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ECM的な現代NYサウンド

今日は新譜紹介です。新宿ディスクユニオンジャズ館でかかっていたのを聴いて買った1枚です。

P64クリス・ディングマン『ウェイキング・ドリームズ』(2010年rec. BETWEEN WORLDS MUSIC)です。メンバーは、アンブローズ・アキンムシーレ(tp)、ロレン・スティルマン(sax)、フェビアン・アルマザン(p,el-p)、ジョー・サンダース(b)、ジャスティン・ブラウン(ds)、クリス・ディングマン(vib)、ライアン・フェレイラ(g)Track3、エリカ・フォン・クレイスト(fl)Track8&12、マーク・スモール(b-cl)Track8です。ジャケットの青色は好きですが意味不明の絵ですね(笑)。アルバムタイトルが“歩く夢”なので、夢の世界を描いているのかもしれません。

お店で聴いた時は、現代ニューヨークだけれど暗さや難解さがあまりなくカッチリした演奏に聴こえたので、メンバーをチェックして購入しました。メンバーのポイントはトランペットのアンブローズ・アキンムシーレ、最近この人の名を見るとついつい買ってしまいます。私はアキンムシレにかなり注目しています。

買って帰って聴いてみるとどうも現代ニューヨークとはちょっとテイストが違っていました。お店でかかっていた曲はそんな感じだったんですが、通して聴くとディスクユニオンサイトの宣伝文 ”ECMの空気に通じる流麗な雰囲気が映画音楽的な側面も持った美しい作品です。” というのが近い感じです。そういう中に結構カッチリしたニューヨーク・サウンドも混じっています。

ディングマンがほとんどの曲を作曲している中に、ジョー・チェンバースの曲が1曲、ディングマンとベン・オッペンハイム(私は未知)との共作が1曲あります。プロデュースも自身がやっているので、コンポーザーとしても十分通用する才能の持ち主のようです。この人はスティーヴ・リーマンのグループでヴァイブラフォンを叩いていたました。ヴァイブの演奏はゲイリー・バートン系のように聴こえます。現代的ハーモニーでクリーンな音を響かせています。なかなか美しいです。

ヴァイブが主役の曲はECMのゲイリー・バートン風で、トランペットが活躍する曲は、ECMのトマス・スタンコやエンリコ・ラヴァのアルバムっぽく聴こえたりします。とは言っても、アキンムシーレのトランペットからはニューヨークの匂いが漂っています。

アルマザンのピアノやエレピは稟とした美しさがあります。初めて聴きましたがなかなか良いピアニストだと思いました。スティルマンは今時サックス奏者で、このアルバムではそつなく役割をこなしているように聴こえます。いやっ、かなりしっかりサックスを吹いています。ブラウンのドラムは繊細なものからパーカッション的攻撃的現代リズムまで上手くこなし、特に盛り上がってきた時のリズムのキレがいいように感じます。サンダースのベースは控えめでサポートに徹している感じです。

私が一番良いと思うのは、最近贔屓にしているからという理由ではなく、アキンムシーレのトランペット。この人がトランペットを吹くと演奏がグッと締まります。なのでトランペットがほとんど出てこない曲が結構あるのが残念。

メンバーは現代ニューヨークですが、サウンドの主体は“美”なので、現代ニューヨーク嫌いの人にもおすすめできると思います。今夜のようなかなり涼しい秋の夜には心地よく響く音楽です。

アルバム名:『waking dreams』
メンバー:
Ambrose Akinmusire(tp)
Loren Stillman(sax)
Fabian Almazan(p)
Joe Sanders(b)
Justin Brown(ds)
Chris Dingman(vib)
With special guests:
Ryan Ferreira(g) track 3
Erica Von Kleist(fl) tracks 8 & 12
Mark Small(b-cl) track 8

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ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
きれいなジャケットですね。

ECMというと みなさん 高く評価していますし 美しい曲なのでしょうね。

わたしは まだマイルスのライブ録画も見れていなくて…(^_^;)

メモして いつか聴けたらなぁと思います。

投稿: マ-リン | 2011年10月 5日 (水) 17時05分

マーリンさん

こんばんは。

>きれいなジャケットですね。

きれいですよね。
色合いが特にお気に入りです。

>ECMというと みなさん 高く評価していますし 美しい曲なのでしょうね。

単に甘い美メロというわではありませんが”美”です。

>わたしは まだマイルスのライブ録画も見れていなくて…(^_^;)

すごくカッコいいライブです。
頭にちょっと内容紹介があるだけで、あとは当時の番組をそのまま流しているのがいいです。
最後に挨拶もせずにステージを後にするのがまた格好良かったりします。

>メモして いつか聴けたらなぁと思います。

ありがとうございます。
紹介した甲斐があります。

投稿: いっき | 2011年10月 5日 (水) 20時13分

こんにちは。初めまして、松尾と申します。
ジャズ、批評という言葉で検索したら、たどり着きました。
私はデンマーク在住のジャズピアニスト、Soren Bebeの日本での活動をサポートしているものです。この度、ニューアルバム「HOME」が発売されました。キース・ジャレットを彷彿とされるピアノと評されることもあります。

もしよろしければ、アルバム「HOME」の批評を書いていただけませんか?

CDもしくは、データ音源を送らせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

松尾

投稿: 松尾哲治 | 2017年5月 7日 (日) 14時39分

松尾哲治様
拙ブログをご訪問下さりどうもありがとうございます。
ジャズマン、ジャズウーマン、サポーター、リスナー、皆さんの活動を応援していきたいと思っています。
過去ではなく現在のジャズをもっともっと皆さんに聴いてほしい気持ちも絶えずあります。
さてご依頼の件ですが、現在ジャズを聴く時間が限られているため、ゆっくり新譜を聴く時間がとれない状況です。
やはり何かを書くからにはアルバムをじっくり聴かないといけないと思っていますが、上記のような状況のため残念ながら批評を書くことができません。
せっかく来ていただいたのに大変申し訳ありません。

投稿: いっき | 2017年5月 7日 (日) 22時28分

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