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クールに燃え上がる?

適当にCD棚から選んだ1枚。

P21 ヤコブ・ダイネセンカート・ローゼンウィンケル『エブリシング・ウィル・ビー・オール・ライト』(2002年rec. STUNT RECORDS)です。メンバーは、ヤコブ・ダイネセン(ts)、カート・ローゼンウィンケル(g)、アンデルス・クリステンセン(b)、クレステン・オスグッド(ds)です。ジャケット写真からはライブ盤のように見えますがスタジオ録音。録音から早9年。

スタント・レコードはデンマークのレーベルですが、自国のミュージシャンとアメリカのミュージシャンの混合メンバーで出すCDが多いです。これもそんなメンバー構成。デンマーク勢にギターのカートが客演した感じです。ベースのクリステンセンは一昨年出したアーロン・パークスとポール・モチアンとのピアノ・トリオが話題になりましたね。クリステンセンもカートもモチアンのバンドに在籍したことがあります。

ポール・モチアンつながりで解釈すれば音楽性はだいたい想像がつくと思います。現代的浮遊感を持ったクールなサウンドです。でもここでは曲によっては速い4ビートで結構熱く燃え上がる演奏をきかせてくれたりします。レニー・トリスターノ系フレージングのソロではありますが、抑制感はあまりなく、おおらかな自由さも漂っているのが良いところです。

ショーターの《リンボ》で始まるあたりが現代新主流派的でもあります。その後ダイネセンの曲が5曲続いた後に、エバンスの《タイム・リメンバード》、コルトレーンの《26.2》、ジャンゴの《ニュアージュ》と続いて終了。間に挟まるダイネセンの曲と前後のジャズマン・オリジナルは上手くマッチングしていて流れに違和感はありません。ダイネセンの曲もなかなか良い曲です。《ワルツ・フォー・マイ・ワイフ》の落ち着いたクールな甘さなんかは私好み。ラストの《ヌアージュ》をほのぼの演奏して終わるのがユニーク。

速い曲では”ガシガシ”とキレと力強さで迫り、遅い曲ではモチアン的な空間を活かしたリズムを刻むベースとドラムのコンビネーションは良好です。そんな気持の良いリズムの上で、ダイネセンのテナー・ソロとカートのギター・ソロがたっぷり楽しめます。比較的オーソドックスでソロを生かしたコンテンポラリー・バップ。意外と80年代くらいの感覚を残しているのも良いと思います。職人技を聴かせる感じの演奏です。

これを最初に聴いた時は灰色でモノトーンなイメージだったのですが、今日こうして久々に聴いてみるとそうでもないのです。彩もあるのです。色にするなら薄紫色かな?まっ、私のいい加減な感覚ですからあんまりあてにしないで下さいませ。派手さはないけれど良いアルバムだと思います。

アルバム名:『EVERYTHING WILL BE ALL RIGHT』
メンバー:
JAKOB DINESEN(ts)
KURT ROSENWINKEL(g)
ANDERS CHRISTENSEN(b)
KRESTEN OSGOOD(ds)

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