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「ジャズ・ヒップホップ学習会 第3回」

今日は ジャズ喫茶「いーぐる」 で行われた「ジャズ・ヒップホップ学習会 第3回:ビル・ラズウェルの正体を暴く?」のレポートを書きます。

P81 当日は雨、風も結構強かったです。それでもお客さんは結構入っていました。この企画は毎回好評なのです。「ジャズ・ヒップホップ学習会」は今回で3回目。全5回予定なので折り返しですね。今回の講演は中山康樹さんと村井康司さんによるもの。お店に入って後藤さんと中山さんに軽く挨拶して着席。講演開始前にかかったビル・ラズウェルのアブストラクト/ドラムンベース系のアルバムが気にいってしまいました。

講演冒頭はビル・ラスウェルについての軽い説明。「ベーシスト、プロデューサー、オーガナイザーと色々やっているが、新宿と荻窪の間に住んでいそうな感じ。」との説明に、「何なのそれ。」とツッコミをいれたくなりつつ思わず納得してしまいました(笑)。ヒップホップ学習会にラズウェルが登場するのは、「ジャズにヒップホップを持ち込んだ最初の人」という一般的な認識があるからです。

なぜラズウェルがヒップホップを持ち込んだのか、私はその解明があるのかと期待していたのですが、あまりその手の話はなく、どちらかといえばラズウェルがらみの曲(アルバム)を紹介して、そのキャラクターを暴くという内容でした。まっ、タイトル通りなのでそれで良いわけです。で、先に結論を言っちゃえば、ラズウェルがヒップホップを取り入れたのは、単に本人の多様な音楽アプローチの一つだったという風に理解しました。

ラズウェルについては、調べれば調べるほどよく分からない人。芯/ルーツがない人。あまり個性はなく堅実なベースを弾く。オーラがない人。異色なミュージシャンを組み合わせて音楽を作る。なぜラズウェルの元にいろんなミュージシャンが集まってくるのか分からない。カリスマ性を拒否。腰が軽い。マメ。などのコメントがあり、結局、ラズウェルは(音楽的に)よく分からない人だというのが分かったという感じでした(笑)。

ほぼ年代順に曲をかけていきましたが、いろんなことをやっていました。かけた曲については ジャズ喫茶「いーぐる」 の[diary]を参照してください。基本的にはポップでわかりやすいことをやりつつ、一方で「マサカー」や「ラスト・イグジット」のような爆音系にも興味があるというものでした。

ハービーとのヒップホップ系もかかりましたが、私が面白いと思ったのはソロ名義のアルバム『ベースライン』からの《アクティヴェート》。ロフト系のミュージシャンとやったいわゆるジャズ度が高い演奏でした。あとはウェザーの曲をアレンジした《キューカムバー・スラムバー》。これはウェザー好きな私好みというわけです。ワールドミュージックをフュージョンした《Alsema Dub》も面白い感じでした。これは音響的に低音”ブリブリ”が◎。

マイルスの曲をリマスタリングしたアルバム『パンサラッサ』から《レイテッドX/ビリー・プレストン》もかかりましたが、やっぱりマイルスはいいですね。この曲については、村井さんから元曲の”邪悪な感じ”が減っているなんて指摘があり、中山さんから「それは音を整理してしまっているからだろう。」との指摘があり、皆さんそれには納得していました。

村井さんは、ラズウェルに似たタイプの注目すべき4人として、当人ラズウェル、キップ・ハンラハン、ハル・ウィルナー、ジョン・ゾーンをあげていました。1981年頃色々交差していた人達で、すくい上げるべき人とのことでしたが、これらの人の仕事については村井さん著『ジャズの明日へ』を読んでいただければ良いんじゃないかと思います。

中山さんからは、ラズウェルがオーケストラルサウンドを指向していて、40年代のスタン・ケントンに似ているなんて話がありました。「わからなさ加減で2大巨頭。」とおっしゃっていて、これにも皆さんなるほどと納得していました。

色々聴いた私の感想としては、それそれ出来は良いものの、ラズウェルの音楽にもうひとつひねりが足りないというか食い足りないものを感じました。あくまで個人的なちょっと意地悪な聴き方ですが、そう感じたんだからしょうがありませんね。村井さん、せっかく色々聴かせていただいたのに申し訳ありませんでした。m(_ _)m でも色々見えてきたので収穫はありました。

講演後は打ち上げに参加してディープなジャズ談義。

講演、打ち上げ、楽しかったです。

ここで私とビル・ラズウェルの出会いについて書いておきます。

私は1982年からジャズを聴き始めたのですが、山梨在住の私の主たる情報源はスイングジャーナル誌(SJ誌)とラジオのFM NHK(FM東京は受信不可)。そして従兄弟のジャズ好き。そんな環境の中でビル・ラズウェルと出会うわけです。

最初はマテリアルの『メモリー・サーブス』で、次が『ザ・ゴールデン・パロミノス』。今じゃ考えられないけれど、当時CBSソニーがセルロイド・レーベルと契約してレコードを発売したのです。当然SJ誌にレビューがのり、それを読んで興味を持ち、音はFMラジオで聴きました。何か新しい風味だというのは分かったけれどそれでおしまい。

で、ハービー・ハンコックの『フューチャー・ショック』が続くわけです。聴いてビックリしました。当時の私は「ヒップホップ?何それ?」。アルバム・ジャケットと相まって”近未来ジャズ”と感じたものでした。私的に一番インパクトがあったのは”スクラッチ”。グランドミキサーDSTの楽器”ターンテーブル”のほう。テクニクスのプレーヤーを手で前後に動かして”キュキュキュキュッ”。「凄いことやるもんだなあ。」と思いました。それからマイルスつながりでピート・コージーのギターには惹かれました。

このヒップホップ・テイストのジャズにはいまいちのめりこめなかった私。打ち込み系電子音としては既にテクノ(YMO)を聴いちゃっていたので、ジャズには別のものを求めていたのかもしれませんね。

当時の私はマイルス、ウェザー・リポート、オーネットのプライム・タイム・バンド、V.S.O.P.クインテット、キースのスタンダーズ、エルビン・ジョーンス、なんてのをよく聴いていました。あっ、それからマンハッタン・ジャズ・クインテットも(笑)。ただし2作目までで飽きました。もちろん並行して過去の名盤系も聴いていましたよ。フュージョンではデヴィット・サンボーン、グローバー・ワシントンJr.、ナベサダも。もう無茶苦茶やんけっ!(笑)

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コメント

珍しく、いっきさんが困っている感じがいい。
講演後のジャズ談義の方が楽しそうです(笑)。

投稿: tommy | 2011年4月27日 (水) 02時41分

別に困っているわけではないです。
講演は楽しかったですよ。
ラズウェルという微妙なテーマを担当した村井さんには感謝。
で、打ち上げは別の楽しさですね。

投稿: いっき | 2011年4月27日 (水) 20時03分

この日は東京から山梨に行ってから四ッ谷に行きました。いっきさんとは逆?パターン。ビル・ラズゥエルの特集は正直今までの中で一番薄く感じました。個人的には大谷さんが嬉しそうにパーカーを聴く二回目がつぼでした。

投稿: ウッチー | 2011年5月 1日 (日) 00時32分

ウッチーさん

>この日は東京から山梨に行ってから四ッ谷に行きました。いっきさんとは逆?パターン。

そうだったんですか。
山梨にいらっしゃったんですね。
面白いです。

>ビル・ラズゥエルの特集は正直今までの中で一番薄く感じました。

確かにそういう傾向がありました。
ラスウェルという題材のせいなんでしょう。

>個人的には大谷さんが嬉しそうにパーカーを聴く二回目がつぼでした。

あの回はとても面白かったですね。

投稿: いっき | 2011年5月 1日 (日) 01時59分

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