日本人ジャズを聴こう!これは渋すぎ。
不定期企画ながらしぶとく続けます(笑)。日本人ジャズを聴こう!
さて、今回は誰でしょう?
池田芳夫の『DADAⅢ』(2010年rec. SEAVAN)です。メンバーは、池田芳夫(b)、緑川英徳(as,ss)、河村英樹(ts)、江藤良人(ds)です。池田さんはジャズ友tommyさんのベースの先生です。そんな繋がりから聴くようになりました。知る人ぞ知る名ベーシスト。日野皓正グループ、富樫雅彦の『スピリチュアルネイチャー』、高瀬アキとのデュオ『エスプリ』、藤川義明イースタシアオーケストラなどでベースを弾いています。
ホームページはこちら⇒池田芳夫
2006年発売の『DADAⅡ』以来4年ぶりの新作です。実は『DADAⅡ』を買いそびれたという経緯があるので、今回はディスクユニオン・ジャズ館の新譜情報を見て速攻購入しました。お店で扱う数が少ないのですぐに在庫取寄せになってしまいます。『DADAⅡ』も池田さんのホームページから購入できるのですが、自宅へ電話しなければならないのが・・・、結構人見知りの私は自宅へ電話する勇気がないのです(涙)。
さて、このアルバム。池田さんのプロベーシスト50年(2010年)の節目として録音したそうです。2テナーのピアノレス・カルテット。う~む、渋い、渋すぎます。売れ線なんてことは微塵も考えていません。ただありのままに池田さんのジャズが、50年のベーシスト人生が、ここに刻まれているのです。あ~っ、カッコだけの若手ジャズもどきグループに池田さんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。って、この表現が既に通じない人達か(笑)?
全7曲、池田さんのオリジナル曲を収録。キャッチーなところはないけれど良い曲ばかりです。バラードなんかは泣かせる曲ですよ。甘くはないのですが胸にじんわりと染みてきます。知り合いのレゲエー好きのお嬢さんをイメージしたという楽しい曲や亡くなったお姉さんへ送る曲もあったりして、池田さんという人物の人柄がよくあらわれているように感じます。とはいっても、私は池田さんにお会いしたことはないので、あくまで曲を聴いてのイメージ。
曲も良いのですが、一番の良さはやっぱりそのベースプレイにあります。力強いです。ただガッツがあるとかではなく、懐が深いベースです。響きを大切にプレイしています。大地にがっちり根をはやした大木の如きベース。日本のジャズ全盛期を第一線で支えてきたベースの凄みを聴いてほしいです。こんなベースを聴きながら教えてもらっているtommyさんも凄いですよね(笑)?
2人のサックス奏者も派手さは皆無。ひたすらジャズを真摯にプレイしています。池田さんの前ではいい加減な気持ちでは吹けないでしょうからね。音を丁寧に選びつつ歌心もありつつ時にはフリーキーに熱く吹く場面もあります。私はアルトの緑川さんが特に良いと思います。ドラムは流れを見ながら過激に煽ります。ベースが底部を支える分、ドラムがグルーヴに緩急をつけていきます。
硬派ですね~。これがジャズだっ、としか言いようがありません。こういうジャズにこそ「ジャズは新しさを追えばいいというものではない。」という言葉が相応しいと思います。
”マジ/ガチ”ジャズを求めている人だけに聴いてほしい1枚。
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コメント
いっきさん、こんばんは。
『DADAⅡ』未開封、新品あります。
池ちゃん先生から預っているぶんです。お分けします。
投稿: tommy | 2011年2月19日 (土) 00時55分
tommyさん
こんにちは。
そうなんですか。
では、次回お会いした時にでも購入したいと思います。
よろしくお願いします。
投稿: いっき | 2011年2月19日 (土) 12時04分