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とても音楽的なフリー・サックス・トリオ

今日紹介するのは「ジャズ批評」誌のジャズオーディオ・ディスク大賞2010、インストゥルメンタル部門9位のアルバムです。音はもちろん良いのですが内容も良いアルバムです。

P28 ダニエル・ユメール、トニー・マラビー、ブルーノ・シュビヨン『パ・ド・ダンス』(2010年、ZIGZAG)です。メンバーは、ダニエル・ユメール(ds)、トニー・マラビー(ts)、ブルーノ・シェビヨン(b)です。フリー・ジャズのサックス・トリオ。全曲3人による即興演奏です。

こういうのがジャズオーディオ・ディスク大賞に入っているのはちょっと異色ですよね。これは選考委員の田中伊佐資さんが推薦しています。田中さんの考えは、「この賞はピアノ・トリオばかりで内容がいまいち。」みたいなことを言われることへの反発だったようです。このアルバムは、田中さんが吉祥寺のサウンド・カフェ・ズミを訪問した際に、マスターの泉さんから薦められたものとのこと。岩浪さんは3位に入れていますね。当の田中さんは8位。

私はミュージックバードの田中さんの番組でこのアルバムを聴いたのですが買いそびれていました。それがこの頃の円高でかなり安くなっていたので購入。只今なら¥948也!私はやっぱりマラビー買いです。マラビーがフランス・フリー界のベテランと組んでどんな演奏を繰り広げるかに興味がありました。

これ、音が良いですね。フランス録音ならではのクリア度とパワー感。マラビーの音響的ソロが非常にはっきり伝わってきます。細かいニュアンスがよくとらえられています。マラビーのサックス・トリオは何枚も持っていますが、マラビーのサックスはこれが一番良い音に録れている気がします。マラビーのサックスのみならず、ユメールのシンバルやスネア、シュビヨンのベースも表情豊かです。こういう音響重視の演奏には録音の良さが生きてきまね。

音楽の傾向としてはマラビー色が強いように感じます。マラビーにユメールとシュビヨンが余裕で合わせている感じです。マラビー好きの私には嬉しい内容。マラビーの触覚的なソロがたっぷり楽しめます。マラビーのソロが爆発する瞬間もありゾクゾク。ニューヨークのアングラ的下世話感が少なく、フランスのエスプリが香るのは共演する2人のフランズ勢のおかげでしょう。

ニューヨークとパリが旨い具合に混合。ニューヨークのダウンタウンとパリのシャンゼリゼが溶け合って、色香漂う芳醇な空間が現出しています。どこか余裕があるおおらかな雰囲気も良いと思います。ユメールとシュビヨンのヨーロッパ的懐の深さのなせる技なんでしょう。

とても音楽的なフリー・ジャズ・サックス・トリオ。カッコイイと思います。

アルバム名:『pas de dense』
メンバー:
Daniel Humair(ds)
Tony Malaby(ts)
Bruno Chevillon(b)

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