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なかなか良い感じのライブです。

久々の新譜紹介です。新譜といっても昨年末に出たもの。

P18 アリ・ホニック『パンクバップ ライブ・アット・スモールズ』(2020年rec. SMALLS LIVE)です。メンバーは、アリ・ホニック(ds)、ウィル・ビンソン(as)、ジョナサン・クライスバーグ(g)、ティグラン・ハマシアン(p)、ダントン・ボーラ(b)です。この人のカタカナ表記はいったいどれが妥当なのか?悩みます。オエング?ホーニグ?ホニック?私はアキコ・グレースさんのアルバムでの表記:ホニックにしておきます。

スモールズでのライブ。今回5枚出た中では、じばらく前に紹介したオマー・アヴィタルとこれを買いました。私が買ったのは前に出たのも合わせて4枚目になります。このシリーズはスモールズという暖かい雰囲気のお店の日常的なライブを切り取ったもので、私が聴いた限りではそのカジュアルな演奏を楽しむものだと思っています。

今回はコンテンポラリー・バップです。アルバムタイトルは『パンクバップ』となっていますが、”パンク”な要素はありません。もちろん演奏は盛り上がる場面もありますが、基本的には8ビート系リズムでクールな楽曲をやっています。若さのパンクというよりは大人のコンテンポラリーと感じました。

ヴィンソンのアルト、クライスバーグのギターはともに現代的でスマートな味です。灰汁や濃さを期待していると肩透かしを食らいます。現代的なメロディーを優しく素直に私達の耳に届けてくれるのが良さだと思います。全曲ホニックの作曲ですが、曲そのものも比較的素直なメロディーだから余計そう感じるのかもしれません。

ハマシアンのピアノはバッキングではあまり目立たないのですが、ソロでラテン風味リズム&メロディーを弾いた時はなかなか聴かせてくれます。最初の曲はピアノがお休みです。ベースはガッチリとサポートをする裏方派ですね。まとめあげるホニックはテクニカル系ドラマーで、手数が多い割には押しつけがましさがないところがいいです。メンバーを包み込みつつ乗らせるタイプのように感じます。

私の一番のお気に入りは4曲目《グリーン・スプリーン》。リズム/テンポ・チェンジを効果的に取り入れたなかなか凝った構成とダークな怪しさのある曲調が魅力で、アルトとドラムだけの掛け合い、エフェクトをかけたクライスバーグの疾走するギター、ピアノとベースを前面に出しつつフリーな匂いも感じさせるピアノ・トリオの場面、ドラム・ソロなど聴きどころ満載。比較的クールな中にあって熱い演奏です。ラスト、ドラムのチューニングを変えてファンファーレ風メロディーを叩いて終わるのがユニーク。

NYのジャズクラブの雰囲気が味わえるこのシリーズ。お好みのジャズマンのアルバムをセレクトして、NYへトリップしてみませんか?

アルバム名:『PUNKBOP LIVE AT SMALLS』
メンバー:
Ari Hoenig(ds)
Will Vinson(as)
Jonathan Kreisberg(g)
Tigran Hamasyan(p)
Danton Boller(b)

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