ホンワカした雰囲気のピアノ・トリオ
ガッツリしたジャズはもちろん良いのですが、時にはこんなのも聴きたくなります。
十五夜の『オール・フォー・ユア・スマイル』(2010年rec. 月見レコード)です。”十五夜”というのはトリオの名前です。メンバーは、寺村容子(p)、磯部ヒデキ(b)、大澤基弘(ds)です。リーダーは大澤さん。アルバムタイトルがいいでしょ。”全てをあなたの笑顔のために”。
サブ・タイトルが”光はきらめき、色彩は踊る。伝えたい、音のチカラ。”
ただ今こんな時にピッタリどと思いませんか?
私は前作『うさぎの大冒険』(何とおおらかなタイトル、笑)を買って気に入ったのです。甲府の「ジャズ・イン・アローン」でライブも観て、CDには3人のサインをもらいました(笑)。ライブで見た時、ピアニストの寺村さんのおっとり具合がとてもキュートでした。
”十五夜”は、寺村さんのしっとり優しくメロディアスなピアノを中心に、なかなか強靭で太い磯部さんのベースと、軽やかなスイング感の大澤さんのドラミング、という構成です。今時の弾きまくりとかキレとか迫力で聴かせるピアノ・トリオとは真逆の方向性のトリオです。
聴いていると気分がホンワカ軽くなってくるピアノ・トリオですね。”笑顔のために”は強引に笑わせるのではなく、例えば温泉に浸かった時に、自然と笑みが浮かんでくる感じです。”極楽、極楽”と言いたくなるあの感じでしょうか(笑)?そして、都会の垢ぬけた感じはなく、田舎の素朴な感じが漂っているのも良いところです。
磯部さんの曲が2曲、大澤さんの曲が3曲、寺村さんの曲が2曲、アントニオ・カルロス・ジョビンなどメンバー以外の曲が4曲の全11曲。リーダー大澤さんの曲なんか、顔に似合わない(失礼m(_ _)m!)キュートなメロディーの曲ばかりで私は好きです。寺村さんの曲はちょっと情が深めの曲。ウェットな感じが日本的とでもいいましょうか。全体として聴くととても統一した雰囲気になっていますよ。
録音がいいです。加工をあんまりせず、素直に録っているように感じます。適度な収録現場の残響音が”十五夜”の音楽性に産毛のような優しいニュアンスを加えているところがプラスです。
心が”ギザギザ”な時に聴いくと良いと思います。ヒーリング効果アリです!
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