「SWITCH」のジャズ特集とマイルス本
雑誌「SWITCH」がジャズ特集をやっていたので買いました。
お目当ては上原ひろみの記事です。
特集のタイトルが「新訳ジャズ」なのですが、
別に新訳というほどの記事ではありませんでした(涙)。
「上原ひろみが聴いてきたジャズの名盤12選」は面白かったです。
実はうちはで「上原ひろみ選ジャズ」みたいなことをやったら面白いんじゃない?
という話をちょっとしたことがあったからです。
12枚選んでなぜ選んだのか書いてあります。
なるほどと思いつつ、言っていることは納得できるものでした。
私が聴いたことがないアルバムが数枚あり、聴いてみたいとも思いました。
ジャケット写とタイトルが列記してあるところに付けてある番号と
本文中の番号がズレているのがご愛敬。
ずさんというかジャズを知らない人がチェックしているんでしょうね(笑)。
「上原さんってどんな人?」なんてどうでもいいような記事もありました(笑)。
「上原ひろみが案内するニューヨーク・ジャズクラブ巡り」は興味深かったです。
こういう環境にいるからこそ、ああいうジャズができるんでしょう。
やっぱりジャズはニューヨークだと私は思います。
インタヴュー記事の「ジョシュア・レッドマン×平野啓一郎」はトホホ。
最後に弁明が書いてあること自体がダメダメ記事を物語っています。
20分足らずのメールで質問を準備したインタビューでは結果はしれています。
相手に迫れるはずがありません(涙)。
こういう特集の限界を物語る記事でした。
こんな企画を用意するなんて、質問した平野さんかわいそうです。
ブルーノート・ニューヨークのスタッフが注目する人に、
アンブローズ・アキンムシーレとロバート・ウラスパーが出ていました。
でしょうね。注目すべき人達です。
「ジャズ/ボサノヴァの愛憎史」菊池成孔×naomi&goroは、”らしい”内容。
菊池さんって結局半分以上うんちく話になっちゃうのがどうも・・・。
うんちく好きには面白いと思います。
「ぼくらに未来はあるのか--若手ジャズミュージシャン座談会」が面白い。
ジャズの現状がよく表れていていますね。
皆さん問題意識を持って今後の抱負を語っているのですが、
これが皆さんそれぞれベクトル(方向性)が違っていて、
とても一丸となって進まないことがよくわかります。
価値観が多様化する中、盛り上げていくのは大変です。
今時雑誌の特集らしく、こんなものかなっ、という感じでした。
*
「マイルス・デイヴィス『アガルタ』『パンゲア』の真実」もやっと読み終えました。
著者はもちろん中山康樹さんです。
あまりの遅読ぶりに我ながら呆れます。
映画「卒業」が”アガ・パン”に繋がるとは!
CBSソニーの人の話がなかなか面白かったです。
当時の裏舞台や世の中の雰囲気がよく分かりました。
まあ、色々なご意見はあろうかと思いますが、私はとても楽しく読みましたよ。
中山さんの”マイルス愛”、素晴らしいじゃありませんか?
巻末対談 原田和典×中山康樹 の中にこんなことが書いてありました。
「だから、『アガルタ』『パンゲア』を入門用に推薦することは不自然なことではなくて、2011年の今、ますます聴きやすくなっていると言えるかもしれない。」と。
そうなんですよ。
『パンゲア』からジャズ入門。
はいっ、それについては私もブログに書きました。
コレです↓
「tommyさんから夏休みの課題を出されてしまった!」
何かテンションが高い(笑)!
最近、この勢いはないですね(涙)。
無茶苦茶なことを言っていますので話半分くらいに受け取っていただきたく。
もう2年前のことです。
時が経つのは速いものですね。
さて、本の話に戻りますが、
ちょっと『アガルタ』『パンゲア』を称え過ぎているのが気になるところです。
あんまり祭り上げるのもいかがなものかと。
これでは聴く時に身構えちゃって、見えるものも見えてこないんじゃないかと。
もっと自然体で接するほうが見えてくると思うのです。
本の趣旨上こう書かざるを得ないのは分かります。
なので、もしこの本を先に読んじゃったのでしたら、
どうか身構えずに”アガ・パン”を聴いてほしいというのが私の願いです。
以上、本/雑誌を読んで思ったことでした。
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コメント
ピアノからジャズを聴き始めたオッサン いえ 女子ですが…
ビル・エバンスの『ワルツ・フォ-・デビ-』 オスカ-・ピ-タ-ソンのベスト盤を聴き エディ・ヒギンズを好み すずっくさんブログで キ-ス・ジャレットに出会いました。
その後 ピアノ以外のものも聴いてみようと思って ショ-タ-の『JUJU』とか買ったのですが マイルス・デイビスは 『カインド・オブ・ブル-』を買いました♪
このアルバムは大好きです。
名盤ですよね。
過去の記事(夏休みの宿題)では 3番目になっていましたね。
マイルスのアルバムは その後 つい好きなピアノ・トリオに目が耳がいってしまい買っていないのですが 先日 雲さんのブログにあった マイルスのCDは気になっています。
いっきさんは 聴きましたか?
でも 今は 買ったばかりの バド・パウエルの芸術 をしっかり聴いているところです。
投稿: マ-リン | 2011年7月28日 (木) 17時41分
マーリンさま
こんばんは。
>ピアノからジャズを聴き始めたオッサン いえ 女子ですが…
全然O.K.です。
たまたま私がマイルスあたりから入ったという体験的入門を書いただけです。
敢えて挑発する文を書いたんです。
>ビル・エバンスの『ワルツ・フォ-・デビ-』 オスカ-・ピ-タ-ソンのベスト盤を聴き エディ・ヒギンズを好み
いいと思います。
>すずっくさんブログで キ-ス・ジャレットに出会いました。
キースもいいですよね。
>その後 ピアノ以外のものも聴いてみようと思って ショ-タ-の『JUJU』とか買ったのですが
そのあたりから危なくなっています(笑)。
ディープなファンに至る禁断の階段へ足をのせてしまったような・・・。
>マイルス・デイビスは 『カインド・オブ・ブル-』を買いました♪
>このアルバムは大好きです。
>名盤ですよね。
さっき久々に聴いてみましたが、やっぱりカッコ良くて深いものがあります。
名盤という言葉に偏見を持つ人がいたりしますので、敢えて名盤とは言いませんが、良いものは良いです。
>先日 雲さんのブログにあった マイルスのCDは気になっています。
>いっきさんは 聴きましたか?
もちろん聴きました。
『イン・ヨーロッパ』は聴きやすいライブ盤だと思います。
マイルスの基本であるクールな美しさとライブにおけるホットな演奏の両方がバランスよく楽しめると思います。
>でも 今は 買ったばかりの バド・パウエルの芸術 をしっかり聴いているところです。
あの~、入口とかはもう関係なく、間違いなくディープなファンへの階段、数段昇ってしまっています(笑)。
あとはもうひたすら階段を昇って下さい。
それは天国へと続く階段です。
いやっ、実は地獄へと続く階段を降りているのかもしれません(笑)。
投稿: いっき | 2011年7月28日 (木) 22時14分