マイク・マイニエリのデビュー・アルバム
マイク・マイニエリといえば、ジャズ/フュージョン・グループ「ステップス(アヘッド)」のヴァイブラフォ奏者として有名ですが、ご多聞に漏れずこの人も最初は普通のジャズをやっていました。そんなマイニエリをとらえた1枚。
ザ・マイク・マイニエリ・カルテットの『ブルース・オン・ジ・アザー・サイド』(1962年rec ARGO)です。メンバーは、マイク・マイニエリJr.(vib)、ブルース・マーチン(p)、ジュリエ・ルッジエロ(b)、ジョセフ・ポーカロJr.(ds)です。マイニエリのデビュー・アルバム。ジャケットのマイニエリが若い!ちなみに日本盤レコードは後の長髪で髭を生やした写真になっています。
今私が持っているのはオリジナル盤です。最初はディスクユニオンかどこかで日本盤中古LPを買ったのですが、川崎のディープなレコード屋 「中古レコード/CD TOPS」 でオリジナル盤をみつけたので買い直しました。これが至って普通のジャズ。フュージョンの”フュ”の字も出てきません。
A面1曲目《ブルース・オン・ジ・アザー・サイド》を聴くと、これがとてもブルージー。ブルース曲なので当たり前だと思われるかもしれませんが、フィーリングがブルージーなのです。黙って聴かせたらミルト・ジャクソンと間違えるかもしれませんよ。そのくらいブルージーで黒いんです。録音時の62年という時がそうさせるのかもしれませんね。
どこにでもあるブルージーでオーソドックスなジャズ。これではなかなか注目されることはないでしょう。ここからフュージョン路線に転向したから今のマイニエリがあるのです。でもルーツがこういうジャズだったというのを知るのは面白いです。マイニエリはゲイリー・バートンなどと同じ系統と捉えられていますが、ジャズに対する基本はかなり違うことがわかりました。私はこんなルーツを持つマイニエリが好きです。
このアルバムの中で一番気に入っているのが《イフ・アイ・ワー・ア・ベル》。私の好きなこの曲を、軽やかに、でも憂いを帯びて、スインギーに弾くマイニエリ。どうってことないんだけれどジャズの良さをきちんと表現しています。歴史の中に埋もれているこんなレコードが実は愛聴盤になったりすることもあるから面白いですよね。オリジナル盤なので余計愛着が湧きます。
ちなみにドラマーのジョセフ・ポーカロJr.は、あのTOTOのドラマーのジョー・ポーカロではありませんので念のため。
川崎の「TOPS」、こんなレコードを売っているんですからディープです。そういえば最近行ってないです。2年前のゴールデンウィーク、ジャズ友tommyさんと一緒にレコードハントした時に行ったのが最後でした。あ~っ、無性に行きたくなってきました。
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