ブルーノートNYの熱い夜
しばらく前にHMV特価セールで買った1枚。3枚買ったんですが、あとの2枚がなかなか入荷せずキャンセル。結局今日紹介する1枚しか買いませんでした(笑)。
ジェフ・”テイン”・ワッツの『ディテインド』(2004年rec. HALF NOTE Recordes)です。メンバーは、ジェフ・”テイン”・ワッツ(ds)、ケニー・ギャレット(as)、デイヴ・キコスキ(p)、エリック・リヴァイス(b)、デヴィッド・ギルモア(g)、マーカス・ストリックランド(ts)です。
ジャケットが中々良いと思います。モノ黒写真やデザイン(文字の暴れ具合とか)がジャズの不良性みたいなものをあらわしているんです。最近はジャズだか何だかわからない抽象的なジャケットが多いんで、こういうジャケットが逆に貴重に思えてきます。
私が最初にジェフ・ワッツを聴いたのはブランフォード・マルサリスの初リーダー盤『シーンズ・イン・ザ・シティ』。このアルバムには2人のドラマーが参加していて、ほとんどの曲を叩いていたマーヴィン・スミスのドラムがお気に入りだった私は、ジェフ・ワッツの比較的単調なドラムを見下していました。m(_ _)m
あれから20年以上経ち、生きているのかいないのかわからないような(生きてます)スミスに対して、すっかりジャズ界の押しも押されもせぬドラマーになったワッツ。う~む、わからないものです。そんなワッツですが、私も今になれば彼の叩き出す熱いグルーヴには参っています。
アルバムの話に戻ります。これはニューヨークのブルーノートでの熱い夜が収められたライブ盤です。何が凄いかって?ワッツの熱いグルーヴは当然凄いのですが、それを数倍上回るケニー・ギャレットの火の出るような吹きまくりが一番凄いのです。ギャレットは最初の2曲に参加しておらず、3曲目《ミスターJJ》に入る前に呼び出されます。で、吹き始めたらもう止まらない。暴走列車の如くすさまじい吹奏を繰り出します。
吹く、吹く、吹く、吹く、吹く、吹きまくるギャレット。それを煽る、煽る、煽る、ワッツ。会場は興奮の坩堝と化します。ギャレットのあとにソロをとるストリックランドも頑張るのですが、ギャレットの前では霞みます。何も言いません。大音量で聴いてその日のブルーノートへトリップして下さい(笑)!
続く《シグムンド・グロイド》はクールダウン。バラードです。ゆったりテーマを合奏したあとギャレットが先発。バラードでも軽く流したりしません。テンポこそゆっくりですが力強くフレーズを重ねていきます。で、この日のギャレットはやっぱり抑えられないものがあるんでしょうね。中盤からは込み上げ込み上げてきて、とうとうトグロを巻いて巻き続け、まだまだまだまだ、でっ、やっと終了。ふう~っ、凄い(笑)。実はクールダウンじゃなかったのです。キコスキ、ギルモア、ストリックランドは伴奏だけでした。
ラスト《...ライク・ザ・ローズ》は、キコスキの美しいピアノ&ワッツ(ですよね?)の歌で始まります。ギャレット先発ですがさすがに今回は軽く流す感じ。途中からテンポが変わり、キコスキのキーボード、ギルモアのギターのカッティングで爽やかにフュージョン調。メロディー・メーカーでもあるギャレットのソロが楽しめます。テンポが戻ってフロントがリフを繰り返す中ドラム・ソロ。ギルモアのテクニカル・ロック・ソロが続きます。最後にピアノ伴奏でワッツが歌って終了。
さて、前半の2曲は?ウォーミング・アップみたいなものです(笑)。ストリックランドのテナー、ギルモアのギター、キコスキのピアノを楽しんで下さい。2曲目なんて皆で”JC・イン・ザ・マン”をコーラスして寛いでいますよ。で、それが終わってギャレット登場ですから、凄さ倍増というわけです。
大音量で聴いてライブを味わいましょう!
アルバム名:『DETAINED』
メンバー:
JEFF "TAIN" WATTS
KENNY GARRETT(as)
DAVID KIKOSKI(p)
ERIC REVIS(b)
DAVID GILMOUR(g)
MARCUS STRICKLAND(ts)
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