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このライブ観たはずなのですが・・・

今日紹介するのは昔のアルバム。私には思い出があるのです。1987年、よみうりランドのオープンシアターイーストでのライブです。そう、セレクト・ライブ・アンダー・ザ・スカイ’87”10th”です。10回記念でした。今、この時の記憶がかなり薄れているのです。行ったことは間違いないのですが、誰を観たのかがかなりあやふやです。

SXLに出るはずの坂本龍一が当日欠席したことは覚えているのですが・・・、あとはザ・ガット・ギャングとワールド・サキソフォン・カルテットと今日紹介するアルバム。10thスペシャル・トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーンだったような・・・。う~む、き、記憶が~。10thの記念品として入場時にもらったビニール布製の袋を愛用していたのも覚えているのですがね~、いかんせんライブ内容の記憶がほとんどきれいさっぱり消失(涙)。何てこった!

P1 『トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン』(1987年rec. KING)です。メンバーは、ウェイン・ショーター(ss)、デイヴ・リーブマン(ss)、リッチー・バイラーク(p)、エディ・ゴメス(b)、ジャック・ディジョネット(ds)です。説明不要の豪華メンバーですね。

当時は私のジャズ聴き最盛期だったので、「V.S.O.P.」と「ウェザー・リポート」で聴きつくしたショーター、「クエスト」やエルビンの『アース・ジョーンズ』で聴きつくしたリーブマン、同じく「クエスト」で散々聴いたバイラーク、チックの『スリー・カルテッツ』やエバンスのトリオやG.J.T.で散々聴いたゴメス、ロリンズの『リール・ライフ』や「スペシャル・エディション」で散々聴いたディジョネットと、私にとっては耳タコの人達でした。それをライブで観る絶好の機会だったはずなのに・・・、記憶って、なくなっちゃうものなのでしょうか?野外ライブの常でビールなんか飲みながらお気楽に観ていた報いなのでしょうか?う~む。

当時、ここらへんの世代のジャズマンのメインストリーム回帰路線ジャズが、一番カッコ良くて好きな私でした。87年、バブル最盛期。当時のジャズってまだまだパワーがありましたよ。野外ライブに象徴されるように明るさがありました。一昔前のジャズ喫茶で聴く暗いイメージとは違うものです。会社の同じ部の二つ上の先輩がジャズ好きで、意気投合してライブ・アンダー・ザ・スカイやブルーノート東京などに何度か行ったりして楽しいジャズライフを送っていた頃でもあります。

さて、このアルバム。コルトレーン派のリーブマンとコルトレーンには影響されたものの早くから個性を獲得していたショーターが、ソプラノ・サックスのみに徹して熱いバトルを繰り広げています。2人とも、もう出るは出るはのお得意フレーズ雨あられ。コルトレーンのようなシーツ・オブ・サウンドで音を敷き詰め叫ぶリーブマン。発想不明のマジカルフレーズを吠えるショーター。私にとって初期アイドルサックス奏者の2人。最高です。向かって右がショーター、左がリーブマン。

バックでは、美しくも逞しいコードをぶつけるバイラーク、唸りを上げるゴメスのベース、俊敏にパルスを繰り出して煽るディジョネットと、最強のトリオでしょう。この人達、ライブだからと言って危なっかしい場面なんてありません。全員一丸となって熱い演奏を繰り広げます。1曲目《ミスター・P.C.》を聴いてブッ飛んで下さい。一方《ナイーマ》は凄く美しいですね。

さて、このアルバムについて、後藤雅洋さん著「ジャズ・オブ・パラダイス」では以下のように書かれています。

~たまたま僕はそれを見ているので印象の深い演奏だ。デイブ・リーブマンという人は、元来がコルトレーンの研究をしていたのだから、彼がコルトレーンに捧げる演奏をするのにはなんの不思議もないが、この特別セッションではやはりかつてコルトレーンの影響を受けたこともある大物ウェイン・ショーターと二人でソプラノ・サックスを吹きくらべるところが見ものになっている。結果は、よりコルトレーンの音楽に近いということではリーブマンに、音色の迫力ではショーターに軍配を上げたい。

これを読んで、後藤さんもこのライブに行っていたのかと親近感を覚え、更にその軍配に納得したのでありました。なのに、なのに、当時のライブの記憶が今はほとんどないのです。今はせめてこのアルバムを聴いて当時を想うしかありません。

ちなみにこのCDのライナーノーツ、ラズウェル細木さんのライブ・アンダー・ザ・スカイにまつわるマンガのみというのが笑えます。マンガのタイトルは「マイルド・セブン・ライブ・アンダー・ザ・スカイ・ヨイショ!」(笑)。

今このCDって廃盤?中古CDを見つけたら即ゲットです!
DVDはありますね。

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ジャズ・アルバム紹介」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
私、このライブの映像は学生のときに何度も観ました。
《ミスターP.C.》のリーヴマンは、まるでF1レーサー。
挑みかかるようにソプラノを吹き、まるで、Gを顔面に受けているような凄まじい表情でした。

この加速とGのかかったソロのあとに余裕なフレージングからスタートするショーターの、ふっくらとした神秘的な音色にも魅了されました。

後藤さんのお書きになったとおりだと思います。

ショーターの音色に比べると、リーブマンの音色はちょっと痩せ気味かな。シャープではありますが、サックスが悲鳴をあげている感じ(そこがいいのですが)。

ただ、音から漂うただならぬ殺気は、やはりリーブマンならではのものでしょう。猛烈。圧倒されます。
演奏にのぞむ姿勢はコルトレーンそのものだったといってもいいかもしれません。

パンゲアよりダークメイガスが好きな私にとっては、たまりませんであります。


投稿: | 2011年1月14日 (金) 01時39分

雲さん

こんばんは。

>私、このライブの映像は学生のときに何度も観ました。

そうですか。凄いんでしょうね。
私もライブのDVDを買おうかな~と思いつつあります。

>ショーターの音色に比べると、リーブマンの音色はちょっと痩せ気味かな。シャープではありますが、サックスが悲鳴をあげている感じ(そこがいいのですが)。

リーブマンの方がシャープで悲鳴あげてますよね。
で、私もそこが良いです。
リーブマン、殺気を漂わせていますよね。
猛々しい。
雲さんがリーブマン愛なのはよくわかります。

私はどちらか決めなければならないとすれば、
やっぱりウェザーにいたショーターの演奏が好きです。

投稿: いっき | 2011年1月14日 (金) 02時08分

こんばんは。
私もこのライヴのときにいました。
懐かしいですね。ショーターとリーブマンの熱気が飛び散るような音が凄かった記憶が.

そのときに何やっていたかな?確かマイルス,とかワールドサキソホンカルテット,オーネットコールマンとか2,3年分の記憶が重なって,どれがどれだか...

あ,DVDいいですよ.オススメ.

投稿: ken | 2011年1月20日 (木) 18時31分

kenさん

こんばんは。

>私もこのライヴのときにいました。

嬉しいですね。
同じ時間を共有していたというのは。
ほんと懐かしいですよね。
あれから四半世紀近く過ぎました。

>オーネットコールマンとか2,3年分の記憶が重なって,どれがどれだか...

やはり記憶はあやふやになりますよね。

>あ,DVDいいですよ.オススメ.

今度買って見ることにします。
懐かしいだろうな~。

投稿: いっき | 2011年1月20日 (木) 20時36分

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