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村上秀一×山下洋輔×坂井紅介トリオを観てきました。

今日は甲府「桜座」で、村上ポンタ秀一×山下洋輔×坂井紅介のトリオを観てきました。さすがにこの人達なので入りは良かったです。

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写真がピンボケ(涙)。一応念のため、ポンタさんはドラム、山下さんはピアノ、坂井さんはベースです。ポンタさんのドラムはちょっと大きめのセットでした。バスドラムが大/中2個、フロアタムが左右に1個ずつというのが珍しいところです。

<1部>
ポンタさんは葉巻をくわえて入ってきました。いなせですな~。さすがポンタさん。もちろんドラムの前に座ると葉巻は横に置き、演奏中は吸いません。メンバー紹介で自分のことを“西”原力哉と言って笑いをとっていました。

《4月の思い出》から。定型リズムではなくフリーなリズムでの演奏でした。春を待つかのように山下さんがピアノをゆったり奏で、ポンタさんはマレットで寄り添っていく演奏でした。今日は比較的暖かい日だったので、1曲目としてはイメージ的にピッタリ。ピアノ、ベース、ドラムとソロを回す展開は他の曲でもだいたい同じでした。

2曲目《ファースト・ブリッジ》は山下さんのオリジナル。モーダルな感じの曲でした。ここでもポンタさんはマレットを叩いていました。ポンタさんのドラミングは、シンバルレガート&スネアのおかず&バスドラのアクセントというものではなく、パーカッシブなもので今時なのでした。う~む、さすがはポンタさん。

3曲目《ウィル・ユー・ニー・ドント》。ひと癖あるセロニアス・モンクの曲を、この人達ならではの余裕のプレイ。特別なことをやっているわけではないですが、この曲の味を生かすプレイは大人です。山下さんのソロ、途中でモンクの《ベムシャ・スイング》をチラッと引用してました。ドラム・ソロは結構長めでした。ドラム・ソロは力まずにしなやかに緩急を生かしてグルーヴを生みだします。それはバッキングでも同じでした。

4曲目《グッド・バイ・ポーク・パイ・ハット》。坂井さんが面白いアレンジにしたとのことでした。リズムが8ビート系で、ベースのラインが曲をリードする展開で、ピアノ、ドラムがからんでいくものでした。今日の山下さんの演奏はフリー度控えめでした。このトリオがフリー・ジャズのトリオではないですからね。1部はここまで、各曲はピアノ、ベース、ドラム・ソロを長めにとっているので曲数は少なくなります。

P11

ポンタさんのスティックが変わっていました。後で確認したら3φくらいの丸棒を7本束ねたたものでした。普通のスティックより太めなので芯のある強い音が出ていたように思います。向かって右にセットされたフロアタムにはエコーがかけられていて、ここぞと言う時に”バ~ン”と一発やっていました。

<2部>
《エレジー》から。山下さんのオリジナルです。タイトル通りの哀歌でした。じんわり染みる曲を3人で慈しむように演奏。2曲目《ミュージック・ランド》は、『寿限無vol,2』に収録されていた曲とのことでした。8ビートの曲で、カッコ良く演奏。

3曲目《寿限無》。皆さんご存じ山下さんのオリジナル。3人がもう知り尽くしたかのようにこの難しい曲を余裕でプレイ。とは言え、坂井さんのベース・ソロはかなりの迫力でした。もうひとつ、ポンタさんはスネアの”パラパラ”する音をデッドニングしてタムのような響きで鳴らすことが多いのですが、この曲は通常のスネアの音でした。4ビート系だから?ドラム・ソロも迫力がありました。

4曲目《メモリー・イズ・ファイン・シング》は山下さんのオリジナル。今度出る山下さんのニューヨーク・トリオ(セシル・マクビー(b)、フェロン・アクラフ(ds))の新譜に収録された新曲とのことでした。タイトルどおりファイン・シングな美メロ曲。ポンタさんがブラシで優しくさすってバッキング。ベース・ソロ、ドラム・ソロもニュアンス溢れる良さがありました。

ということで2部も4曲。演奏中は3人がほほ笑みながらお互いのソロを聴いていてとても良い雰囲気でした。ポンタさんはドラム・ソロの時、結構唸っていてこれがなかなか渋いのでした。私、ポンタさんのグルーヴ感が好きです。ラストのメンバー紹介では自分のことを村上シュンタポンイチなんて言っていました。おちゃめです(笑)。

アンコール曲は普段一緒にやっているフルートの方(今はスペインに行っているとか)の面白い曲との紹介でした。《ホー・ホー》(だと思います)。ピアノはメロディーというよりコードを響かせる感じに弾いていました。どうやら「ほー、ほー、蛍こい」のメロディーをモチーフにしている曲のようでした。途中には「もういいかい?」のメロディーも入っているように私は感じたのですが?心地よいモーダルな響きの曲でした。

とにかく安心して3人の奏でる音に浸れました。楽しいライブでした。

明日はジャズ喫茶「いーぐる」の中山康樹さんによる「第1回ヒップホップ学習会」に行きます。どんな話が聞けるのか楽しみです。

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