ディスクユニオンで聴いて買いました。
新宿のディスクユニオンジャズ館で中古CDを物色していたら、このピアノが流れてきたんです。「あ~、いい演奏だな~。」と思ってジャケットを見るとフレッド・ハーシュでした。
フレッド・ハーシュの『ホイール』(2010年、palmetto recoords)です。メンバーは、フレッド・ハーシュ(p)、ジョン・エイベア(b)、エリック・マクファーソン(ds)です。ピアノ・トリオ。
一時昏睡状態になったハーシュが奇跡の復活をとげて録音したアルバムとのことです。このアルバムの存在は知っていましたが、どうも奇跡の復活とかいうのがあるイメージを持つことになってしまい、素直に音楽に浸れない感じがしたので買おうとは思いませんでした。ところが、前述のとおり聴いたら良かったので今回買った(後日Amazonで購入)というわけです。
ここにある音楽は素直であり、聴く方が構えていない時にこそ心にすんなり届く音楽だと思いました。美しく儚くもあるけれど芯には力を秘めているそんな音楽です。ここにある世界は生死を越えた時に達する境地だと言われれば、そうなんだろうと思います。生きていてるんだから自分にやれることをやろうということなんだろうと思います。
スタンダード2曲、バードの曲とモチアンの曲が1曲ずつ、ハーシュの曲が6曲の全10曲。どれもがハーシュの世界になっていて一連の流れに違和感はありません。単に美しいのではなく、陰りを抱いた美しさ、深みのある美しさです。この美意識は他のハーシュのアルバムにも共通したものですが、ここではそれを素直にそのまま出しています。テクニックとかフレージング云々の世界ではありません。心に響くサウンドです。
ベースのエイベア、ドラムのマクファーソン、2人ともハーシュの世界にそっと寄り添って、ハーシュの音をサポートしていきます。エイベアってニューヨーク・ダウンタウン系の尖がった人だとイメージしていたのですが、ここではとても素直にベースを弾いていて、こういうベースが弾けるなんて素敵だと思いました。
日常の中での音楽とのふとした出会い、これがあるから音楽を聴くのはやめられないと思います。格好つけてますが、単なる自己満足の世界かもしれませんが、それでもこういう感性は持ち続けたいと思う今日この頃です。
解説はどうでも良いので、聴いてみてほしいアルバムです。
アルバム名:『whirl』
メンバー:
Fred Hersch(p)
John Hebert(b)
Eric McPherson(ds)
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