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女の情念ピアノ?

今日は新譜紹介です。珍しくピアノ・トリオです。

P1 ジェシカ・ウィリアムス・トリオ『フリーダム・トレーン』(2007年rec. ORIGIN RECORDS)です。メンバーは、ジェシカ・ウィリアムス(p)、デイヴ・カプテイン(b)、メル・ブラウン(ds)です。タイトルからわかると思うのですが、ジョン・コルトレーンの曲を取り上げています。ミュージックバードで聴いて気になったので買いました。

コルトレーンの曲を4曲、ウィリアムス作のオリジナルを4曲、計8曲演奏しています。ウィリアムスさん、かなりコルトレーンに思い入れがあるみたいで、内ジャケットにコルトレーに対する思いが書かれています。コルトレーンのスピリチュアルな部分を聴かせるアルバムです。こういうのは重いので嫌な人もいるでしょう。

このアルバム、じっくりコルトレーン・サウンドを聴かせてくれます。最初の曲《ザ・シーカー》はウィリアムスの曲ですが、まるでコルトレーンの曲みたいです。これはコルトレーンの霊が乗り移っていますね。イタコの世界(笑)?フレージングはコルトレーン・カルテットのピアニストを長年務めていたマッコイ・タイナーみたいな部分も時々ありますが、真似をしているようには聴こえません。自然とそういうフレーズが出てくるのだと思います。

2曲目が《ロニーズ・ラメント》。このバラード曲をじっくり聴かせます。コルトレーンの世界なんですが、女の情念みたいなものを強く感じます。アリス・コルトレーンの『トランスリニアー・ライト』を聴いた時に感じたものと似たものを感じました。アリスは深い母性愛でしたが、こちらはちょっと男女間の愛が入っているかも?私はどちらかと言えばさっぱりした女性が好きですが、たまにはこういう深情けの女性もいいものです(笑)。

ジャケット写真のとおりでウィリアムスさんは結構お年をめされているみたいです。このアルバムの世界、若くて元気の良い女性ピアニストには出せないものです。年上の女性から「あなたね~、コルトレーンの世界は深いのよ。私の言ったこと、ちゃんと分かった?」と言い聞かされているみたいな感じがしなくもありません(笑)。

女の情念とコルトレーンのスピリチュアルな世界。結構良いマッチングだと思います。コルトレーンって意外と女々しいのかもしれませんね。それからこれはピアノを聴くトリオです。ベースとドラムは完全にサポートに徹しています。今どき流行りのインター・プレイなんかありません。ベースとドラムのソロもほぼありません。こりゃ参りました。ひたすらジェシカのコルトレーンへの愛を聴かされるのです。でもそれが気持ちいいのです(笑)。

ウィリアムスのピアノのテクニックはしっかりしています。低音もガシンと鳴らします。このアルバムの中では明るく演奏される『ポウルズ・パル』では右手、左手でバラバラなメロディーを弾く場面もあります。ピアノは重く鳴っています。スタインウェイのピアノを弾いているのにベーゼンドルファーに聴こえますよ。

ラストはピアノ・ソロ。これがまた深いです。曲は《ウェルカム》ですが、この人に「ウェルカム」って言われても、「はい、そうですか。」と入っていくにはちょっとためらっちゃうかも(笑)?

色々言ってますが、このアルバム。かなり気に入った私です。
ジャズ界は広いですね。こんな方がいるとは知りませんでした。

アルバム名:『FREEDOM TRANE』
メンバー:
Jessica Williams(p)
Dave Captein(b)
Mel Brown(ds)

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