今日は嫌いなのもについて書いちゃいましょう(笑)!
今日はちょっと私のポリシーを曲げて書こうと思います。私の美学に反する行為ですね(笑)。嫌いなものというか苦手なものについてです。これが好きな人にとっては問題発言でしょう。
苦手なもの=”ヴィーナス・レコード”(笑)!
私にはかつて色々なブームがありました。ジャズ喫茶「メグ」マスター寺島靖国さんに傾倒したかと思えば、ジャズ喫茶「いーぐる」マスター後藤雅洋さんに傾倒したり、ピアノ・トリオに傾倒したかと思えば、現代ニューヨーク・ダウンタウンに傾倒したり、オリジナル盤レコードに傾倒したかと思えば、ヨーロッパ輸入盤レコードに傾倒したり、数百円中古CDに傾倒したかと思えば、アウトレットCDに傾倒したり、もう色々なマイブームがあるわけです。
そんなブームの一つにヴィーナスのハイパー・マグナム・サウンド・シリーズ(レコード)がありました。今から10数年前の話です。それまでレコードからほとんど離れていた私なのですが、突然オリジナル盤レコードというものに目覚めてしまい、結果私の中にアナログ(レコード)ブームがやってきたのです。その時にレコードプレーヤーも買い替え、新型プレーヤーとしてロクサンのラディウス3、中古プレーヤーとしてデンオンのDP-80を買い、これら2台は今も活躍中。
そんなアナログブームの中にはハイパー・マグナム・サウンド・シリーズも含まれていたわけです。最初聴いた時に、そのメリハリある音がまるでCDのようで、最新の録音は凄いと思ったわけです。私が買ったのはほとんど中古レコード。今になって冷静に考えれば、当時から中古が結構出回っていたというのは、その音に好き嫌いがはっきり出ていた結果なのでしょう。ピアノ・トリオを中心に5,6枚買いました。
しばらくは楽しかったのですが、アナログを色々聴きこんでいくうちに、このヴィーナス・サウンドが耳につくようになりました。「こんな演出過剰音は醜い。」という思いが出てきたのです。そしていざ音が気に入らなくなって演奏に耳がいくようになると、これまた内容が気に入らないのです。ヴィーナスのプロデュース方針が気に入らないのです。「本当にジャズマンの意向に沿ったものなのか?単に一部の日本人ジャズファンの意向を無理強いしているだけじゃないのか?」ということです。結果そこにあるのは浅く狭いものなのです。
まっ、そんなわけで私の中のヴィーナス・ブームは一挙に冷めました。で、レコードはどうなちゃったかというと?何回かに分けてではありますが、私の不要リストに上がるようになり、その度にディスクユニオンへと処分されていきました。結果今は1枚も持っていません。m(_ _)m 今後ヴィーナスのレコードを買うことはないと断言します(笑)。
CDも4枚持っていたのですが、1枚は売り飛ばしてしまい、今はCD3枚しか持っていません。今日は今手元にある3枚のうちの1枚を紹介します。
デニー・ザイトリン・トリオの『アズ・ロング・アズ・ゼアーズ・ミュージック』(1997年rec. Venus)です。メンバーは、デニー・ザイトリン(p)、バスター・ウィリアムス(b)、アル・フォスター(ds)です。
これは私がピアノ・トリオ/寺島ブームの時に買った1枚。寺島さんの著書「JAZZはこの一曲から聴け!」の中にこのCDが紹介されていて、1曲目(タイトル曲)のシンバルが生々しく響き渡ると書かれてたのです。要は寺島さんの弊害:オーディオ聴き(笑)なのですが、私もオーディオファンであるわけで、アル・フォスターのドラミングは好きなので買うことにしました。
ちなみに、オーディオ聴きが悪いわけではないと思いますが、それに特価すると面白くもない演奏ばかり聴くことになりかねないので弊害と書きました。
このアルバム、確かに1曲目《音楽がある限り》はアルのシンバルが”チンチン、キンキン、コンコン”と生々しく鳴ってくれます。これもつまりはヴィーナス的演出過剰音なのですが、まあ気分は悪くないです。音だけなら売ってしまってもおかしくないのですが、このCDは演奏が気に入っています。
気に入っているのはザイトリン独特の美意識。明るくなりきれない漂う暗さがあり、それが深さにつながっているが良いのです。それは2曲目の《誰も奪えぬこの想い》(日本語タイトルにしているのがヴィーナスらしい)でも生かされ、このかわいい曲に影が加わり深みが増していると思うのです。アドリブはかなりアップ・テンポで弾きますが浮つかず重さがあるのがマル。3曲目《神に誓って》はスロー・テンポでしっとりと落ち着きます。
こんな調子で、このCDを聴いていると気持ちが落ち着いてくるところが良いです。暗さが気に入るのは、ニューヨーク・ダウンタウンの暗いのをたくさん聴いた自分がいるからかもしれませんが、まあ、こっちの世界も楽しいですよ(笑)。
ヴィーナスもCDならば許せます(笑)。しばらく前に安くなって再発されたので買ってもいいかな?と思っているものもありますよ。中古CDでもいいです(笑)。
| 固定リンク
「ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事
- 明けましておめでとうございます!(2023.01.01)
- 今日はこんなの聴きました。(2022.01.01)
- 追悼、チック・コリア。(2021.02.14)
- このアルバムのこの曲が好き!(2021.02.07)
- こんなの聴いています。(2021.01.03)
コメント
え〜ん え〜ん
(T_T)
そんなに ヴィ-ナスをいじめないでくださいませ。
こんにちは
久しぶりのコメントです。
わたしは エディ・ヒギンズのファンなので ヴィ-ナスは けっこう買っています。
ただ ジャケットは嫌いです。
レ-ベルで音質が違うらしいのですが まだ わたしには その違いがわからず 好き だけで あど安い゙と買っちゃいます(笑)
ヴィ-ナスの\1500シリ-ズで ヒギンズやボラ-ニなど 今年に入って 数枚買いましたよ。
ヴィ-ナス…
嫌いな人 多いですよね(;_;)
エ-ン しつこいですね(笑)
なかなか コメント書けませんが いつも いっきさんのブログ みなさんのブログ楽しく読んでいます。
(^-^)
投稿: マ-リン | 2011年5月20日 (金) 10時21分
ヴィーナス、、七変化ですが、、
変わらぬ姿勢ってのが、、ありますよねぇ。
それなりに名前の通ったミュージシャンに、、
日本人の好きそうなスタンダードを並べる。
大昔は結構買ってましたよ、好きなものもあります。(本当)
でも、裸のシリーズがしつこかったので、きっぱり、足を洗いました。人を馬鹿にしすぎてる。
でも、クリスマスがでると胸が痛みますが、、(爆)
投稿: Suzuck | 2011年5月20日 (金) 18時24分
マーリンさま
こんばんは。
そんなに泣かれてしまうと謝るしかありません。
ごめんなさい!
ジャズファンを長く続けていると色々拘りがありすぎて良くないと思います。
悲しい性なのです。
人の意見はほどほどに、まずは自分のセンスを信じて聴くのが良いと思います。
聴き進むうちに色々分かってくるのではないかと思います。
>わたしは エディ・ヒギンズのファンなので ヴィ-ナスは けっこう買っています。
私は残念ながら今のところヒギンズさんとの縁に恵まれていません。
>ただ ジャケットは嫌いです。
記事に書き忘れましたが、ですよね~。
エロジャケ!
私はその品の無さセンスの悪さに呆れています。
>ヴィ-ナスの\1500シリ-ズで ヒギンズやボラ-ニなど 今年に入って 数枚買いましたよ。
いいですね。私も\1500シリーズは気になっていました。
>なかなか コメント書けませんが いつも いっきさんのブログ みなさんのブログ楽しく読んでいます。
コメントは書かなくてもいいですよ。
お読みいただきありがとうございます。
投稿: いっき | 2011年5月20日 (金) 20時14分
Suzuckさま
こんばんは。
あらまっ、女性お2人からコメントとはっ(笑)!
>変わらぬ姿勢ってのが、、ありますよねぇ。
ありますよねぇ。
ポリシーがあるのは良いと思いますが・・・。
>それなりに名前の通ったミュージシャンに、、
>日本人の好きそうなスタンダードを並べる。
そうなんですよ。
それが良さであり悪さでもあります。
>大昔は結構買ってましたよ、好きなものもあります。(本当)
好きなものあると思いますよ。
私も全否定する気はありません。
>でも、裸のシリーズがしつこかったので、きっぱり、足を洗いました。人を馬鹿にしすぎてる。
それは本当によく分かります。
私もエロジャケは大嫌いです。
下品過ぎます。
>でも、クリスマスがでると胸が痛みますが、、(爆)
そっか~、蒐集されてますもんね。
何でヴィーナスがクリスマスアルバムなんでしょうね。
ミスマッチな気がします。
投稿: いっき | 2011年5月20日 (金) 20時27分