をバックにしたら、主役を張る濱瀬のベースはもっとエッジを効かせて良さそうなのに、これが反対というか何というか、エコー深めのモコモコとこもった音なのです。でもこれが主張しているんですよ。バックの音響群は正に噴火の真っ最中という感じ、あちこちで火柱が上がっています。その中心にあるのは何でしょう?そう、マグマです。マグマがあるから噴火するのです。濱瀬のベースは真中で不気味に黒光りしてエネルギーを供給し続けているマグマなのです。

時々菊地のサックスが入ります。これがまるで噴火をヘリコプターから中継している多弁なアナウンサーという感じ。「火山の噴火は凄いです。」と言いつつ興奮しているようですが、これが見事に客観的なのです。私はこれこそがポスト・モダン感覚だと思います。熱演しているのですが、演出っぽく聴こえます。尖ったサックスなんですよ。でも外からジャズをくくってメタ・レベルでジャズをやっているのです。

このメタ・レベルの視線というのを最初に意識したのは、後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」を読んだ時です。あれからもう20年以上経ちました。ジャズ喫茶「いーぐる」ではポスト・モダンについて色々講演とかあったのですが、ポスト・モダン感覚というのはメタレベルな視線のことだと私は思っています。熱にうなされたような濱瀬のベースは、意匠がいくらポスト・モダン的テクノでも、やっている本人はモダンの範疇。音響的に面白いのですが、もう一つ、モダン VS ポスト・モダンの構図が見えてくるところがこのアルバムの面白さです。

6曲目だけは静かな曲でメロディーと音響を聴くものになっていますが、他はメロディーではなくリズムの面白さを聴くべきものです。押し寄せる怒涛のリズムと音響は快感以外の何者でもありません。これがライブ演奏で全て人力演奏だというんだから凄いですね。ライブ会場の大音量でこれを聴いたら、エクスタシーとカタルシスが込み上げてきたことでしょう。

できれば良いオーディオで音量大きめで聴いてほしいです。こういうのは色々理屈を付けてもしょうがないと私は思います。サウンドをそのまま浴びて聴くのが◎。そういう意味ではエレクトリック・マイルスに通じます。菊地と共同プロデュースというのはうなづけます。

高野雲さんのレビューはこちら。ベース弾き雲さんならではです。
http://cafemontmartre.jp/jazz/H/live_at_jz_brat.html

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こんなピアノも聴きます。

いつも尖った現代最先端ジャズを聴いているわけではありません。ここのところ紹介してきたようなジャズ・ジャイアンツの昔のアルバムも聴きますし、マイナー・ピアノ・トリオも聴いたりするわけです。そして、J-POPだって聴いちゃうのです(笑)。ということで今日はマイナー・ピアノ・トリオ、いってみましょう。

P85 アイナー・イヴァルセン『ミー・アンド・マイ・ピアノ』(1967年rec. ponca jazz records)です。メンバーは、アイナー・イヴァルセン(p)、トー・ハウグ?(b)、ヨン・クリステンセン(ds)です。数年前にディスクユニオンで幻の名盤入荷みたいな売込だったので買いました。当時はこの手の売り文句に弱かった私です(笑)。

その後、この手の幻の名盤というか、レア盤にはだいぶだまされましたので、ほとんど買わなくなりました(笑)。最初に言っておきますが、このピアノ・トリオはなかなか良い感じです。何も難しいことはやっていません。単にスインギーなピアノ・トリオ。全8曲で32分弱の短い収録時間。聴いていると”アッ”という間に終わります。

アイナー・イヴァルセンはノルウェーのピアニスト。50年代初めからジャズ・ミュージシャンとして活動を始めたそうです。澤野工房の石井さんが『輸入盤ガイド98』という本の中で紹介して知られるようになったらしいです。これは再発CD。この手のやつはオリジナル盤ではなく再発CDで十分だと思います。聴けば分かります。澤野的ピアノ・トリオ。

このアルバムは収録されている曲が気に入ってます。冒頭はコルトレーンの《スパイラル》。あの『ジャイアント・ステップス』のレコードA面ラスト、怒涛の《カウントダウン》の後にこの曲が入っています。どことなくエキゾチックで哀愁感漂うこの曲が私は好きなのです。この曲をあまりいじらずメロディーを変えていくソロが軽快でとても気持ち良いのです。つかみはO.K.!

続くのが《ヒアズ・ザット・レイニー・デイ》。センチメンタルな曲ですよね。哀愁曲の後にセンチメンタルな曲をしっとりバラード演奏。甘々ですがな(笑)。そしてトロンボーン奏者フランク・ロソニーノの《ブルー・ダニエル》。このワルツ曲、寺島靖国さんは絶対好きだと思います(笑)。美メロ曲です。ちょっとダークなイントロがまたいい感じなのですよ。そして、レコードならA面ラストは《イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー》。軽快に”何かいいことありそう!”な雰囲気満載で演奏します。

CDなら前半4曲でもう気分はほぐれて”ほっかほか弁当”(笑)?後半は《イパネマの娘》から。ここまで美メロ曲が続きまくりですよね。この曲、何もいじってません。もう誰もが思い浮かべるまんまボサノバのイパネマなのです。ソロ最後あたりの音数多めがなかなか素敵。続くのはクリフォード・ブラウンの《ダフード》。ソロの頭のメロディーとラストのメロディーが凄く素敵。私はこの曲も好きです。

ジジ・グライスの《ア・ソシアル・コール》はかわいい曲ですよね。『ホエン・ファーマー・メット・グライス』のレコードB面1曲目です。ミディアム・テンポでスインギーに。スタンダードの間に素敵なジャズマン・オリジナルを並べまくったこの選曲ですが、ヴィーナス的臭さはありません(笑)。このアルバムのラストは《シュガー》。ピアノのソロ演奏です。ラグタイム風カクテルピアノ。心地よいです。

とまあ、美メロ曲を並べたスインギーなマイナー・ピアノ・トリオの典型例なのですが、これはこれでたまに妙に聴きたくなってしまう私です。堅いこと言いっこなしということで、よしなに(笑)。

アルバム名:『ME AND MY PIANO』
メンバー:
EINAR IVERSEN(p)
OR HAUGE(b)
JON CHRISTENSEN(ds)

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気楽に聴きましょう。

今日もオリジナル盤紹介。とは言っても特に高いわけではなく、単にレコードを探していたら、日本盤ではなくこれが見つかったという感じです。

P84 ケニー・ドーハム・クインテット『ショウボート』(1960年rec. TIME)です。メンバーは、ケニー・ドーハム(tp)、ジミー・ヒース(ts)、ジミー・ギャリソン(b)、アート・テイラー(ds)、ケニー・ドーハム(p)です。ステレオ、溝なし、盤質は良いほうです。

これは川崎の 「中古レコード/CD TOPS」 で買いました。このお店はかなりディープです。昔ながらの街のレコード屋さんです。オリジナル盤や輸入盤がたくさんあります。CDも売っています。中古レコード屋巡りが好きな方は一度は行ってみるべき素敵なお店です。もう昭和の匂いプンプン。ワンダーランド(笑)。私がこういう昭和なお店に惹かれるのは、子供の頃によく行った近所の駄菓子やさんが好きだったからだろうと思います。

さて、このアルバムはTIME盤です。TIMEと言えば思い浮かんでくるのは『ソニー・クラーク・トリオ』と『ブッカー・リトル』だろうと思います。他に知っているアルバムってありますか?私はありません。そんな私がなぜこのアルバムを探していたかというと、はいっ、またまた登場!後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」にのっていたからです。この本の最後にのっているのがこの『ショウボート』なのです。

このアルバムはタイトルどおり、ドーハムがジェロム・カーン作曲のミュージカル『ショウボート』の曲を演奏しています。どうもTIMEはアルバム名のつけ方が手抜きですね。だってそうでしょ。『ソニー・クラーク・トリオ』『ブッカー・リトル』、まんまジャズマンの名前じゃないですか(笑)。

哀愁のトランペッター、ドーハムに助演男優賞的テナーのジミー・ヒースがフロントの2管です。なんか地味な配役かも(笑)?こんな2人がジェロム・カーンの素敵なミュージカル曲を演奏するという、派手さはないけれどしかし通好みな内容だろうと思います。こういうアルバムを紹介するあたりがジャズ喫茶オヤジ後藤さんならではなのです。

何とベースがジミー・ギャリソン!コルトレーン・カルテット前のギャリソンは堅実なベーシストを演じています。いつものように”サクサク”刻むアート・テイラーのドラム。ケニー・ドリューがピアノを小気味よく明るく弾いているあたりがアクセントになっています。ここにハンク・ジョーンズみたいな地味なピアニストを持ってくると地味になり過ぎます。ドリューの陽性で小気味よいスイングがあってこそ、音楽が活き活きしてくるのです。

肩ひじ張らずに気楽に聴けて内容も良いというアルバム。「こんなアルバムも知っていますよ。」というのも乙なものです。いかがでしょう?

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最近買った新譜2枚

最近買った2枚の新譜を紹介。

まずはパット・マルティーノ『アンディナイアブル』
ブルース・アレイでのライブ。
ここにもエリック・アレキサンダー参加。
ドラムはジェフ・ワッツ。
オルガン・カルテットでマルティーノの驚異の粒立ちギターが炸裂!

もう1枚はルドレシュ・マハンサッパ『Samdhi』
只今絶好調のアルト・サックス奏者。
今回はACTレーベルから出ました。
レーベルらしいエレクトリックな作風。
相変わらずインド入ってます。
お~っ、なかなかカッコイイ!

後日改めてレビューをUPします。

そしてこれを早速Amazonに注文しました。
ジャズ喫茶「いーぐる」 の掲示板を見ていたら紹介されていたんです。

『文化系のためのヒップボップ入門』

マスター後藤さんによるとかなり面白いらしいのです。
ヒップホップの学習をしている私としては読まねばなるまい!

読むのが楽しみです。
最近とっても遅読な私なのでいつ読み終えるのか(笑)。

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今日はグリフィンのオリジナル盤

昨日は暖かかったですね。お日様ポカポカ日曜日でした。
今日もいきますオリジナル盤。

P83 『ジョニー・グリフィンズ・スタジオ・ジャズ・パーティ』(1960年rec RIVERSIDE)です。メンバーは、ジョニー・グリフィン(ts)、デイヴ・バーンズ(tp)、ノーマン・シモンズ(p)、ヴィック・スプロウルズ(b)、ベン・ライリー(ds)です。モノラル、ラージ・ラベル、溝あり、盤質N-。これは渋谷のレコード屋さん 「discland JARO」 の通販で買いました。ジャケットの傷みが多めなので値段は安めでした。

このアルバムはジャズ喫茶「いーぐる」マスター後藤雅洋さん著「ジャズ・レーベル完全入門」の中で紹介されていたので買った1枚です。最初は再発のOJC盤を買ったのですが、内容が気に入っていたのでオリジナル盤に買いなおしてしまいました。

手抜きをしますのでご容赦願います。
「ジャズ・レーベル完全入門」の紹介文をそのままここに引用させていただきます。

レコーディング・スタジオに気の合った仲間を呼んで、パーティのりでアルバムを作ってしまおうというアイディアが見事に決まった傑作。ダミ声の司会者の妙にさばけたアナウンスが場を和ませ、グリフィンの持つレイジーでノンシャランな感覚(これも黒さの一つなのだ)を巧みに引き出している。『ザ・ケリー・ダンサーズ』とともに、ゴリゴリ吹きまくるだけが黒いんじゃないってことを知っていただくための格好の演奏。

ということなのです。”傑作”ですよ!買いでしょ!
後藤さんの簡潔で巧みな説明には、なるほど納得でした。

A面最初の《グッド・ベイト》は最初ゆっくりめにグリフィンが入り、徐々に盛り上がってくる様が素敵です。こういうオープンな状況ならではの寛ぎと熱さの具合が絶妙な塩梅なのです。その感じというのは、正に昨日の”お日様ポカポカ日曜日”なのでした。続く《ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー》はバーンズのトランペット・ソロから軽快に入り、それを引き継ぐピアノ・ソロを挟んで、グリフィンのそれはそれはスムーズなスピード感溢れるソロへ引き継がれます。気持ちイイ!私はこの曲が好きです。

B面最初の《トエ・タッピン》なんかは結構吹きまくっています。でも後藤さんが書かかれているようにゴリゴリ吹きまくるというのではないです。心地よいスピード感に溢れたものです。2曲目《ユーヴ・チェンジド》はスロー・テンポ。これはもうゆったり寛ぎに溢れていてのんびり温泉気分。ラストは《ロー・グレイヴィー》をミディアム・テンポでブルージーに。この曲にアルバムの良さ(黒さ)が集約されているように思います。

グリフィンは文句なく好演ですが、トランペットのバーンズものびのびと吹いていますし、バックのピアノ・トリオも快適なリズムを提供しています。3人の中ではここでしか名前を聞いたことがない、ベースのスプロウルズが私には良く聴こえます。ポール・チェンバースに負けず劣らずの心地よい推進力に溢れたベースを弾いています。途中に多々入るお客さんの掛声が寛いだ場の雰囲気を良く出しているのも聴きどころですね。

さて、リヴァーサイドの音なのですが、ブルーノートやプレスティッジのバン・ゲルダー・サウンドのような誇張はありません。私にはとても素直でクリアな録音に聴こえます。素直でクリアだからと言ってジャズの熱気を削いでいるわけではないので、ジャズ録音の良さが気軽に味わえるところが良いと思います。

世間的な知名度はちょっと落ちると思いますが内容はとても良いです。

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今日はロリンズのオリジナル盤

さて、昨日がコルトレーンのオリジナル盤だったので、本日はロリンズのオリジナル盤を紹介します。自慢していますよね~。すみません。m(_ _)m

P82 『ソニー・ロリンスVol.2』(1957年rec. BLUE NOTE)です。メンバーは、ジェイ・ジェイ・ジョンソン(tb)、ソニー・ロリンズ(ts)、ホレス・シルバー(p)、セロニアス・モンク(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・ブレイキー(ds)です。凄いメンバーですよね。このメンバー見ただけで凄いジャズをやっていいそうなことは分かります。

モノラル、NYCラベル、溝なし、RVG刻印、チョボマークなし、ジャケットコーティングなし、盤質B+。これはディスクユニオンのお茶の水ジャズ館で買いました。セカンドプレスらしいので(このあたりの判別が私にはよく分かりません。)、ブルーノート1500番台にしてはかなり安かったのです。確かギリギリ4桁。これ、完全オリジナル盤でコンディションが良ければ5桁後半くらいです。

帰って聴いてみると盤質はかなり良いですし、音だってブルーノートらしいガッツに溢れて生々しいもの、特に不満は感じませんでした。それに演奏は最高なわけでして、かなりお得な買い物だったように思います。ロリンズのぶっといテナーが朗々と鳴っているだけで、もう何物にも代えがたい快感が湧いてきます。

バックを固めるトリオはシルバーにチェンバースにブレイキーですよ。ガッチリしたスクラムでバップを心ゆくまで奏でています。特にブレイキーの豪快なドラミングから繰り出されるビートがフロントを鼓舞する様は気持ち良いですね。A面2曲目の《ウェイル・マーチ》なんかブレイキーの独壇場です。

ロリンズの相棒を務めるジェイ・ジェイがこれまた豪快なのです。ボントロの破裂音響が心地よいことこの上なし。低音を活かした豪放2ホーンの暴れっぷりがカタルシスを生み出しています。2人の後に続くシルバーだって直球一本槍。何の迷いもなく直球をストライクゾーンのど真ん中に投げ込んでくるんです。素晴らしい。

そして、それだけにとどまらないのがこのアルバムの凄いところ。シルバーに代わって2曲でモンク様がピアノを弾いています。曲は《ミステリオーソ》と《リフレクションズ》。これらがA面ラストとB面頭に入っている配列の妙。こってりモンクを最後に聴きたければA面、こってりモンクから聴きたければB面と気分しだいで選べるではありませんか。まっ、レコードならということになりますが。

メロディーが流れた時点でもうこれはモンクの世界にドップリ。スロー・テンポでロリンズがソロをとれば、それはこってり濃厚豚骨スープの味わいです。一音弾けば世界を変えてしまうモンク様、あなたはグレイトなジャズマンです。《ミステリオーソ》のバース交換でのブレイキーのパーカッシブなドラミングが独特な世界を作りだしています。

でも私が一番凄いと感じるのは、《ミステリオーソ》のテーマの途中でロリンズが入れる馬のいななきのような飛翔トーン。このたった数音を聴くだけでジャズのアナーキー性を痛感します。こういう表現があるからジャズは面白いのです。あっ、忘れちゃいけません。1曲だけアルコ・ソロを入れることも含め、チェンバースはきっちり仕事してます。

とにかくジャズ!それだけ!結構毛だらけ猫灰だらけ!
セカンドプレスでもなんでも結構。
オリジナル盤で聴くブルーノート・ジャズの快感ここに極まれり。
私だけいい気分になってしまいゴメンサイ!

昨日の「東京JAZZ2011」の放送はとても楽しかったっです。音だけでは分からなかった部分が、やっぱり映像だと見えてきてより面白かったです。頭1時間を見忘れたんですが、その後も長時間の放送で疲れました。まっ、心地よい疲れではありました。

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今日はコルトレーンのオリジナル盤

今日はオリジナル盤自慢とレコードプレーヤーの話です。ますはオリジナル盤のほうから。

P80 ジョン・コルトレーン・ウィズ・ザ・レッド・ガーランド・トリオ『トレーニング・イン』(1957年rec. PRESYIGE)です。メンバーは、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)です。モノラル、NJ、溝あり、RVG刻印、チョボマークあり、盤質は良いほうです。まっすぐ見つめるトレーンの眼差しがカッコイイでしょ。

これはどこで買ったのか忘れてしましました。大久保の「ビンテージマイン」だったような気がしないでもありません。NJラベルなのでとんでもなく高くはありませんでしたが、やはりそれなりの価格はしました。これを買った10数年前は内容は良く分からないまま買いましたが、きちんとした出来のコルトレーンのアルバムです。

メンバーはマイルス第一期黄金クインテットのマイルス抜き&ドラマー違いです。その後これと同じメンバーでは人気盤『ソウルトレーン』を収録しています。このアルバムは、やはり人気盤ブルーノート・レーベルのブルー・トレイン』の少し前に録音されたものです。コルトレーンのワン・ホーン・カルテットはいいですね。マイルス・クインテットからモンクとの共演を経て、自己を確立したコルトレーンがいます。

コルトレーンのカッチリした構築力のある演奏がいいです。勢い溢れるフレーズを高速で吐き出すブローやまじめなバラードなどが入っていて、世間的な人気はなくても内容は充実していて聴きごたえがあります。ガーランド・トリオも抜かりなし。ガーランドの良く歌うエレガントなピアノ、”ズンズン”弾むメロディアスなチェンバースのベース、”サクサク”心地よいグルーヴを生み出すテイラーのドラム。やっぱりいいですね。4人で”ド”ジャズを聴かせてくれます。

完全オリジナル盤ではなく、人気盤ではないことから、オリジナル盤としてはリーズナブルな価格で手に入ったのですが、私のオリジナル盤コレクションの中では大切な1枚です。

さて、今日はこんな素敵なオリジナル盤をこのプレーヤーで聴いています。

P81 先日メンテナンスしたロクサンのRADIUS3ではなく、もう1台のレコードプレーヤーです。今の組み合わせはモーター:DP-3000、トーンアーム:FR-64fx、キャビネット:DK-300、カートリッジ:AT15Ea、今となっては全て生産終了品ですが優秀なパーツ達です。各パーツのグレードは高かったり安かったりでめちゃくちゃ(笑)。高いものばかり集めたりしないのがいいんですよ。これでいい音を聴かせてくれるんですから、オーディオって面白いですよね。

モーターはこれまで高級なDP-80を載せていたのですが、これは一度トランジスタなどを交換して自分で修理したとはいえ、今度壊れたら修理パーツが集められそうにないので整理することにしました。で、このDP-3000も一度修理済みですが、次に壊れてもこちらは修理パーツが何とか確保できるので、もう一生使うことにしました(笑)。ジャズを聴くのには私はこのプレーヤーで十分。

音を突き詰めるよりはカートリッジを変えたりして気楽にエンジョイしていくことにします。まっ、カートリッジを変えるにしてもウン十万円もするようなカートリッジを使うことはないと思います。だってB級C級オーディオのほうが面白いんだもん!

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黒さとスモーキーな感じがなかなか良い。

そろそろジャズネタにしないと、読者のみなさんは呆れて私のブログを見てくれなくなっちゃいますよね(笑)。今日はディスクユニオン通販限定特価で買った1枚です。昨年ディスクユニオンのホームページでチェックしておいたのが安くなっていたので買いました。

P79 ジョー・チェンバース『ホレス・トゥ・マックス』(2009年rec. SAVANT RECORDS)です。メンバーは、ジョー・チェンバース(ds,vib,marimba)、エリック・アレキサンダー(ts)、ザヴィアー・デイヴィス(p)、ドゥェイン・ブルーノ(b)、スティーヴ・ベリーオス(per,ds)、ニコル・グゥイランド(vo)2曲のみ、ヘレン・サング(p)1曲のみ、リッチー。グード(b)1曲のみ、です。ジャケットだけ見るとまるでブルーノート。しかし新譜です。このSAVANTというレーベルのアルバムは何枚か持っていますが、渋めのオーソドックスなジャズを聴かせてくれるレーベルのようです。

今回はエリック・アレキサンダー買い。時々エリックのテナーが聴きたくなります。で、ディスクユニオンのサイトで視聴したらなかなかいい感じだったのでセールということもあり購入しました。ジョー・チェンバースってもうかなりの歳ですよね。ウェイン・ショーターのブルーノート盤『アダムズ・アップル』でドラムを叩いていました。他にもブルーノトのアルバムに多数参加しています。

今回はドラムだけでなく、曲によってはヴァイブラフォンやマリンバを叩いているのがポイントです。タイトルから分かるようにホレス・シルバーやマックス・ローチの曲をメインに演奏し、そこにウェイン・ショーターの《ウォーター・ベイビーズ》、モンクの《エヴィデンス》、そしてマーカス・ミラーの《ポーシア》までやっています。ラストの曲のみチェンバースのオリジナル。

オープニングは《アジアティク・レイズ(ロータス・ブロサム)》。黒くて渋いです。エリックのテナーがダークに迫ってくる演奏。デイヴィスのピアノもブルーノのベースもしっかり腰を据えた演奏をしています。エリックもデイヴィスも白人ですがチェンバース効果なのかしっかり黒いジャズをやっています。

続く曲ではヴァイブに専念。シルバーの《ECAROH》をスロー・テンポでレイジーに演奏。途中テンポを速めたりしてヴァイブを主体に聴かせます。エリックがかなり落ち着いてテナーを聴かせくれるあたりは、いつもと違うような気もします。かなりアダルトに迫ってくるんです。このアルバムは全てチェンバースがアレンジしているのですが、アレンジもなかなか素敵です。私はこの曲が好きです。

次のローチの《マン・フロム・サウス・アフリカ》はコンガが入ってアフリカンに黒く。躍動的なミディアム・テンポのアフリカン・リズムが素敵です。最後のテーマではまたヴァイブを披露。続くローチの《メンダシティー》では黒い女性ボーカルが登場。ボーカルのバックに入るヴァイブはねっとりからみつきます。ボーカルの後を受けるエリックも真っ黒け。その後にドラム・ソロを持ってくるあたりがなかなか面白いと思います。そこで終わらずもう一度ボーカルが歌い上げて終了。

で、マーカス・ミラーの《ポーシア》。エリックのテナーがこの美しいバラードメロディーを歌い上げます。バックにはヴァイブも入り。アドリブはチェンバースのマリンバから。このマリンバがマーカスのバスクラリネットにも似て、スモーキーさを演出しているように感じます。続くデイヴィスのピアノ・ソロは美しく。ラストはエリックがほんの少しソロをとってテーマへ。アレンジがなかなか素敵なのでした。この曲を選ぶチェンバースのセンスが気に入りました。

その後、ショーターのとぼけたテイストの曲《ウォーター・ベイビーズ》、ボーカル入りでローチの《ロンサム・ラバー》、モンクの《エヴィデンス》をストレート・アヘッドにと、渋い選曲と黒くてスモーキーな演奏が続いていきます。ラストはこのアルバム唯一のチェンバース・オリジナルで《AFREEKA》。Africaを文字っていると思うのですが、文字通りアフリカンなリズムの上でヴァイブとマリンバの饗宴(たぶん多重録音)が繰り広げられます。

このアルバムは全体を通して渋くて黒いところが私のお気に入りです。お目当てのエリックの大活躍はなかったのですが、この黒いテイストの前にはどうでも良くなりました。

アルバム名:『HORACE TO MAX』
メンバー:
Joe Chambers(ds, vib, marimba)
Eric Alexander(ts)
Xavier Davis(p)except track 7
Dwayne Burno(b) except track 7
Steve Berrios(per, ds)
Nicole Guiland(vo) track 4 & 7
Helen Sung(p) track 7 only
Richie Goode(b) track 7 only

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悪ノリして昨日の続きです。

悪ノリして昨日の続きです。YouTubeの”Rollins2000”さんUPから。

なお、720pで見ると更に良い音で聴けます。

まずはMy Little Lover《my painting》。私はこのグループをほとんど聴いたことがなく、単に今回色々聴いていたら気に入ったのでUPしました。これは私には”渋谷系”と聴こえるのですが、世間的にはどう評価されているんでしょうね?これは冒頭のヴァイブラフォン、左右のギター、特に右のワウワウ・ギター、バックのストリングスがお洒落で、サウンドに微妙にレトロ感が漂っているのが好きです。AKB48の佐藤亜美菜ちゃんは全く知りませんが、B級オーラに溢れるているので、マニアックなファンがいることでしょう。

次はJUDY AND MARY《風に吹かれて》。この手のロック・グループはボーカルの魅力に尽きてしまうと思います。私はYUKIのボーカルが好きです。アニメ声だとは思うのですが、ホンワカした優しいかわいらしさが気に入っています。ギター・ソロのバックでリズムがちょっともたつくところや、ドラムのビート感は現代NYっぽかったりして面白いです。前田敦子ちゃんは総選挙の1位だったりするのですが、私はどうも苦手なタイプ。理由は何となく思い当たるのですが上手く言えません。

続いてm-flo《One Sugar Dream》。名前は知っていましたがやっている音楽は知りませんでした。これは気に入りました。ボサノバを基調にして、テクノ⇒ヒップホップ⇒クラブジャズがオーバーラップしてくるアレンジがお洒落だと思います。こういう折衷は折衷得意の日本人だからできるんだろうと思います。小嶋陽菜ちゃんは元モーニング娘。の飯田香織に似ている気がするのですが?いやっ、飯田香織と戸田恵梨香を足して2で割った感じか?

ラストは今井美樹《雨にキッスの花束を》。これは大好きな曲。今井美樹のかわいさ全開です。曲もいいし歌詞もいいし歌もいいしアレンジもいい、文句なしです。作曲はKAN。この曲が収録されているアルバム『retour』は最高です。あの《幸せになりたい》も入っています。ブログで紹介済み。篠田麻里子ちゃんは正統派グラビア・アイドルですね。

ということで、このあたりでやめておきます(笑)。

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YouTubeで面白いものを発見!

昨日、高野 雲さんのブログで飯島真理の『midori』を取り上げていたのに触発され、夕べ谷村有美の『PRISM』を聴いていて、この曲の打ち込みがなかなか素晴らしいということになり、ブログにUPするためにYouTubeを検索していたら面白いものに遭遇しました。

まずは、その『PRISM』に入っている《シンデレラの勇気》。この打ち込みドラム、カッティングギター、オルガン風シンセ、フルート、谷村さんの多重録音によるコーラスなど、良いセンスでアレンジされているところが好きです。プログレもテクノもクラブジャズも包含されていると思いませんか??

*720pで見ると更に良い音で聴けます。

谷村さんのひとつ前の『Hear』では西脇さん他数名がアレンジを担当していたのですが、そのセンスを買われてか?このアルバム『PRISM』では全て西脇さんのアレンジになりました。バラエティーに富んだゴージャスなアレンジの数々は素晴らしいものがあります。

ここで前にブログで紹介したことがある西脇さんの曲で私お気に入りのものをもう一度UPしておきましょう。この転調が”クゥ~タマラン”なのです。左右のエフェクト系シンセ音のバランス具合が素晴らしい。違うメロディーと音色で広がりと厚みが増しています。

さて、話はひとつ前の動画に戻りましょう。歌は谷村さん、流れる静止画はAKB48との柏木由紀ちゃんです。私はこの娘の微妙な宇宙人キャラが好きだったので、AKB48の中では最初のお気に入りでした。まっ、私のブログに来る方はそっち方面に興味がない方が多いことは承知済み。いい年したオジサンの戯言が時々出ますがご容赦願います(笑)。

で、これをUPしている方のハンドルネームが”Rollins2000”。ソニー・ロリンズのファンなのでしょうか(笑)?バックの静止画の入れ具合はなかなかセンスがいいですし、音はリマスタリングしています。う~む、このマニアックさが私のツボ。

さて、となれば、この方がUPされている他の動画も気になってきたでしょ?はいっ、分かりました。他にも適当にUPしてみましょう。とにかくたくさんUPされているので全てを見ていません。

ますは稲垣潤一の《1969年の片想い》。久々に聴いたのですが、この切ない青春メロディーと歌詞が好きでした。これもなかなか素敵な転調が入っています。シンセが結構プログレってますよね。最近大島優子ちゃんの株が私の中では上昇中(笑)。

次は中島美嘉の《WILL》。これは初めてまともに聴いたのですが、曲がとにかく素晴らしい。そして中島さんの素直で丁寧な歌い方が素敵。少し鼻にかかった独特の声が妙に説得力を持っています。ファルセットボイスも上手く使っています。これはベースのラインもいいですね。被さるストリングスもいい。この曲が入ったアルバムを買いたくなりました。

そしてこのハードロックがかなり気に入りました。ELT(エブリ・リトル・シング)の《Shapes of Love》。エッジが立ったギターがいいですね。そしてサイモン・フィリップス的ドラミングがカッコイイ。フィルの具合なんか最高ですよ。持田香織さんの歌はまあ可もなく不可もなく(笑)。峯岸みなみちゃんはいかにも秋葉原キャラで私的には×。

私はしっかりものキャラでAKB48のリーダー的高橋みなみちゃんが今のところ一番お気に入りなのですが、曲はいまいち良いものがなく、ここにUPできないのが残念。

私の気まぐれに付き合って下さった皆様。
どうもありがとうございました。 m(_ _)m

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ポスト・エレクトリック・マイルスが気になる。

新宿ディスクユニオンジャズ館のアウトレットの箱の中にあるのを見て3度目にして買ってしまった1枚。先月は3度くらい上京しましたからね。

P78 エリック・トラファズ『イン・ビトウィン』(2010年rec. EMI Music France)です。メンバーは、ベノア・カーボス(hammond,fender rhodes,p)、マルチェロ・ジュリアーニ(b,contre bass)、マーク・エルベッタ(ds,per,vo)、エリック・トラファズ(tp,vo)、ソフィー・ハンガー(vo)2曲のみ、です。エリック・トラファズはフランスのトランペッターでポスト・エレクトリック・マイルスと呼べる人です。

この人を知ったのは杉田宏樹さん著「ヨーロッパのJAZZレーベル」を読んだからです。2000年頃は人力ドラムンベースやボイスなどを取り入れた演奏をしていました。その路線は変化しつつ今も継承しています。上記の本には「ジャズ・サイドから発信するクラブ・ミュージック」と書かれています。最近のジャズ・ヒップホップを学習した私には、ヒップホップ的要素もある音楽のように聴こえます。

その後2005年の『saloua』(これもアウトレットで購入)では、インド~イスラム的なエスニックを加えていました。実はその後ず~っと放ったらかしにしていました(笑)。それが最近のジャズヒップホップ学習会以来、この人の存在が気になってしまい、「アウトレットなので安いからいいや。」ということで購入に至ったというわけです。¥800也(笑)。

このアルバムは昨年出たアルバムなので、あれから5年後のトラファズということになります。今回もテイストが変化していました。その大きな特徴はシンガー・ソングライターであるソフィー・ハンガーの参加。2曲で歌っているのですが、これが70年代ロックのテイストが”プンプン”。当時のロックに詳しいわけではないので誰似とは言えませんが、当時の匂いだと思います。バックのオルガンはプログレ調です。

そのオルガンのテイストは他の曲でも聴かれ、そういう意味では”プログレ”が今回のキーワードだと思います。打ち込みは今回やっていないので、クラブ~ヒップホップの要素は希薄。エレクトリック・ピアノが活躍するファンク曲は70年代フュージョン的です。このアルバムは70年代プログレ~フュージョン・サウンドの上でトラファズがいつものようにトランペットを悠々と吹いているものになっています。

トラファズのトランペットはしゃかりきになって強奏するのではなく、マイルスでいえば『イン・ア・サイレント・ウェイ』のような感じです。抑制の効いた叙情的なトランペットを奏でます。この奏法は2000年の頃から一貫していて、この人もマイルス同様、バックのサウンドが変化しても本人はあまり変わらないタイプです。数曲ではエフェクターをかけた攻撃的な演奏もみせます。

私はこのアルバムが気に入りました。なので、2007年に出したアルバム『アルハンゲリスク』もAmazonに注文してしまいました。私の界隈ではほとんど注目されていない人ですが、気になる方は是非お聴きいただきたく。

アルバム名:『IN BETWEEN』
メンバー:
Benoit Corboz (Hammond, Fender Rhodes, Piano)
Marcello Giuliani (bass, double bass)
Marc Ervetta (drums, vocals)
Erik Truffaz (trumpet, vocals)
Sophie Hunger (on Tracks 3 & 6, vocals)

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レコードプレーヤーのメンテナンス

久しぶりにレコードプレーヤーをメンテナンスしました。
プレーヤーはロクサンのRADIUS3。
プラッターの軸受けのオイルを定期的に交換しないといけないのです。
1年に1、2度交換するようにすすめられているのですが、
今回の交換は2年ぶりくらいです。いかんいかん。

P67 このプレーヤーは細い軸が特徴です。
接触面積を減らして摩擦による雑音を減らそうという発想。
軸が細いのでメインプラッターは1kgと軽くなっています。
P68 これが軸受け。この中に専用オイルを入れます。
専用オイルはこの小さいボトルに入ってます。
P69 軸を無水アルコールで清掃。
軸受けも綿棒に無水アルコールをつけて清掃。
サブプラッターはプラスチック製。
P70 モーターのキャプスタンも無水アルコールで清掃。
P71 軸受けにオイルを入れてサブプラッターを挿入。
気密性が高いのでこのままでは沈み込みません。
P72で、スタビライザーを重石として乗せておきます。
少し回転させたりしてしばらく放置しておくとサブプラッターは沈みます。
P73_2サブプラッターとベースのクリアランスは極わずかです。
P74_2モーターとサブプラッターの間にゴムベルトをかけます。
もちろんゴムベルトも清掃済み。水で拭くだけです。
P75_2サブプラッターの上にアルミ盤のメインプラッターを乗せます。
P76 ターンテーブルシートを乗せてメンテナンス完了。
P77 心なしか音が滑らかになったような?
気分良くレコードの音に浸れるようになりました。
シンプルで大袈裟でないこのプレーヤーが気に入ってます。
ロクサン&SME(アーム)のイギリスコンビ、いい仕事しまっせー(笑)。

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時々こういう普通のジャズが聴きたくなる。

今ディスクユニオンでやっている通販限定特価セールで買った1枚を紹介します。

P66 ジム・ロトンディ『ザ・ムーヴ』(2009年rec. Criss Cross)です。メンバーは、ジム・ロトンディ(tp,flh)、ラルフ・ボウエン(ts)、マイク・ディルボ(as)、デヴィッド・ヘーゼルタイン(p)、ジョン・ウェバー(b)、ジョー・ファンズワース(ds)です。3管セセクステットです。

新しいジャズとか聴いていると、たまにはこういうオーソドックスなジャズも聴きたくなります。セール特価なので安いし気楽に買えますよね。ヘイゼルタイン、ウェバー、ファンズワースは、ロトンディがエリック・アレキサンダーと組んでいるグループ:ワン・フォー・オールのリスム隊そのまんまです。たぶんサウンドも近いんじゃないでしょうか?私はワン・フォー・オールを聴かないのでよく分かりませんが。

ホレス・シルバーの《プログレス》から始まり、メンバー・オリジナル、スタンダード、バート・バカラックの《ザ・ルック・オブ・ラブ》と選曲も色々あって、モーダルでオーソドックスなジャズをやっています。テーマ部のアンサンブルをきちんとやりつつ各人のソロをきちんと聴かせる演奏。パワーで押すというより心地よくカッコ良くジャズを聴かせる感じです。

ロトンディのトランペットとフリューゲルホーンの使い分けもオーソドックス。ちょっとメローな曲で柔らかい雰囲気を加えたい時はフリューゲルホーンを使い、ハイテンポで勢いの良い演奏ではトランペットを使います。ラストの曲でミュートを使って小粋に終わるところも想像しやすい展開。この曲はワン・ホーン・カルテットでやってます。この人のフリューゲル演奏はフレディ・ハバードに似た感じで、トランペットも派手なハイノートを入れないハバードのような感じです。

フロントを構成する2管のディルボは音程の微妙な外れ感からはジャッキー・マクリーンが浮かんできます。熱っぽい演奏はまさにマクリーン。片やボウエンは前にこの人のリーダー・アルバムを紹介した時にも書きましたが、ジョン・コルトレーン~マイケル・ブレッカー路線。私みたいに長く色々ジャズを聴いていると、こういう”~似”が浮かんで来て困ったものなのですが、まあそこはそれ、こういう音は好きなので安心して聴けます。

ヘイゼルタインが《フォー・シダー》なんて曲を書いていて、これが確かにシダー・ウォルトンが作りそうな曲で笑ってしまいます。私はこの曲が結構お気に入り。ヘイゼルタインのピアノってあんまり特徴がないのはウォルトン的かも?ベースのウェバーとドラムのファンズワースはスインギーで安定したリズムを提供して演奏を心地よく進めていきます。

ここにあるサウンドは80年代のメイン・ストリーム・ジャズでしょう。こういう演奏ってあれから30年経ってもほとんど変っていないようです。こういうところがジャズの伝統芸能化なんて言われてしまうんですよね。まあ、伝統芸能ジャズも認めなくてはいけないとは思いますが。最近の若手は更に遡って50~60年代のジャズをやっていますよね。

私はジャズを聴き始めたのが80年代なので、ここにあるジャズは安心して心地よく聴いていられます。それだけに刺激はあまりないですが、たまにはこういうオーソドックスなジャズを聴いて和むのがいいんです。

面白いことを発見しました。フロント3管のなかではマクリーン的ディルボがちょっと異色なのですが、そのせいかどうか、大人のメーローなジャズをやっている曲ではディルボがソロをとっていなかったり、ディルボ抜きのクインテットでの演奏が1曲あったりまします。面白いですよね。でも私はマクリーン的ディルボのソロが聴いていて一番楽しいです。ジャズってやっぱりこれだよなって思います(笑)。

色々書いてますが、私はこれが結構気に入りました。

アルバム名:『THE MOVE』
メンバー:
Jim Rotondi(trumpet & flugelhorn)
David Hazeltine(piano)
Eric Alexander(tenor saxophone)
John Webber(bass)
Steve Davis(trombone)
Joe Farnsworth (drums)

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アコースティック派は受け入れないでしょうが。

今年出たアルバムの紹介です。少し前に紹介したフランシスコ・メラの『シリオ』をAmazonで買う時に、”輸入盤2枚買ったら10%OFF”を適用するために買った1枚です。決してついでに買ったわけではなく、内容が気になったので買いました。メラと同じくドラマーのアルバムです。

P65 マグヌス・オストロム『スレッド・オブ・ライフ』(2010年rec. ACT)です。メンバーは、アンドレアス・ホアダキス(el-g,ac-g)、グスタフ・カーロフ(p,key,vocoder)、トビアス・ガブリルソン(el-b,bass synthesizer,key,tp)、マグヌス・オストロム(ds,per,electoronics,additional key,vo)、1曲のみパット・メセニー(ac-g,arr)、ダン・ベルグルンド(b)です。このジャケット写真、なかなかインパクトがあるじゃありませんか。ロックなジャケットです。女性はこのジャケットを見たら買わないでしょね(笑)。

このアルバムのリーダーであるオストロムはe.s.t.のドラマーです。e.s.t.のリーダーでありピアニストであるエスビョルン・スヴェンソンは惜しくも亡くなってしまっわけですが、e.s.t.解散後にそのドラマーがどんな音楽を展開しているかが興味の対象です。

結論から言ってしまえば、e.s.t.のエレクトリックな部分を推し進めたものになっています。なのでブログのタイトルどおり、アコースティック派には受け入れてもらいにくい内容になっています。こういうエレクトリックものは面白いんですけどね。年寄り世代のジャズ・ファンにはなかなか・・・。私達くらいのポップス、ロック、フォーク、テクノ、ヒップホップなどを違和感なく享受しているジャズ世代にはグッドで、ACTレーベルらしいクリエイティブなサウンドになっています。美意識はe.s.t.から引き継いでいると思います。

リズムはロック・ビート、ミニマルな要素が多々あるのはテクノからの影響でしょう。ソロより楽曲重視。構成がしっかりした楽曲は正に現代ジャズそのものです。ドラム・ソロを派手にやるようなこともせず、全曲オストロムが作曲しているのは、コンポーザー型ドラマーの典型。フランシスコ・メラと一緒に買ったのですが、こちらも同じタイプのドラマーでした。片やアメリカで片やヨーロッパということです。

ちょっとパット・メセニー・グループみたいなサウンドもあったりするのが面白いところです。そのパット・メセニーは1曲だけに参加しています。《バラッド・フォー・E》という曲です。”E”というのはEsbjorn Svenssonであることは明らかで、スヴェンソンへの追悼曲でしょう。この曲のみ、メセニー、ダン・ベルグルンド(e.s.t.のベーシスト)、オストロムのトリオでおごそかに演奏しています。

ロック的でなくフォーク的で牧歌的なものもあります。ラストの曲も静かでおごそか、これもスベンソン追悼なイメージかも。後半へのクレッシェンドがインパクト大。どことなく東洋的エスニックのニュアンスがあり、ギターの音が琴のようにも聴こえます。意外とパット・メセニーのサウンドに共通するものが見えてきて、このアルバムにメセニーが参加しているのが頷けますね。

エレクトリックなサウンド・エフェクトを効果的に用いつつ、クリエイティブなジャズを構築していくオストロム。なかなかアーティスティックなドラマーであることが分かりました。こういうドラマーだったからe.s.t.というグループが成り立っていて、多くの人に支持されていたんでしょうね。注目していきたいドラマーです。

アルバム名:『Thread Of life』
メンバー:
Magnus Öström: Drums, percussion, electronics, keyboards, vocals
Andreas Hourdakis: electric and acoustic guitar
Gustaf Karlöf: grand piano, keyboards, vocoder
Thobias Gabrielson: electric bass, bass synthesizer, keyboards, trumpet
Pat Metheny: acoustic guitar (on Ballad For E)
Dan Berglund: double bass (on Ballad For E)

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ECM的な現代NYサウンド

今日は新譜紹介です。新宿ディスクユニオンジャズ館でかかっていたのを聴いて買った1枚です。

P64クリス・ディングマン『ウェイキング・ドリームズ』(2010年rec. BETWEEN WORLDS MUSIC)です。メンバーは、アンブローズ・アキンムシーレ(tp)、ロレン・スティルマン(sax)、フェビアン・アルマザン(p,el-p)、ジョー・サンダース(b)、ジャスティン・ブラウン(ds)、クリス・ディングマン(vib)、ライアン・フェレイラ(g)Track3、エリカ・フォン・クレイスト(fl)Track8&12、マーク・スモール(b-cl)Track8です。ジャケットの青色は好きですが意味不明の絵ですね(笑)。アルバムタイトルが“歩く夢”なので、夢の世界を描いているのかもしれません。

お店で聴いた時は、現代ニューヨークだけれど暗さや難解さがあまりなくカッチリした演奏に聴こえたので、メンバーをチェックして購入しました。メンバーのポイントはトランペットのアンブローズ・アキンムシーレ、最近この人の名を見るとついつい買ってしまいます。私はアキンムシレにかなり注目しています。

買って帰って聴いてみるとどうも現代ニューヨークとはちょっとテイストが違っていました。お店でかかっていた曲はそんな感じだったんですが、通して聴くとディスクユニオンサイトの宣伝文 ”ECMの空気に通じる流麗な雰囲気が映画音楽的な側面も持った美しい作品です。” というのが近い感じです。そういう中に結構カッチリしたニューヨーク・サウンドも混じっています。

ディングマンがほとんどの曲を作曲している中に、ジョー・チェンバースの曲が1曲、ディングマンとベン・オッペンハイム(私は未知)との共作が1曲あります。プロデュースも自身がやっているので、コンポーザーとしても十分通用する才能の持ち主のようです。この人はスティーヴ・リーマンのグループでヴァイブラフォンを叩いていたました。ヴァイブの演奏はゲイリー・バートン系のように聴こえます。現代的ハーモニーでクリーンな音を響かせています。なかなか美しいです。

ヴァイブが主役の曲はECMのゲイリー・バートン風で、トランペットが活躍する曲は、ECMのトマス・スタンコやエンリコ・ラヴァのアルバムっぽく聴こえたりします。とは言っても、アキンムシーレのトランペットからはニューヨークの匂いが漂っています。

アルマザンのピアノやエレピは稟とした美しさがあります。初めて聴きましたがなかなか良いピアニストだと思いました。スティルマンは今時サックス奏者で、このアルバムではそつなく役割をこなしているように聴こえます。いやっ、かなりしっかりサックスを吹いています。ブラウンのドラムは繊細なものからパーカッション的攻撃的現代リズムまで上手くこなし、特に盛り上がってきた時のリズムのキレがいいように感じます。サンダースのベースは控えめでサポートに徹している感じです。

私が一番良いと思うのは、最近贔屓にしているからという理由ではなく、アキンムシーレのトランペット。この人がトランペットを吹くと演奏がグッと締まります。なのでトランペットがほとんど出てこない曲が結構あるのが残念。

メンバーは現代ニューヨークですが、サウンドの主体は“美”なので、現代ニューヨーク嫌いの人にもおすすめできると思います。今夜のようなかなり涼しい秋の夜には心地よく響く音楽です。

アルバム名:『waking dreams』
メンバー:
Ambrose Akinmusire(tp)
Loren Stillman(sax)
Fabian Almazan(p)
Joe Sanders(b)
Justin Brown(ds)
Chris Dingman(vib)
With special guests:
Ryan Ferreira(g) track 3
Erica Von Kleist(fl) tracks 8 & 12
Mark Small(b-cl) track 8

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昨日は四谷で密会?

昨日は東京の四谷で密会がありました。というのは嘘で、面白い面々が集まっての音楽談義みたいなものがあったのです。以前行っていたジャズ・ミーティングとはちょっと違います。なんてったて今回は女性が加わってますから。

メンバーはフルート奏者の Miya さん、ジャズ喫茶「いーぐる」 のマスター後藤雅洋さん、高野雲 さんに私の4人。「いーぐる」で雲さんと待ち合わせをしてから密会場所 「喫茶茶会記」 へ向かう手筈でした。「いーぐる」で後藤さんと今日の予定の話をしていたら、後藤さんが「茶会記」をご存じだということで、場所が分かりにくいから案内してくれることになりました。後藤さんに案内してもらえるとはなんとまあ贅沢な(笑)。「いーぐる」で会計する時、スピードくじを引かせてもらい、私¥100当たりました!ラッキーです。

P63 ここで私はハタッと気づきました。ぬけてる私なので今頃気付いたんです。実は私、「いーぐる」に集合する前に「GRAUERS」に行ってきたのですが、今回もお店は閉まっていて、ドアにこんな張り紙がしてありました。14時から「茶会記」にてイベントをしていると、それでお店は18時から開けるとなっていました。そうなのです。私達が行く前に「GRAUERS」のマスター古庄紳二郎さんが「茶会記」で「リヴァーサイド・ジャズストーリー13」をやっていたのです。

この「茶会記」、後藤さんから聞いたところによれば、以前は中山新吉さんのオーディオショップ(音の隠れ家)だったとか。なんというかまあ、この世界広そうでいてなんとも狭いのでした。芋づる式に色んなことがつながって出てきてしまいます。私がなぜ中山新吉さんを知っているかというと、寺島靖国さんの本に友人として中山さんの名前が何度か登場しているからです。

このお店は四谷三丁目の甲州街道からちょっと奥まったところにあります。後藤さん、雲さん、私の3人は「いーぐる」から甲州街道をブルブラ歩いて「茶会記」へ。なるほどちょっと分かりづらい場所にありました。いい雰囲気のお店です。入り口を入ってすぐの所がカウンターと喫茶スペースで奥には適度な広さのライブスペースがあります。カウンターではMiyaさんがお待ちかね。久しぶりに会いました。相変わらずビューティフル!

どこで話そうかとしていると、マスターが奥の控室を使っていいですと言って下さったのでそこへ入りました。ここの雰囲気がちょっと隔離された感じだったので、今回のタイトルを密会としました。ブログでこれだけ書いているので密会ではないわけですが(笑)。隣のライブスペースではその日のライブのリハーサルが行われていました。以前のオーディオ・ショップの名前「音の隠れ家」は、そのままこのお店の雰囲気をあらわしていると思います。

Miyaさんの近況やその他諸々興味深い音楽談義がなされました。ヨーロッパと日本の聴衆の大きな違いにはなるほどと思いました。若者の音楽離れという切実な話もあったりして、由々しき問題だとは思うのですが、速効性の対策など思いつかず、悩ましいところです。Miyaさんのライブは学割がありますので是非活用してみて下さい。中山康樹さんの「ジャズ・ヒップホップ・マイルス」(私はまだ1/4程度しか読んでいません)の話も出たりしました。今回後藤さんが加わったことで、新しいつながりもできたみたい。後藤さんが先に帰られた後、Miyaさんは今度「いーぐる」へ行ってリクエストしたいなんて言ってましたよ。

去年甲府の「桜座」で観た 「デン・ジャップ・サウンド・アンサンブルvol.1」 に参加していたギタリストの加藤崇之さんがリハーサルをしていました。「桜座」で聴いた加藤さんのギターはおもちゃ箱の中からいろいろ飛び出してくるような楽しいギターでした。

それにしてもMiyaさんの音楽と真摯に向き合う姿勢や音楽を聴く楽しさを伝えたいという気持ちには感心せざるをえません。私みたいに適当に音楽を聴き適当にブログを更新している人間からすると眩しく見えます。かといってMiyaさんは決してお堅い人ではなく、とても可愛くてチャーミングな人です。私も東京に住んでいればもっと応援できるのですが・・・。

そんなMiyaさんをよくあらわしているのがこの曲だと思います。アルバム『オリエンタル・サン』の中に入っているフルート・ソロの《マイ・ロマンス》。ラストの”ピッ”がイイです。

Miyaさんの10月のライブ予定を紹介します。

10月5日(水)
タイトル:夢宵宮Vol 7 
場所:学芸大学 / 珈琲美学
時間:Open 18:30 Start 19:30
出演:Miya (Flute) Tom Pierson (Piano)
チャージ:¥3,000 学割¥1,500 +飲食代
ご予約・お問い合わせ:珈琲美学 03-3710-1695
http://www11.ocn.ne.jp/~bigaku25/

夢宵宮
Miyaが今、最も競演したいミュージシャンとお届けする夢のシリーズ。第七回の共演者は、至近距離での演奏を目にできる機会は稀な、孤高のピアニストのTom Pierson。「私の知り得る世に知られざる最高の作曲家」とGil Evansに評されたTomPiersonと、Miyaの競演に、どうぞご期待ください。

10月7日(金 )
タイトル:In F セッション
場所:大泉学園 / In F
時間:Open 19:00 Start 20:00
出演:田中信正(Piano)Miya (Flute)
チャージ:¥2,800+飲食代
ご予約・お問い合わせ:In F 03-3925-6967
http://homepage2.nifty.com/in-f/

In F セッション
音楽家にとってのオアシス、In F マスターの、クリエイティブかつ的中率の高いイマジネーションによる出会い系セッション。信正さんとはIn Fでの2回目アンコールセッションです。

10月8日(土)
タイトル:Miya meets Ky [キィ]
場所:国立/NO TRUNKS
時間:Open 19:00 Start 19:30
出演:Miya(Flute) Ky[キィ] from Paris
Maki Nakano 仲野麻紀 (alto sax, metal -clarinet, ney, voice)
Yann Pittard ヤン・ピター(guitare baritone, oud, fx)
チャージ:投げ銭(紙幣のみ)
ご予約・お問い合わせ:NO TRUNKS 042-567-6268
http://notrunks.jp/

Miyaがデビュー当時から出演している国立NO TRUNKSにKy[キィ]が初登場。オリジナルから即興までこなすKyとMiyaの日本初公演です。

10月18日(火)
タイトル: Miya Birthday Live With Ky ☆
場所:学芸大学 / 珈琲美学
時間:Open 18:30 Start 19:30
出演:Miya (Flute) Ky [キィ] from Paris
Ky…Maki Nakano 仲野麻紀 (alto sax, metal -clarinet, ney, voice) 
  Yann Pittard ヤン・ピター(guitare baritone, oud, fx)
チャージ:¥3,000 学割¥1,500 + 飲食代
ご予約・お問い合わせ:珈琲美学 03-3710-1695
http://www11.ocn.ne.jp/~bigaku25/

2010年、2011年にはヨーロッパツアーも成功させ、活動の場を広げているMiya。日本とヨーロッパをつなぐことが、夢であり目標だと話す彼女のBirthday Liveでは、パリを中心に活動するKy[キィ]が登場し、夢の実現の第一歩に花を添えます。響き合う音の中で出会った3人の演奏を、どうぞお楽しみ下さい。

10月20日(木)
タイトル:TrancesitE
場所:荻窪 / ベルベットサン
時間:Open 19:30 Start 20:00
出演:Miya (Flute)スガダイロー(Piano)
チャージ:¥2,500 学割¥1,500
ご予約・お問い合わせ:ベルベットサン 03-3392-7556
http://www.velvetsun.jp/

TrancesitE
フルート大使Miyaと、フリージャズ界をリードするピアニスト、スガダイローにより、2010年に結成。 トランサイトは’超越、越境’を意味し、独自の直観的音世界を表現している。東京ライブシーンの新たな風として注目される新感覚ユニット。

10月22日(土)
タイトル:グリーンエナジーステージ
場所:代々木公園
時間:Start 15:00
チャージ:入場無料
http://www.earth-garden.jp/

10月24日(月)
タイトル:In F セッション 
場所:大泉学園 / In F
時間:Open 19:00 Start 20:00
出演:瀬田創太(Piano)小美濃悠太(bass)Miya (Flute)
チャージ:¥2,800+飲食代
ご予約・お問い合わせ:In F 03-3925-6967
http://homepage2.nifty.com/in-f/

音楽家にとってのオアシス、In F マスターの、クリエイティブかつ的中率の高いイマジネーションによる出会い系セッション。初顔合わせ・初組み合わせ!!

10月28日(金)
タイトル:南無観 New Moon Inprovisation Solo Performance
場所:四谷 / 喫茶茶会記
時間:Open 19:00 Start 19:30
出演:Miya (Flute)
チャージ:予約¥3,000 当日¥3,500 学割¥1,500 ワンドリンク+ハーブティー付
ご予約・お問い合わせ:喫茶茶会記 03-3351-7904
http://sakaiki.modalbeats.com/

南無観
2011年1月より喫茶茶会記で開催してきたNew Moon Connecting Placesをバージョンアップリニューアル。即興演奏をクローズアップした15席限定のプレミアムライブとして生まれ変わります。即興演奏は音による空間の彫刻。生まれては消えて行く立体的な音空間を、体感してください。新月のうれしいプレゼンントとしてMiyaがブレンドしたハーブティーをサーブします。

10月29日(土)
タイトル:INTERCHANGE of THE MUSIC 
場所:溝の口 / 洗足音楽大学
時間:Open 13:20 Start 13:40
出演:Miya (Flute)成田祐一(Piano)齋藤潤(bass)
チャージ:入場無料
ご予約・お問い合わせ:044-856-2981
http://www.senzoku.ac.jp/music/school/course/jazz/news.html

10月30日(日)
タイトル:A Story Of Jazz 百年の物語Vol.2 ~Lester Young~
場所:学芸大学 / 珈琲美学
時間:Open 14:30 Start 15:00
出演:Miya (Flute)
チャージ:¥2,000 学割¥1,000 +コーヒー付
ご予約・お問い合わせ:珈琲美学 03-3710-1695
http://www11.ocn.ne.jp/~bigaku25/

A Story Of Jazz 百年の物語
日曜の午後にお届けする60分のプチJazz体験。フルーティストMiyaが軸となり、毎回違った歴史のミュージシャンを取り上げながら展開する物語。フルートの音色を通して、身近にジャズを感じる昼下がりのひと時。

色々なプロジェクトがありますので、是非一度音を聴かれてみてはいかがでしょう。

途中でMiyaさんと別れ、四谷から新宿へ歩いていく途中の焼鳥屋で雲さんと一杯。他愛ないけれど深い?音楽談義を3時間弱。久しぶりに雲さんとたっぷり話すことができ、とても楽しかったです。

これも買って聴いておかなきゃねっ。

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